越谷オサムのレビュー一覧
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「メイド服が着たい」それだけの動機で、青森の津軽メイド喫茶でアルバイトを始めた、相馬いと。津軽弁が抜けず、失敗ばかりの中、シングルマザーの幸子、漫画家志望の智美とメイド喫茶を盛り上げていく。
正直なところ、キャラクターの立ち具合が微妙なところが気にはなったものの、祖母でヴァン・ヘイレン好きのハツヱから津軽三味線を習い、最終的に三味線とメイドを出会わせるまでのストーリーは、大きな起伏はないものの、読ませるものがある。
本作のメインの部分は、三味線でも友人に見つかってしまうことでもなく、初めてのバイトでうまく行かないメイド喫茶での、いとと二癖はある他のキャラクターなのだが、全体に印象が薄いのは、キャラクター設定に起因するのではないかと思われる。
解説に、携帯電話向けサイトのライトノベルとして書かれたということが記載されており、2000~2010年あたりの、ダラッとした女子高生を描いた作品群の一つとして埋もれてしまうかもしれないものではあるが、三味線という小道具に繋がったところで光明が見えた感がある。
ところが、そこで終わる(始まりも同様)のだな。
で、続編が出ていると。ちょっと探してみますかね。
なお、楽器が出てくる作品なので、評価甘いです。 -
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シリーズ2作目
いとは2年生に進級
メイド喫茶リニューアル&津軽三味線のミニコンサート成功の後、ミニコンサートは週末毎に開催されるようになり半年
最近なぜか幸子も智美も常連の山本さんも何だか自分を避けているよう
以前とは違った方向で喫茶の居心地の悪さを感じるいと
一方、学校の方は早苗達と写真同好会を立ち上げ、1年生の男子も一人入部
そして、その石郷鯉太郎は相撲で県代表になるくらいの体格だけど、とても穏やかな話し方で……
前半はいとと周囲の人間関係が前作よりもギクシャクしていてちょっと辛い
ただ、その理由が判明する中盤から後半にかけてはところどころ涙ぐんでしまう
前作に比べて、いと以外のキャラにスポットも当たっている
幸子(と店長)、智美の両名の決着をここでつけて、3巻はいとの番という展開なのか?
そして学校の方ではせっかくうまく行っていた写真同好会なのに早苗との人間関係でやらかしてしまい……
本編ではやっぱり智美が全部持っていくという展開
ま、想定の範囲内さね
ってか、3巻では喫茶店どうなるんだろうね?
智美の抜けた穴は結構大きいと思うんだが?
いとは恋心の指標として、右の人差し指がむずむずする描写がされているのがウケる
三味線を弾きたくなるとかってことなんだろうかね
あと、方言の描写が前作よりも生に近いものになっている
ま、実際にどうなのかはよくわからないけど、違和感を感じる部分が少なくなってはいたかな
それとも僕の基準が緩くなっただけかも?
ライブの回数と描写の細かさが増えて、三味線についての知識がないとよくわからない部分が増えた
やはりこの手のものは実写化なりアニメ化なりした際にわかりやすくなるものなので、映画ではどんなものになっているか楽しみですなぁ -
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ネタバレ高校三年生になった「いと」。
受験・進路のこと、家族のこと、
バイト先のこと、そして恋の行方と・・・
なかなかたくさん詰まった1冊でした。
しかしいとがここまで具体的に
将来のことを考え伝えられるようになったのは
いとが作中で言ってたように何かがきっかけで
急になったのではなく、バイト先の人達や
高校の友達や後輩、父やばあちゃんなど
色んな要素が加わり、いとの中でゆっくりと
成長していったのだと思うと人と人の
つながりって凄く素敵なことで大切なことだと
改めて思いました。登場人物は基本的に
素敵な人だらけで心が温まる。
そしていとのスペシャル有名になった
ハツヱばあちゃんの三味線・・・
一度聞いてみたい。
映画化になると聞いてどんな感じに
なるか少し楽しみです。 -
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さすがはファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
作者の越谷さんはこういった日常性に非日常的なシチュエーションを折り込ませた舞台でキャラクターを動かす物語を語らせたらホント最高だよなぁ、感動してしまった。
おそらくプロレス好きなんだろうなぁというのがひしひしと感じられる。
ブックというか、プロレス特有のエンターティメント性。勝敗云々よりも見ている人をどれだけ喜ばせられるか、楽しませてナンボという世界感を感じた。
こういう独りよがりではない、娯楽性を追求する姿勢はすごく好き。
まいど結末をほろりとさせる構成力といい、ときおり心をほっと暖めるようなエピソードをちりばめるあたり、さすが。
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『陽だまりの彼女』で有名な越谷オサムの短編集。
越谷作品を読むのは3作目になるが、タイトルに惹かれて購入した。
「金曜のバカ」
「星とミルクティー」
「この町」
「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」
「ゴンとナナ」
の5つを収録。
「金曜のバカ」
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援助交際をしている様子の女子高生と、彼女のストーカーである引きこもりのお話。
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二人の更生物語か、もしくはストーカー事件が起こるのか、はたまた二人が恋に落ちるのか…と思って読んでいたら、なんだその展開は!
