柴田勝家のレビュー一覧

  • 岸辺露伴は嗤わない 短編小説集

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    これも一ヶ月前くらいに纏めて読破していた作品です。
    岸辺露伴シリーズは読んでると楽しいんですけど、夜中とかに読んでるとたまに本当に怖い話とかもあってなかなかに読みごたえがある作品が多かった印象。

    この本にもタイプの違う4つの話が収録されています。
    一番好きだったのは最初の「曰くのない人形」かなぁ。
    世の中には「曰くのある人形」は沢山ありますが、本当に怖いのはこういうタイプの人形かもしれないなと思います。
    だって曰くがなかったらどれだけ理不尽な災難が起こったとしても調べられないし助かりようがないですもんね。
    「私は曰くがあります!」と堂々と主張してくれている人形達の方がまだ優しくて親切なのかも

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    2025年08月09日
  • 秘曲金色姫

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    失われた能の秘曲のナゾにまつわる不思議な物語。
    民俗学+SF+オカルト+ミステリーがグチャグチャっと混ざっていくのが柴田先生らしい。
    現代と過去をいったりきたりして様々な登場人物たちがつながって、だんだんジグゾーパズルのピースがハマっていくような楽しさがありました。

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    2025年08月03日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

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    いわゆるジャケ買いでした「筋肉少女帯小説家計画」。
    表紙は漫画家の藤田和日郎さん。彼をはじめとして、多くの創作に関わる人々にファンが多いのは知っていたけど、本家である筋肉少女帯の歌を聞いたことはあんまりないです。アニメ「うしおととら」のOPぐらいか。

    興味はあれど、聞く機会を求めてこなかったので、聞くきっかけになるかな、と思って購入しました。

    10代というか思春期が感じる違和感、疎外感、万能感、危機感、無敵感、嫌悪や潔癖、夢想に妄想、強圧や抑制、純真に偽悪、憧憬に共感、拒絶と承認。そういったもののごった煮の中から、その時の、初めて聞いた時の自分が一番欲しがっていたもの、共感できるものを見出

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    2025年07月20日
  • アメリカン・ブッダ

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    SF、ホラー、民俗学、どれか一つでも好きなら読んで損はないだろう本でした!
    表題作のアメリカン・ブッダはなんせ広がりが大きいお話。生きていると、うまく行きすぎているもしくはあまりにもうまく行かない、と感じる時がありますね。あれはやっぱり誰かの手でもたらされていると思ってしまうのって、作家さんも感じてるんだなぁと。笑
    いゃーおもしろかったー!壁の話よかったなー!

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    2025年07月06日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

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    筋肉少女帯のコンサートに行ったっけ…懐かしいです。一緒に行った人たちにこの本の存在を教えたい!知らない曲もあったけど、世界観は筋少。選ぶならやはり福耳の子供かなー。大槻ケンヂさんのは筋少の演奏まで頭の中で蘇りましたよ。そうそう、オーケンって呼んでたわ。藤田和日郎さんの装画も効いてる。

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    2025年06月30日
  • アメリカン・ブッダ

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     仏経を信じ続けたインディアンが語る救済やVR世界で一生を過ごす少数民族、『未来の私』を名乗る人間との交流など6つの短編が収録されていて、どれも民俗学×SFという他に類を見ない独自の世界観で難解な部分がありつつも読み応えがあった。

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    2025年06月24日
  • 本格王2021

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    ミステリが読みたーい!でも最近の作家さん知らなーい!となってる方におすすめなシリーズ。本格ミステリ作家クラブが選んだ、その年の本格ミステリ短編が収録されています。澤村伊智さんの「笛を吹く家」と方丈貴恵さんの「アミュレット・ホテル」が好みでした!

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    2025年06月22日
  • ゴーストケース 心霊科学捜査官

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    自殺した人たちの共通点はアイドル奏歌のCDを聴いた人!?
    主人公が携わるのは幽霊や祟りといった普通の人には目に見えない存在。陰陽師の主人公と、準エリート刑事、音名井がその捜査に挑む。
    主人公が若くないのもこの作品の魅力の一つ。そして、方言男子。
    そんな人が地下アイドルの少女と関わり合いながら事件の真実に迫っていく。中盤から後半にかけては一気読み。
    長いこと積読していたが、次巻も読みたい!と思える作品

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    2025年06月13日
  • 岸辺露伴は嗤わない 短編小説集

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    岸辺露伴は動かないスピンオフ第4弾。初読みの著者。面白かった。つい実写化可能かを考えながら読んでしまう。今巻では、「不見神事(みずのしんじ)」が実写化に近い話かなと思った。
    相変わらず露伴先生は自分から面倒ごとに足を突っ込んでいくスタイル。

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    2025年06月05日
  • カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚

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    おもしろい。大正の帝都東京を舞台とした怪奇事件簿。

    ゾンビとして蘇える新潟の庄屋、怪しいムカデ伯爵、消えたバスガール、宙を舞う幽霊、消えた黄金、巌窟王の伝説、これらの真相はいかに。

    美しい年少浪曲師が語るリズミカルな創作話、大正の華やかな空気感が作り出す独特な世界観、幻想怪奇な雰囲気が楽しい。

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    2025年05月06日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    伊藤計劃氏が亡くなってから16年
    この“トリビュート”が出版されてから10年

    その間、
    大きな地震や災害が続き、パンデミックが現実となる。
    理由のよくわからない戦争が続き、ドローンや無人兵器が実戦で用いられる。
    SNSを用いた世論誘導、生成AIの実用化やマルウェアなど、目に見えない相手の脅威が現実となる。
    現実がSFを超える日、それでも読まれる物語がある。
    『虐殺器官』から続く天国と地獄の薄っぺらな境界線上での綱渡り……現代ジャパニーズSFの王道となった感がある。

