あらすじ
某大手ハンバーガーチェーンに勤める草野哲也は、雨降る深夜の帰り道、轢き逃げ事故を目撃する。あわてた様子で黒っぽいスポーツカーが走り去り、道路に小柄な青年が倒れている! 疲れた体に鞭打って人工呼吸までしたのに、青年は息を吹き返さなかった。しかも雨に曝されてずぶ濡れの服のまま明け方まで警察の事情聴取を受けた草野は、みごとに風邪をひき熱まで出てきた。死んだ青年の姿が見えるなんて、かなりの重症だ・・・・・・。轢き逃げ犯捜しの顛末を、主人公・草野と幽霊のふたつの視点から瑞々しい筆致で描いた著者デビュー作。
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房総グランオテルの次ですね。これがデビュー作なのか、最初から砕けた発想豊かさある、めちゃくちゃ面白いって事、これからどんどん読んで行くだろう自分。涼太と草野と奇妙な出会いから始まり、成仏する幽霊も出ている、車のドアを開けるが実際には残像だけが残るとかラーメンを美味そうに啜るとかアイデアが溢れてる、首コキコキが気付いてたのも面白いし、涼太が成仏するのも必然かな。デビュー作なのか言葉が多い気がするけど中身は越谷オサムさんですね。幽霊になっても人間関係出来上がるんだね、沖縄行くとかショウちゃんの家とか行かない所
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越谷さんらしい本でした。
しかもこれがデビュー作なんでしょ?
ビックリです。
発想もおもしろいし、伏線回収もしっかりしてました。
設定がおもしろいんだと改めて思い知らされました。
次、また読む機会があったら楽しみな作家さんでした。
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発売から長期間経過した旧作にテコ入れする際に用いられるボーナス・トラック。この本ではボーナス・トラックが、遊び心の愉悦とともに、忘れ難い記憶を聴き手の心に刻み込んだのだ。ハンバーガーショップの店員・草野が大雨の帰り道、轢き逃げ事件に遭遇する。轢死したのは大学生の亮太。亮太は幽霊となり、草野は亮太を認識でき、一緒に行動を共にすることになる。草野は亮太の明るい性格により仕事が好転する。亮太も自分を轢き殺した相手探しのため、草野に助けてもらう。人生では毎日、ボーナス・トラックを感じとれるように過ごしていたい。
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越谷オサムのボーナス・トラックを読みました。
ハンバーガーのチェーン店に勤務する社会人3年目の草野は車で真っ暗な道を帰宅する途中、ひき逃げの現場に遭遇します。
そして加害者の黒い車は逃走してしまいます。
被害者の大学生亮太は即死でしたが、草野にはなぜか亮太の幽霊が見えてしまうのでした。
亮太は草野の勤務先について行き、そこでアルバイトの大柄な大学生南と出会います。
南は幽霊が見える体質なので亮太を認識し、草野・亮太とひき逃げの犯人を捜すことになります。
陽気な幽霊亮太、生真面目な草野、幽霊嫌いだけど亮太の手伝いをすることになる南など登場人物の掛け合いを面白く読みました。
エンディングでネタばらしがあった後、ある場面を再度読み直して確認したくなったのですが、みんなそうなのかな。
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全く期待せずに読んだら、これが面白い。悲惨な話なんだけど、すごくほっこりするんだよねえ。こう云う人ばかりだといいのになあ~ この作者の本、ちょっと読んでみよう。「陽だまりの彼女」の作者なのか・・・
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ついてない大学生が夜車に轢かれて死んでしまい、たまたま居合わせた男にくっついて犯人を見つけようと遠回りしながら頑張る話。出てくるひとがみんないいひとで個性的で楽しいです。もうちょっと大切に日々を過ごそうという気持ちにさせてくれるお話でした。最後はありきたりかもしれないけれど感動です。
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主人公が幽霊というファンタジーのような設定の反面、実は意外と人間味溢れたお話。
登場する魅力的なキャラクターたちで展開も純粋に面白く、世界観に引き込まれて一気に読めてしまう。
越谷オサムの作品は心境変化の描写が上手くて、登場人物が成長していく様子が楽しい。
読み終わったあともスッキリとした気持ちにさせてくれる越谷オサム作品の特徴もあり素敵。
Posted by ブクログ
息抜きのつもりで読んでみたら、ちょっと前向きになれました。また更に、これが全く実家の近所の出来事。そういえば学生時代に大型ショッピングモールでバイト(ドーナツ屋だけど)で夜から朝まで仕事してた。なんか身近に感じる一冊になりました。
Posted by ブクログ
かる~く読めるのに、楽しくて感動する内容だった。
死んだら?
