柴田勝家のレビュー一覧

  • アメリカン・ブッダ

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    ネタバレ

    これは面白い。物語の世界に没入してしまう。

    ■雲南省スー族におけるVR技術の使用例
    VRゴーグルを装着したまま一生を過ごすというスー族の話。食事とかどうしてるのか?などと思いつつ楽しんで読んでいたらラストで納得。

    ■鏡石異譚
    素粒子衝突実験、時間経過の一方向性、予言などをベースとしながら、自分の過去や未来と向き合う話。これまたスッキリ。

    ■邪義の壁
    家の分厚い白い壁を信仰する話。壁の秘密にゾクゾクする。歴史を絡めた妖しさがいい。

    ■1897年龍動幕の内
    公園に出没するという天使を追う物語。ただのファンタジーや謎解きではないところに痺れる。南方熊楠の万能ブリが活かされてる。

    ■アメリカ

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    2023年09月11日
  • 走馬灯のセトリは考えておいて

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    ネタバレ

    これはおもしろい。それに読みやすい。SFならではの難解な世界観や描写は抑えられていて、民俗学的な要素が物語の奥行きを広げている感じ。
    AIや異星人など、生身の人間ではないものを主体にすることで人間らしさを浮かび上がらせるのが絶妙に巧い。

    ■オンライン福男
    感染症の拡大の影響から新年の福男をオンラインで決める話。話が発散して無茶苦茶になっていく。コロナ禍を思い出す一話。

    ■クランツマンの秘仏
    深い信仰には質量がともなうというエセ科学?に囚われた男と、その男の名誉を回復したい子どもたちの話。これは事実なのか?と思わせるノンフィクションのようなスタイルに引き込まれる。

    ■絶滅の作法
    人類が絶滅

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    2023年09月01日
  • 本格王2021

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    方丈さんが好きで方丈さん目当てで買った。
    アミュレットホテル、とても楽しく読めて好き。

    他にも初読みの作家さんが多く、楽しく読め気になる作家さんが増えた。

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    2023年04月30日
  • 走馬灯のセトリは考えておいて

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    最新科学技術と人々の繋がり、想いが描かれていくような短編集。噛み合わせの悪そうな題材がどこまでもエモい。バランス感覚が本当にすごい。
    表題作は死後データベース化される世界でのVtuberのリバイバル。タイトルやばない?

    0
    2023年01月28日
  • 走馬灯のセトリは考えておいて

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    ・オンライン福男
    VRで福男の競争をするというコメディチックな話。ただ、そこに現実味が伴うのが我々の文明の現在地を感じさせる。
    ・クランツマンの秘仏
    短編アンソロジー「異常論文」に掲載された、信仰が質量を生じさせ存在を実在させるという論文と、その実験を行った人物に関する記録。ドラマによって著者への共感が物語に存在感を与えることと相似するところが見事。
    ・絶滅の作法
    ポストアポカリプスものの亜種のような作品。日常への哀愁と文化の継承者になる話。
    ・火星環境下における宗教性原虫の適応と分布
    宗教や言語を寄生虫と捉えて寄生された人間の行動が変容させられている、といった内容の論文風短編。物事の主従を反

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    2023年01月02日
  • アメリカン・ブッダ

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    「伊藤計劃トリビュート』でその名を目にして依頼気になってた作家さん。
    民俗学×SFの短編集、どれもおもしろー。

    特に最初の「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」とタイトル作の「アメリカン・ブッダ」が好き。前者は論文の形を採りながらリアルに架空の民族の風俗を描く切り口が新しく感じた。絶対にいないはずなのに、ちょっと本当にいそうな気がする。近未来にはもしかしたら。
    後者は仏教とメタバースとインディアン(ネイティブ・アメリカン)を組み合わせるというウルトラC級の盛り盛り大スペクタクル。拡げた風呂敷が最後綺麗に畳まれていく展開に感動した。
    「鏡石異譚」はファンタジーみのあるタイムトラベルSF。

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    2022年09月25日
  • ゴーストケース 心霊科学捜査官

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    シリーズ第一巻。
    人間が死後に発する精神毒素「怨素」が原因で祟りにあったり、生きた人間が感染して事件を起こしたりする新しい設定のストーリー。
    キャラの名前がなじみのない独特なのが多く読めない漢字の名前ばかり出てきた(笑)
    主役の御陵が方弁を使っていて大阪人の自分には分からないセリフもあった。
    ストーリーは面白く、最後は予想外の結末が待っていた。
    独自の世界観とか完成度高く読み終わりは高揚感が残った。
    キャラクターの動かし方とかドラマを見ているような感覚になった。
    これは次の巻も期待できる。

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    2022年04月16日
  • アメリカン・ブッダ

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    好き。すごいよかった!
    短編集だけど、どれもよく出来てるなーって。
    少数民族とVR、最先端科学技術と民俗学、インディアンと仏教と仮想現実。普通一緒に並ばないでしょっていう意外な組み合わせが起こす化学反応ったらもう。どの話にもノスタルジーみたいなものを感じる。のは、無機質なもの、未来的なものののなかに、失われた(失われるであろう)情緒的なもの、文化的なものを感じるからかもしれない。そういう淡い想い出に浸る感覚になれるような、物語の美しさ。好き。
    特に最後のアメリカン・ブッダがいい。お話のつくりもなかなか劇的というかロマンティックというか。現実世界→仮想現実→宇宙という展開は描写的にはスケールが大

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    2022年03月03日
  • アメリカン・ブッダ

