柴田勝家のレビュー一覧
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ネタバレ目次
・公正的戦闘規範 藤井太洋
・仮想(おもかげ)の在処 伏見完
・南十字星 柴田勝家
・未明の晩餐 吉上亮
・にんげんのくに Le Milieu Humain 仁木稔
・ノット・ワンダフル・ワールズ 王城夕紀
・フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪 伴名練
・怠惰の大罪 長谷敏司
どの作品も伊藤計劃の気配を漂わせているけれど、特に濃厚なのは王城夕紀の作品(ハーモニーの世界観)と、伴名練の作品(屍者の帝国の世界観)。
この2作品は好きだなあ。
特に伴名練作品のナイチンゲールは夢に出てきそうなくらい恐ろしい。
単純な幸福はない。
幸福に正解はない。
けれどどの作品も屈託があり -
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時は昭和2年。粘菌学者の南方熊楠は昭和孝幽学会という謎の団体に勧誘される。そこは、本流を外れた亜流の学者集団であった。自動人形"天皇機関"を作り上げ、天皇に献上することで自らの存在を知らしめようとする彼ら。南方は天皇機関の頭脳となる粘菌コンピューターを完成させるが、そこに革命家の陰謀が介入し事態は混沌を極めていく。
もしも昭和初期に粘菌によるAIが完成したら、という歴史改編SF。登場人物表を見れば江戸川乱歩や宮沢賢治など有名人の名前が並び、それを見ただけでもワクワクする。
また、著者は本書の内容について「きらら4コマ」に例えている。確かに宿場に集まって騒がしくも天 -
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SF ×宗教という組み合わせ。
我々も正直 死後の世界については うっすら信じてるか信じてないかくらいなものだと思うけど、「科学が進歩して死後の世界が完全に否定されたらどうなるのか?」「SF的な観点から見る死者の国とは?何故 人類はそれを必要としたのか?」という感じの作品。
読み応えある作品でした。時系列が作品の根本設定としても入り乱れてるので読み返し必須。
“{ミームとは即ち、人間の持つコーデックなんだ。人はあらゆる文化事象をコード化し、自身の脳内にあるミラーニューロンにおいて接続する。接続された文化事象は、個人の行為となってデコードされる}” -
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SFって踏み込んでしまうとエラいことになりそうで、星新一→筒井康隆→清水義範、小林恭二以外には手を出さないようにしてました、伊藤計劃まで。まぁ伊藤計劃も「ハーモニー」「虐殺器官」「屍者の帝国」しか読んでないけど。
というSFあまり読まない人間の感想。一番伊藤計劃っぽいなと思って気に入ったのが藤井太洋、次が柴田勝家かな。機械による戦争というか殺戮への反発、中国辺境のムスリムテロリストとか伊藤計劃好きそう、と思いました。どうもファンタジー系は苦手みたいで伏見完と仁木稔はちょっと苦手。王城夕紀と長谷敏司は単独でおもしろいけど、前2人も含め伊藤計劃あまり関係ない印象。
伴名練は屍者の帝国のスピンアウト -
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ネタバレ伊藤計劃をテーマに、影響を受けた作家たちが集まったアンソロジー作品。
伊藤計劃の作品、虐殺器官、ハーモニー、メタルギアソリッド、屍者の帝国とどこかで繋がるようなとても面白い素晴らしい作品が集まった。
テクノロジーが人間をどう変えていくかを追求しているらしいが、あまりそこにこだわることなく、伊藤計劃が内包しようとした世界観にワクワクしつつ集まった新しい作家たちの物語を楽しむだけで良い作品だと思う。
個人的に「未明の晩餐」が秀逸で、テクノロジーと人間との関わりはもちろん、退廃した未来の東京を描くSFらしさ、その世界観における人間模様、食の話を中心にし、その全てが綺麗にまとめられている。
で -
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全6篇SF短編集
SFが読みたい2021版2位
大変ふざけた筆名だが中身は正統派作家
冒頭の
「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」
と最後の表題
「アメリカン・ブッダ」
が鏡合わせのような構造になっているのがいい
生まれた時から現実を見ることなく
VRヘッドセットをつけ生涯を終える少数民族
とても短いが認識という今こそ見直さなきゃいけないテーマがある
なんだその設定はとも思うが2016年初出のこの話はやがて現実に新型コロナウイルスにより場合によっては世界の何処かで有り得たかもしれない物語と読めてしまう
これだけ真面目な作品なのに筆名がもったいないなと思ったが、作者の画像見たら本当 -
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ネタバレ私にとってSFはどうやら合う合わないの振り幅が大きいらしい。
生死や信仰をテーマにしたこの短編集は、読めないお話もあった。
理解できない設定で小難しい言葉を並べ立てられると私の乏しい頭はバクハツしてしまうwww
言葉が上滑りの滑りまくりで地につかないし、入ってこないのでなんの感情も湧かない
そんな中で気に入ったお話がいくつか
「オンライン福男」
年1の行事が第18回って18年も!?
福男にかける熱意が素晴らしいw
インターネットの海は広大だ
「クランツマンの秘仏」
ホントにそんな史実があったのかと思っちゃうくらい真実味があったw
意外と古い昭和の時代の設定なのが湿った空気感を出していてよい -
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ネタバレ大正時代。親しくしていた華族の人が殺されてしまう。
その犯人を追うため探偵になった主人公・元雪が少年浪曲師の湖月と出会って事件を解決していくお話。
特にホラーではないような。
浪曲師の湖月くんが元々あった話をアレンジして浪曲として語るので、それは真相なのか??となってしまう。
また、ただでさえミステリーって人物関係が複雑なのに話が二重三重になるので、どんどんごちゃごちゃしてくる。
そして浪曲語られる内容が真相かどうかも分からないのスッキリしないまま終わるという。設定は好きなんですが、ちょっと物足りない。もう少し踏み込んで欲しかった。
あと湖月くん絶対女だって疑ってたのですが、結局素性が不明の