木下昌輝のレビュー一覧

  • 炯眼に候

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    信長を探偵的ポジションに据えた短編連作……ということだけど、各話の主人公はそれぞれ別の人物で、話によっては信長がほんの少ししか登場しない。そして、それぞれの話で登場するモブと思われていた人物が有機的に繋がり、他の話に頻繁に登場したり、あるいは主人公になったりするところが面白い。謎のトリック自体はそこまで難解ではなく、大筋の結末は読んでいて途中でわかることも多いけれども、なるほどあのシーン伏線だったのかという散りばめ方、因果関係の結びつけ方が上手いと思った。あと、主人公の人選も面白い。

    水鏡: オカルト仕立ての作品。若干荒川新八郎の心情変化が極端すぎるかな?高野の尼僧の煽りに笑う

    偽首: 登

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    2022年02月12日
  • 絵金、闇を塗る

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    大好きなおどろおどろしく薄気味悪い感じ。
    絵金が描く絵が人の狂気を目覚めさせるのですが、その中でも「獄中絵」という武市半平太の話が好き。

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    2021年12月28日
  • 宇喜多の捨て嫁

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    語り手や主人公が異なる短編が連なって、一人の強くて哀しい戦国武将を描きあげている。
    捨て石、捨て駒、などの言葉と同列に使われる『捨て嫁』という呼称が、直家自身への呪詛となって生きながら腐敗させていく。
    直家は悪人なのか?どのようにして直家が出来上がってきたのか?伏線を張り巡らせたミステリーを読むような物語の先への期待が、最後まで途切れることなく続く。
    いますぐ再読したい気持ちをあえて抑えて、時間をおいてもう一度楽しみたい作品。

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    2021年11月24日
  • 宇喜多の捨て嫁

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    戦国時代の梟雄、宇喜多直家を描いた作品。

    一般に梟雄と評価される直家を題材とし、梟雄と生きざるを得なかった直家の苛烈な生き様、悲哀が描かれる。
    一冊が六篇で構成されており、それぞれ異なる人物の視点から直家が描かれるため、読みすすめるほど直家の新たな面が見えてくる。
    視点人物を含む、直家に関わる人物たちの存在感も大きく、一つの群像劇としても楽しめた。

    文章は明快ながらおどろおどろしい、独特の空気感があって個人的には好み。
    読んでいて情景が浮かんでくるというのもあるが、場面場面で感じられる「臭い」が印象的。
    直家を取り巻く不穏な腐臭や血生臭さ、戦場の泥臭さ、人々の汗の臭い、それから梅の花の香り

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    2021年11月04日
  • 戀童夢幻

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    歴史の見方を深めさせてくれた

    宇喜多の捨て嫁で衝撃的に出会った作者だが、本作はさらに衝撃的な作品。
    史実を巧みに織り交ぜ、登場人物の深層心理まで描き説得力ある物語に仕立て上げている。

    読後改めて気づく。ともすれば今まで、現代に生きる価値観、人生感で歴史を見てきた自分の軽薄さに。歴史上の英雄、勇者も生身の人間性は間違いなくあるはずだ。

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    2021年10月08日
  • 信長、天を堕とす

    購入済み

    信長の一生を読み解く新たな切り

    木下先生には「宇喜多の捨て嫁」以来常に斬新な切り口で唸らされてきた。そして、信長の人生という歴史上最大のミステリーについて今回もまた新たな読み解き口を提示頂いた。本書を読了後、、早速改めて読み直そうと信長公記を手にしている。

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    2021年08月22日
  • 天下一の軽口男

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     木下昌輝さんの作品にはじめて触れたのは、
    『戦国十二刻 終わりのとき』。

