内藤了のレビュー一覧
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隠温羅流の曳屋が曳くのは、寺にある持仏堂。
移動のあと立て続けに起こる怪異。その根源には、人の死に様を描いた草紙「怨毒草紙」があった。
広告代理店で働くキャリアウーマン・春菜は、自身が“サニワ”という見える力を持っていることを知り、曳屋の仙龍に惹かれながら、それぞれの怨念を鎮めるとともに、仙龍にかけられた「四十二歳で死ぬ」という因縁を解こうと奔走する。
長野ご出身の作者だけに、善光寺など実在の土地を交えながら、物語が丁寧に作り込まれている。エピローグの説明までよく出来ていて、思わず史実を確認して 創作と納得する。
九相図――人の遺体が朽ちていく様を段階的に描いた図像――という存在も初めて知 -
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和風建築や旧家などが多かったよろずシリーズの中で、今作は、廃教会という「洋館タイプ」を扱う。
しかも、それをきちんと“曳屋”しているというあたりが、シリーズらしいリアリティと怪異の融合になっていますね。
そして——
プロローグが一番怖かった。
内藤了さんは導入部分で「何が起こるのか分からない恐怖」を作るのがとても上手いなと思います。
浅間山麓の事件として大学生達の事件を入れていますが、作者も長野出身であさま山荘事件は印象が深いのでしょうか。
建物の因縁だけでなく 土地への因縁への思惑へ引き込まれます。
このシリーズのどの作品にも言えるのですが、おどろしい割に解決するのはきっちりなんですよ -
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土地を支えていた人柱を、偶然ミイラの状態で掘り出してしまう。
発掘した者たちに続く不幸。
それは人柱にされた僧侶であり、村長の娘との悲恋がその背後にあった。
古い建物や土地に残る「歪み」は、見えないまま今も息づいている。
襖の幅が少し広い、畳の縁が合っていない。
その小さな違和感の裏には、もしかすると人の思いや怨念が、まだ沈んでいるのかもしれない。
この話を読んでいて思い出した。
不動産屋で管理していたマンションの一室、襖の幅がなぜか1.5倍あって、そこに入るたびに息苦しさを覚えたことを。
そしてある日、点検に立ち寄ると押入れの襖が空いていた。空気の入れ替えでもしたのかと、襖を閉めようとし -
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今回は、トンネル工事にまつわる怪異現象への介入を描いた一作。
小説の冒頭には、ゼネコンの現場事務所と思しき場所が丁寧に描写されます。私自身もいくつかの現場事務所の経験があるので、その雰囲気に懐かしさを覚えました。山の工事というものは、怪異がなくても十分に過酷で大変なもの。だからこそ、犬神という不吉な影が重なったときの恐怖が一層際立つのだと思います。
トンネル工事や山を切り開く営みに、古くから語られてきた「祟り」や「人柱」の民俗が重なり合う。
タイトルの「犬神」が呼び起こす因縁の響きと、工事現場というリアルな舞台が、不気味に結びついた一作でした。
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シリーズ第3弾です!
再読。audibleにて。
3回目か4回目‥。
自殺がテーマになってる回です。
前作の『CUT』とは対照的に、『AID』は個人的には印象の薄い回です。
猟奇殺人ではないちょっとやばめな自殺の腐乱死体がでてくるのですが、その印象がめっちゃ強いのと、話には出ていましたが三木捜査官の恋人レイカさんが初登場します。
レイカさん、いい人で好きです!
2回目読んだ時は犯人誰だっけ??となりながら読みました。
今回は犯人はちゃんとわかってましたが、動悸がちょっと曖昧になってました(^^;;
好きな作品と言いつつ、記憶力なさすぎです(T ^ T)
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よろず建物因縁帳シリーズ第二弾。
広告代理店勤務の春奈を軸に、山奥の滝で起きた死亡事故から物語は動き出す。泣き声のような音や水面に浮かぶ顔。伝承か、怨念か、それとも自然現象か。曳屋も再登場し、因縁に立ち向かう。
主人公の女子が仕事第一主義で冷静に解決へ導いていくところが、読み心地の良さにつながっているかなと思います。参考文献には藤森栄一『信濃の美篶』が挙がっており、土地の伝承を踏まえた舞台設定が感じられる。ちなみに静岡山間部にも「お君の滝」という伝承をもつ滝があり、全国的に“滝と怨念”の結びつきは深そうです。
次巻へのつなぎとしても軽快に読める一冊です。
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比奈子ちゃんシリーズでおなじみの内藤了さん。
今回は雰囲気を変えて「よろず建物因縁帳」シリーズ。
第一弾は『鬼の蔵』。
舞台は山深い寒村の旧家・蒼具家に伝わる因習、「盆に隠れ鬼をしてはいけない」。
文化財級の蔵を含む土地に開発計画が持ち上がり、広告代理店の営業女性・春奈と、因縁物件専門の曳き屋・仙龍が関わることに。
現実的な視点と、霊的な観点の二人が組んで、建物にまつわる怪異を収束させていく。
描かれる現象は、どこかで聞いたことがあるような、日本の怪異の「平均値」を呼び覚ますようで、すっと物語に入り込める。
シリーズの始まりとして、出し惜しみ感がちょうど良い感じ。これからどう広がっていくの -
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ホラーやミステリーで有名な6人の短編集。
書き下ろし短編集ということもありそれぞれの特色が出ており始めて読む著書の作品も読むことができてお得な一冊だと思う。
ただ、ホラー好きの方には若干ホラー要素は少なめな気がする。
私自身のおすすめは新名智さんと小池真理子さんの作品。
新名さんは本にしては珍しく読んでいくとゲームのような選択肢があり読者側に物語を選択させるという斬新なものであった。選択肢を変えれば何通りもの物語もある為、再読しても面白いと思う。ファンタジーかと思いきやしっかりオチもあり。
小池さんは主人公が少し訳ありでそちらに目を向けすぎて全然真相に気づけなかった。最後は少し謎が残るが、主