柴田勝家のレビュー一覧

  • ニルヤの島

    Posted by ブクログ

    本年六冊目の柴田勝家作品、クロニスタの次に書かれた作品とのことだが、共通のポイントが色濃く出ており、初期柴田勝家を掴む素晴らしい読書体験になった。いくつもの物語が組み上がる様は凄まじいカタルシスをもたらしてくれた。

    0
    2025年11月14日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

    Posted by ブクログ

    名だたる筋少好き作家達によって筋少楽曲の世界観で執筆された小説集。筋少ファンの一人として大いにニヤニヤしながら楽しませてもらいました。作家の皆さんの匂い立つような筋少愛が面白い。オーケンの小説が「これはオーケンの小説だ…!」って感じで最高でした。

    0
    2025年10月27日
  • クロニスタ 戦争人類学者

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    良し悪しだが、表紙のイラストから連想されるような軽い文体、軽い物語では無い。これは読者とのミスマッチを起こすだろうが、ミスマッチがなければ衝撃的な出会いは生まれ得ないのかもしれない。
    物語の説得力は全体的にきちんと担保されているが、デレクに関する終盤の登場は説得力に欠け、蛇足に思えた。

    0
    2025年09月03日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

    Posted by ブクログ

    2025/8/12にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREでの大槻ケンヂ氏のイベントに行ってきた。
    20年ぶりくらいに生ケンヂに会ってきた。
    彼は楽器ができない、楽譜が読めない音楽家ということで有名だったけど、
    人前で弾き語りができるほどにギターを弾きこなしていて感無量だった。
    途中で演奏失敗して曲が止まって「ちょっと練習するね」とか言ってたのはわざとだったはずきっと。

    この本は曲の歌詞を小説にしたもの。
    原曲に思い入れやイメージがかなり強かったのだけど、どの短編もいい意味で裏切られて楽しめた。

    自分は辻村さんと生まれた日が近いので同じ時代を生きてきた。
    藤子・F・不二雄や女神

    0
    2025年08月25日
  • ヒト夜の永い夢

    Posted by ブクログ

    テーマやSF的アイデアには、やはり伊藤計劃以後という印象を持つ。
    軽薄な印象を持たせないように、主人公にはラストの方まで活躍の場を作らないと言うようなありきたりな形式ではなく、程よく主人公が活躍し、また物語の重要なピースになっていきながらも、重厚感や格を保たせていて、見事だと感じた。

    0
    2025年08月25日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

    Posted by ブクログ

    筋少ほとんど聴いてこなかったけど、どの短編も最高で、特に刺さったのは日光行わたらせ渓谷鐵道でした。
    さぁ聴きまくるぞー!

    0
    2025年08月15日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

    Posted by ブクログ

    筋少の歌詞をベースに作成された短編集。どの話も、出てくる主人公は所謂「陰キャ」と呼ばれる人たちで、世間の輪の中に上手く混ざれない人たち。
    そんな彼ら(彼女ら)に起こるヘンテコな話・・・なんだけど、いや~どの話も面白かった!!
    元々大槻ケンヂの書く詩(筋少の歌詞)って、物語っぽいから小説にしやすいってのは想像できましたが、ここまでドはまりして読めるとは思わなんだ。
    特に心に刺さったのは、一番最初の「中2病の神ドロシー」、人間椅子の和嶋慎治さん作の「福耳の子供」、そして最後の大槻氏本人作の「香菜、頭をよくしてあげよう」ですかね。
    特に、最初と最後の奴、一度喪失したモノと長い月日を経て邂逅するって展