幽霊が見えたら。
今とは違う感じ方なんだろうなと思う。死んだら、客観的に見れるけど。知っている限り、生きているからこそ出来ることだらけ。
だけど、もしボーナストラックがあるなら。先に死が訪れた方に来たらいいなぁと思う人が居る。挨拶だけでも出来たら良いなと思う。
Posted by ブクログ
草野哲也
多趣味で充実していたといえなくもない学生生活を送っていた。業界大手ハンバーガーチェーンに勤める。十月八日生まれの二十五歳。
横井亮太
埼玉の二流半の大学に通っていたが、六月九日午前二時二十分に車に跳ね飛ばされて死亡する。十九歳。武蔵学院大二年生。
南浩人
草野の勤め先にいる学生アルバイトの中でもっとも頼りになる男。一八四センチ九十七キロ。
柳井
草野より六つ年長の社員。中途採用でキャリアは三年足らずだが、前職がファミリーレストランでマネージメント能力が高い。
店長
草野が勤めるハンバーガー店の店長。四十手前。二十代のころはかなりの「トンパチ」で、女性客にしつこく絡むチンピラ二人を店から叩き出した代償に出世が大幅に遅れたという伝説を持つ。
荒井
アルバイトの一人。
高橋
アルバイトの一人。
南愛子
高校生のアルバイト。しょうちゃんと呼ばれている。南浩人の妹。
野尻明日香
高校生のアルバイト。首をコキコキ鳴らす。
横井順子
亮太の母親。
カズヨ
亮太の父の姉。
横井亮一
亮太の父親。
絵里子
亮太の従姉。
ハタケヤマユウコ
南浩人に見える幽霊。複合ショッピングセンターの駐車場にいる。
藪本
Sスタッフの一人。大学の二部に通っている。
森田
大学生の女子スタッフ。
Posted by ブクログ
現実離れしている設定とはいえ、人間関係や職場等の描写にリアリティがあってうまく帳じりがとれていると感じた。
幽霊が登場する物語でありながら極端に暗くなりすぎず、かえって不自然に明るくなりもしなかったため読みやすかった。
野尻さんが良いキャラだったので、もう少し掘り下げて欲しかった。
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大雨の火曜日、ハンバーガーチェーンの社員である草野は、夜遅くに帰宅する途中で交通事故の現場に遭遇する。倒れている青年と、逃げてしまった黒いスポーツカー。青年は即死したはずであったが、翌朝目覚めるとその青年が自宅のソファで眠っていた…。
ネタバレにもならないだろうから書いてしまうと、弾かれて即死した亮太は、幽霊として草野と意思疎通をする話である。幽霊は草野以外には見えないし、声も聞こえないため、草野の職場をうろつくことで、第三者として草野の職場を俯瞰することができる。
一方で、作者によって工夫された幽霊としてのルール。草野以外には声も聞こえないとか、物を触ることができないとか、触ると物が分裂するなど、この作家のデビュー作の荒々しい部分はあるものの、考えられた努力の跡が見られるのは非常に好感が持てる。
常時いても怖くない幽霊、実の家族からも全く見えず、第一発見者の草野しか頼れないという悲哀の部分を湿っぽくせず、「新幹線も飛行機も乗り放題だぜ」というカラッとした部分が、この作品の魅力的なところであろう。
終盤では「レッチリのファースト(難解)」「鼻血ジャケット(Andrwe WK "I Get Wet")」など、小出しに出してきたところは、本当はもっと書きたかったのだろう。印象は悪くならないから、もっと書けばよかったのに。
オチはかなり早めに読めてしまうだろうが、それでも楽しめる作品である。
幽霊が出てくるというところで、大人っぽい小説ではないのかもしれない。でもまあ、子供に見せたくないような話も一切出てこなかったし、何よりもドライで明るい雰囲気は、中高生の読書感想文にも向いていると感じる。
Posted by ブクログ
幽霊とリアル人間がタッグを組んで悪者を探す、所謂バディもの。設定がそういうのだからファンタジーなんだが、一方で若者の日常生活描写がイキイキと?、描かれるリアル小説の部分もある不思議な小説。
幽霊側の主人公とリアル側の主人公が邂逅する前半部が少々しんどい。そりゃまぁ、ひき逃げされた幽霊と、その事故現場に巡り合った因果で風邪ひいてそれでも仕事をこなす人間側の主人公…なんて描写だからやむを得ないのだが。
その後、中だるみともとれる二人のグダグダ生活描写があるのだが、この中だるみ部分がなんとなくいいねんなぁ。もう一人の霊視者が出てきてからも、その良きウダウダが続く、良いなぁ。
