木下昌輝のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ宇喜多秀家は知っていましたが、宇喜多直家のことは名前すら知らなかった状態で読みました。構成がうまいのか、最初の捨て嫁では、直家は娘に対してさえも非情な行いをするダーティーな戦国武将として描かれていますが、次の短編、次の短編に進むにつれてそうではないんだという見方に変化していきます。一生をかけた壮大な復讐劇と、どんな手を使ってでも領民や臣下たちを大切にする、そのためにあえて非情を選んだ男の話かなと私は思いました。このお話の中の直家は本来こんな下剋上なんて全然興味はない、ただ家族と臣下と領民を守りたい、それだけの人だったろうと思いました。
-
Posted by ブクログ
先に「決戦!関ケ原2」を読んでしまったので、こちらも。
今回は徳川家康(伊東潤)、可児才蔵(吉川永青)、織田有楽斎(天野純希)、宇喜多秀家(上田秀人)、島津義弘(矢野隆)、小早川秀秋(沖方丁)、石田三成(葉室麟)。
2を読んだ時も感じたが、この戦いほど様々な思惑が交錯した戦いもないように思える。裏切りや傍観や致したかなく、という気持ちで参戦する者、戦いが終わった途端に保身や論功行賞に走る者、純粋に戦うことを突き詰める者、自分自身でなく自分の国をどう守るかに徹する者…。
この戦いでの勝者と敗者ははっきりとあるものの、その後の人生や評価、あるいは自分自身が顧みての勝者と敗者はそれぞれで、何が勝 -
Posted by ブクログ
ネタバレ徳島藩は藍の生産が盛んだったが、大阪商人の支配に苦しめられていた。蜂須賀家の徳島藩は借金が30万両に及び財政破綻の瀬戸際にあることから、新しく領主となった蜂須賀重喜のもとに藩政改革を進めようとする。
阿波には、秘色に染めた品を友と共有すれば互いの願いが叶う、という特別な言い伝えがある。柏木忠兵衛は、藩主と約束した秘色の手拭いを身に着け支え続ける。時間はかかったが、藍大市を立ち上げ大坂の商人が支配していた阿波の藍の取引を他国の商人に開放した。
藩政改革で藩を立て直す青年家臣たちの成功物語を期待して読み進めたが、最後の展開があっさりしすぎて物足りない。亡くなった兄と巻き込んだ剣客との確執、片頬に火 -
Posted by ブクログ
ようやく、、
面白かった。若くて熱いわ。
個人的に徳島というと、若い頃は毎年何度か遊びにいったりして、
和歌山と文化やら味付けやら、妙に似ているところもあって、
勝手に親近感を抱いてます。
あと、蜂須賀氏というと、鳥屋的には蜂須賀正さんが
すぐに頭に出てきます、ドードーの研究者。
藍産業も有名ですよねぇ。
重喜のころに日本国内の藍をほぼ独占してたとか
習った記憶があったんだが、
吉川本とか読んだ記憶が、、
なんか、田沼意次っぽい重喜だったような、、内容がおぼろげだが。
ともかく、本作
大変軽く読みやすく、テンポもいいし
ほんとのところはともかく、
重喜像としてはするりとはいってきた。
まあ、老 -
Posted by ブクログ
史実に基づいた時代小説。30万両の借金を抱えた徳島藩。頑迷な5人の家老達と中堅若手4名の若手藩士が藩の運営で対立する。4名の固い約束が「秘色の契り」となり、これが他藩より養子に入った殿様にまで繋がる。この殿様が問題児で賢いのか馬鹿なのか、味方なのか敵なのかハッキリしない。やっと若手と動き始めたら、皆んなが反対する策を唐突に推し進める。
強引な計略で5人の家老を没落させて、若手を家老にする。ここまでは良いのだが、突然、謎の集団が現れてきたり、また反対された策を推し進めようとする。
最後は信頼で結ばれた4人にもヒビが入る。改革が実を結ぶのは100年後とか。途中からスッキリしない展開に気が重くなって