    0
    2025年06月24日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

    Posted by ブクログ

    「そのバンド 本当はいなかった 25年見てたのは
    自分の心さ 君自身の影なのさ」
    “中2病の神ドロシー”より

    うおぉ!筋肉少女帯の楽曲が小説に!しかも執筆陣も豪華アンド本人降臨!!
    素晴らし過ぎる作品だ。筋少ファンとして思わず歓喜の涙(泣)
    この作品は全6篇+装丁のアンソロジー短編集となっていて各作品のテーマとなった楽曲がタイトル(一部違うが)となっている。各執筆者はテーマとなってる歌詞を物語化しているが、まぁ、出てくる出てくる他の曲(笑)
    探せば20曲くらい歌詞でてくるんじゃないかという勢い!しかもなんか大槻ケンヂの文章っぽさも感じる(寄せてる?)
    筋肉少女帯愛が濃い!濃すぎる!!
    物語と

    0
    2025年05月25日
  • 岸辺露伴は嗤わない 短編小説集

    Posted by ブクログ

    ただただ面白く。落ちも丁寧である。
    不見神事に出てくる愛知県の寝祭り、出雲大社の見逃げ神事、隠岐の島のでやんな祭りが、見てはいけない神事として挙げられている。なぜ見てはいけないのか?
    見るなの禁止はなぜ生まれるのか。祭りの来歴を追ってみよう。

    0
    2025年05月21日
  • 秘曲金色姫

    Posted by ブクログ

    久しぶりにニルヤの島ぶりに手に取りました。
    誰も知らない能、金色姫をめぐる謎と、
    室町から現代まで歴史をいったりきたりしながら、
    まるでひとつの能舞台をみているような感覚になり
    そして、謎が謎を読んでこの先はどうなるのかと
    ページをめくる指が止まりませんでした。
    能×サスペンスミステリー×百合とかかれてますが、
    美しいお話でした。

    0
    2025年05月05日
  • 岸辺露伴は嗤わない 短編小説集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ジョジョ関連の漫画は全て読んできた。
    ただ小説はなぜか遠ざけてきていたので、今回が初の小説。なぜ避けてきたのかというと荒木飛呂彦作でないからかな。
    でも、今回驚愕した。
    小説なのにも関わらず、脳内では漫画の絵が、コマ割りが、ときに動画的に完全に再生されている。そして声はドラマの高橋一生の声。
    小説の持つ力は未だ計り知れないな。
    曰くのない人形。
    人形に込められた怨念というスタンド。所有権をどうするか、まさか落とし物として警察に届けさせるとは。
    ペアリペア。
    夫を奪われた老婦人の怨念というスタンド。入園料のくだりが最高に不気味でよかった。双子の赤子を殺すそうという発想。脱帽。
    みずのしんじ。

    0
    2025年01月20日
  • 岸辺露伴は嗤わない 短編小説集

    Posted by ブクログ

    今作もよく練られた構成で、どれも面白かった。口調に合わせた表記もされてるので、余計に脳内で高橋一生の声で再生される。

    映画も楽しみ!

    0
    2025年01月19日
  • カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚

    Posted by ブクログ

    柴田勝家さんの小説は個人的に三冊目!
    今までは短編集しか読んだ事がなかったので長編もいけるって感じです!

    舞台は大正時代なのですが、大正という時代は未だ江戸時代の名残を残し、戦後の現代の前の最後の近代と言うのでしょうか、日本でありながら異国情緒あふれる感じが何故か異世界感を生み出しているような気がします!

    華族殺しが起きる!
    その事件を追う探偵の平島は、ある日年少の浪曲師と出会う!
    その浪曲師は、客から三つのお題をもらい、全く関連の無いお題に一本の筋を通して一つの物語にする『カタリゴト』を芸としていた!
    平島は請け負った猫探しを解決するため浪曲師の力を借りる事に・・・

    大正浪漫探偵小説!