    「時代ものを書かれる方で、
    今、おススメの作家さんはいませんか?」
    と伺った折、
    日本橋のタロー書房さんに教えていただきました。

     木下作品でよく語られるのが、
    その視点の斬新さ。
    私も夢中になり、あれよ、あれよという間に
    現在刊行されていらっしゃる8割を読破。

     なかでも、繰り返し読んでいるのが
    「天下一の軽口男」。
    江戸中期、庶民のあいだに落語を広めて行った
    米沢彦八の一代記がつづられています。

     大阪の本屋と問屋が選んだ
    ほんまに読んで欲しい本
    「大阪ほんま本大賞」(2019年)受賞作。

     当時、お座敷

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    2021年06月24日
  • 戀童夢幻

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    兄妹よ、精々あがくがいいさ。所詮は憂世だ。この世ほどの地獄はない。業や性を愛で育み、畜生道の果てにあるものを芸能という筆で美しく描くがいい。

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    2021年03月01日
  • 戦国 番狂わせ七番勝負

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    新進気鋭の作家さんが番狂わせとしてそこそこ有名な戦いを書いている(弥助だけ少し毛色が違うが)。地図が分かりやすく、非常に助かる。テーマ上、若い時期のストーリーが多いが、描き方は色々で興味深い。
    海ノ口は大河でも見たが、季節は考えたこと無かったな。政宗と長政の2作がお気に入り。

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    2021年03月01日
  • 宇喜多の捨て嫁

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    宇喜多直家という誰もが悪い意味で知っている人物を取り上げて、時系列的に異なる短編を組み合わせで練り上げていて、素晴らしい。
    もともと浦上家まわりの事情にも疎かったが、興味深く読めた。直家の知名度を上手く生かしてる作品なんだろうな。

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    2021年01月11日
  • 宇喜多の楽土

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    ネタバレ

    父と違って、なんて不器用な生き方しか出来なかったんだろう、秀家。

    八歳で城主というのは、戦国時代なので仕方ないけれど、そこから始まる茨の道。

    唯一の救いの豪姫がいい(T . T)

    そして、小道具が素敵な役割をしているのが、読んでいてたまらない!

    あー、楽しかった。

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    2021年01月08日
  • 決戦!関ヶ原

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    『決戦!関ヶ原』

    誰もが知る関ヶ原の戦い。
    4時間で決着がつき、そして最後の西軍 島津が退陣するまでが8時間。

    ●読みどころ
    1.関ヶ原
    家康と三成。
    戦い前に密談あり。
    互いの狙いは何か?

    2.戦終えての三成
    「勝者はいない。
     徳川も豊臣もそして毛利も、さらに私三成も全員   
     敗者なり。」
    その意図とは?

    3.織田信長弟 長益。兄に囚われた人生
     武勲無しの武将。
     最初で最後に近い戦いは家康方で。
     千利休の弟子であった長益。
     戦場で何を思えたか?

    4.島津義弘
     66歳。西軍の敗北が決まり、1500の兵で家康の   
     本陣3万人に向かう。
    「己の魂と引きかえに敵をうつ

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    2020年11月03日
  • 戀童夢幻

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    ネタバレ

    凄まじい作品を読ませていただきました。
    芸術、恋情、人の裏表。
    読み終えた今も押し寄せる登場人物の感情の波に押し寄せられそう。
    読むことができたことが幸いと思う作品でした。

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    2020年10月25日
  • 信長 空白の百三十日

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    「宇喜多の捨嫁」などの斬新な視点での歴史小説を書かれている木下さんらしく

    信長公記やその他の書物も交えて、空白となっている天正8年とその前後の信長の行動に

    ついて、論理立てた推理がとても興味深いです。

    見出しにもなっている「この空白で信長は変わった!」という表現どおり

    このあとの信長が本能寺の変へ繋がる伏線ともいうべき空白。

    読んでいるだけで想像が掻き立てられます。

    それ以外でも、信長の性格や嗜好など、丁寧に掘り下げて考えられている作品。

    歴史好き、戦国好きなら楽しくてたまらない1冊だと思います。

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    2020年10月24日
  • 信長 空白の百三十日

