宮部みゆきのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ふつうの人間には見えないものが見えてしまうお初。子ども殺しが100年前の赤穂浪士の討ち入り事件と絡み合う。 2ヶ月ほど前に「かまいたち」を読んだ。それに収められている「迷い鳩」「騒ぐ刀」で活躍するのが六蔵親分(岡っ引き)の妹で一膳飯屋「姉妹屋」の看板娘お初だ。この作品は、その後の作品だ。
一度死んだ人間が生き返る死人憑きに始まり、幼児殺し、震える岩騒ぎと続いていく。震える岩は、赤穂の浅野内匠頭が切腹した場所に置かれた岩だということで、100年前の松の廊下の刃傷事件と赤穂浪士の討ち入りとも絡み合い、なかなか読み応えがあった。
バラバラの事件が最後に繋がり納得の、まさに宮部ワールド!
-
Posted by ブクログ
「みやつじやくとうぐう」と読むんだそうです。
好みの作家さんが名を連ねていて、その豪華な面々に、思わず即買い。
ミステリーというよりはホラー寄り。勝手にリレー形式のミステリーだと思っていたので、連作短編集のようなものをイメージしていましたが、それぞれが独立したアンソロジーですね。
リレーだと思うと、前の作品を強引に入れ込んだでしょ感が出ちゃってる。でも、宮内さんの作品のラストは秀逸でした。リレー形式ならではの〆だと思います。
アンソロジーって、好きな作家さんの作品を、濃密に、いいとこどりしたような感覚で楽しめるのはもちろん、知らなかった作家さんや、興味はあったけれどまだ読めていなかった作家さ -
Posted by ブクログ
前口上
90年代中ごろ、ミヤベのお江戸学習と腎臓結石治療のために、赤穂浪士討ち入りあとの泉岳寺までの道のりや、市中引き廻しのルート等々を歩いてみよう、と始まったこの企画、好評を得まして平成12年に文庫本「平成お徒歩日記」と相成ったようです。中島みゆきの歌とラジオ番組の中島みゆきの声が別人のように、宮部みゆきの小説とミヤベのエッセイが別人であることを、このとき世間は初めて知るのでありました。それにしても31pの写真のミヤベが若い!「おかち」と書いて「お徒歩」と、「どびんむし」と書いて「土瓶蒸し」と、変換しないワープロ「一太郎」が懐かしい。今回一編加えて新装完全版が出ました。
あとがき
前の文庫 -
Posted by ブクログ
ネタバレ結婚を控えた娘が突然姿を消した。
「神隠し」と思われた直後、父親が殺人の疑いで捕らえられる。
自白直後、父親は自ら命を絶つが、お初の身に不可解な出来事が降りかかり、新たにまた娘が「神隠し」に遭う。
”嫉妬と憧れ。美しさと醜さ。すべて表裏一体だ。”
帯の文章が全てだろう。
幸不幸は見た目の美醜で決まるものではない。
けれども蝶よ花よと育てられ、自分の美しさに絶対の自信があった娘が幸せになれなかったとき、彼女がすがれるものは自分の美しさだけだった。
これはとても哀しい話だ。
幸せになれなかったから哀しいのではない。
彼女の世界には、彼女しかいなかったことが哀しいのだ。
「あんたは間違ってい -
Posted by ブクログ
ネタバレ何の問題もなく幸せに生きてきたはずなのに、突如暗転する人生。
それが自分の落ち度ではなく、世の中の理不尽のゆえだとしたら、その無念はいかばかりだろう。
誰もが持っている、醜くドロドロした心の暗部。
主人公のお初は人の目には見えないものを見、人の耳には聞こえない声を聴くことのできる特殊能力で、心の闇がもたらした悲劇を解決に導く。
彼女の相棒は、ひょろひょろとしたやせっぽちの与力見習の右京之介。
見かけに違わず剣の達人ではないかというお初の期待も空しく、見た目通りの頼りなさ。
でも、お初と行動を共にするうちに自分の生き方を見直すことになる。
”お初どのは、持って生まれた力をいかしておられる。 -
Posted by ブクログ
「宮部みゆき 全一冊」
ファンならば必読。
かなりのサイズ感だろうと覚悟していたが、内容をかなり絞った様で、よくぞこのボリュームに収めたな感がある。30年の道のり、単行本未収録の小説、エッセイ、対談と絞ったにしてもこのボリューム。
デビュー作「我らが隣人の犯罪」の前年86年に推理小説新人賞以外にも歴史文学賞、小説現代新人賞の三賞連続最終候補に残っていた経歴があり、ペンネームが山野田みゆきだったとは知らなんだ。
個人的には、「火車」「理由」辺りから、宮部みゆきと言う作家を知り出したのだが、改めてスーパー作家だなと感じる。きっと書評家や小説家から見れば、宮部みゆきの凄さはこれだ!と言 -