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    民族学SF!着眼点が面白い。

    VR世界で生まれて死ぬ少数民族を描いた『雲南省スー族におけるVR技術の使用例』から始まって、人口の大多数がバーチャルに逃げたアメリカを描く『アメリカン・ブッダ』で締める構成がすごくきれいだと思った。

    個人的には物語を病気として排除する『検疫官』が一番面白かった。
    生まれてから一切の物語を見出さずに生きるなんてことは不可能なのでは??それが可能なのは洗脳されてる状態なのでは??って深く突っ込むとめちゃくちゃ恐ろしい思想統制ディストピアだ……

    『一八九七年:龍動幕の内』も、キャラ主体の文章が軽やかで楽しい。あとで『ヒト夜の永い夢』も読もう。

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    2022年01月12日
  • ヒト夜の永い夢

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    本当にすごい本。鬼滅の刃っぽいけど、大正に実際にあったんじゃないかという気がしてくるほど描写が優れている。

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    2021年10月09日
  • ニルヤの島

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    自分の好みにバッチリはまった。人間の行動は、思想は、何に起因するのか、そういう概念と死後の世界や生体による計算、通信の技術が、違和感なく扱われているのが良い。
    構造も特殊で、この先に何があるのか、現実、現在は何なのか、ハラハラしながら読めた。
    201114

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    2020年11月15日
  • アメリカン・ブッダ

    購入済み

    面白い

    ネットで見かけた「柴田勝家は才能の持ち腐れ、才能有り余ってる」って言葉に興味が湧いてこちらを購入。
    ひとつひとつが長編になり得る題材なのに短編でまとめてしまっている。
    これらの設定ひとつでどれほどのストーリーができるのだろう。
    惜しみなくジャブジャブと注いだ短編集。

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    2020年09月14日
  • ヒト夜の永い夢

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     歴史改変ものが好きなら、是非オススメしたい一冊。スチームパンクではないし、話の核となるガジェットも全然違うけど、分かり易く言うなれば、昭和初期の日本で『屍者の帝国』をやっている感じ。この時代にもっと詳しければ、史実との違いを踏まえた上で楽しめたんだろうなぁ、とは思うけれど、物語を追うだけでも十分楽しめた。
     設定や舞台が漂わせる浪漫のみならず、ときおりコミカルな(一方で文章の堅実さをかなぐりすてることもない)描写が顔を覗かせるのも、読んでいて面白かったポイント。
     一方で、SFとしてどうか、と言われると、完成した天皇機関はともかくとして、もともと組み上げるつもりだった、粘菌とパンチカードを組

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    2020年03月10日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    伊藤計劃って名前のせいなのか?
    この8人の作家による中篇集は、それぞれがかなりの攻撃力を持っている。
    またまた、それぞれが異なる作風で僕をアタックする!
    早逝した怨みを晴らそうとしているようだ。
    たまらん!

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    2019年11月27日
  • ヒト夜の永い夢

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    昭和初期の人物や事件をなぞりつつ粘菌コンピュータが完成したことで大事件に巻き込まれていきます。飄々とした描写と登場人物たちが動き回る様子は読んでいて気持ちの良いものでした。

    そして粘菌です。粘菌好きなので粘菌がどうコンピュータになるのかなどの描写が最高です。粘菌コンピュータを通して人を人としているのは何かを考察していくのも良いですね。

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    2019年05月23日
  • ヒト夜の永い夢

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    昭和初期、南方熊楠を中心として紡がれる壮大な因縁曼荼羅。

    熊楠、乱歩を初めとする実在人物を、現実のエピソードを基に魅力的なキャラクターとして描く。
    かつ、昭和天皇即位〜2・26事件の激動の日本を舞台とした血湧くSF展開。
    夢久、PKディック、大槻ケンヂ、エヴァに通ずる奇想。

    新元号1冊目の読書として申し分ない、大々満足の読書体験だった。

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    2019年05月06日
  • ニルヤの島

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    4つのエピソードがシャッフルされ、終盤に近づくにつれ段々と一つに繋がっていく。

    主体も時系列もバラバラなエピソードの断片を四次元的に組み上げながら世界観を理解するという、能動的読書が楽しめる。

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    2019年02月27日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    いかにも伊藤計劃トリビュートらしい中編集。
    戦争をAIから取り戻す「公正的戦闘規範」、AIが推奨される選択肢を掲示する世界「ノット・ワンダフル・ワールズ」が特に面白し、伊藤計劃らしさがある。
    分厚さもありSFはじっくり読み込んでしまうので時間がかかったが非常に面白かった。

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    2017年04月22日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    意図的な選択肢を提示し、それを人が受け入れるようになると、選択肢を提示している人は、人を操れるようになりますが、操られている人はそうであることを認識しませんという話が載っている。たとえ、あやつっていたのが人でなかったとしても。

    ノット・ワンダフル・ワールズ

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    2017年01月26日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    文字通り、伊藤計劃トリビュートの作品集である。文庫本で700ページを超える厚さであるが、作品数は8つの中篇集である。どの作品も伊藤計劃の影を感じさせる作品であり、作家らがいかに伊藤計劃氏の影響を受けているのか感じられる。しかもどの作品も驚くほど面白い。各作品に引き込まれるように読んだ。ページ数は多いがあっという間に読み終えてしまった。特に面白かったのは、「仮想の在処」「南十字星」「未明の晩餐」「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」。

    以下、個別作品の感想。

    ◎公正的戦闘規範(藤井 太洋)
    格好いい話だ。ドローンや歩行兵器などが登場し、さらに戦争の規範を訴える。無人兵器が実用化さ

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    2016年04月25日