後半は一転してスピードアップ、ひき逃げ犯を捕まえるクライマックスは読み応えありだが、ウダウダしてないので少々残念(おかしくなってる)
メリハリと言えばメリハリだが、その利かせ方にクセがある小説。ファンタジーとしてもミステリーとしても弱い部分があるが、そういうのは味付けで、この本の核心は若い男どものウダウダ描写を楽しませることなんだから、これで良し。
Posted by ブクログ
さすがはファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
作者の越谷さんはこういった日常性に非日常的なシチュエーションを折り込ませた舞台でキャラクターを動かす物語を語らせたらホント最高だよなぁ、感動してしまった。
おそらくプロレス好きなんだろうなぁというのがひしひしと感じられる。
ブックというか、プロレス特有のエンターティメント性。勝敗云々よりも見ている人をどれだけ喜ばせられるか、楽しませてナンボという世界感を感じた。
こういう独りよがりではない、娯楽性を追求する姿勢はすごく好き。
まいど結末をほろりとさせる構成力といい、ときおり心をほっと暖めるようなエピソードをちりばめるあたり、さすが。
Posted by ブクログ
好きな作家のデビュー作。なかなかタイミングが合わなかったがようやく読めた。
デビュー作から人の心に染み入る良い話を書くなぁこれ。
あんまり多作じゃないのが残念ではあるが、一作一作がとても良い話。
『ボーナス・トラック』、良いタイトルだ。
Posted by ブクログ
やっぱり越谷オサム作品は爽やか青春だね!
作品の中ここかしこに散りばめられたロック節もロック好きにはニヤリとさせられてグー!
最後はちょっぴりおセンチ気分になれるのもまた良いね。
Posted by ブクログ
物語のテンポが良く読み進めやすい。特に良太のキャラクターがコミカルで面白い。がっつりミステリーかと思ったが、人間模様を描いている部分が多い。どの登場人物も個性的で、一度登場したらイメージが出来上がり忘れない。魅力的だった。
Posted by ブクログ
幽霊となった主人公その2の
自身の葬儀から逃げても揺らぐことない
女性の着替えを覗こうとも思わない
どこか欠けているキャラクタが面白いが
それも含めて以前別作品に感じたと似ている種の
NHK「青春アドベンチャー」ラジオドラマのような変な上品さが特徴
あちらは深く入り込まないところが「上品」ぽさだったが
こちらは雨の降らない乾いた冬空の「上品」
ただ雨の真夜中に歩道もない道路を歩いていたら
轢かれても仕方ないんじゃないかと思わないでもない
そういう話ではないけれども
Posted by ブクログ
評価は4.
内容(BOOKデーターベース)
草野哲也は、雨降る深夜の仕事からの帰り道、轢き逃げ事故を目撃する。雨にさらされ、濡れた服のまま警察からの事情聴取を受けた草野は、風邪をひき熱まで出てきた。事故で死んだ青年の姿が見えるなんて、かなりの重症だ…。幽霊との凸凹コンビで、ひき逃げ犯を追う主人公の姿を、ユーモアたっぷりの筆致で描く、第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞の著者デビュー作。
最後成仏できて良かった良かった・・・と言う前に20歳そこそこで死んでしまった亮平のご両親を思うと・・・成仏できて良かったね。とは終われなかったのが本音。しかも、親は見えないし・・・。
Posted by ブクログ
日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞受賞作
亮太も草野も南兄妹も野尻(首コキコキ)も登場人物が良いヤツばっかだった。
読んでて色々な感情が湧き上がるし、読んだ後はホッコリした。
Posted by ブクログ
ある日ハンバーガーチェーン店で働く草野が仕事帰りに
ひき逃げを目撃したことで、そのひき逃げされた被害者が
幽霊になって草野の前に現れる・・・そして草野と
被害者である横井亮太の犯人探しが始まる。これだけ聞いたら
怖い話にもなりそうですが、とにかく明るい幽霊の横井亮太。
その二人を中心としたさまざまな話が展開されていきます。
個人的には最後は凄くしんみりしちゃいました。
タイトルになっている「ボーナス・トラック」の意味が
説明されていましたが、あぁ~そういうことか!
