猪瀬直樹のレビュー一覧
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これまでの昭和歴史認識を覆すほど、インパクトのある一冊だ。
これまで散々日本がなぜ日米開戦に至ったのか? 当時の政府、軍、国民は何を感じ、何に向かっていたのか? について語られる機会、書籍はあった。
しかし、猪瀬直樹氏の分析力、調査力、表現力は我々の認識に向かって破壊力を持っていた。
まさにそこが本書の醍醐味である。
「日本は必ず敗ける」、「それは机上の空論でしかない」
そう言って我が国は米英との全面戦争に突入した。
昭和16年の夏にあらゆる分野から専門知識を持った30歳代の若者「総力戦研究所」という組織が政府直轄で招集されていた事実にまず驚く。
そしてもし米英と戦争に陥ったら? の仮設で「総力戦とは何であるか?」 それは武力戦、経済戦、思想戦を含めた全ての情報からシナリオを描き、昭和16年夏の時点で「日本必敗」の結論が既に出ていた。
「総力戦研究所」の詳細な分析に驚く。(猪瀬氏の調査も詳細だ)
それでも日本は米英との戦争に突入した(突入に誘導されたのを止められなかった)のである。
「あの戦争における犠牲は何だったのか?」と改めて考える機会になった。
巻末の「昭和16年夏の敗戦の教訓」だけでも読む価値がある
著者の猪瀬氏と自民党石破内閣総理大臣(当時防衛大臣)との対談である。
「なぜ失敗が起きるのか?」の本質がこの本から十分に読み解くことができる、貴重な本だと思う。 -
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ネタバレ帝(天皇)に関するあれこれを取材したドキュメンタリー。
皇居を臨むビルの高さが制限されたことやプリンスホテルの名前の由来から
立地場所の由来、天皇崩御の際のしきたりやらオペレッタ「MIKADO」、
ミカドゲームという海外の遊びから御真影の裏話まで
とにかく情報量も取材量も圧倒的で引き込まれました。
とはいえ800ページを超える大作なので読むのには時間がかかりました。
1980年代に書かれた文章ですが古臭いことも全くありませんでした。
今でこそ皇室のスキャンダルも色々と報じられていますが
昔の宮家も放蕩な人が結構いたり大概だったのだなぁと興味深かったです。 -
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落合氏と猪瀬氏がお互いをリスペクトしながらそれぞれの考える日本の未来と求められる思考法を語るという本です。
落合さんの本を読むと、「日本は決して終わった国じゃない」という希望が持てるから好きです。猪瀬さんの文章は初めてですが、『ミカドの肖像』『昭和16年夏の敗戦』といった過去の作品に興味を持ちました。
印象に残ったのは。第二章の「日本の風景」について。
「ドラえもん」の風景が無意識に日本人を縛り付けている。【均一な教育】【年功序列とローン】【マスメディア】という高度経済成長期の遺産を象徴しているのが「ドラえもん」だといいます。
アニメや漫画は日本が誇るカルチャーだと言われていますが、キャラクターばかりのコンテンツが日本の本当に見せたいものなのか?それが当たり前だと思っていたのでその問いに面食らいました。
この本を読んだのが2023年。いちおうオリンピックも終わり、日本は不祥事というとんでもないモノを世界に発信しちゃったわけですが。。。 -
購入済み
この国に連綿と続く意識とは
明治維新によって、日本は欧米以外の国で唯一、近代化に成功した国である。それゆえに、長い日本の歴史の中で、近世(江戸時代)から近代(明治時代)への転換は革命ともいえる社会構造の大きな分岐的であったと多くの日本人が考えていると思う(学校で習う日本史もそういう文脈で明治維新を捉えていたような気がする。)。しかし、本書では、日本には古代から変わらない「国の核心」があるという。対談形式で「国の核心」に迫る本書を通じて、学生時代とは異なる視点で日本の歴史を学びなおすことができたと思う。
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落合陽一さんと元東京都知事の猪瀬直樹さんの対談本。お二人の見識の深さや広さを、熱量を持った議論から理解できる本。
落合陽一さんは学生に、手を動かせ、ものを作れ。批評家になるな。ポジションを取った後に批評しろ。と言っています。手も動かさず者を乱さず、批判と愚痴を垂れ流す。そんな人は山ほどいますが、手を動かしながら語る人は少数派です。
猪瀬さんは戦後の日本をさして、ディズニーランドの中で生きているようなものだと常に語ってきた。それは命神神神の日本は日清日露戦争と言う国名を乗り越えて国を作ってきた。安倍晋三首相が解散の粒に掲げた国難、とは比べ物にならない位の国難を実際に突破してきたのが、明治期の日本であったといえます。ところが戦後の日本は防衛外交などおよそ製造に関わる全ての政策をアメリカに任せてしまった。アメリカ任せにする過程であるはずの国難は消失し、結果として個人の葛藤も消失していきます。日本人は外の世界で起きていることを忘れ、ただディズニーランドの打ち合わせで暮らせば良い。アメリカ初の画一性を受け入れその中で自分たちの楽しい日常を謳歌しようと言う方向に突き進む落としている。
長野オリンピック閉会式に生歌故郷を取り入れた演出がありました。3番の歌詞には、志を果たしていつのひか帰らんと言う言葉があります。この志と言うキーワードは改めて強調すると明治の立身出世はエゴイズムではなかった、と言うことです。 -
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天皇という空虚な中心.日本人のアイデンティティを探究した本.
