木下昌輝のレビュー一覧
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先に「決戦!関ケ原2」を読んでしまったので、こちらも。
今回は徳川家康(伊東潤)、可児才蔵(吉川永青)、織田有楽斎(天野純希)、宇喜多秀家(上田秀人)、島津義弘(矢野隆)、小早川秀秋(沖方丁)、石田三成(葉室麟)。
2を読んだ時も感じたが、この戦いほど様々な思惑が交錯した戦いもないように思える。裏切りや傍観や致したかなく、という気持ちで参戦する者、戦いが終わった途端に保身や論功行賞に走る者、純粋に戦うことを突き詰める者、自分自身でなく自分の国をどう守るかに徹する者…。
この戦いでの勝者と敗者ははっきりとあるものの、その後の人生や評価、あるいは自分自身が顧みての勝者と敗者はそれぞれで、何が勝ちで何が負けかは分からない。
それらを七人の作家人が七様に描いてくれたのでどれも面白かった。
個人的には安国寺恵瓊も面白そうな人物で、その後に別の人物像で描いてもらえないだろうかとも思った。
この中では織田有楽斎や宇喜多秀家、小早川秀秋は面白かった。 -
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孫氏の兵法に言う
百戦百勝は下策
戦わずして勝つが最上策
この言葉の真意を、儂はこう考えておる。国の礎は民。たとえ、どんなに見事な勝ち戦であれ、その民は疲弊する。これを安んじて勝つものこそ、王道を歩み乱世をただせるとな。
だからこそ兵を発する時は、どんな手段を使ってでも損害が少ない戦い方をせねばならんのじゃ。戦って勝つのが最善ではないからこそ、次善を全身全霊で探し当てねばならぬ。己の名誉のために無策にも正面から攻めるなど、決してあってはならぬ。正々堂々という耳触りの良い言葉を並べて、家臣や足軽、人夫を死役に駆り立てるなど言語道断の所業じゃ。
宇喜多直家が石山城(岡山城)に移ってから、中国各地から大量の流民たちがやってきていた。
戦災で村を焼かれた者や戦で不具になった者ばかりだ。“悪逆の将”と恐れられる宇喜多の居城を、流民たちが目指す気持ちがわからなかった。だが、流民たちに聞くと、案外に宇喜多直家の評判は悪くなかった。
敵が少しでも強いとみれば、謀略を駆使し時に仕物(誅殺)も辞さず、それでもなお強大な場合は恥も外聞もなく降伏し、また隙を見て裏切る。武士の風上にも置けぬ男だが、足軽や人夫たちにとっては、何年も無謀な籠城をさせられたり、負け戦に玉砕を命じたりする大将よりよほどましらしい。自分の娘さえ躊躇なく謀略の手にする腕も、彼らにしてみれば天上人の不幸で実感がわかないと言う。
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なかなか面白い趣向の短編集
中心は宇喜多直家だが、時代と視点が異なるので
まさに違う観点での人物評となる
3と4を迷った
中盤までは4
しかし最終編がいまいちいまに。一番面白くなかったので3
いや中盤は本当に面白かった
播磨のあたり
兵庫県から岡山の東部は細かい争いが戦国でも有数の多さだったのだろう
歴史物は武田信玄や織田信長、上杉謙信など京都の東側がメジャー武将になってしまったが、赤松や別所
または毛利あたりが、戦国をとっていれば、この辺が中心となる物語ばかりになったんだろうと思う
歴史物はどこからどこまでが史実に近く
どこまでがフィクションなのかいつも図りかねる
物語として面白いことは重要だが
あまりにかけ離れると読みづらいものだ
ちなみに今の大河ドラマ
本当にアホかと思う
欲望剥き出し、自分さえよければ、他のやつなんてどうでもいい
という日本の歴史の中でも稀有な時代を
サザエさんみたいなドラマにしてどうするのか
と思う今日この頃 -
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木下藤吉郎と小一郎の兄弟が、
清州城の台所奉行から始まって、立身出世を重ねていく。
そんな天下取りの戦国時代真っ只中で、
ここぞという正念場には、
包丁人・大角与左衛門が現れて、兄弟たちに転機をもたらしてくれる。
与左衛門の食事は
関係を見つめ直すきっかけになったり、
味方を鼓舞したり、
重大なことを決心させたり。
おのずと人とのつながりが見えてくる。
人たらしと言われる秀吉にとって、大きな切り札になっているところがおもしろい。
そしてそして、
サイドストーリーとして
最高に美味しい未知の食べ物「醍醐」の追求が描かれているのも、おもしろかった。
天下人となった秀吉が与左衛門に命じた「醍醐」作りは、
秀吉の死後に未完成のまま秀頼に届けられ、
豊臣家の終焉の後に家康に捧げられ、天下飯として完成形となる。
なんか食で歴史のバトンが受け渡された感じ。
歴史浪漫だった。 -
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武田信玄の娘松姫が信玄の死後、その5つの悪行の秘密を解き明かしていく。その都度執拗に武田家に対する恨みを持った刺客に狙われ続けてすったもんだなわけですが、その謎解きが始まるまでが長かった。ページ数として全体の1/4強がプロローグ的な内容で必要とはわかるものの、これからどうなるか当たりも付けられないまま信玄が亡くなるまでが描かれるので読むスピードが全然上がらななかったが、そこからは怒涛の一気読み。かなりエンタメ寄りの内容なれど、信玄の悪行(実父の追放等)と言われていることが実は。。。という解釈もなかなか手がこんでいて一気に読めてしまった。それが信玄の悪行かどうか認識に差はあれど、信玄の行動がこういう事情があったのだという一つの見方として面白味のある物語になっていると思う。
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徳島蜂須賀家では九代藩主が急逝し、他家から養子を取ることになる。30万両の借財に苦しむ徳島藩は英明な藩主による直仕置による藩政の立て直しを目指し、佐竹家の分家新田藩の四男佐竹岩五郎に白羽の矢を立てる。末期養子が決まり蜂須賀重喜と名前を変えた岩五郎は当初藩政に興味を持っていかなかったが、苦しい生活に喘ぐ藍作人の一揆を期に、一本木な物頭柏木忠兵衛に心を動かされ急進的な藩政改革を実行する。藩政改革に五家老は反対するも次々と失脚させ、忠兵衛初め若き家臣達を登用する。一方、藩政改革を失敗させ淡路の大名になろうとする稲田植久、元盗賊の大阪商人で徳島の藍作人を苦しめる金蔵、足利家の末裔で蜂須賀家亡き後の藩主になろうと思い描く平島義宜のその家臣細川孤雲は密かに蜂須賀家を傾ける悪事を行う。
藩政改革はなるのか。結末は意外な展開に、、、
今も昔も性急な改革は歪みを生み、それに非論理的な理由で反対する旧勢力が存在する。
改革を進めるのは本当に難しい。