柴田勝家のレビュー一覧

  • 走馬灯のセトリは考えておいて
    信仰や死といった概念が科学技術の進歩によってどう変化してゆくのかというテーマの短編集。人間の根幹にあるこの概念が人間たらしめる変わらなさを感じた。
  • アメリカン・ブッダ
    これは面白い。物語の世界に没入してしまう。

    ■雲南省スー族におけるVR技術の使用例
    VRゴーグルを装着したまま一生を過ごすというスー族の話。食事とかどうしてるのか?などと思いつつ楽しんで読んでいたらラストで納得。

    ■鏡石異譚
    素粒子衝突実験、時間経過の一方向性、予言などをベースとしながら、自分の...続きを読む
  • 走馬灯のセトリは考えておいて
    これはおもしろい。それに読みやすい。SFならではの難解な世界観や描写は抑えられていて、民俗学的な要素が物語の奥行きを広げている感じ。
    AIや異星人など、生身の人間ではないものを主体にすることで人間らしさを浮かび上がらせるのが絶妙に巧い。

    ■オンライン福男
    感染症の拡大の影響から新年の福男をオンライ...続きを読む
  • 本格王2022
    2023.06.30
    こういう読み比べはとても楽しいです。
    やはり、1番は道尾秀介。次は大山誠一郎。3番手に浅倉秋成を推す。
    私は特殊設定ものが苦手ということもわかったのも収穫。
  • 本格王2021
    方丈さんが好きで方丈さん目当てで買った。
    アミュレットホテル、とても楽しく読めて好き。

    他にも初読みの作家さんが多く、楽しく読め気になる作家さんが増えた。
  • 走馬灯のセトリは考えておいて
    最新科学技術と人々の繋がり、想いが描かれていくような短編集。噛み合わせの悪そうな題材がどこまでもエモい。バランス感覚が本当にすごい。
    表題作は死後データベース化される世界でのVtuberのリバイバル。タイトルやばない?
  • 走馬灯のセトリは考えておいて
    ・オンライン福男
    VRで福男の競争をするというコメディチックな話。ただ、そこに現実味が伴うのが我々の文明の現在地を感じさせる。
    ・クランツマンの秘仏
    短編アンソロジー「異常論文」に掲載された、信仰が質量を生じさせ存在を実在させるという論文と、その実験を行った人物に関する記録。ドラマによって著者への共...続きを読む
  • アメリカン・ブッダ
    「伊藤計劃トリビュート』でその名を目にして依頼気になってた作家さん。
    民俗学×SFの短編集、どれもおもしろー。

    特に最初の「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」とタイトル作の「アメリカン・ブッダ」が好き。前者は論文の形を採りながらリアルに架空の民族の風俗を描く切り口が新しく感じた。絶対にいないは...続きを読む
  • 本格王2022
    みんな良かったです!
    読んだことのない作家さんのお話は興味深く、次に読む本をどれにしようかな~、と迷ってます!
  • ゴーストケース 心霊科学捜査官
    シリーズ第一巻。
    人間が死後に発する精神毒素「怨素」が原因で祟りにあったり、生きた人間が感染して事件を起こしたりする新しい設定のストーリー。
    キャラの名前がなじみのない独特なのが多く読めない漢字の名前ばかり出てきた(笑)
    主役の御陵が方弁を使っていて大阪人の自分には分からないセリフもあった。
    ストー...続きを読む
  • アメリカン・ブッダ
    好き。すごいよかった!
    短編集だけど、どれもよく出来てるなーって。
    少数民族とVR、最先端科学技術と民俗学、インディアンと仏教と仮想現実。普通一緒に並ばないでしょっていう意外な組み合わせが起こす化学反応ったらもう。どの話にもノスタルジーみたいなものを感じる。のは、無機質なもの、未来的なものののなかに...続きを読む
  • アメリカン・ブッダ
    民族学SF!着眼点が面白い。

    VR世界で生まれて死ぬ少数民族を描いた『雲南省スー族におけるVR技術の使用例』から始まって、人口の大多数がバーチャルに逃げたアメリカを描く『アメリカン・ブッダ』で締める構成がすごくきれいだと思った。

    個人的には物語を病気として排除する『検疫官』が一番面白かった。
    ...続きを読む
  • アメリカン・ブッダ
    雲南省スー族の話は割とリアルにあり得そうなので面白い。邪義の壁もよかった。骨が壁から見つかり、念仏を唱える話。
  • ヒト夜の永い夢
    本当にすごい本。鬼滅の刃っぽいけど、大正に実際にあったんじゃないかという気がしてくるほど描写が優れている。
  • アメリカン・ブッダ
    おもしろかった


    雲南省スー族におけるVR技術の使用例
    鏡石異譚
    邪義の壁
    一八九七年:龍動幕の内
    検疫官
    アメリカン・ブッダ


    鏡石異譚
    仙台の実験で記憶子の観測
    未来の自分の忠告に従っていたが、記憶の書き換えに過ぎなかった

    RADWIMPSのオーダーメイド
    未来と過去どちらか一つを
    見れる...続きを読む
  • アメリカン・ブッダ
    本書を通勤電車で読み始め、何度も乗り過ごしそうになった。面白い本かどうかの基準のひとつは、どれだけその世界に入り込めるかにあると思う。

    ペンネームからして「柴田勝家」などという、何とも人を食ったものだが、書く内容はそれに輪をかけて愉快だ。例えは悪いけど、とても壮大なホラ話を聞かされた気分になる。あ...続きを読む
  • ニルヤの島
    自分の好みにバッチリはまった。人間の行動は、思想は、何に起因するのか、そういう概念と死後の世界や生体による計算、通信の技術が、違和感なく扱われているのが良い。
    構造も特殊で、この先に何があるのか、現実、現在は何なのか、ハラハラしながら読めた。
    201114
  • アメリカン・ブッダ

    面白い

    ネットで見かけた「柴田勝家は才能の持ち腐れ、才能有り余ってる」って言葉に興味が湧いてこちらを購入。
    ひとつひとつが長編になり得る題材なのに短編でまとめてしまっている。
    これらの設定ひとつでどれほどのストーリーができるのだろう。
    惜しみなくジャブジャブと注いだ短編集。
  • ヒト夜の永い夢
     歴史改変ものが好きなら、是非オススメしたい一冊。スチームパンクではないし、話の核となるガジェットも全然違うけど、分かり易く言うなれば、昭和初期の日本で『屍者の帝国』をやっている感じ。この時代にもっと詳しければ、史実との違いを踏まえた上で楽しめたんだろうなぁ、とは思うけれど、物語を追うだけでも十分楽...続きを読む
  • 伊藤計劃トリビュート
    伊藤計劃って名前のせいなのか?
    この8人の作家による中篇集は、それぞれがかなりの攻撃力を持っている。
    またまた、それぞれが異なる作風で僕をアタックする!
    早逝した怨みを晴らそうとしているようだ。
    たまらん!