内藤了のレビュー一覧
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シリーズ四作目。女性社員の変死が相次いだトンネル建設現場に出向させられることになった春菜。……どこからどうみても危険すぎるシチュエーションにどきどきです。しかも今回は建物がないので、いったいどうやって「曳く」のだろう、という興味も。
霊とはまた一風違う恐怖も読みどころです。制御のできない犬神の恐ろしさ、そして哀しさ。「犬神憑き」の正体があの人かも、というのは予想したのだけれど。まさかあんな状態だっただなんて! 「犬神あげる」に泣きそうになってしまいましたよ。いつもながらとんでもなく怖いこのシリーズですが、今回はどうしようもなく悲しく思えました。 -
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購入済み
早速COPYを読み返したァ
死神女史との結婚のいきさつ、この曖昧さが次につながるのかどうか気になるわぁ。えーここで終わり〜⁉️って感じ…慌ててCOPY飛ばし読みしながら復習しました。あっというまに読み終わったのですぐにでも続編出してくださいませ!グロいけど面白いです。夫婦で愛読しています。
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シリーズ三作目。今回も嫌だなあ……のっけから嫌な雰囲気が漂いっぱなし。夜中に読むのは要注意。しかし、いったん読み始めたら読む手は止まりません。
藤沢本家の蔵と離れと座敷牢……想像するだけでもぞくぞくと寒気を感じてしまうような情景なのに、なんてことをしてくれるんだパグ男! これはひどい。そして起こった災厄もひどいし。仙龍の父・昇龍すら祓えずに封じるだけだったというのは、ほぼ最大級の脅威なのではないでしょうか。いったいどうなるんだ。
もちろん死霊のホラーとしての怖さも充分すぎるほどに感じることはできるのですが。この娘たち……生きてた時の妄念もこれまたあまりに怖いんですが。シリーズ中一番怖い。ラスト -
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今回の舞台は、嘉見帰来の山を通す風切トンネルの工事現場。
その現場を仕切る建設会社、橘高組で働く女性二人が相次いで不審死をとげる。
その遺体には無数の噛み傷があったという噂も。
ひょんなことから高沢春奈は、不穏な噂の正体を探ることを頼まれ、嘉見帰来山の現場に出向することになった。
今回の相手は、成仏させることができる怨霊とは異なり、「人の我欲が生み出した憑き物」。
己の不幸を呪い、人を羨み、妬み、憎む心に憑き、決して離れることなく、時として術者にも跳ね返る犬神。
その巣は嘉見帰来山にあった。
「その発現は穢れの極み。御仏の力にすがれない」。
雷介和尚でもどうしようもない。
仙 -
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あの世とこの世の間(マ)で命を張る、
仙龍、春奈、コーイチ、和尚、教授。再び登場!
今回の悪しき因縁は、おぞましき女の執念。
また、春奈の天敵、長坂が余計なことをしてくれるのだが、近頃は、春奈も決して負けてはいない。
長坂がやり込められる場面は、スッとする。
人の執着というものは、実に凄まじいものだと、震えがくる。
生、性、物、色…ネバつくような欲が執着へと変わるとき、その想いはその場にべたっとはりつく。
幸せなことに、怨念に変わるほどの執着を持ったことも、出会ったこともない。
はるか昔、人が平気で虐げられる社会では、人の黒い瘴気は、簡単に怨念を呼ぶのかもしれない。
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愛という名の執着が怨念に変わるとき、春奈、仙龍、コーイチ、雷助和尚、小林教授たちの出番だ。
今こそ、悪しき因縁を断ち切れ。
個性豊かなこのチームを、2作目にして大好きになってしまった。
今回は、近づくと死ぬといわれる滝のお話。
雨木村には、地図にも載らない滝があるという。
その滝でクライマーが事故死し、村人が滝つぼで見つかる。
死者は顔が抉り取られていた。
そして現れる観音像の幽霊。滝に浮かぶ女の顔。聞こえてくる子守唄。
そこには、どんな因縁があるのか。
この雨木村の滝に続く登山道整備計画に、高沢春奈が属するアーキテクツが参加することから、チームは再び滝の因縁に関わることになる。 -
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ネタバレ2018/4/25
つらいのに後引く展開。先を読みたくて仕方がない。
謎が次々出て、誰が敵で誰が味方なのかハラハラドキドキ…思う壺。
あと、大事な人を突然亡くす痛みがしんどい。自分のも思い出す。
テロに巻き込まれた時の様子も自然。って言い方でいいのかな。すんなりその世界に入れる。
上手いんやろな。合うのかな。
ただ今回の結末のつけ方は好みではない。
茹田まごすきはなんなのよ。もうちょっと説明して欲しい。
妹の告白は必要か。そこは圭吾のために蓋をしたままにしてあげたかった。
圭吾も天使になる必要はあるの?白鳥とやらは他意はないの?
読者が考える含みなのかもしれないけどもうちょっと教えて欲しかった -
Posted by ブクログ
どんな血液型の患者にも輸血可能な「ゴールデン・ブラッド」。これをもとに製薬会社と大学病院が人工血液を開発した。だが、輸血を受けた人が次々に変死する。この人工血液は「奇跡の血液」か「悪魔の血液」なのか。
マラソン会場での爆破、輸血用血液不足、血友病、人工血液など、
話題が満載の作品。
相変わらずのスピード感あるストーリー展開で、
一気読みしてしまった。
東京五輪プレマラソンの会場で自爆テロが発生。
多数の死傷者が出た。
当日、後方支援で会場にいた消防隊員の向井圭吾は、
地獄のような現場で、被害者救出に全力を注ぐ。
一方、圭吾はまさに同じ日に妹の惠利を心筋梗塞で失った。
その後、爆破で -
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今回は、トンネル工事にまつわる怪異現象への介入を描いた一作。
小説の冒頭には、ゼネコンの現場事務所と思しき場所が丁寧に描写されます。私自身もいくつかの現場事務所の経験があるので、その雰囲気に懐かしさを覚えました。山の工事というものは、怪異がなくても十分に過酷で大変なもの。だからこそ、犬神という不吉な影が重なったときの恐怖が一層際立つのだと思います。
トンネル工事や山を切り開く営みに、古くから語られてきた「祟り」や「人柱」の民俗が重なり合う。
タイトルの「犬神」が呼び起こす因縁の響きと、工事現場というリアルな舞台が、不気味に結びついた一作でした。