木下昌輝のレビュー一覧

  • 戀童夢幻

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    木下さんは、『宇喜田の捨て嫁』とかもそうだけど、人の業や性(さが)を描くのが上手い。世の中きれいごとだけでは、いかんのだよ。分かっちゃいるけど、読んでて、心をえぐられる。

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    2021年03月28日
  • 宇喜多の捨て嫁

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    この地方だと、毛利元就、長宗我部元親、黒田官兵衛とかは読んだことがありましたが、宇喜多直家!驚きました。でも、面白い。これを高校生直木賞に選んだ高校生たちは偉い。。

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    2021年03月24日
  • 天下一の軽口男

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    上方落語の元祖、米沢彦八が天下一の軽口男になるまでの一代記。
    笑話の伝統、辻咄から座敷咄、物真似から仕方(ジェスチャー)の導入、そして咄小屋の設立まで、新しい文化が生まれ育つさまをイキイキと描写。
    ストーリーに驚きの展開はないものの、現代につながる文化が発明される瞬間の物語は読んでいてワクワクさせられる。

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    2021年02月09日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    足利氏の血脈を7人の歴史作家が紡ぐアンソロジー。
    ただ単に足利氏を描くだけでなく、忍びの血脈も同時に描かれており、重層感があった。

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    2021年01月23日
  • 信長 空白の百三十日

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    歴史小説作家木下昌輝さんの新書。
    『信長公記』の空白130日間に注目。信長のパーソナリティに注目している点が、非常に興味深い。激高したかと思えば次の瞬間には上機嫌になっていたりと、信長のころころと機嫌が変わる様子は、「麒麟が来る」の信長像にも通ずる。
    歴史記録の空白を、作家の想像力が埋める。

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    2020年12月30日
  • 信長 空白の百三十日

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    小説家の木下昌輝が、信長に関する一級資料である太田牛一著『信長公記』を読み込み、信長の真実に迫った労作。
    年代順に綴られた『信長公記』には、「空白」の期間が何箇所かあり、その謎を推理する。
    さらに、粘着質な信長の気質を読み取り、その行動からは感情コントロールが出来ない信長というパーソナリティーを導き出す。
    後半生の記述からは鷹狩りばかりに執着する信長が浮かび上がる。
    著者は、ユイス・フロイスの日本史の信長評にもふれる。
    「自邸においてきわめて清潔」「自己のあらゆることを丹念に仕上げる」という評から、単なる奇麗好きを通り越した、病的な潔癖症を信長に見、双極性障害の躁状態の行動を指摘する。
    そんな

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    2020年11月13日
  • 宇喜多の捨て嫁

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    戦国時代の話はどうも取っ付きにくい。
    幼少の頃からの名前が変わったり、諱という本名以外に呼び名があったり、寝返ったり裏で手を結んだり。歴史に疎いわたしは、目まぐるしく変化する状況についていけない。
    でもこの本は巻頭に『主な登場人物』というページがあり、宇喜多家の家系図も城の地図も載っている。とても親切だと思う。とはいえ、昔の言い回しや嫡男なんていう古い言葉のせいで、小難しい印象は消えたわけではない。それでも何かに惹かれて読み進める。

    6つの短編からなるこの本は、主人公は違うがすべてひとりの人物で繋がっている。本のタイトルにもなっている一番最初の『宇喜多の捨て嫁』は、この物語の主役である宇喜多

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    2020年11月07日
  • 人魚ノ肉

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    人魚の血を飲めば不老不死に、
    人魚の肉を食べれば、妖に取り憑かれる。

    人魚というと外国のお伽話に出てくるイメージが強いが、しかし、それは幕末の京都に実によく合っていた。
    史実をなぞりながら、そこに人のものではないものの何かを重ね、美しくも恐ろしく悍しい物語が出来上がった。

    わたしはこの時代に疎いので多少読むのに時間がかかったが、興味がある人には堪らないのではないかと思う。八百比丘尼伝説も恥ずかしながら知らないので、こちらは後にきちんと調べておこうと心に決めた。
    最近ミステリー続きで、ストーリー重視の本ばかり読んでいたので、こういう想像力が掻き立てられるような描写や、心が掻き乱されるような文

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    2020年06月28日
  • 決戦!三國志

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    「奸雄遊戯」許攸
    「天を分かつ川」周瑜
    「応報の士」法正
    「倭人操倶木」操倶木
    「亡国の後」劉禅
    5つのエピソードからなる短編集。ある程度三国志に知識がある人には登場人物の個性が足されより深く三国志が楽しめる作品。