    多少の好き嫌いはあるもののどれも圧巻の出来栄えで、分厚い本の残ページが消えていく。

    最終話、長谷敏司『怠惰の大罪』が特に響い

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    2025年05月02日
  • 岸辺露伴は嗤わない 短編小説集

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    漫画の方は六部で読むの止まってますが、岸辺露伴シリーズは漫画、小説共に読み続けています。
    今作も、良くも悪くも岸辺露伴って感じの作品でした。
    3つ目の話が私的には今作中で一番印象に残ったかな?
    地方の集落では本当にこんな力があったりして、と妄想してみたり。

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    2025年02月14日
  • アメリカン・ブッダ

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    タイトル買いジャケ買い!
    好きな話しはタイトルにもなってるアメリカンブッダ。
    オススメポイントは、なんといっても二方向からの面白さで、科学的分野からの面白さ、それは実際におこるかもしれないという不安と、実際にできるようになるかもしれないネット上の理想郷への期待感、哲学的分野からの面白さは、あの理想郷は本当に理想郷なのか?時間も苦しみもほぼない世界とは本当に幸せなのか?
    そんな、科学と哲学というちょっと距離がありそうだけれどもペアリング抜群の材料を同時に摂取できて、お腹いっぱい幸せな読後感でした。

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    2025年02月02日
  • カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚

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    おもしろい!

    大正時代。
    口下手な平島元雪は華族の地位を捨て探偵に。
    憧れていた堀井男爵の死に関する真犯人を見つけることを望んでいる。
    しかし探偵としての仕事は、事件とは程遠い猫探し。
    そんな時、真鶸亭湖月と出会い、ファンになる。
    14.5歳に見える年少の浪花師は、惚れ惚れする語り口調で人々を魅了していた。

    この芸人の語りごととしての短い話が、一本の線となり繋がる。

    華族や財閥の歴史に興味が出ました。
    元雪と湖月と、その友人キャラ達も魅力的。

    シリーズ化してほしい。
    読みます!

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    2025年01月09日
  • 岸辺露伴は嗤わない 短編小説集

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    曰くのない人形と不見神事が面白かったです。特に不見神事は一番平和な話なんですけど、人間って怖いね系の話で好きです。実写化もしやすそうだし、いつか実写版も見てみたいです。余談ですが、読んでる時に頭の中の露伴が原作じゃなくて高橋一生氏だったんですよね。実写の影響力ってすごい。

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    2024年12月29日
  • 岸辺露伴は嗤わない 短編小説集

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    どの短辺も岸辺露伴らしさが現れていて、面白いかったです。
    個人的にオススメなのは3話目の『不見神事』ですね。人間の歪みと土地の理不尽さ、解決するしない事の、全てが岸辺露伴でした。

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    2024年12月21日
  • ヒト夜の永い夢

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    ネタバレ

    ――

     へー南方熊楠ってこんなひとだったのか。
     ……とはならんからな?


     一大エンタメであることは間違いなく、冒険小説であり伝奇小説であり、怪奇小説でもあり探偵小説でもありSF小説でもある。その上で哲学書でも思想書でもあり、そして或いは史書であるのかもしれない(最後のは嘘です)。
     まさになんでもござれ。それこそ、南方熊楠のような小説である。いやむしろこんな小説の主人公が務まるのは確かに、柳田國男をして「日本人の可能性の極限」と云わしめた熊楠しか居るまい。
     ある意味、小説の可能性の極限とも云える。
     南方熊楠、福来友吉、江戸川乱歩に孫文と、登場人物リストを読んでいくだけで解るいわゆる

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    2024年11月26日
  • カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚

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    ネタバレ

    口下手な探偵が抱えていたちょっとした謎を、事件を、性別年齢不詳の浪曲師、湖月が「カタリゴト」として謎解きしていく物語。
    「カタリゴト」自体も二段仕立て、一見繋がりのない3つのお題から荒唐無稽な物語を語り、そのあと語り直してネタばらし=謎解き。
    その「カタリゴト」も真実と思っていたら、実際の事件との齟齬が後から見えてきて、まだ裏があることに驚かされるという。
    そして、最後の最後で、これまで語ってきたバラバラの「カタリゴト」が一つの大きな物語として集約されていく。
    この構成が最高によかった!
    一つの事件を何度も噛み締めて楽しめる、いくつもの解釈で楽しめるというか。
    湖月のキャラもいい。
    帯には「美

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    2024年11月12日
  • カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚

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    角川ホラー文庫から刊行されていますが、ホラーではないですね。大正期の帝都東京を舞台にしたミステリーで、主人公の自称探偵が集めた情報を、街頭で芸事をする謎の美少年がストーリーに仕立てて整理する。そんな流れで進みます。
    この美少年浪曲師である湖月くんのキャラがいい。蠱惑的な面を見せたかと思えば、街頭で行き倒れてたりもする。いい距離間を保ってるキャラです。シリーズ化して、将来的にアニメ化までいくといいなぁ。

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    2024年11月11日
  • カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚

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     大正時代の帝都で探偵・平島と美しい年少浪曲師・湖月が、『ムカデ伯爵』『黄金幽霊の首』などの怪奇事件を僅かな手がかりと各地の伝承下敷きにした『カタリゴト』として講談調に仕立てて真相へ導く話と、推しとファンである二人の関係性も面白かった。

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    2024年10月31日