木下昌輝のレビュー一覧

  • 絵金、闇を塗る

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    大好きな絵金の話ということで。
    残念なのは、絵金がすでに完成した超越的な天才として描かれており(大河ドラマ的である)、なんでこうなったのストーリーが薄い点。さらに絵金の話というより絵金に影響を受けた色々の有名人視線で進むため、本質にはあと一歩で触れられないまま終わること。

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    2022年03月03日
  • 宇喜多の捨て嫁

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    面白かった。宇喜多直家のイメージがあまりなかったので新鮮だった。宇喜多秀家が正義感が強いイメージなので、そのギャップも面白い。浦上氏も初めて知った。あとちょっとで星四つだったが

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    2022年02月19日
  • 天下一の軽口男

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    彦八という人間を通して世相やら文化やら歴史やら笑いやらを感じた一冊。木下先生、絵金さんとかの時にあった物足りなさも今回はたっぷりで大満足。

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    2022年02月09日
  • 信長、天を堕とす

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    織田信長は、歴史時代小説で取り上げられることの多い人物の中でもその最もたる一人だろう。
    それゆえ、作家は独自性新規性を如何に表すかに注力せざるを得ない。
    本書では、「恐怖」をキーワードに、様々な場面で信長の行動を繋いでいる。
    「あれ以来、信長は恐怖を感じたことがない」
    大阪本願寺との死闘にけりがついて、信長が得たもの「それは恐怖だ」
    「光秀と信長は似ているが、決定的に違うところがある。それは、恐怖を知っているか、否かだ」
    日本に恐怖させる存在が見いだせないことから、朝鮮、明国、天竺を征討することに、信長は思い至る。
    横死により果たせなかったことを実行したのが、秀吉ということか。

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    2021年10月31日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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     著名作家のアンソロジー『足利の血脈』ですが、副題で、さくら一族の聖戦と付け加えたい。鎌倉公方〜古河公方・堀川公方の興亡と支える忍者の物語。読後としては足利の歴史よりさくら一族の伝奇。面白い企画かと思いますが、個人的には各作品の波が合わず、一人の作家の連作の方が読みやすかったのでは思います。しかし第七話は最終話にふさわしく感動しました。本作は二度目の方が良いかもしれません。

     足利義輝弑逆から織田信長謀殺はもっと盛り上げて欲しいところです。しかし敵城に大胆に忍びこめる信長の忍びは、どうして光秀の京洛進入を安々と許したのか?疑問のままです。某歴史の専門家は本能寺の変に即応した秀吉は忍びを信長の

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    2021年10月16日
  • 決戦!桶狭間

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    歴史小説はまったく未知の分野で、初めて読んだ。
    自分好みで選ぶならまず選ぶことがない。本棚左から読んでいるから、順番で手にしたのだ。

    興味が薄いから、尚更恥ずかしいくらい歴史がわからない。桶狭間の戦いは、織田信長が今川義元の首をとった戦いだとわかった。こんな感想を言っていることが、とにかく恥ずかしくなる。
    途中で、誰が誰だか、味方が敵かわからなくなった。
    読んだというか、目を通したに近い。最後の花村さんの文章は、知識の乏しいわたしには読みにくさも加わり、スルー。
    機会があれば、再読したい。1度目よりはわかってくるだろうと思うから。

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    2021年09月15日
  • 絵金、闇を塗る

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    絵金と呼ばれた天才絵師の生涯を描いた時代小説。
    狩野派以外は認められなかった時代に、独自の画風で一時代を築いた彼の生き様が迫力を持って迫ってくる。
    市川團十郎や市川海老蔵と出会い、故郷の土佐へ戻ってからは、武市半平太や坂本龍馬と交わる経緯は、著者の創作だろうが・・・
    「百歩譲って芸術を描いちょったとしても、作品が後世に残ることはないろう」と言われる「蝋燭の炎と夏の闇夜で見ることを前提とした」絵金の絵が現在どこかに残っていたら観てみたいものだ。

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    2021年08月31日
  • 絵金、闇を塗る

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    幕末を生きた天才絵師・弘瀬金蔵、通称<絵金>。その絵に魅入られた土佐の名士達の生涯を描き出す連作短編集。絵金に関する知識が皆無なので、ネットで作品を検索してみたところ、蝋燭の火に照らされた鮮烈な赤色が目に残る。絵の魔力に囚われ、夢と現実が交錯していく物語は「人魚ノ肉」にも近しい質感。狩野派からの離脱、歌舞伎役者との邂逅を経て、尊王攘夷の起爆剤となる絵金の作品。芸術は時代の写し鏡という言葉を借りると、最終章の幕引きが一層妖しく香る。しかし、絵画が題材の作品は実物を見ない限り、補完出来ない部分が多かったり…。

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    2021年06月30日
  • 宇喜多の捨て嫁

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    高校生直木賞他受賞との事で読んでみたが、裏切りと策謀で名を馳せた宇喜多家の内容であり凄まじい残虐な話しが多い。構成も年代が行ったり来たりで分かりづらいのに、女子高生が多い中での受賞は不思議な気がした。解説で受賞理由を見ると何度か読み直すことで内容の深みが分かるそう。非道・残虐すぎて再読は暫く先になりそう。

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    2021年06月26日
  • 戀童夢幻

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    ネタバレ

    出雲阿国は10代の頃から男装して各地の大名のもとを渡り歩き、信長、利休、秀次らの死にも関わっていた—-
    だったらそのタイトルなんなのよ、と思ったが女とわかったら面白くないから仕方ないのか。

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    2021年05月22日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    ネタバレ

    足利義教は時宗の阿弥を諜報網のように使っていた
    と明石散人先生が書いていた気がする(未確認)

