宮部みゆきのレビュー一覧
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購入済み
さすが宮部みゆきさんの作品。
久々の宮部みゆきだったのですが、予測のつかない展開、謎めいて魅力的なキャラクター、正確な時代考証ながらわかりやすい語り口、とても面白い作品でした。読み終わって知ったのですが、5巻まである続きものだったんですね!もちろん一冊目だけで十二分に楽しめますが、5巻まで読んだらどんな展開が待ち受けているかも気になるところです。
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「三島屋変調百物語」発売済み全4巻のうちの第4巻を買って読んだのが、つい一週間ほど前のこと。手に取って読み始めてすぐに「ああ、あのシリーズの最新巻か」と気付く。冒頭から登場する主人公や脇役たちの記憶もあれば、百物語の趣向の経緯や背景にも馴染みがあるし。つまり、このシリーズを読むのは初めてじゃない。しかし全巻を続けて読んできた記憶もないので、1‐2冊は確実に読み飛ばしてるな。そう思いながら読み終えたのが第4巻。それがやはり面白かったので、さっそく再度1‐3巻を買い求め、初巻から読み始め直してみたのだが...
これが不思議なことに。
第1、第2、そしてこの第3巻と読み進めるごとに「前に読んだのはコ -
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ネタバレ1話目、火焔太鼓。火事を消す魔法の太鼓。使い方を間違うと火事を起こす太鼓。その秘密は化け物のような火の神様で、しかもその火の神様は元は村人、という話。
2話目、一途の念。母親/奥さんの一途な念が子供の顔さえ変えてしまっていた、という話。
3話目、魂手形。迷ったり、悲しんだり、怒ったり、恨んだりした魂の集まる里がある。悲しい殺され方をした魂のために復讐をする話。
1話目が印象深い。事故で大火傷を負い人生が変わってしまうというのも本当にやるせないし、1人の犠牲で村に恩恵がある、というあり方が大変悲しくてやるせないと思う。一度恩恵を得てしまった村がその恩恵をなかなか手放せないというのもやるせな -
Posted by ブクログ
『拝み屋横丁顛末記』の宮本福助が、
『おそろし 三島屋変調百物語事始』をコミカライズ。
心に傷を負った、おちか。
身を寄せている叔父夫婦の店三島屋で、
彼女が聴くのは、人が心に密かに抱えている、もの語り。
第一話 曼珠沙華 前編 第二話 曼珠沙華 中編
第三話 曼珠沙華 後編 第四話 凶宅 前編
あとがき
めったにない出来事は、他にもある。
そして、秘めた悲しみは相通じるものがある。
「曼珠沙華」から始まる、おちかの、語る者の、物語。
恐ろしいのは怪異、霊か、それとも人か?
かの原作と照らし合わせながらの読書で思ったのは、
小説は文章で読ませる。漫画家は絵で読ませる。
人物たちの表情と -
Posted by ブクログ
なつかしい。とにかく懐かしい。
まだ独身で働いていた頃、休日は本屋に出向いて良さそげな本を買っては読んでいた頃、宮部みゆきさんの著作にハマって、時間を作っては読んでいた。
私が手に取ったのは、平成12年発行の文庫版『平成お徒歩日記』だったと記憶している。この頃に結婚が決まり、生活が随分と変わった。
平成版は、懐かしい記憶とわかちがたく結びついている本で、おそらく探せば見つかるのではないかと思う。
『平成』が外されたこの本には、書き下ろしとして令和元年に実行された『お徒歩話』が入っている。著者も関係者も相応に年を重ねている様子が、微笑ましく身近に感じられた。
20年も前に書いたものがこうして形に -
Posted by ブクログ
以前、たしか読んだはずだなーと思って調べたら、なんと30年前が初出でありました。
ところどころ覚えていたけれど、大方忘れていて調べる前に読んだもので『おかしいなあ、読んだことあるはずなのに…私の頭はポンコツ?』…いや30年の年月にはかなわないだけでした。
話の展開がやや強引に感じられたものの、忠臣蔵の話に関して当時最新の研究成果を踏まえての作品だと思うと、なかなかに感慨深い。当時は、忠臣蔵について娯楽作品というイメージが先行していたしね。たしか、同時期に描かれていた水木しげる巨匠の『お岩さん』の話で、実はこの話が『忠臣蔵のスピンオフ』であったことを知ったのは懐かしい思い出です。 -