柴田勝家のレビュー一覧

  • アメリカン・ブッダ

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    「伊藤計劃トリビュート』でその名を目にして依頼気になってた作家さん。
    民俗学×SFの短編集、どれもおもしろー。

    特に最初の「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」とタイトル作の「アメリカン・ブッダ」が好き。前者は論文の形を採りながらリアルに架空の民族の風俗を描く切り口が新しく感じた。絶対にいないはずなのに、ちょっと本当にいそうな気がする。近未来にはもしかしたら。
    後者は仏教とメタバースとインディアン(ネイティブ・アメリカン)を組み合わせるというウルトラC級の盛り盛り大スペクタクル。拡げた風呂敷が最後綺麗に畳まれていく展開に感動した。
    「鏡石異譚」はファンタジーみのあるタイムトラベルSF。

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    2022年09月25日
  • ゴーストケース 心霊科学捜査官

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    シリーズ第一巻。
    人間が死後に発する精神毒素「怨素」が原因で祟りにあったり、生きた人間が感染して事件を起こしたりする新しい設定のストーリー。
    キャラの名前がなじみのない独特なのが多く読めない漢字の名前ばかり出てきた(笑)
    主役の御陵が方弁を使っていて大阪人の自分には分からないセリフもあった。
    ストーリーは面白く、最後は予想外の結末が待っていた。
    独自の世界観とか完成度高く読み終わりは高揚感が残った。
    キャラクターの動かし方とかドラマを見ているような感覚になった。
    これは次の巻も期待できる。

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    2022年04月16日
  • アメリカン・ブッダ

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    好き。すごいよかった!
    短編集だけど、どれもよく出来てるなーって。
    少数民族とVR、最先端科学技術と民俗学、インディアンと仏教と仮想現実。普通一緒に並ばないでしょっていう意外な組み合わせが起こす化学反応ったらもう。どの話にもノスタルジーみたいなものを感じる。のは、無機質なもの、未来的なものののなかに、失われた(失われるであろう)情緒的なもの、文化的なものを感じるからかもしれない。そういう淡い想い出に浸る感覚になれるような、物語の美しさ。好き。
    特に最後のアメリカン・ブッダがいい。お話のつくりもなかなか劇的というかロマンティックというか。現実世界→仮想現実→宇宙という展開は描写的にはスケールが大

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    2022年03月03日
  • アメリカン・ブッダ

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    民族学SF!着眼点が面白い。

    VR世界で生まれて死ぬ少数民族を描いた『雲南省スー族におけるVR技術の使用例』から始まって、人口の大多数がバーチャルに逃げたアメリカを描く『アメリカン・ブッダ』で締める構成がすごくきれいだと思った。

    個人的には物語を病気として排除する『検疫官』が一番面白かった。
    生まれてから一切の物語を見出さずに生きるなんてことは不可能なのでは??それが可能なのは洗脳されてる状態なのでは??って深く突っ込むとめちゃくちゃ恐ろしい思想統制ディストピアだ……

    『一八九七年:龍動幕の内』も、キャラ主体の文章が軽やかで楽しい。あとで『ヒト夜の永い夢』も読もう。

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    2022年01月12日
  • ヒト夜の永い夢

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    本当にすごい本。鬼滅の刃っぽいけど、大正に実際にあったんじゃないかという気がしてくるほど描写が優れている。

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    2021年10月09日
  • アメリカン・ブッダ

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    雲南省スー族の話は割とリアルにあり得そうなので面白い。邪義の壁もよかった。骨が壁から見つかり、念仏を唱える話。

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    2021年10月09日
  • ニルヤの島

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    自分の好みにバッチリはまった。人間の行動は、思想は、何に起因するのか、そういう概念と死後の世界や生体による計算、通信の技術が、違和感なく扱われているのが良い。
    構造も特殊で、この先に何があるのか、現実、現在は何なのか、ハラハラしながら読めた。
    201114

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    2020年11月15日
  • アメリカン・ブッダ

    購入済み

    面白い

    ネットで見かけた「柴田勝家は才能の持ち腐れ、才能有り余ってる」って言葉に興味が湧いてこちらを購入。
    ひとつひとつが長編になり得る題材なのに短編でまとめてしまっている。
    これらの設定ひとつでどれほどのストーリーができるのだろう。
    惜しみなくジャブジャブと注いだ短編集。

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    2020年09月14日
  • ヒト夜の永い夢

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     歴史改変ものが好きなら、是非オススメしたい一冊。スチームパンクではないし、話の核となるガジェットも全然違うけど、分かり易く言うなれば、昭和初期の日本で『屍者の帝国』をやっている感じ。この時代にもっと詳しければ、史実との違いを踏まえた上で楽しめたんだろうなぁ、とは思うけれど、物語を追うだけでも十分楽しめた。
     設定や舞台が漂わせる浪漫のみならず、ときおりコミカルな(一方で文章の堅実さをかなぐりすてることもない)描写が顔を覗かせるのも、読んでいて面白かったポイント。
     一方で、SFとしてどうか、と言われると、完成した天皇機関はともかくとして、もともと組み上げるつもりだった、粘菌とパンチカードを組

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    2020年03月10日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    伊藤計劃って名前のせいなのか?
    この8人の作家による中篇集は、それぞれがかなりの攻撃力を持っている。
    またまた、それぞれが異なる作風で僕をアタックする!
    早逝した怨みを晴らそうとしているようだ。
    たまらん!