    万寿王丸主役、自分を囮にして赤松満祐邸に義教を
    呼びつけ暗殺した
    本作において阿弥は踊念仏の集団として万寿王丸の
    潜む郷に乗りこみ、義教の手で一緒に斬殺された
    証拠隠滅らしい
    しかし、諜報網を早く手放したツケが自分の死を防
    げない事につながる

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    2021年04月24日
  • 宇喜多の楽土

    ネタバレ 購入済み

    西軍の要

    宇喜多秀家。
    謀将の父、直家の息子として生まれ
    秀吉の後見を経て、やがて大大名として名を馳せる。
    ただし、配下の派閥争いを裁くだけの手腕は無く、御家の切盛りもままならぬままに関ヶ原へと向かう。

    豊臣家に対し、忠実に仕えたイメージから
    清廉潔白で真っ直ぐな人物という描かれ方をすることが多く、本作でも地元に根付いた民の為に戦う決意を固める…といった優しい部分が描かれている。
    ただし、個人的なイメージとしては
    爽やかな振る舞いの裏で喧嘩っ早く、他者を下に見る傾向がある人物と思っている。
    (立花宗茂とのエピソード等)
    それは悪い事ではなく、誇りある武将として己の存在に一切の疑問を

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    2021年02月23日
  • 宇喜多の楽土

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    宇喜多秀家に対し、本書で、秀吉は「金将の一歩手前、と金」と称している。言い得て妙である。
    前田家の姫を奥方に迎え、秀吉の引き立てにより、豊臣政権の最有力大名となった。
    果たして秀家はどんな武将であったのか、興味は尽きない。

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    2021年02月17日
  • 戀童夢幻

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    ネタバレ

    妖艶な芸能の徒が安土桃山時代を動かしていく歴史小説。

    同時代を描いた大河ドラマ「麒麟がくる」が終わったので読みました。
    著者の作品はマイナーな実在人物を取り扱うので勉強になります。
    森仙千代(忠政)、簗田河内守に始まり、梅若太夫、瀬田掃部、蒔田淡路守、波多野図書、陶義清、不破万作、井戸宇衛門、名古屋山三郎と盛りだくさんです。
    大河ドラマで描かれなかった丹波八上攻めが描かれていてよかったです。
    物語として、はじめはTVでは描けないような念友(衆道)の話かと思いましたが、一人の人物が歴史の大きな事件に関与する伝奇ものとも取れました。
    しかし、主人公の正体がわかった後の最終章で多様性を守る人の物語

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    2021年02月11日
  • 宇喜多の楽土

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    面白く読めた方だと思うが、宇喜多の捨て嫁のインパクトが強すぎて、薄く感じてしまうかなぁというところでした。

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    2021年02月06日
  • 宇喜多の楽土

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    「宇喜多の捨て嫁」が素晴らしい作品だったので期待をして読んだが普通の出来という感想だ。
    この作家が描く「宇喜多」の作品はデビュー作が凄いので評価のハードルが高くなってしまう。

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    2021年02月04日
  • 決戦!本能寺

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    緊急事態宣言の中、令和二年のGWに読んだ歴史小説です。何も活動のできなかったGWでしたので、読書だけが楽しみでした。

    この本は有名な本能寺の変を題材にしていますが、7人の武将の立場から見た形でストーリーが展開しています。新しい歴史小説の形で楽しいです、事件現場の空から中継を見ている感じです。

    以下は気になったポイントです。

    ・源頼朝の鎌倉幕府も、足利尊氏の室町幕府も、どちらも憎悪と野心をたぎらせた親族と家臣達が互いに憎しみ合いながら敵と戦っていた。だからこそ彼らは幕府を開けた(p67)

    ・肩衝(かたつき)とは肩の部分が尖った茶入れで、楢柴は初花肩衝、新田肩衝と並び「天下三肩衝」と称され

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    2020年12月30日
  • 決戦!本能寺

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    本能寺に関わる人の話ではあるけど、なんか距離が遠い。もっと、本能寺そのものを色んな視点から描くと面白いと思う。

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    2020年12月14日
  • 戀童夢幻

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    う~ん、これは評価が難しい。思ってたのと違って面白いという部分と、思ってたのと違ってガッカリという部分が混ざりあって何とも言えない読後感。

    織田信長、森乱(蘭丸)、明智光秀、梅若太夫、千宗易(利休)、豊臣秀次、不破万作、豊臣秀吉、徳川家康…様々な武将や武士や芸能者たちがある者に惑わされ心を揺さぶられやがて破滅へ追いやられていく。その者の名は…加賀邦ノ介。

    武士の衆道の世界がベースにあるのだが、第一章、第二章では単なる恋情や芸道の上での嫉妬にかられて…というよくある話。主従や立場の違いを超えた『一対一』の関係、『たがいの心と体を共有し、一心同体になること』という、死線を共にする武士ならではの

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    2020年12月13日
  • 戀童夢幻

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    戦国時代のあらゆるifを紡げる木下さん、こんな角度もお持ちなのか。。“通好みの安土桃山エログロ傾奇ファンタジー”というかんじ。三英傑すべてにダメージを与える邦之介、、いやダメージではないのかな。その正体もだれもが知るところの人物で。うーん。こういう仮説を生み出せるってとこがまずスゴイ。
    これは映像化は難しいだろうなあ。脳内に描くのですら、邦之介が見ている色を想像するのも、能の躰捌きをイメージするにも、読み手側に器が要求されて、読み手としての力不足を感じてしまった。にしても、有名な鶴の汁の場面とか、光秀の饗応失態は実は。。みたいなのも、今更なかなか手をつけにくい場面に斬新に斬り込んでるよなあ。歌

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    2020年11月22日