木下昌輝のレビュー一覧

  • 宇喜多の捨て嫁

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    岡山市に約2年単身赴任していました。
    宇喜多直家に興味があり、ゆかりの地を巡った記憶があります。
    直家の悪虐ぶりは有名であるが、彼の境遇が、乱世の中、このような生き方をさせたのだろうと推測できる。宇喜多の捨て嫁は、作者の視点で直家像を作り、生き残った母らしい人物、もう一方の主人公の四女、主君浦上宗景の性癖など、小説ならではの脚色を入れて物語に幅を持たせ、面白くさせている。
    岡山にゆかりのある人は読んで頂きたい一冊である。

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    2021年11月23日
  • 宇喜多の捨て嫁

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    戦国の梟雄、宇喜多直家を様々な視点から描く短編小説。人には多面性があり視点が変わるとその人への印象も異なるということを話の中でよく表しており、直家へ最初抱いていた印象も最後の方では変わっていた人も多かったのではと思う。最初に登場した人物が後の章でより説明が加えられた状態で登場することでスムーズに伏線回収ができていたので読みやすく、「会津執権の栄誉」と構成が似てる。

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    2021年11月11日
  • 宇喜多の捨て嫁

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    ネタバレ

    非常に良くできた作品だと思います。

    意外にも5編からなる短編集でした。

    一般的な短編集とは違い、全てが宇喜多直家を中心とした宇喜多家に纒わる物語。

    表題である「宇喜多の捨て嫁」とは直家の四女・於葉の事であり、巻頭に収められていますが、本作は直家を中心にその周りの人にフォーカスを当てていきます。

    「人」を描いた作品だと強く感じました。

    正直、時代物って得意でもないし、好きでもありませんでしたが、冲方丁氏の「天地明察」で時代物の面白さ、楽しさを知りました。

    とは言え、まだまだ読解力が未熟な私には本作の構成は時間軸が一方通行ではない事もあり、軽く混乱しながら読み終えましたが、私の地元や学

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    2021年10月22日
  • 天下一の軽口男

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    木下作品は3作目。気軽に購入したのでそこまで期待はしていなかったが、非常にテンポが良く、期待以上の面白さだった。

    話は単純で、子供時代の彦八が天下一の御伽衆を目指し、江戸へ行って栄光の兆しと挫折、大阪での生涯の居場所を見つけ、晩年は後世代にどう残すかを自問する展開。これに二代目安楽庵策伝のエピソードが冒頭に加わる。

    子供の頃の彦八を知っていると、大阪生魂神社で人々を笑わせることを使命と気づくシーンはジーンとくるものがあった。最後の後進のためにという部分は少し尻切れ蜻蛉な感じがするが、史実に基づくとすると仕方ない気はするし、彦八らしいとも思う。

    笑いで金を稼ぐことすら考えられなかった時代が

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    2021年10月04日
  • 宇喜多の楽土

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    これは宇喜多の捨て嫁を再読してから読んだ方が面白みが更にあったやつ〜!と後悔して楽土を読んでから捨て嫁を再読しています。

    秀吉の養子たちのあたたかな繋がりと崩壊への苦しみ、そして宇喜多秀家の宇喜多の当主としての葛藤とお坊ちゃん感…最高でした。

    私は木下さんの文体の底に漂う妖しさが大好きなのですが、そんなの無くても面白いんだなぁ、と感じました。

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    2021年09月26日
  • 秀吉の活

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    秀吉を「〇〇活」から描いた作品。
    なんだかんだ言っても、活動は疲れるね。意志や意識もいるし、精神的にも疲れるとこがある。

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    2021年09月23日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    室町時代、なかでも鎌倉公方〜喜連川藩の流れは歴史の中で自分が一番興味がある部分です。さくらの里という元ネタバレバレのはじまり方ですが、アンソロジーでそれが貫かれているのがまたいい。「足利の血脈」というからには、いっそのこと足利義兼あたりまで遡ってもよかった。

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    2021年09月08日
  • 信長、天を堕とす

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    ネタバレ

    様々な場面における信長の心中が描かれているが、これまで描かれがちだった、ただただ唯我独尊な姿ではなく、時代を変え得る人物ゆえの苦悩が描かれており、一風変わった信長像のように感じた。
    同日発売の天野純樹著の「信長、天が誅する」と合わせて読むと、より面白さがます作品だった。

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    2021年08月30日
  • 絵金、闇を塗る

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    木下昌輝の迫力ある筆致が存分に出ている。絵金という存在を知らなかったので、興味深いお話でした。土佐勤王党の面々をインスパイアする設定は面白かった。新たな幕末ものを読んだ気分です。

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    2021年07月29日
  • 絵金、闇を塗る

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    ネタバレ

    凄い作品を読ませてもらった感が(・_・;

