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Posted by ブクログ
この人の書く小説は、読んでいる間中ずっと温かい光に包まれているような感じがする(^ ^ 「金曜のバカ」みたいにどたばたした作品でも、である。きっと作者が優しくて、温かい心の持ち主なのだろうことが、行間から滲み出ている印象(^ ^
本作も、そんな「ほっこりする」作品ばかりを集めた短編集である。いつもながら、「天下国家に関わるような大事件」などとは無縁で。手の届く範囲内での、裏切らないハッピーエンド(^ ^ 心穏やかに読める一冊です。
内容的には、舞台も時代も登場人物もバラエティに富んでいる。子供は子供の、疲れた大人は疲れた大人の、それぞれの視線と感じ方で素直に描かれているが、共通している「ほっこり感」(^ ^
最後の作品だけちょっと異質で、落語家が独演会の「まくら」で、自分の若き修業時代の思い出を語る、という体になっている。私は元々落語が好きで、もちろん噺家の個性が出まくるまくらも大好きである(^ ^ なので、落語を全く聞いたことがない人より、本作を楽しめているのでは、とちょっと自慢(^ ^
Posted by ブクログ
2022/07/22
電車が話の主軸に絡む中編くらいの5つの話。どの話にも電車が絡んでくるのですが、それぞれのジャンルの話しで、電車から見える風景だったり、電車そのものの姿だったり電車の音だったり、それらを通じて人々の想いが色々と変化していく様子がとても読んでいて面白いなと思いました。
この本の中にある話の中で特に印象的だったのは「名島橋貨物列車クラブ」というもので、主人公が小学生たちなのですが、電車の姿や走る風景だけでここまで色々なことを考えられる小学生ってすごいなーと思いながらそれぞれの登場人物の気持ちに自然と感情移入することができます。
自分なりの懐かしい光景や、そういえば…!と思い当たる自分の記憶と比べながら読んでみると面白いのではないかと思います。
Posted by ブクログ
電車を巡る短編集
■やまびこ
一足先に帰った妻の待つ故郷へ向かう新幹線。
男は、現在、過去、未来に想いを馳せる。
■タイガースはとっても強いんだ
甲子園球場で大好きな女性と待ち合わせて、試合を見る予定が、車内で道に迷ったホーランドの老夫婦と出会う
■二十歳のおばあちゃん
愛知県の豊橋で、東京で走っていたのと、同じ路面電車に乗りたいという願いに付き合う、高校生の孫
■名島橋貨物列車クラブ
高架橋から貨物列車を見ることを楽しむ三人の6年生。
話し手の男の子が仲間の女の子への想いを膨らませていく。
■海を渡れば
四国から弟子入りをして、自分の昔話を客の前でする落語家。サンライズのお話
他愛も無いお話ばかり。
列車は過去、未来、夢、希望、辛い思い出を運んで、今日も走り続ける。
それを見送るひとと、見送られるひと同士も温かいなと思う。海を渡ればの、逃げ出した話し手に、車内でかけてくる電話の厳しくも優しい師匠の言葉が、素敵だと思う。
Posted by ブクログ
印象に残った二つのお話。
「タイガースはとっても強いんだ」
野球に魅入られ、タイガースの勝利を真摯に願う、ポーランドの帰国子女の男性(笑)
すでに一文目からして、あらすじにまとめにくい。今日は気になる同僚と一緒に観戦する日。
観戦日の勝ちパターンをルーティンとして守っている男性の前に、迷子のポーランド人夫婦が現れる……。
一人称語り手の標準語と関西弁の使い分けがうまく、読みながらボケとツッコミが展開される。
タイガースの試合を観に行く。
ただそれだけなのに、なんでこんなドラマが生まれるんだろう。笑ってしまう。
「二十歳のおばあちゃん」
祖母が昔使っていた、豊橋鉄道という路面電車に乗りに、孫が付き添うお話。
この作品は、内容が印象的だったというより、とあるシーンで、おばあちゃんから香るジャスミンの香水の描写で、私の祖母が付けていた化粧水の香りがぶわっと広がったからだった。
記憶と描写がうまく結び付いたのだろうか。
その後、瓶のようなボトルを手がかりに検査してみると、レモンアストリンゼンという商品っぽい。(ジャスミンではない)
電車は、時間を移動する。
懐かしい感覚に浸らせてもらった。
Posted by ブクログ
やまびこ
佐々木真人
生命保険会社の支店長。ファイナンシャル・プランニング技能士。新幹線で一関に帰る。
内藤
佐々木が契約を交わした顧客。
優人
佐々木の息子。
優美子
佐々木の妻。
佐々木の隣に座った女性
菊地
三浦
タイガースはとっても強いんだ
浜野努
阪神タイガース戦を見に行く。父親が自動じゃメーカーに勤めていて、四歳から十二歳の初夏までポーランドで過ごしていた。営業部。
中井澄乃
努が阪神タイガース戦の観戦に誘う。宝塚在住のお嬢。宣伝企画部。
ポーランド人夫婦
二十歳のおばあちゃん
美羽
母親の代わりに巣鴨のおばあちゃんと旅行をする。
美和の母
中堅惣菜販売チェーンの商品企画部チームリーダー。
ユミ
巣鴨のおばあちゃんと一緒に暮らしている叔母さん。
巣鴨のおばあちゃん
昔の路面電車に乗るため、豊橋に行く。
名島橋貨物列車クラブ
原颯太
鉄橋を渡る貨物列車を見ることが日課。
松尾塁人
鉄橋を渡る貨物列車を見ることが日課。体が小さくて運動も苦手。
白石
先生。
小林
タッツン
吉本
遠藤
学年主任。
伊藤萌香
5年生の秋からの1年間は毎日のようにあの橋の上にいた。
海を渡れば
勾梅亭一六
落語家。川崎市民会館で独演会を行う。
一昇
一六の師匠。去年亡くなった。
梅家するめ
落語家。
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