宮部みゆきのレビュー一覧
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俗に言う『人情ホラー』な今作。表紙絵が素敵(笑)
1話が約40ページの短編集なので、一寸時間が空いたときなどに最適である。
中でも『安達家の鬼』が秀作。特に情景描写が素晴らしい。夕焼けのシーンが非情に印象的であった。思わずホロリとさせられる。
『女の首』では宮部みゆきらしい中性的少年・太郎が登場する。正直他の作品の「少年」は好感が持てなかったのだが、今回はその人物描写が功を奏しているように思った。
そして。思わずクスリとする結びの文が秀逸だった。
多くの作品が詰め込まれた本作。平均して4点ではあるが、中には文句無しの満点な作品もある。
背筋は寒く、心は温かく・・・
そんな冬 -
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ネタバレ江戸怪談の短編集。怪談だが、ジャンル的には切ない系ファンタジーの色が濃いかな。
シリーズ的には、初代聞き手のおちか子供産むまでになったか。
特別付録は、「面影鬼 三島屋変調百物語 続之幕間」。美津葉のなかから生じた嫉妬から鬼になる話。
1話目。青瓜畑から現れた不動明王。女性差別の切ない話。
2話目。だんだん人形。だんだん、威勢のいいの意味。悪徳代官の話。切ない系。
3話目。自在の筆。使っても使っても古びず、難しい和算の数式を解くが、周りの者の生気を吸ってしまう。ホラー系かな。
4話目。針雨の里。縫い針みたいな。細かくて鋭い氷柱が降ってくる。悲しい話。
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『角川ホラー文庫30周年記念 最恐の書き下ろしアンソロジー 特装版BOXセット』2冊め。
宮部みゆきさんと小池真理子さんの作品は、正直「これもホラーなの?」という感じ。お二人の柔らかい口調もあって、期待したほど怖くはなかった。
『函(はこ)』がいちばん怖かった。残った穢れに起因するものか?と思い読み進めたが、そうではないどんでん返しに絶句。建物の持つ意味、タイトルが「箱」ではなく「函」である意味が分かるともう、救われない。
救われないといえば芦花公園さん。何の話なのこれはと思いながら読んで、カッパの子憎たらしさに恐ろしさを感じながらも、やはり人が「堕ちていく」様はとても恐ろしい。
私的 -
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女神さまに会って運命を変えてもらったとして、これからの人生で不幸や不運な目に遭ったとき、もう一度幻界に来て女神さまにお願いをすることはできないのにどうするんだろう?と序盤から疑問に思っていたので、まあそういう願いが1番きれいに話がまとまるよね、というのが率直な感想です。
ミツルは願いを叶えるためとはいえあまりにも悪行を働きすぎた。
そもそも友達だと言えるほど友情を育むような絡みもなかったのと、ミツル側から見たワタルの印象も特に書かれておらず、助けたり突き放したりする心理がよくわからない。
悪に染まりきれていないっていうのだけはわかるんだけど。
ワタルがミツルは友達なんだ!って言う度に、友達… -
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ちょっとご都合展開が多いかな〜
ワタルのピンチにタイミングよく誰かが助けに来たり、困っているときにピンポイントでその場面で使えたら便利だなって魔法を使えるようになったり。
冒険を通して成長している途中だからと言われたらそれまでなのですが。
ハイランダーとしての仕事も何気に何もしてないような。
立ち寄る町々で問題があり、それを解決しないままぶつ切りで次の町へ行ってしまうので、え?この問題何も解決してないけどいいの?!と思ったり…
展開的に下巻で回収される感じでもなさそうなので、たぶんここら辺は読み終わってもモヤモヤが残りそう。
ここまで来たら下巻まで読み切るけど、どうか読み終わった後に面白か -
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ネタバレ俳句に着想を得た短編12本。いやー、さすが、と、私などがいう相手でもないのは百も承知ですが、さすがです。どの話も、すっと入っていけて、読後に余韻を残す。この短さで、驚きもある。二話目がすごかった。夫の家族に違和感を抱いている妻→夫の妹→夫の部下→夫の母、と、視点が移り替わり、最後、妻の抱いていた違和感の、大きなひっくり返しがある。以下、簡潔にまとめる。
①結婚式間際で、婚約破棄された女がバスに揺られ、植物園に行く。
②事故で亡くなった中学時代の同級生を思い続けている夫とその家族。
③ぬいぐるみ製作にいそしむ少年と、マンションのロビーで、とつぜん行われたチャリティバザー。
④娘が夫に裏切られて