柴田勝家のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ伊藤計劃を追悼する8篇。どれも短編としては濃密な設定で、長編小説としても読んでみたいと思わせるものばかりだった。以下は特に面白かったものを示す。
藤井大洋「公正的戦闘規範」
伊藤計劃、「虐殺器官」を彷彿とさせるような重厚な戦闘シーンが魅力。偵判打というゲームが、実際の戦闘ドローンの操縦になっていた、という設定に恐怖した。
吉上亮「未明の晩餐」
孤高のシェフと孤児二人、死刑囚の最後の晩餐専門シェフというなんともいいキャラ設定。感動。
伴名練「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」
切り裂きジャックの独白。ナイチンゲールがフランケンシュタイン博士に改造された屍者で、なんやらこうやら歴史が交錯するスペクタクル。一番面白かった。
長谷敏司「怠惰の大罪」
キューバの麻薬カルテルでのしあがるカルロス・エステベスの半生。クライム・ノベルとしての魅力が沢山でワクワクさせられた。
非常に楽しめた。 -
Posted by ブクログ
2025/8/12にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREでの大槻ケンヂ氏のイベントに行ってきた。
20年ぶりくらいに生ケンヂに会ってきた。
彼は楽器ができない、楽譜が読めない音楽家ということで有名だったけど、
人前で弾き語りができるほどにギターを弾きこなしていて感無量だった。
途中で演奏失敗して曲が止まって「ちょっと練習するね」とか言ってたのはわざとだったはずきっと。
この本は曲の歌詞を小説にしたもの。
原曲に思い入れやイメージがかなり強かったのだけど、どの短編もいい意味で裏切られて楽しめた。
自分は辻村さんと生まれた日が近いので同じ時代を生きてきた。
藤子・F・不二雄や女神転生、よつばと、大槻ケンヂなど共通の好きなものが多くて勝手に親近感を持っていた。
この本の短編を読んで改めて若い頃に彼女と同じような感情になってたんだなあと実感。
ネットで各作者とオーケンの対談が公開されてるけど、執筆にあたってどこまでオマージュしたらルール違反かみたいなさじ加減をお互いに探り探りだったようで。 -
Posted by ブクログ
筋少の歌詞をベースに作成された短編集。どの話も、出てくる主人公は所謂「陰キャ」と呼ばれる人たちで、世間の輪の中に上手く混ざれない人たち。
そんな彼ら(彼女ら)に起こるヘンテコな話・・・なんだけど、いや~どの話も面白かった!!
元々大槻ケンヂの書く詩(筋少の歌詞)って、物語っぽいから小説にしやすいってのは想像できましたが、ここまでドはまりして読めるとは思わなんだ。
特に心に刺さったのは、一番最初の「中2病の神ドロシー」、人間椅子の和嶋慎治さん作の「福耳の子供」、そして最後の大槻氏本人作の「香菜、頭をよくしてあげよう」ですかね。
特に、最初と最後の奴、一度喪失したモノと長い月日を経て邂逅するって展開、ホントダメなんですよ。読んでて泣きそうになりました。
話の節々にちょこちょこと織り込まれる,筋少の歌詞や、映画やSF等のサブカル系?小ネタ達、これらの元ネタが粗方分かってしまう自分に閉口しつつも、ニヤニヤしながら読んでました。
しかし、この企画、第二段第三弾と続いてくれたらなと、期待しています。小説書けそうな曲(歌詞?)まだまだいっぱいありそうですもんね。「風車男ルリヲ」とか、「リルカの葬列」とか、「最後の遠足」とか(挙げたらキリがない(笑))。
-
Posted by ブクログ
「そのバンド 本当はいなかった 25年見てたのは
自分の心さ 君自身の影なのさ」
“中2病の神ドロシー”より
うおぉ!筋肉少女帯の楽曲が小説に!しかも執筆陣も豪華アンド本人降臨!!
素晴らし過ぎる作品だ。筋少ファンとして思わず歓喜の涙(泣)
この作品は全6篇+装丁のアンソロジー短編集となっていて各作品のテーマとなった楽曲がタイトル(一部違うが)となっている。各執筆者はテーマとなってる歌詞を物語化しているが、まぁ、出てくる出てくる他の曲(笑)
探せば20曲くらい歌詞でてくるんじゃないかという勢い!しかもなんか大槻ケンヂの文章っぽさも感じる(寄せてる?)
筋肉少女帯愛が濃い!濃すぎる!!
物語としてはユーモア妄想日常ちょいSFファンタジーな作品揃い、バラエティ豊かで肩の力を抜いてのほほんと楽しめる。
勿論、筋肉少女帯知らない人でも楽しめる作品ではあるが、やはり各楽曲をBGMにして読むのが良いだろう。
筋少ファン、そうでない人、妄想癖とか、、暗い学生生活を送った人とか、電波受信する人とか、この世の全てを燃やし尽くしたい人とか、とにかく全人類オススメ!
