宮部みゆきのレビュー一覧
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化け物や、雑然とした人心による怪談など5話が記されていた。それらは単独で読んでも楽しめるし、通しで読んだら絵描を夢見る富次郎の心情の揺らぎも併せて楽しめる。私は初めて宮部みゆきさんの本を読んだ。内容柄、江戸時代後期?頃の物の名前や、いいわましも江戸時代とまでは言わないものの、古風な感じでそれが難しいと感じる人もいるだろう。評価は3.8としたい。
私は、青瓜不動と、針雨の里が気に入った。前者は、お奈津の働きぶりに感銘を受けた。子供のいない女性などは理不尽な扱いを受ける中、彼女は懸命に生きた。その逞しさが響いた。針雨の里は、ホラーといえばホラーなのだが、昔テレビでやっていたほん怖で言うところの心温 -
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袋物屋「三島屋の黒白の間」で語られる
不思議な物語のシリーズも9作目。
聞き手が「おちか」から「富次郎」に代わってから数年が過ぎた。
おちかは嫁ぎ先で臨月を迎え、富次郎は兄の伊一郎が修行先から戻り本格的に跡取りとして歩み始め、次男坊として、自分の人生と向き合い捨ててきたもの、捨てたくないものと葛藤する場面が増えた。
語られる物語は手に汗を握るものが今回は多く
読み終える度にふうーっと息を継いだ。
表題作、「青瓜不動」は、おちかの出産の場面に富次郎さんが奮闘する話で、長くこのシリーズを読んできた者としては、無事に出産を終えるためにも富次郎さん、ここは頑張ってくだされ!と力んでしまった。
宮 -
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基本的に大体の時間は良質な恐怖作品を摂取したい!と嗅ぎ回っているような生活をしている。しかしどういうタイプの怖い話を摂取したいか、というのは日によって随分異なる気がする。
アンソロジーの良いところは、特に下調べせず手に取っても、なにかしら気分にぴったりな作品に出会えるところ。
今回しっくりきたのは三津田信三『集まった四人』、小池真理子『山荘奇譚』。
山あいの怪談が気分だったのかもしれない。
ーーーーー以下ネタバレーーーーー
三津田信三『集まった四人』
これ絶対アカンやつ!という序盤の電話シーンや神社絡みの伝説から期待膨らむ。知らない者同士で曰く付きの山に行くとか嫌やなぁ...。山あいに -
無料版購入済み
1巻だけでは何とも言えないが
宮部みゆきの「スナーク狩り」が「原案」のマンガ。
「原作」ではなく「原案」なところがポイントで、実際キャストは同じでも設定が大きく異なる。
原作の佐倉修治と緒口邦男はバーではなく釣具店勤務だったり、そもそも原作はたった一晩の物語だったり等々。
この改編をどう見るか、でしょうね。
個人的には、もう全く別の物語になっているのではないかと感じる。
あと、原作は1992年に発刊されたが、本作は携帯電話があるなど、それより数年遅い時代となっている感じ。
1990年代後半か、2000年代冒頭か。
ただ、絵のタッチと描写はそれより古く、昭和の匂いを感じさせるもの。
キャラ絵には味があるが、ちょっと古臭 -
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時間かかったけど、久しぶりの三島屋変調百物語シリーズ!おちかを始め、三島屋の人たち本当に好きだな〜。富次郎が瓢箪古堂に抱いていた嫉妬、私も身に覚えがあるあると思った。友達の旦那さんのことは大体いつも同じように思ってる。
餅太郎と縁が繋がるといいなあ。結局村の他の人たちがどうなったのかは想像するしかないけど、どうか1人でも多く助かっていてほしい。神様の賭場、お化け屋敷なんかよりも何倍も怖そう。思いの外キリ次郎が可愛くて気に入ってしまい、別れのシーンは悲しかったー。
宮部みゆきがゾンビを書くとこうなるんだな、と新鮮だった。和製ゾンビ。絶望感がすさまじい。あちら側のあの村は、藩は、国は、どうなっ