あらすじ
家康が呪われた。謎の呪詛者を宮本武蔵が追う!
満場一致で第12回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞!
徳川家康にかけられた「五霊鬼の呪い」。
どんでん返しの連続!
謎の呪詛者の正体を宮本武蔵が追う──!
大坂の陣前夜、天下統一を果たした家康を呪詛した「呪い首」が発見される。
呪いをかけた者を突き止め、生け捕りにする依頼を受けた武蔵。
太平の世も近づき、己の剣はもはや時代遅れになったことを痛感し、
依頼を拒んだ武蔵だったが、
たった一人、自分を一途に慕っていた弟子が呪詛者に惨殺されたことを知る……。
乱世が終焉を告げる中、滅びゆく者たちの最後の戦いが始まる。
血湧き肉躍るエンターテインメントにして、読む者の心を震わせる傑作。
五霊鬼の呪いの言い伝えとは──
一、諱(いみな)を刻まれた者は二年のうちに呪い殺される。
二、呪いを解くには、妖かし刀で呪詛者を殺さねばならない。
三、妖かし刀を破壊すると、破壊した者と呪詛者の九族が死に絶える。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
場面転換が早くてついて行くのに必死だったけれど、どんでん返しの連続で、一気に読み終えてしまった。読み終わった直後は胸が熱くなって、しばらく放心状態に。
Posted by ブクログ
途中まで宮本武蔵を探偵役にした時代ミステリー、という感じで読んでいたけれど、最後の方になるに従って、あまりの展開の早さと、場面の切り替えに、話に着いていけなくなった。この作品は、かなり精神力を必要とする。
「帯に短し襷に長し?」
2024年9月読了。
本書が本屋大賞(時代小説部門)受賞作と聞き、ふと手にした。著者は『宇喜多の…』シリーズで知っていたのだが、本当にコレで受賞したのかと首を傾げるレベルで、非常に残念な出来だった。
以下、マズいと思った点を挙げると…、
この作品の褒め言葉で「どんでん返しのミステリー…」とか「山田風太郎ぱりの…」等の惹句が書かれているが、そういう要素はほぼ無いと断言できる。
「犯人探し」と言っても、宮本武蔵が行き当たりばったりに犯人を探して右往左往するだけ。特別にアッと言わせる要素も無し。
それから《山田風太郎ばりの…》と言うには、『呪いの仕組み』の辺りの設定がチャチ過ぎる。又それを、作中で著者自身が「呪とは、所詮は人間自身が引き起こすものであって、呪い単独では成立しない」と文中で書いてしまっている為、元も子も無い結果に…。散々、多くの人々を惑わせる本作の『妖刀村正』とやらも、迫力も妖気も感じさせない刀で面白味が無かった。
そして、宮本武蔵が心身共に「軽過ぎる」と云うか、チョイチョイ騙されたり、手傷を負ったりと、わざわざ彼を主役に持ってくる意義を感じなかった。武蔵を主人公とした小説は沢山有るが、こんなに「普通の剣術使い」で面白味の無い主人公も珍しかった。
それと、大坂の陣の描写が、武将(大名)レベルの動きと、足軽以下の下々の醜悪な殺し合いの書き分けの構成がゴチャゴチャしていて、読んでいて不快なことこの上無かった。
ついでに、この時代ならお約束の歴史上の人物もチラホラ出て来るが、全く見せ場無しで残念。
以上、悪口ばかり書いたが、実力のある著者への期待度の高さ故と思っていて頂きたい。
ここ数年「今で散々書かれてきて、もう書く事無いだろ」とまで言われた《戦国時代》を舞台にした作品でも『黒牢城』『塞王の盾』『八本目の槍』『チャンバラ』等の優れた小説が席巻している。本作ぐらいのレベルでは太刀打ち出来ないモノがどんどん出版されている。著者の今後の御健闘を祈る。
それにしてもつくづく思うのは、この時代の《戦国武将》って、家族筋,親族筋,公家衆,寺社関係,家来衆(+家族),その他領土拡大に伴って関係してくる敵.味方,その上下剋上で成り上がって来る奴まで考えると、一人の武将がその全ての顔と名前と因果因縁まで、憶え切れてたのかな?って、ちょっと気の毒に成るね…。現代の政治家より過酷なんじゃない