柴田勝家のレビュー一覧

  • アメリカン・ブッダ

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    民俗学SFが6篇。人々が人口冬眠して意識だけVR世界に移し平和に暮らしている世界に、リアル世界からブッダの教えを説くインディアンが語りかけると大混乱。最後は「百億の昼と千億の夜」を思い起こさせる壮大な展開になっていきます。

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    2021年11月18日
  • ヒト夜の永い夢

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    作中、南方熊楠は、世界は「物」と「心」が掛け合わさって「事」が生じると論じています。ウランは自然にも崩壊していきますが、連鎖反応は人の心が作用しないと発生しないですよね。いつかは心が物理でフォローされるようになるんでしょうか。

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    2021年11月18日
  • ニルヤの島

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    意識をコンピュータやネットに移して不死になるという話はたくさんありますがこれはユニークではないかと思います。でも、そのやり方だと再生できるのは生まれてから死ぬまでの間のはずなので、永遠にループするの?などと少し疑問も。

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    2021年11月18日
  • ヒト夜の永い夢

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    ネタバレ

    昭和初期。千里眼研究で世を追われた福来友吉に誘われ、「昭和考幽学会」なる怪しい研究者の集まりに参加することになった博物学者・南方熊楠。かつて英国留学中に出会った親友の孫文が遺した「人の動きを計算する機械の〈設計図〉」と粘菌が結晶化した人工宝石の力によって、悲願である少女型アンドロイド〈天皇機関〉を完成させた熊楠たちは今上天皇にその姿をお披露目しようと画策するも、実は学会内部に別の目的を持った裏切り者が紛れ込んでいて……。粘菌AIを中心に据え、熊楠をはじめとして宮沢賢治や江戸川乱歩、北一輝に石原莞爾らの運命が絡まり合うSF伝奇小説。


    破天荒な熊楠おじさんを主人公に、粘菌でできた人工知能という

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    2021年11月03日
  • アメリカン・ブッダ

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    ネタバレ

    『アメリカン・ブッダ』は2回読んだら良かった。
    常に分断は発生し同じ方向に進化は進むということや、悟りが中庸にあるということは2回目の方がすんなり入ってきた。

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    2021年09月26日
  • アメリカン・ブッダ

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    ネタバレ

    「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」★★★★
    「鏡石異譚」★★★
    「邪義の壁」★★★
    「一八九七年:龍動幕の内」★★★
    「検疫官」★★★
    「アメリカン・ブッダ」★★★

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    2021年10月24日
  • ゴーストケース 心霊科学捜査官

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    出だしのホラー感とか主人公の描写とか良かったんだけど、そもそもの世界設定で科学的に心霊現象が解決されている設定だと、さて、どう感じるべきか迷いますね。(^^;
    一応、ホラー要素有りの推理小説だけれど、そう怖くないし、かといって推理小説として目新しいかというと、それもちょっと疑問。
    オリジナリティはあるけれど、素直に楽しめない感じとでも言いましょうか。
    この手のからくりに慣れていない人なら楽しめるとは思いますが。(^^;

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    2020年10月11日
  • ヒト夜の永い夢

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    SF物は久しぶりに読んだ。南方熊楠が主人公。1860年〜1910年位までの実在の有名人がわんさか登場。2.26事件も絡み、最終対決の北一輝と南方熊楠との闘いは…という話。死体を使った生き人形を製作するまでには、たくさんの人が絡む。最終目的は違っても意思を持つ人形製作の情熱は本物。宮沢賢治、江戸川乱歩も登場。昭和初期に詳しい人ならより楽しめそう。

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    2020年05月04日
  • ゴーストケース 心霊科学捜査官

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    色々なジャンルでマンガのようにキャラクター性の強い作品が増えてきているけど、これもなかなかだった。土佐弁で陰陽師で捜査官の主人公。だけど思考は割と常識的だから、同僚の捜査官たちのアクの強さがまあ目立つ、目立つ……。
    カルト宗教マニアで、あらゆる宗教団体からブラックリストに入れられてるキャラなんて、自分は一生かかっても思いつかないだろうなあ。

    この小説はいわゆる特殊設定のミステリです。“霊子”や"怨素”などといった人間の精神から発せられる原子など発見によって、霊現象や祟り、呪いが科学捜査にも使われるという設定。
    だから主人公である陰陽師の御陵(みささぎ)も捜査官の一員で、警視庁にも心

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    2020年04月15日
  • ゴーストケース 心霊科学捜査官

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    初めましての作家さん。
    幽霊が科学的に解明されている世界。
    霊子科学(リョウシカガク)が発達して、高校くらいなら知っている事。
    心霊科学捜査研究所(略して霊捜研)の心霊科学捜査官っていうのが
    新しい。しかも陰陽師!
    そんな世界だから警視庁には死後犯罪撲滅キャンペーンとか
    幽霊との遺産相続問題とか、防霊スプレーとか漢方とか
    幽霊が商業利用されている。
    ≧(´▽`)≦アハハハハハ・・・
    一風変わった捜査の結果、浮き上がって来たのは
    あまりにも切ないアイドルの真実
    まぁ感動まではいかないまでも、楽しめました。

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    2019年12月18日
  • ヒト夜の永い夢

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    予想外にこれも波動関数SFで、仏教の”因縁”で波動関数が収束するというストーリー。 宮沢賢治等、実在の人物が作中に出てくるのが面白い。しかしながら、登場人物のほとんどが男性で、その男性たちが少女の死体からオートマタを作るという流れにはアリガチ感が否めないのと、その罪に無自覚なのがまたアリガチ。なんでオートマタって大体少女の形態なんですかね…