でもそれなら僕もそうなったときボーナス・トラックが
あればなんて思いました。
悲壮感なきミステリー小説そんな感じでしょうか。
Posted by ブクログ
草野さんと私は似てるなぁと思ったけど、きっとこういう人は多いんじゃないかな。
仕事に疲れた私たちには、亮太みたいな友達が必要だ。
「もっと周りを信頼しなよ」
Posted by ブクログ
ハンバーガーチェーンに勤める草野さんと幽霊の生活のお話。草野さんと幽霊亮太くんのやり取りが漫才みたいで面白い。本当は悲しいお話だけど、どこかほんわかしていて読後感がとても良かった。
Posted by ブクログ
幽霊の割りに人間くさすぎる亮太と生真面目な草野のやりとりが面白く最後にはちょっとグッときてしまいました。越谷さんのデビュー作なんですね〜おもしろかった :)
Posted by ブクログ
雨の夜、暴走車の後を走っていた草野は事故を目撃する。暴走車は逃走してしまったが、草野は被害者の青年に心臓マッサージをしてみたりマウスtoマウスを試みたり、あれこれ手を尽くしてみる。
その草野に死んだ亮太の声が聞こえ、姿が見えるようになった。
亮太は草野の住むアパートに同居し、草野の行くところに共に行く。
なんだかんだ言って、ふたりは良き友人なのだ。
ひき逃げ犯を見つけ、亮太が天に昇るまでのあれこれ。
だけど亮太がいなくなって寂しくなるなぁ。
Posted by ブクログ
会話がポンポン進むし、プロレスゲームしながらどうでも良い会話を描写してみたり、なんだろうね、日常?ていうかね。いやこれ読んでも読まなくても良いんじゃねって気がしてきたり、でも小難しいことばっか言われても読んでられんし、そういう意味じゃついーっと読めるわけですな。ストーリー云々というか、雰囲気を楽しんだ感じもしなくもない。
でも個人的にはもうちっと深みがあると良かったなぁ。
Posted by ブクログ
初読みの作家さん。
弱冠19歳の横井良太が深夜、雨の中でひき逃げに合って死亡する、その直後に現場を通りかかってしまった草野さん。草野さんはビビりながらも人工呼吸なんかして一生懸命助けようとするが亮太くんは即死していて。
その縁なのか、亮太の霊は草野さんにくっついてきてしまう。
最初は「幻覚」だと思い込んでたけど、さすがに幽霊だと気付いても、へーって感じでスルーするって(笑)ひき逃げで幽霊になった亮太にも悲壮感はなし✨
とても読みやすくてドラマの脚本のようでした!面白かったです☆彡
Posted by ブクログ
自然と引き込まれた。幽霊を含む三人の軽快さが楽しい。ハンバーガー屋さんで働く人たちの様子に、共通点があるようでやっていたバイトのことを思い出した。
Posted by ブクログ
越谷さんの本が好きで読んでみた一作。デビュー作なので期待しすぎず読んだけれど、やっぱり少し読むのに時間がかかりました。しかし、越谷さんのスタイルは既に現れていたなと。読み終わった後、切ないのに笑顔になれる。悲しいけれど、爽やかで明るい。結局みんなのこれからはきっと明るい。対照的な二人が交じりあって、良い方向に溶けて行くというのが素敵。
Posted by 読むコレ
青春系の作家さんとして注目されつつありますね。
未読だったデビュー作。日本ファンタジーノベル大賞
の優秀賞受賞作なんですね。それに恥じないほっこり
する秀作です。幽霊の登場する「相棒」ものですが
登場人物がどこにでもいそうなのに、それぞれの性根の
良さが厭味なく書けているのが好感度高し。
幽霊の登場する作品はもうその時点で非日常で
やり方によってはなんでもありになってしまいますが
その程良い、許容範囲の設定が難しそうです。今作は
割と自然にその設定を作れたのが功を奏しているんでしょう。
ミステリ要素は極薄味ですがそれが逆にこの作家さんの
いいところなのかもしれません。