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    2020年05月07日
  • 敵の名は、宮本武蔵

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    武蔵自身を描かずに武蔵を描く。
    読んでいて、登場人物の苦悩や葛藤が伝わってきて、一緒に苦しくなった。良い作品だ。

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    2020年03月22日
  • 敵の名は、宮本武蔵

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    宮本武蔵の小説ですが、武蔵に負けた人間の視線のみで書かれていて面白い。
    本当に史実のアレンジが上手い作家さんであると毎度思います。

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    2020年03月15日
  • 戦国十二刻 終わりのとき

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    豊臣秀頼ら6人の戦国大名・武将の最後の24時間を描いた短編集。
    特に、豊臣秀頼の最後のどんでん返しは秀逸。あっと言わせる結末である。

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    2019年12月20日
  • 決戦!本能寺

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    周辺人物の話が面白い

    書きつくされたテーマであるだけに、主役の信長.光秀以外の周辺人物の話が面白い。
    特に意外な視点から描かれた宮本昌孝の作品が気に入った。

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    2019年11月16日
  • 決戦!川中島

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    数ある合戦の中でも知名度が高く、上杉謙信と武田信玄がしのぎを削った川中島。複数の作家のオムニバスで、上杉方と武田方の視点を入れ替えての作品を楽しめた。謙信、信玄が本人であったのか影武者であったのか、史実を同定することは難しいが故の各作家の視点。それぞれの作家が史料に基づき展開するフィクション。時代小説を堪能する真髄があるように感じた。

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    2019年10月18日
  • 天下一の軽口男

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    上方落語の祖とも呼ばれる、米澤彦八をモデルとした小説。令和初の大阪ほんま本大賞受賞。

    彦八の顕彰碑がある大阪の生國魂神社では毎年彦八まつりが開催される。

    数少ない彦八の伝承噺と江戸時代の笑話から話をふくらませているのだが、これがなかなか読ませる話に仕上がっている。

    お伽衆の笑い話から滑稽話の辻芸人、座敷芸としての落語、庶民のための常設小屋での落語、落語の変遷と熟成の過程に彦八の活躍を描くのである。

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    2019年10月07日
  • 決戦!本能寺

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    7人の作家が異なる主人公と視点、解釈で本能寺の変の顛末を描くアンソロジー。なので黒幕も作品毎に異なり、面白い。個人的には冒頭の織田信房編と5編目の細川幽斎編が良かった。特に織田信房編は君誰やねん???から終始定説の外を突っ走る展開でこんな本能寺があるのかと驚いた。
    結びの明智光秀編は光秀と彼を歴史の表舞台へ引っ張り出してきた信長の最後の対話が実に悲しい。

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    2019年09月23日
  • 決戦!桶狭間

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    決戦!シリーズ

    木下昌輝さんの岡部元信の本当の忠義、宮本昌孝さんの今川氏真は、特に、面白かった。
    氏真に関しては、最近色々な作家さんが書き始めていて、評価も様々出されるようになり、興味深い。

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    2019年08月25日
  • 決戦!桶狭間

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    桶狭間の戦いをテーマにしたアンソロジー。前回読んだ関ヶ原に比べて戦の経緯が複雑で理解に苦しむ部分もあったが、一方で各話のバラエティも豊富で、それぞれの物語のレベルが高い。

    砂原浩太郎『いのちがけ』、富樫倫太郎『わが気をつがんや』、宮本昌孝『非足の人』がお気に入り。特に『非足の人』は桶狭間での今川氏真をピックアップするという非常に珍しいテーマの中、放蕩息子を無能の人と描きながらも彼の内面の覚悟の一片を光らせる演出が面白いと感じた。

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    2019年08月03日
  • 決戦!桶狭間

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    好きな「決戦 ! 」シリーズである。
    桶狭間については織田信長が奇襲戦で今川義元を討ち取ったと言う事は知っているが細かい事には知識が無かった。
    多少は作られている部分はあるとしても、細部を知りこの歴史を転換させる戦に思いを馳せる事が出来た。
    特に「いのちがけ」、「わが気をつがんや」、「義元の首」は秀作だと思う。

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    2019年05月07日
  • 人魚ノ肉

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    短編連続時代小説ホラー。幕末志士、新撰組の実際の逸話とホラーを合わせた斬新な小説。全部がいかにも「それっぽく」書かれていて、最後まで飽きなかった。この話のオチはどうするんだろ?と考えながら読める。

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    2018年12月27日