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    2019年11月27日
  • ヒト夜の永い夢

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    昭和初期の人物や事件をなぞりつつ粘菌コンピュータが完成したことで大事件に巻き込まれていきます。飄々とした描写と登場人物たちが動き回る様子は読んでいて気持ちの良いものでした。

    そして粘菌です。粘菌好きなので粘菌がどうコンピュータになるのかなどの描写が最高です。粘菌コンピュータを通して人を人としているのは何かを考察していくのも良いですね。

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    2019年05月23日
  • ヒト夜の永い夢

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    昭和初期、南方熊楠を中心として紡がれる壮大な因縁曼荼羅。

    熊楠、乱歩を初めとする実在人物を、現実のエピソードを基に魅力的なキャラクターとして描く。
    かつ、昭和天皇即位〜2・26事件の激動の日本を舞台とした血湧くSF展開。
    夢久、PKディック、大槻ケンヂ、エヴァに通ずる奇想。

    新元号1冊目の読書として申し分ない、大々満足の読書体験だった。

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    2019年05月06日
  • ニルヤの島

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    4つのエピソードがシャッフルされ、終盤に近づくにつれ段々と一つに繋がっていく。

    主体も時系列もバラバラなエピソードの断片を四次元的に組み上げながら世界観を理解するという、能動的読書が楽しめる。

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    2019年02月27日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    いかにも伊藤計劃トリビュートらしい中編集。
    戦争をAIから取り戻す「公正的戦闘規範」、AIが推奨される選択肢を掲示する世界「ノット・ワンダフル・ワールズ」が特に面白し、伊藤計劃らしさがある。
    分厚さもありSFはじっくり読み込んでしまうので時間がかかったが非常に面白かった。

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    2017年04月22日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    意図的な選択肢を提示し、それを人が受け入れるようになると、選択肢を提示している人は、人を操れるようになりますが、操られている人はそうであることを認識しませんという話が載っている。たとえ、あやつっていたのが人でなかったとしても。

    ノット・ワンダフル・ワールズ

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    2017年01月26日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    文字通り、伊藤計劃トリビュートの作品集である。文庫本で700ページを超える厚さであるが、作品数は8つの中篇集である。どの作品も伊藤計劃の影を感じさせる作品であり、作家らがいかに伊藤計劃氏の影響を受けているのか感じられる。しかもどの作品も驚くほど面白い。各作品に引き込まれるように読んだ。ページ数は多いがあっという間に読み終えてしまった。特に面白かったのは、「仮想の在処」「南十字星」「未明の晩餐」「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」。

    以下、個別作品の感想。

    ◎公正的戦闘規範(藤井 太洋)
    格好いい話だ。ドローンや歩行兵器などが登場し、さらに戦争の規範を訴える。無人兵器が実用化さ

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    2016年04月25日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    私的には話がすごく粒揃いだった。
    未明の晩餐はぜひ長篇でもやって欲しい。もっとよみたくなる、話だった。

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    2015年11月24日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

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    面白かったです。
    どの人も、筋少の曲に対する想いが溢れていた。もっと他にも、あの曲やあの曲もあるやろ!と思ったら、そう言った曲の歌詞もちゃんと話の中に登場していた。
    また是非いろいろな曲を小説化してもらいたいなぁ。

    辻村深月さん
    中二病の神ドロシー
    ある意味一番それっぽい小説化だった。

    滝本竜彦さん
    レティクル座行超特急。

    自分は、暦15年ぐらいのにわかファンだけど、レティクル座妄想のアルバムは車の運転中に相当な回数きいている。
    そのアルバムの一曲目なので、容易に脳内再生できた。
    それにしてもNHKにようこそ

    柴田勝家さん
    サンフランシスコ10イヤーズアフター

    サンフランシスコは

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    2025年11月28日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

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    筋肉少女帯は前に聞いていた時期があるし、辻村深月が読みたかったので手に取った。

    辻村深月が別格。
    それは仕方ない。
    同じような仕掛けをストーリーに仕込んでも、感じ方がまるで違う。
    他の人のがカクカクのポリゴンだとしたら、辻村深月は実写みたいななめらか3D。

    意外と、和嶋慎治の文体が好きだった。
    もしかしたら人間椅子が好きだから、フィルターかかってるのかもしれない。

    オーケンの作品も好き。
    東京の街は知らないけど、不思議と懐かしい。

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    2025年09月29日
  • 岸辺露伴は嗤わない 短編小説集

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    ネタバレ

    「曰くのない人形」「ペア・リペア」「不見神事」「ファン・鏑木八平太の場合」4編が収録
    露伴がふと足を踏み入れた美しい庭園に潜む怪異の内容と原因の因果関係で一番好きだったのは「ペア・リペア」だった。
    「ファン・鏑木八平太の場合」は鏑木八平太のキャラクターが恐ろしく、彼に〈ヘブンズ・ドアー〉が効かない理由は意外だったが、彼と彼の友人である増馬純との関係に関して該当の部分を読む前に察する事が出来てしまったのが残念。

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    2025年09月17日