柴田勝家のレビュー一覧

  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    目次
    ・公正的戦闘規範 藤井太洋
    ・仮想(おもかげ)の在処 伏見完
    ・南十字星 柴田勝家
    ・未明の晩餐 吉上亮
    ・にんげんのくに Le Milieu Humain 仁木稔
    ・ノット・ワンダフル・ワールズ 王城夕紀
    ・フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪 伴名練
    ・怠惰の大罪 長谷敏司

    どの作品も伊藤計劃の気配を漂わせているけれど、特に濃厚なのは王城夕紀の作品(ハーモニーの世界観)と、伴名練の作品(屍者の帝国の世界観)。
    この2作品は好きだなあ。
    特に伴名練作品のナイチンゲールは夢に出てきそうなくらい恐ろしい。

    単純な幸福はない。
    幸福に正解はない。
    けれどどの作品も屈託があり

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    2019年08月14日
  • ヒト夜の永い夢

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     時は昭和2年。粘菌学者の南方熊楠は昭和孝幽学会という謎の団体に勧誘される。そこは、本流を外れた亜流の学者集団であった。自動人形"天皇機関"を作り上げ、天皇に献上することで自らの存在を知らしめようとする彼ら。南方は天皇機関の頭脳となる粘菌コンピューターを完成させるが、そこに革命家の陰謀が介入し事態は混沌を極めていく。

     もしも昭和初期に粘菌によるAIが完成したら、という歴史改編SF。登場人物表を見れば江戸川乱歩や宮沢賢治など有名人の名前が並び、それを見ただけでもワクワクする。

     また、著者は本書の内容について「きらら4コマ」に例えている。確かに宿場に集まって騒がしくも天

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    2019年05月26日
  • ニルヤの島

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    SF ×宗教という組み合わせ。
    我々も正直 死後の世界については うっすら信じてるか信じてないかくらいなものだと思うけど、「科学が進歩して死後の世界が完全に否定されたらどうなるのか?」「SF的な観点から見る死者の国とは?何故 人類はそれを必要としたのか?」という感じの作品。
    読み応えある作品でした。時系列が作品の根本設定としても入り乱れてるので読み返し必須。


    “{ミームとは即ち、人間の持つコーデックなんだ。人はあらゆる文化事象をコード化し、自身の脳内にあるミラーニューロンにおいて接続する。接続された文化事象は、個人の行為となってデコードされる}”

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    2019年02月23日
  • ファントムレイヤー 心霊科学捜査官

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    この世界観での特殊事情だけど、ちゃんと密室殺人が成り立ってるのがすごい。この作品で唯一疑問なのは、絹田がクビナシ様を広めてること。姉に由来してると知っていて、あんな風に広めるかな?

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    2018年04月24日
  • デッドマンズショウ 心霊科学捜査官

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    なかなか入り組んだお話。霊現象とか祟りなんかの説明付けが良くできているので、なんかなるほどなぁと思っちゃうね。

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    2018年02月08日
  • ニルヤの島

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    伊藤計劃感に文化人類学をミックスした感じ?話の並行数と時間のズレで若干頭がこんがらがるけど、収束していくときのカタルシス的なのはよい。

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    2017年09月17日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ページ数のボリューム感に感動した…気に入ったのは「未明の晩餐」「ノット・ワンダフル・ワールズ」「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」

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    2017年04月15日
  • ゴーストケース 心霊科学捜査官

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    幽霊を化科学的に肯定した世界のミステリー。「ニルヤ」と比べてより砕けた文体で、よりライトな感じ。幽霊は出るけど、ホラー調ではないです。
    霊的なものが書きたかったのか、アイドルが書きたかったのか、どっちでしょう?

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    2017年01月23日
  • ニルヤの島

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    天国や地獄を信じてるわけではないですが、概念のしての死後の世界は確かにすり込まれている。そういった死後の世界が否定された世界という発想がまず面白い。
    やや概念的な話になることと、章立てが断片化されていて人も時代もころころと入れ替わるので、全体像をつかむのが難しい小説です。読み応えは十分。

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    2016年09月18日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    文句なく面白かった。伊藤計劃と同時代のSF作家はこういう世界を作る ということがよく知らされたと思う。第三世界、AI、ドローンなど共通アイテムを持ちながら、それぞれが興味をそそられつつ読んだし、短編ながら充足感があった。
    長編が気に入らなかった某作家が、意外にもここではめっぽうひきこまれるものを読ませてくれたのも発見だった。

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    2016年04月12日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    読んでてダルくなる話が多いなと思ったのは私の読解力のせいとして…。未明の晩餐とフランケンシュタイン三原則はとても素敵な香りがしました。

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    2015年10月17日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    収録作のどの作家の作品も読んだことがない
    と思うけど、トリビュートという縁で知ったからには
    少し手を出してみようか、と思うくらいに
    どの作品も面白く読める。
    勿論、伊藤計劃という対象があってのことだけど。