越谷オサムの作品は予想を上回るというより、予想とずれているという感じがする。
もちろん褒め言葉だ。
結末で単純なボーイミーツガールを突っぱねたのも好印象で、カナのセリフになぜかドキッとしてしまった。
「星とミルクティー」は単純な構成だが、5つの短編の中で1番いい。
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主人公が流星群を見に行った川辺で、女の子と出会うお話。
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全体的にやわらかい文体をしていて、セリフ回しもロマンティックだ。
やや陳腐かもしれないが、「また、星が降る夜に逢えたらいいね」というセリフは印象的。
『陽だまりの彼女』は不必要なほどベタベタに甘かったが、こういう文章も書けるんだなぁと思った。
なんてことのないセリフだが、ラスト1行の雰囲気が好き。
「この町」は、強く共感できる作品だった。
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愛媛県の松山に住む高校生の主人公は、田舎の地元を毛嫌いしている。
そこで、冬休みに彼女と憧れの東京に行く計画を立てるが……。
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私も外の世界を知りたくて地元を離れた大学へ行き、東京で就活をして、結局地元へ戻ってきた。
だから、主人公の考えもよくわかるし、同時に何も知らなかった自分を振り返ると恥ずかしい。
しかし、外の世界に憧れを抱くことも、自分の小ささを知ることも、経験の一つだ。
そして、主人公の愚かさを責めるわけでもなく、大人の見識をひけらかすわけでもなく、見送る寂しさを素直に表現した聡子先生のような人は素敵だと思う。
「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」
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恐竜オタクの主人公は、気になる女の子と恐竜博に出かける。
過去の経験から、彼女に引かれないようにオタクであることを隠そうと努めるが……。
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起伏がない作品だった。
起承転結が成立していても面白くなるとは限らないという実例。
唯一感じ取れるメッセージとしては、「価値観は自由だから、それを隠す必要はない」といったところか。
「ゴンとナナ」
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吹奏楽部をやめたナナ。ナナを復帰させようとする後輩の男、荻野。そして荻野の行動をやめさせようとする女子部員、君原。その様子を見るナナの犬、ゴン。
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ナナの視点とゴンの視点があり、リンクしていておもしろい。
ただ、視点のリンクによって読者は救われた気になるかもしれないが、当事者のナナはあまり救われてないよなぁ。
そのうちなんとかなると言われたって……。
なんだか小説としてまとまりきっていない印象を受けた。 -
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ネタバレ「金曜のバカ」「星とミルクティー」「この町」
「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」「ゴンとナナ」の
5編からなる短編集。タイトルからどんな話かと
思ったんですが、どの話もそれぞれ短編ながら
なかなか面白かったです。
「金曜のバカ」は天然女子高生VS.引篭もりストーカー。
「星とミルクティー」ちょっといい感じのSFストーリー。
「この町」は思春期男子のバカっぷりが見事に書かれ、
「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」お互い秘密を持った
二人の青春ストーリー。「ゴンとナナ」は飼い主と
飼い犬のはなしでどれもクスクス笑えながらサクッと読め、
読み終わった後はほわぁ~んとなる作品でした。 -
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*それでは二人組を作ってください(朝井リョウ)
姉とルームシェアをする大学生のリカ。小さい頃から二人組を上手く作れず、今回姉が婚約者と同棲するために出ていくことになって、友達の智美をルームシェアに誘おうとするが…
きっと女性なら必ず感じる、「二人組を作る」イベント時に感じる不安を上手く表現されていた。後味はすっきりしない感。
*隣の空も青い(飛鳥井千砂)
同じ会社の男性先輩と急遽、韓国出張に行くことになった男性主人公。宿泊するホテルの部屋が手違いでダブルの部屋で。。
国問題も少し表現されていて、でも希望が見い出せる素敵なお話だった。個人的に飛鳥井さんのファンなので読めてよかった。
*ジャンピングニー(越谷オサム)
プロの漫画家を目指し睡眠を削り死にものぐるいで生活する智美とチャンスを掴みそうなプロレスラーの彼氏との同棲生活。
*女子的生活(坂木司)
東京でともちゃんとルームシェアして女子的生活を送るミキ…
少しだけミステリチックになってて面白かった!
*鳥かごの中身(徳永圭)
ひょんなことから小学生のななかを預かることになった主人公のお話。
*十八階のよく飛ぶ神様(似鳥鶏)
突然、神様と敵が現れるお話。敵から身を護ってくれるという神様と数日同居をするが…
*月の砂漠を(三上延)
大正、昭和時代の夫婦の話。その時はまだ珍しいモダンなアパートメントでわずらわしい規則にうんざりして生活する八重のお話。
*冷やし中華とマヨネーズ(吉川トリコ)
13年近く同棲をする恋人の物語。
アンソロジーの最後に相応しい、少し切なくでも明るく前を向ける作品でした。 -
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海辺の民宿に季節はずれのお客さんが運んできたのはーー
二泊三日の素敵な奇跡!
~ようこそ、わが愛しのグランオテルへ! ~
東京から特急列車でわずか一時間二十分、青い海と月色の砂浜が美しい南房総・月ヶ浦。
この町で生まれ育った私、藤平夏海は十七歳の高校二年、民宿「房総グランオテル」の看板娘だ。
相棒は、すさまじい美少女なのに中身がアホすぎる従姉妹のハルカ。
私たちの楽しみは、オフシーズンにしかできない客室でのお泊まり会だった。
明日は休校、空室ありの絶好のチャンス! のはずだったのに、今日のお客さんたちはどこか様子がおかしくて……。
海辺の民宿を舞台にとびっきりの奇跡が起きる、最高にキュートな物語。