「あのコは夏フェス焼け」藤田和日郎
オーケンの皮を被っていたのは…美少女!?
素敵表紙で期待感を高めてくれます!
藤田先生の別短編の「空に羽を…」という作品は
筋少の「機械」という曲をモチーフにしているので、コチラもオススメです!
「中2病の神ドロシー」辻村深月
好きだったはずのバンドが突如世界から完全に消えて無くなってしまった。彼女は存在しないバンドを探し求めて…
メッチャ綺麗にまとまってる!友達と協力してバンド探し求める姿はまさに青春小説!爽やかさを感じる作品。
「十光年先のボクへ」柴田勝家
名曲サンフランシスコ10イヤーズアフターをモチーフとした作品。
主人公ケンちゃんはこの世界は全部作り物で周りの人間に自分がそのことを知っていると気付かれてしまうと今の世界が崩壊してしまうと信じており、日々凡庸に生きているのだが…
楽曲サンフランシスコとリンクさせつつの展開にファン歓喜!楽曲もそうなのだが切なさと余韻を感じるラストが良い!
「日光行わたらせ渓谷鐵道」滝本竜彦
レティクル座行超特急をモチーフにした作品。
クラスの陰キャな主人公はその有り余るリビドーを秘密ノートに書き溜めていたのだが、クラスの陽キャ女子、踏子にそのノートを拾われてしまい…
うおぉ!オーケンのグミチョコ的なアングラ青春小説やんけ、ニヤニヤしながら読んじゃったよ。
「ディオネア・フューチャー」空木春宵
人間がハエトリグサに見えるボクと、球体関節ヒロイン“ドリュー”のSFカタストロフィ青春恋愛小説。
ライトな文体ながら切ないエンディング。
オーケンを連想させるキャラジローさんがいい味出してる。
「福耳の子供」和嶋慎治
バンド人間椅子のギタリスト和嶋慎治の筆による小説。実際の曲調は不気味な雰囲気なのだが、ほのぼのとした感じに表現されており、津軽弁がいい味出してる。
見た目の通り文学っぽい作品書くんだなぁ…
「香菜、頭をよくしてあげよう」大槻ケンヂ
満を持してのオーケン作品!曲もそうなのだが、まぁいつもの、オタク系のほほんアンドちょっぴりセンチな恋愛物な感じ。
しかし実際「頭をよくしてあげよう」って言われたら引くよね(笑)
-
Posted by ブクログ
ネタバレジョジョ関連の漫画は全て読んできた。
ただ小説はなぜか遠ざけてきていたので、今回が初の小説。なぜ避けてきたのかというと荒木飛呂彦作でないからかな。
でも、今回驚愕した。
小説なのにも関わらず、脳内では漫画の絵が、コマ割りが、ときに動画的に完全に再生されている。そして声はドラマの高橋一生の声。
小説の持つ力は未だ計り知れないな。
曰くのない人形。
人形に込められた怨念というスタンド。所有権をどうするか、まさか落とし物として警察に届けさせるとは。
ペアリペア。
夫を奪われた老婦人の怨念というスタンド。入園料のくだりが最高に不気味でよかった。双子の赤子を殺すそうという発想。脱帽。
みずのしんじ。
同姓同名という偶然。偶然と思わせて最終的には全てが必然。話の持って行き方がうまい。
鏑木八平太。
まさかの二重人格というオチ。何回も使われているはずなのに、なぜか新鮮。ヘブンズドアでどう戦うか。最後はファンという性質が鍵になった。
どれも自分だったら、どう戦うか、予想しながら読むもののことごとく当たらない。予想を超えてくる。それがジョジョであり、岸辺露伴である。そこに痺れてしまうし、憧れてしまう。
これは星5以外にはない。
漫画化されたら必ず買う。
-
Posted by ブクログ
柴田勝家さんの小説は個人的に三冊目!
今までは短編集しか読んだ事がなかったので長編もいけるって感じです!
舞台は大正時代なのですが、大正という時代は未だ江戸時代の名残を残し、戦後の現代の前の最後の近代と言うのでしょうか、日本でありながら異国情緒あふれる感じが何故か異世界感を生み出しているような気がします!
華族殺しが起きる!
その事件を追う探偵の平島は、ある日年少の浪曲師と出会う!
その浪曲師は、客から三つのお題をもらい、全く関連の無いお題に一本の筋を通して一つの物語にする『カタリゴト』を芸としていた!
平島は請け負った猫探しを解決するため浪曲師の力を借りる事に・・・
大正浪漫探偵小説!
ぜひシリーズ化して欲しい!!!!
本書を読んでいる時、子供から歴史の問題を出されました。
織田信長の片腕として仕えた猛将で、信長の死後秀吉に敗れた武将は?
と出されたので、ブックカバーを外して背表紙を見せたら手品を見た時のように驚いていました!