柴田勝家のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「伊藤計劃トリビュート』でその名を目にして依頼気になってた作家さん。
民俗学×SFの短編集、どれもおもしろー。
特に最初の「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」とタイトル作の「アメリカン・ブッダ」が好き。前者は論文の形を採りながらリアルに架空の民族の風俗を描く切り口が新しく感じた。絶対にいないはずなのに、ちょっと本当にいそうな気がする。近未来にはもしかしたら。
後者は仏教とメタバースとインディアン(ネイティブ・アメリカン)を組み合わせるというウルトラC級の盛り盛り大スペクタクル。拡げた風呂敷が最後綺麗に畳まれていく展開に感動した。
「鏡石異譚」はファンタジーみのあるタイムトラベルSF。
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Posted by ブクログ
好き。すごいよかった!
短編集だけど、どれもよく出来てるなーって。
少数民族とVR、最先端科学技術と民俗学、インディアンと仏教と仮想現実。普通一緒に並ばないでしょっていう意外な組み合わせが起こす化学反応ったらもう。どの話にもノスタルジーみたいなものを感じる。のは、無機質なもの、未来的なものののなかに、失われた(失われるであろう)情緒的なもの、文化的なものを感じるからかもしれない。そういう淡い想い出に浸る感覚になれるような、物語の美しさ。好き。
特に最後のアメリカン・ブッダがいい。お話のつくりもなかなか劇的というかロマンティックというか。現実世界→仮想現実→宇宙という展開は描写的にはスケールが大 -
Posted by ブクログ
民族学SF!着眼点が面白い。
VR世界で生まれて死ぬ少数民族を描いた『雲南省スー族におけるVR技術の使用例』から始まって、人口の大多数がバーチャルに逃げたアメリカを描く『アメリカン・ブッダ』で締める構成がすごくきれいだと思った。
個人的には物語を病気として排除する『検疫官』が一番面白かった。
生まれてから一切の物語を見出さずに生きるなんてことは不可能なのでは??それが可能なのは洗脳されてる状態なのでは??って深く突っ込むとめちゃくちゃ恐ろしい思想統制ディストピアだ……
『一八九七年:龍動幕の内』も、キャラ主体の文章が軽やかで楽しい。あとで『ヒト夜の永い夢』も読もう。 -
購入済み
面白い
ネットで見かけた「柴田勝家は才能の持ち腐れ、才能有り余ってる」って言葉に興味が湧いてこちらを購入。
ひとつひとつが長編になり得る題材なのに短編でまとめてしまっている。
これらの設定ひとつでどれほどのストーリーができるのだろう。
惜しみなくジャブジャブと注いだ短編集。 -
Posted by ブクログ
歴史改変ものが好きなら、是非オススメしたい一冊。スチームパンクではないし、話の核となるガジェットも全然違うけど、分かり易く言うなれば、昭和初期の日本で『屍者の帝国』をやっている感じ。この時代にもっと詳しければ、史実との違いを踏まえた上で楽しめたんだろうなぁ、とは思うけれど、物語を追うだけでも十分楽しめた。
設定や舞台が漂わせる浪漫のみならず、ときおりコミカルな(一方で文章の堅実さをかなぐりすてることもない)描写が顔を覗かせるのも、読んでいて面白かったポイント。
一方で、SFとしてどうか、と言われると、完成した天皇機関はともかくとして、もともと組み上げるつもりだった、粘菌とパンチカードを組 -
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Posted by ブクログ
文字通り、伊藤計劃トリビュートの作品集である。文庫本で700ページを超える厚さであるが、作品数は8つの中篇集である。どの作品も伊藤計劃の影を感じさせる作品であり、作家らがいかに伊藤計劃氏の影響を受けているのか感じられる。しかもどの作品も驚くほど面白い。各作品に引き込まれるように読んだ。ページ数は多いがあっという間に読み終えてしまった。特に面白かったのは、「仮想の在処」「南十字星」「未明の晩餐」「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」。
以下、個別作品の感想。
◎公正的戦闘規範(藤井 太洋)
格好いい話だ。ドローンや歩行兵器などが登場し、さらに戦争の規範を訴える。無人兵器が実用化さ -
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Posted by ブクログ
面白かったです。
どの人も、筋少の曲に対する想いが溢れていた。もっと他にも、あの曲やあの曲もあるやろ!と思ったら、そう言った曲の歌詞もちゃんと話の中に登場していた。
また是非いろいろな曲を小説化してもらいたいなぁ。
辻村深月さん
中二病の神ドロシー
ある意味一番それっぽい小説化だった。
滝本竜彦さん
レティクル座行超特急。
自分は、暦15年ぐらいのにわかファンだけど、レティクル座妄想のアルバムは車の運転中に相当な回数きいている。
そのアルバムの一曲目なので、容易に脳内再生できた。
それにしてもNHKにようこそ
柴田勝家さん
サンフランシスコ10イヤーズアフター
サンフランシスコは -