    絵師の小説は谷津矢車先生を中心にして、読んでますが、幕末にこんな凄まじい絵師がいたことを知ることができてありがたや。

    河鍋暁斎の師匠でもあったというのも納得です。

    彼の生き様が土佐の志士に重なるというのは、相応しくもあり……。

    時代が求めた人物だったのかもしれませんね。

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    2021年07月02日
  • 宇喜多の楽土

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    あまり知られてなく史料も少ない、宇喜多秀家の生涯を上手く掘り下げた作品。
    八丈島へ行った時、ここにいたらそれはそれで楽しいなと思えたから、秀家もそれなりに50年の余生を楽しめたのではないだろうか。

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    2021年06月19日
  • 戀童夢幻

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    2021.5.18完了。
    寵童小説が連チャンになり読み進めるが、森乱が少々イメージと違った。従順な小姓というイメージから這い上がるための一部姑息さを併せ持つ。業の章から面白くなってきた。こんなに絡み合うとは思ってもみなかった。
    全編通して余計な背景をガッツリすっ飛ばしているあたり読みやすい。
    なかなか面白い進め方だった。

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    2021年05月18日
  • 戦国 番狂わせ七番勝負

    購入済み

    色々な味わい

    7人の作者による7本の短編集。いずれも不利な情勢から逆転した戦い、しかもそれほど有名でない戦い という共通点を持たせている。どの作者もそれなりに良い味を出しているが、私はいくらか滑稽味を帯びた岩井三四二の作品が一番のお気に入りである。

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    2021年04月04日
  • 戀童夢幻

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    木下さんは、『宇喜田の捨て嫁』とかもそうだけど、人の業や性(さが)を描くのが上手い。世の中きれいごとだけでは、いかんのだよ。分かっちゃいるけど、読んでて、心をえぐられる。

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    2021年03月28日
  • 宇喜多の捨て嫁

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    この地方だと、毛利元就、長宗我部元親、黒田官兵衛とかは読んだことがありましたが、宇喜多直家!驚きました。でも、面白い。これを高校生直木賞に選んだ高校生たちは偉い。。

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    2021年03月24日
  • 天下一の軽口男

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    上方落語の元祖、米沢彦八が天下一の軽口男になるまでの一代記。
    笑話の伝統、辻咄から座敷咄、物真似から仕方(ジェスチャー)の導入、そして咄小屋の設立まで、新しい文化が生まれ育つさまをイキイキと描写。
    ストーリーに驚きの展開はないものの、現代につながる文化が発明される瞬間の物語は読んでいてワクワクさせられる。

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    2021年02月09日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    足利氏の血脈を7人の歴史作家が紡ぐアンソロジー。
    ただ単に足利氏を描くだけでなく、忍びの血脈も同時に描かれており、重層感があった。

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    2021年01月23日
  • 信長 空白の百三十日

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    歴史小説作家木下昌輝さんの新書。
    『信長公記』の空白130日間に注目。信長のパーソナリティに注目している点が、非常に興味深い。激高したかと思えば次の瞬間には上機嫌になっていたりと、信長のころころと機嫌が変わる様子は、「麒麟が来る」の信長像にも通ずる。
    歴史記録の空白を、作家の想像力が埋める。

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    2020年12月30日
  • 信長 空白の百三十日

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    小説家の木下昌輝が、信長に関する一級資料である太田牛一著『信長公記』を読み込み、信長の真実に迫った労作。
    年代順に綴られた『信長公記』には、「空白」の期間が何箇所かあり、その謎を推理する。
    さらに、粘着質な信長の気質を読み取り、その行動からは感情コントロールが出来ない信長というパーソナリティーを導き出す。
    後半生の記述からは鷹狩りばかりに執着する信長が浮かび上がる。
    著者は、ユイス・フロイスの日本史の信長評にもふれる。
    「自邸においてきわめて清潔」「自己のあらゆることを丹念に仕上げる」という評から、単なる奇麗好きを通り越した、病的な潔癖症を信長に見、双極性障害の躁状態の行動を指摘する。
    そんな

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    2020年11月13日
  • 人魚ノ肉

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    人魚の血を飲めば不老不死に、
    人魚の肉を食べれば、妖に取り憑かれる。

    人魚というと外国のお伽話に出てくるイメージが強いが、しかし、それは幕末の京都に実によく合っていた。
    史実をなぞりながら、そこに人のものではないものの何かを重ね、美しくも恐ろしく悍しい物語が出来上がった。

    わたしはこの時代に疎いので多少読むのに時間がかかったが、興味がある人には堪らないのではないかと思う。八百比丘尼伝説も恥ずかしながら知らないので、こちらは後にきちんと調べておこうと心に決めた。
    最近ミステリー続きで、ストーリー重視の本ばかり読んでいたので、こういう想像力が掻き立てられるような描写や、心が掻き乱されるような文

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    2020年06月28日