    0
    2024年12月11日
  • カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚

    Posted by ブクログ

     連作短篇集。柴田さんの本は以前、熊楠や乱歩らが北一輝らと対決する『ヒト夜の永い夢』(2019年)を手に取ったことがある。本書『カタリゴト』は、大正二年(1913年)頃の駿河台近辺を主な舞台に、元華族の自称探偵と十代の美しい芸人が街を駆け回るミステリ。江戸末期から昭和にかけての社会史的な蘊蓄と講談調の文体、下品と可憐の境目を綱渡りするような台詞回しが披露され、なんとも心地よい。第一話から第三話までに点在する伏線が第四話で綺麗に回収されていくのも見事。二人の関係、この時代においては前途多難だろうけれども、実ってほしいなあ。

    0
    2024年10月27日
  • 走馬灯のセトリは考えておいて

    Posted by ブクログ

    信仰や死といった概念が科学技術の進歩によってどう変化してゆくのかというテーマの短編集。人間の根幹にあるこの概念が人間たらしめる変わらなさを感じた。

    0
    2024年02月15日
  • アメリカン・ブッダ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これは面白い。物語の世界に没入してしまう。

    ■雲南省スー族におけるVR技術の使用例
    VRゴーグルを装着したまま一生を過ごすというスー族の話。食事とかどうしてるのか?などと思いつつ楽しんで読んでいたらラストで納得。

    ■鏡石異譚
    素粒子衝突実験、時間経過の一方向性、予言などをベースとしながら、自分の過去や未来と向き合う話。これまたスッキリ。

    ■邪義の壁
    家の分厚い白い壁を信仰する話。壁の秘密にゾクゾクする。歴史を絡めた妖しさがいい。

    ■1897年龍動幕の内
    公園に出没するという天使を追う物語。ただのファンタジーや謎解きではないところに痺れる。南方熊楠の万能ブリが活かされてる。

    ■アメリカ

    0
    2023年09月11日
  • 走馬灯のセトリは考えておいて

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これはおもしろい。それに読みやすい。SFならではの難解な世界観や描写は抑えられていて、民俗学的な要素が物語の奥行きを広げている感じ。
    AIや異星人など、生身の人間ではないものを主体にすることで人間らしさを浮かび上がらせるのが絶妙に巧い。

    ■オンライン福男
    感染症の拡大の影響から新年の福男をオンラインで決める話。話が発散して無茶苦茶になっていく。コロナ禍を思い出す一話。

    ■クランツマンの秘仏
    深い信仰には質量がともなうというエセ科学?に囚われた男と、その男の名誉を回復したい子どもたちの話。これは事実なのか?と思わせるノンフィクションのようなスタイルに引き込まれる。

    ■絶滅の作法
    人類が絶滅

    0
    2023年09月01日
  • 本格王2021

    Posted by ブクログ

    方丈さんが好きで方丈さん目当てで買った。
    アミュレットホテル、とても楽しく読めて好き。

    他にも初読みの作家さんが多く、楽しく読め気になる作家さんが増えた。

    0
    2023年04月30日
  • 走馬灯のセトリは考えておいて

    Posted by ブクログ

    最新科学技術と人々の繋がり、想いが描かれていくような短編集。噛み合わせの悪そうな題材がどこまでもエモい。バランス感覚が本当にすごい。
    表題作は死後データベース化される世界でのVtuberのリバイバル。タイトルやばない?

    0
    2023年01月28日
  • 走馬灯のセトリは考えておいて

    Posted by ブクログ

    ・オンライン福男
    VRで福男の競争をするというコメディチックな話。ただ、そこに現実味が伴うのが我々の文明の現在地を感じさせる。
    ・クランツマンの秘仏
    短編アンソロジー「異常論文」に掲載された、信仰が質量を生じさせ存在を実在させるという論文と、その実験を行った人物に関する記録。ドラマによって著者への共感が物語に存在感を与えることと相似するところが見事。
    ・絶滅の作法
    ポストアポカリプスものの亜種のような作品。日常への哀愁と文化の継承者になる話。
    ・火星環境下における宗教性原虫の適応と分布
    宗教や言語を寄生虫と捉えて寄生された人間の行動が変容させられている、といった内容の論文風短編。物事の主従を反

    1
    2023年01月02日