ただし天皇そのものは語らず,天皇の周囲を取り巻くものにスポットライトをあてそれをとことん探究する.
ジャーナリズムとはこういうことか!と感じざるを得ないボリュームと内容の濃さに圧巻.この濃密さがフィクションを凌駕するリアルの面白さに繋がっている.
この本を手に取ったということ自体、皇族に対する何かしらの独特な観念を持っているということの所作なのかもしれない
時間の都合上第三部はあまり読めなかった.またいつか.
猪瀬氏の他の作品も読もう.
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問い: 日本人一人一人にとって、天皇とはなんなのか
"世界一の大都会東京には”空虚な中心”がある"
皇居付近のビル建設のタブー・圧力,天皇専用鉄道ダイヤを組むスジ屋
"美観とは主観のことだから、百人いれば百様の意見が出るのは当然"
丸の内の東京海上のビル 99.7m ミカドを取り巻くタブー
原宿 宮廷ホーム 2001年以降未使用
上皇后 ロマンス婚 軽井沢のテニスコート、
→大衆の夢のモデルケース?
GHQ->皇籍離脱ー>免税特権など剥奪ー>課税
政府は一時金という名の手切金をわたす
新高輪プリンスホテル
北白川家土地
売買にて金利による支払いの先延ばしと西武Gへの縁故採用。天下り的な
皇族は一時的な課税所得が減った。西武は金利を払って余りあるキャピタルゲインを得た。
「西武に土地を売れば、あなたを社員として迎えたい」
堤家(西武グループ)は、その天皇家の"藩屏である皇族の宮殿と宅地を収奪し、そのブランドを借用することによって、新時代のチャンピオンに成り上がったといえよう。
プリンスヒロヒトと英国皇太子の親善試合
私鉄網の発達時代、各社は終点にデパートを、もう一方の端にレジャーランドを設置。→私鉄は発生の時からきっぷをうるのではなくライフスタイルを売っていた。
「労働は苦痛を伴う激しい競争の中で繰り広げられています。かつては労働自体が苦痛でした。今競争がきつくなっているのです。特に日本のような平等社会は、個性的であることが恥ずかしい。そのためにアイデンティティーの危機すら招いています。」
ミカドゲーム
西洋の歌劇ミカドが揶揄する。日本観("陛下の思し召しはすなわち法なのです。")
宮さま宮さま 日本初の軍歌。江戸幕府を得た300年以来の王政復古
"西武プリンスホテルが皇族の土地を手中におさめたのは、都心という得難い立地条件のほかに、それに付随した神話も同時に購入するためであった。"
"ホテルを利用する顧客は、ベッドで就寝する目的以外の様々なソフトを買いに来る。宴会、結婚式、飲食、買物、観劇、眺望、入浴、スポーツ、セックス…。"
"ホテルにおけるそれらの行為は、非日常に属するモノでなければならない"
解説
"私は自分を指導する大学院生猪瀬氏の著作を読ませている。それは綿密な事実調査を積み重ねていくことから圧倒的なリアリティを書き出し、そこから社会の「隠された構造」を照射すると言う方法が、優れた文化人類学者の営為と極めて近いからだ。 -
Posted by ブクログ
1983年の書。
各省庁と民間から集められた精鋭が、日米開戦後の必敗の筋書きを正確にシミュレートしてみせ、それを東條英機が直接聞いたにも関わらず止まらない開戦への流れ。読んでて恐ろしくなるほどの典型的な日本的集団的意思決定プロセス。自分の会社の会議の雰囲気とそっくりで空恐ろしくなった。
東條英機が、単なる小心で忠実な能吏に過ぎない、という評価はもはや定着した感あるが、1983年当時は、センセーショナルだったんだろうか。
東條英機の孫が学校で先生からも虐められたくだりは、泣けてくる。歴代最も人気のない総理大臣だろうが、その時その場で最善を尽くしたのであろう特定の個人に全てを帰するのは、何か違うと思ってしまう。