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Posted by ブクログ
2003年刊行のファンタジー。
文庫化された当時にすぐ買って、その後借りパクされて手元に無くなっていた既読未登録のものを改めて購入し再読しています。
宮部みゆきにとっての2003年は、「時代物ばかり書いていた」スランプを脱し、直木賞受賞から4年、「模倣犯」刊行から2年後。
よく言われる「脂の乗り切った」頃で、この頃に書かれたものが一番楽しめると、個人的にはそう思っています。
試みに「ここではない世界」が舞台の、ゲームの影響を受けていそうなもの作品を拾ってみましょうか。
2001年:ドリームバスター
2003年:ブレイブ・ストーリー
2004年:ICO(イコ) ―霧の城―
2009年:英雄の書
2012年:ここはボツコニアン
2015年:悲嘆の門
初期のころから「龍は眠る」、「震える岩」や「クロスファイア」のようなSFはありましたが、異世界を舞台に冒険が繰り広げられるという、明らかにゲームの影響がみられるようになったのは2001年から。大ファンであることを公言している幻想水滸伝IIIの発売が2002年で、この時に公式サイトで「先行プレイ日記」を書いていたそうですので、いちゲーマー(本人によると「ゲーム女」)から一歩踏み出して、制作側とのつながりができたことが大きかったのかもしれません。
一方で、ゲーム原作となった本作、ゲーム自体のノベライズの「ICO」を経て、しかしその後の「英雄の書」「ここはボツコニアン」は腰砕けでした。いずれも壮大すぎる世界を描き切るには紙幅が全く足りていないのです…。クリアまでのプレイ時間が100時間を超えることも珍しくないゲームの世界に受けたインスピレーションを原稿用紙の上に再現するには、これまでの宮部みゆきにない仕組みが必要なのかもしれません。(それはおそらくラノベのような長大な作品の出版を可能とする仕組みであって、「ここはボツコニアン」なんて最初からラノベでシリーズ化していればあんな打ち切りみたいな終わり方はしなかったのではないかと思うのですが…。)
そんなわけで、宮部みゆきのファンタジーとしては「これが一番面白い」とお勧めできる1冊です。
ドラクエを始祖とする(と言うときっと怒られると思いますが、わかりやすいので例に挙げさせてもらいます)JRPGの王道を踏まえる――例えば、主なプレイヤー層である小学校高学年~中学生が主人公で、剣と魔法の世界を数人のパーティーを組んで冒険し、目的を果たして現世に帰る――一方で、単純な勧善懲悪からは一歩踏み出している――ドラクエで言えばロト3部作を卒業し、ラスボスにも三分の理(…いや、五割くらいはあったかもしれません)があった4を経過して、サブストーリーでいちいち表裏ある人間模様を描いて見せた7を思い浮かべてください――そんなトレンドをきっちり取り入れて見せています。
主人公の三谷亘が異世界に足を踏み入れたきっかけ、そこで迎える結末、いずれもこの時代のJRPGの文法にのっとっており、だからこそ多くのプラットホームでRPGの原作になっているのだと思います。
実際、文庫化の後、児童書・ラノベレーベルからの刊行、コミカライズ、劇場版アニメ化、ニンテンドーDS・PS2・PSPでのゲーム化と多彩なマルチメディア展開がされています。
出版が角川からなのが積極的な展開の一因なのはもちろんでしょうが、作品自体が素直で清々しい読後感のあるジュブナイルであることが特にティーンズ向けに安心してプッシュできる安定感につながっているのだと思えます。
ちなみに、ゲーム化されたものについては、自分はPSPでクリアしています。ゲーム自体はものすごく面白い、わけではありませんでしたが、原作の雰囲気がよく反映された佳作だったと思います。
以下粗筋に触れます。
ネタばれを気にされる方はそっ閉じをお勧めします。
3分冊のうちこの上巻では、主人公の小学5年生、三谷亘がいかにして「幻界(ヴィジョン)」を訪れることになったかが丁寧に描かれます。
ゲームだと疎かにされがちなところで(やりすぎるとドラクエ7のように「なかなか戦闘がなくて退屈」と言われてしまったりします)すが、ここをきちんと描いたものには「グランディア」などの超名作が挙げられます。
いきなり剣と魔法でモンスターと戦う世界に放り込まれても、プレイヤーは(特にRPGに慣れているプレイヤーは)それなりに対応してくれますが、丁寧に描かれた導入部はプレイヤーを上手に釈迦の掌に載せてくれるように思えます。そしてそれはヴィジョンの成り立ちや三谷亘が選び取った結末にとても強い説得力を持たせています。
PS2全盛期、綺羅星のように名作と言われるJRPGが続々と登場し、続編を重ねていたそんな時期と歩調を合わせて書かれたジュブナイル・ファンタジーの名作です。
繰り返しになりますが、すべての人に――主人公と同年齢の小学生にも、ゲームを毛嫌いしがちな大人にも――自信をもってお勧めしたいと思います。
中巻・下巻とペースを乱さず、世界観を崩さず、感動のラストまで走り切る様子を引き続き追体験してこようと思います。
Posted by ブクログ
題名は昔から知っていた。
裏表紙の紹介文を見てハテナ❓が、、、?
親の離婚話が
なんで異世界冒険に繋がってるのー???
多少強引なかんじもするが、
すごく面白い小説!
主人公の家庭事情に
かなりのページ数を割いているけどもー!
子どもの心情や気持ち、
親とかの大人の心情や気持ちも細かく描写
されていて、大人の嫌な事情や
それを子どもに聞かせたくない様子、
それをうすうす察知している主人公の
気持ちがよくわかった。
可哀想すぎる過酷な家庭事情で、親子、
夫婦、親戚とのやりとりも重たいかんじ。
けど後半で一気に引き込まれて
次巻が気になる??
①生活圏内にある普通の工事現場
②意図せぬ不思議体験からの異世界発見
③謎の転校生
などなど、、
わくわくするファンタジー要素ありまくり。
ライオンと魔女でも、
ルーシーがナルニアに迷い込んだのは
部屋に置いてあった衣装ダンスだった。
ゲド戦記でも、
影という謎の存在が登場する。
そういう、日常当たり前な場が
全く非日常的な所に繋がるとか、
謎の存在とかの設定が
一気にファンタジーに引き込んでくれる。
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