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    本当は自分で「信長公記」を読めば一番いいんだろうが。そこまでの知力・体力はないので、この作品の登場である。「信長公記」の記載をベースに信長のパーソナリティを分析、空白の天正八年の後半4か月の記述の少なさと前後関係から、双極性障害の気がある信長の躁鬱の鬱期間だったのではと類推を進める。本書で特筆して面白かったのは、佐久間信盛との関係性とそれが信長の極端な信賞必罰に与えた影響を論じた箇所、それと信長のストーカーと言えるぐらいの記述を残した太田牛一にも論考を進めているところも見逃せない。(ファッションには興味はあっても食にはそれほどでもなかったというような)。信長の人生をある程度わかった上で読むとと

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    2020年09月21日
  • 信長 空白の百三十日

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    ネタバレ

    信長という人物を多方面から観る。
    興味深く、楽しかったですね。
    彼がメンタルの病ではなかったか、という推理小説を読んだ事がありますので、そういう意味でも興味深く、楽しめました。
    戦国時代を生き延びるというのは、簡単な事ではなかったでしょうし、細川忠興やガラシャ夫婦のような血塗れな関係もありますからね。(忠興はガラシャに色目を使ったと家臣を36人斬殺。あと植木職人と目があったと職人を斬り殺し、その血をガラシャの着物で拭い、彼女は忠興が懇願するまで、その着物を着続けた(^◇^;)という)

    どこかに壊れてしまう所かあったのだと思うと、平和が、一番です。

    そんな生き方をしなくてはならなかった信長も

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    2020年09月02日
  • 信長 空白の百三十日

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    『信長公記』を読み解き、天正八年八月から十二月では空白の意味を推測する。織田信長のパーソナリティに迫る作家の炯眼。

    気鋭の歴史小説家の珍しい新書。織田信長に関する一級資料『信長公記』を基に知られざる信長のパーソナリティを考察する。

    強すぎる完璧主義とアンガーマネジメントの欠如、信長公記の記載から信長の人物像をジグゾーパズルのようにあてはめて全貌を明かしていく。この部分、小説と同様であろう構成が見事である。

    筆者は空白の時期を境にした信長の変化について見逃さない。そこに織田家古参の家臣佐久間信盛の存在を軸に信長と佐久間信盛の衝突と行き違い、信賞必罰の基準の変化を発見する。

    本能寺の変につ

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    2020年08月30日
  • 信長 空白の百三十日

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     著者木下昌輝氏は『宇喜多の捨て嫁』以来、最も注目している歴史小説家ですが、新書『信長 空白の百三十日』は小説家としては当然かもしれませんが分かりやすく、また『信長公記』を丁寧に分析し、フロイス『日本史』、『本城惣右衛門覚書』他適切な引用、『倭国伝』からの発見など『惟日』フリークの私も大満足です。
     小説家としての活躍とは別に、今後は発見の無い歴史専門家の著書とは別のアプローチで新書を発刊してほしいと思える一冊でした。

     但し、一向一揆が「群集心理」で信長に恐怖を覚えて行動したとありますが、どうでしょうか?一向宗は信長の時代では上意下達の武装組織で、法主の命令が絶対だったようです。


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    2020年08月23日
  • 秀吉の活

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    軽妙なタッチでどこかコメディ調な豊臣秀吉。しかし、軽薄ではない。
    作中から感じる、フットワークの軽さ、柔軟さが、秀吉らしいと思えた。それぞれキャラが立っており、秀吉や寧々はもちろんのこと、個人的には黒田官兵衛が面白い。
    非常に読みやすく、あっという間に読んでしまった。

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    2020年06月22日
  • 秀吉の活

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    ネタバレ

    秀吉の人生を生きるではなく、活きるという形で表した本作。読みやすくて、面白かった。
    終始、秀吉の視線で続くので、知っているあれがないとか、これがないとか思いますが、それがまた彼の活き方を描いていてよかったなぁ。
    最近は戦国沼に嵌ってますが、ページ数の多さにしては2日で読んでしまう面白さでした。

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    2020年06月15日