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    2019年11月20日
  • ニルヤの島

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    これほどまでに巻末の解説をありがたいと思った本はないのではなかろうか。
    この作品がSF好きの人達にとって傑作とされているのだとしたら、自分にはSFを楽しむための素養が決定的に足りていないんだなと教えてくれたような一冊。SFを楽しむためには、社会構造に興味がないとダメなんじゃないだろうか。
    作中でどんなことが起きて、どんな仕掛けがあって、ラストにどんなカタルシスが用意されているのか、を雰囲気で感じ取ることこそできたものの、文系育ちの自分には「なんとなく」でしか意味を捉えきれていない単語がそこかしこで飛び交っているので、それを全部理解できたらきっともっと楽しめるんだろうなぁ……と思いつつ、そこを楽

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    2019年09月22日
  • ヒト夜の永い夢

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    ネタバレ

    主人公が南方熊楠の帝都物語という印象。機関の出てくるシーンや幻想現実入り乱れる辺りは動画や映像で見たいなと思ったけれど、嘔吐脱糞シーンも多いのでやっぱり嫌だな。

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    2019年07月14日
  • ヒト夜の永い夢

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    ネタバレ

    柴田先生の魅力はわちゃわちゃ感にあるのではないかと感じた。それは今作で言えば天皇機関の見せる夢のわちゃわちゃ感、二・二六事件のお祭り騒ぎにおけるわちゃわちゃ感、『ニルヤの島』終盤のわちゃわちゃ感。彼の仕掛けるSF的なギミックによりあらゆるキャラクターや世界が翻弄されていく、その様に「生」を感じる。SF的ギミックそれ自体よりも、それを人々がどう受け入れていくのかに真髄がある。

    本作に関しては惜しいかな、と感じた。非常に魅力的でドッタンバッタンなエンターテイメントとして楽しくは読めたが、1本のSFとしてはまとまりきっていない印象を受ける。天皇機関、という踏み込んだものを作成したはいいが、そこまで

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    2019年05月27日
  • ヒト夜の永い夢

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    今様「帝都物語」、あるいは、「學天則は粘菌エンジンで夢を見るか」、か…

    SFだと思って読み始めると、なんだ落語か、と思っていると、お約束の量子論SFにシフトし、と、まぁこれも今様か。
    (「死体人形」の時点でリアリティを失っているのだが、パンクな夢ならなんでもありなのかね…)

    「チョウたちの時間」や「宝石泥棒」に感激していた昔なら狂喜したかもしれないけど、今さらこれ読んでもなぁ…

    結論:
     荒俣宏+奥泉光 < 柴田勝家、とはならず、残念。

    (小さん師匠は登場しなかった、これまた残念)

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    2019年05月17日
  • デッドマンズショウ 心霊科学捜査官

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    陰陽師+刑事が心霊事件の謎を解くシリーズ第2弾。
    あるシリーズ映画の出演者が次々とバラバラ死体で発見され、霊捜研が捜査に乗り出すが謎は深まるばかり。その間にも次の映画の撮影が始まって…
    心霊現象がある程度科学的に解明されうる世界設定なので、霊子や怨素といったものが手がかりになり、それに慣れるまでは読むのがもたついたが、終盤の霊と憑依された人の関係の考察などは面白かった。
    エピローグでは謎の男も登場したし、次作に期待。

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    2018年02月12日
  • ニルヤの島

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    何か見えない大きなモノ。
    でもそれは個々の人がもつ小さなモノの集合体。

    (以下抜粋)
    ○喩えるなら、一度読んだことのある本を、あえてバラバラに読み直すようなものだ。ただ違うのは、読んだことがあるという意識があるだけで、実際には次の場面を想像することはできない。(P.12)
    ○つい落ちた夢を見たから筋肉が反応したかのように因果関係を結んでしまうが、実際はまず筋肉の動きがあって、そこから目を覚ますまでの僅か数コンマの間に脳が夢の中で、筋肉が動いた理由を映像として再現するんだ。(P.277)

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    2017年12月30日
  • ゴーストケース 心霊科学捜査官

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    それを聴いたファンが次々と自殺するというアイドルのCDの呪い。陰陽師にして心霊科学捜査官が謎に立ち向かう。
    ”霊子”や”怨素”という概念で呪いや陰陽道が科学的に説明できる世界の中で、オカルトに特化せずミステリしているのが面白かった。そして地下アイドルへの愛が感じられる。
    キャラ造型はラノベの王道的だし、シリーズ化に期待。
    それにしても著者のペンネームがインパクトありすぎる。

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    2017年05月26日
  • クロニスタ 戦争人類学者

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    SF。アクション。
    背表紙によると、「2010年代SFの最前線」らしい。
    はじめ30ページほど読んだだけで、伊藤計劃の影響を強く感じた。結末も『ハーモニー』に近い印象。
    伊藤計劃の残したインパクトが大きかったということでしょうか。
    人類全体で個人の認知と感情を共有できる”自己相”と、その問題点など、世界観の設定が秀逸。
    個人的には、アクションシーンが多すぎた気がする。好みの問題?

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    2017年02月18日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    藤井太洋「公正的戦闘規範」★★★
    伏見完「仮想の在処」★★★★
    柴田勝家「南十字星」★★
    吉上亮「未明の晩餐」★★★
    仁木稔「にんげんのくに」★★★
    王城夕紀「ノット・ワンダフル・ワールズ」★★★
    伴名練「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」★★★★★
    長谷敏司「怠惰の大罪」★★★

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    2019年09月04日