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    2015年09月24日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    SFって踏み込んでしまうとエラいことになりそうで、星新一→筒井康隆→清水義範、小林恭二以外には手を出さないようにしてました、伊藤計劃まで。まぁ伊藤計劃も「ハーモニー」「虐殺器官」「屍者の帝国」しか読んでないけど。
    というSFあまり読まない人間の感想。一番伊藤計劃っぽいなと思って気に入ったのが藤井太洋、次が柴田勝家かな。機械による戦争というか殺戮への反発、中国辺境のムスリムテロリストとか伊藤計劃好きそう、と思いました。どうもファンタジー系は苦手みたいで伏見完と仁木稔はちょっと苦手。王城夕紀と長谷敏司は単独でおもしろいけど、前2人も含め伊藤計劃あまり関係ない印象。
    伴名練は屍者の帝国のスピンアウト

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    2015年09月16日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    伊藤計劃をテーマに、影響を受けた作家たちが集まったアンソロジー作品。

    伊藤計劃の作品、虐殺器官、ハーモニー、メタルギアソリッド、屍者の帝国とどこかで繋がるようなとても面白い素晴らしい作品が集まった。

    テクノロジーが人間をどう変えていくかを追求しているらしいが、あまりそこにこだわることなく、伊藤計劃が内包しようとした世界観にワクワクしつつ集まった新しい作家たちの物語を楽しむだけで良い作品だと思う。

    個人的に「未明の晩餐」が秀逸で、テクノロジーと人間との関わりはもちろん、退廃した未来の東京を描くSFらしさ、その世界観における人間模様、食の話を中心にし、その全てが綺麗にまとめられている。

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    2015年09月13日
  • アメリカン・ブッダ

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    全6篇SF短編集
    SFが読みたい2021版2位
    大変ふざけた筆名だが中身は正統派作家

    冒頭の
    「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」
    と最後の表題
    「アメリカン・ブッダ」
    が鏡合わせのような構造になっているのがいい

    生まれた時から現実を見ることなく
    VRヘッドセットをつけ生涯を終える少数民族
    とても短いが認識という今こそ見直さなきゃいけないテーマがある

    なんだその設定はとも思うが2016年初出のこの話はやがて現実に新型コロナウイルスにより場合によっては世界の何処かで有り得たかもしれない物語と読めてしまう


    これだけ真面目な作品なのに筆名がもったいないなと思ったが、作者の画像見たら本当

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    2025年11月27日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

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    筋肉少女帯すき、オーケンがすき。そりゃあ読みます。冒頭の辻村深月が、楽曲の世界観も保ちながらストーリーだけ見ても独立していて解像度の高さと気合いが伝わってきた。オーケン「香奈〜」はホッコリして、楽曲への世界観も押し付けてくる感じがなくて嬉しかった。(好きな楽曲なので、解釈がこれです!と断定されるのが怖かった。)

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    2025年08月26日
  • カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚

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    設定として面白いなと思った。
    読んでてこれはカタリゴトなのか、はたまた現実なのかちょっと分からなくなる時があった。世にも奇妙…

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    2025年07月13日
  • 走馬灯のセトリは考えておいて

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    ネタバレ

    私にとってSFはどうやら合う合わないの振り幅が大きいらしい。
    生死や信仰をテーマにしたこの短編集は、読めないお話もあった。
    理解できない設定で小難しい言葉を並べ立てられると私の乏しい頭はバクハツしてしまうwww
    言葉が上滑りの滑りまくりで地につかないし、入ってこないのでなんの感情も湧かない
    そんな中で気に入ったお話がいくつか

    「オンライン福男」
    年1の行事が第18回って18年も!?
    福男にかける熱意が素晴らしいw
    インターネットの海は広大だ

    「クランツマンの秘仏」
    ホントにそんな史実があったのかと思っちゃうくらい真実味があったw
    意外と古い昭和の時代の設定なのが湿った空気感を出していてよい

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    2025年06月27日
  • 岸辺露伴は嗤わない 短編小説集

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    岸辺露伴は動かないの小説短編集。今回は柴田勝家さんが全て書かれていて安定感もありながら楽しめました!ファン・鏑木八平太の場合が特に好みでした。

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    2025年06月22日
  • カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚

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    大正時代。親しくしていた華族の人が殺されてしまう。
    その犯人を追うため探偵になった主人公・元雪が少年浪曲師の湖月と出会って事件を解決していくお話。

    特にホラーではないような。
    浪曲師の湖月くんが元々あった話をアレンジして浪曲として語るので、それは真相なのか??となってしまう。
    また、ただでさえミステリーって人物関係が複雑なのに話が二重三重になるので、どんどんごちゃごちゃしてくる。
    そして浪曲語られる内容が真相かどうかも分からないのスッキリしないまま終わるという。設定は好きなんですが、ちょっと物足りない。もう少し踏み込んで欲しかった。
    あと湖月くん絶対女だって疑ってたのですが、結局素性が不明の

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    2025年06月14日