猪瀬直樹のレビュー一覧

  • 天皇の影法師

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    天皇の崩御という国家にとっての一大事は、どんな影響をあたえるのか。天皇崩御と、その中で生き抜く人々を、”改元””大喪””恩赦”の3つの視点から、描いている作品。

    その中でも「棺をかつぐー八瀬童子の六百年」が特に興味深かった。
    現代は、過去の伝統の意識が希薄になってきていて、その反論として、伝統を守れと言われている。

    八瀬童子も伝統とともに生きてきた。「だが、伝統をかたくなに守りとうそうとしたのではない。p171」「八瀬の村びとは比叡山延暦寺との山林所有をめぐる事件をきっかけとして、彼ら自身の神話を持つことになる。p131」

    時代は変化する。これまでは、伝統を意識することなく忘れ、どちらか

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    2012年06月07日
  • 猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第8巻 日本人はなぜ戦争をしたか 昭和16年夏の敗戦

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    太平洋戦争で日本が敗戦したのは昭和20年。
    昭和16年夏、戦争に突入する前である。
    なぜ、戦争勃発前に「敗戦」したのか、なぜ「敗戦」してもなお太平洋戦争に突入したのか、本書では当時の資料をもとにその謎を解き明かす。

    大変素晴らしい本であるが、近代史等の予備知識なしに読み進めるのは大変労力を要するので、学生ならば歴史資料集、手元に資料集がなければ山川出版社の「もう一度読む日本史」を傍らに置いて読むことをお勧めする。

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    2012年05月29日
  • 東京の副知事になってみたら(小学館101新書)

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    言葉の力に続けて猪瀬直樹さんの本。現在社会の構造を、こうした本で少しでも理解する人が増えれば、いずれ世の中は変わらざるを得ない。事実Twitterの存在が、メディアを補完して、こうしたオピニオンリーダーと一般の距離を縮め、相互理解を深め、社会を変えていってる。

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    2012年05月11日
  • 天皇の影法師

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    元号制定の経緯、八瀬童子の役割、最後のクーデター。うーん、知らなかったことばかり。こんな文章書く人だっだんだ。

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    2012年05月11日
  • 黒船の世紀(下) - あの頃、アメリカは仮想敵国だった

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    大変面白い本。

    未来戦記に限らず、将来の国際情勢を予想する類の書籍は、現代ではあまり見かけない。昔は外国に対する不安が高まっていたとはいえ、現在の状況はあまりに寂しい。
    大局観のない、世界での役割に無頓着な日本という国をよく表しているといえよう。将来の日本はどうあるべきなのか、停滞期であるからこそ議論したい問題だと思う。

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    2012年05月07日
  • 黒船の世紀(上) - あの頃、アメリカは仮想敵国だった

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    第一次大戦前後から、第二次大戦前にかけて、「日米未来戦記」が流行した。この時代を包んでいた雰囲気を、日本、米国、英国の名もなき作家達の生い立ちとその作品を通じて描き出している。

    黒船来航から50年後、アメリカの大艦隊がまたも日本に訪れたことはあまり語られない。このときの「白船来航」に対する国内メディアの反応は、「万歳、歓迎」の大合唱であった。これは巨大な国力を持つアメリカとの戦争を恐れての、最大限の「恭順の意」だった。その裏で、日露戦争に勝ったことを遠因として、米国への対等の意識も芽生え始める。

    実は、アメリカ国内でも、移民排斥運動に加えて日本脅威論がしだいに高まっていた。大艦隊の派遣には

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    2012年05月06日
  • ミカドの肖像

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    もう読後に皇居まで行って東京海上を見上げちゃったよ、でも確かにあの場所はガチでヤバイよね(笑)。善にも悪にも神がいるんだそうだ、だから善だけが神というのはスデに刷込まれた教育観念だそうで。だから天皇を善だけで観るのは浅いし、悪だけで観るのも全容を把握できなくなるみたい。この本だけに敬意を払うつもりはさらさらないけど、やっぱ筆者のような強烈な人間性からは目が離せないボクでした。

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    2012年04月20日
  • 言葉の力 「作家の視点」で国をつくる

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    ・今のままで大丈夫。⇒人気セラピストほど多く使う言葉。
    ・待ってましたよ。こう云われて嫌な人はいない。
    ・きっとうまく行くよ。

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    2012年04月19日
  • 決断する力

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    リスクを想定外としてきた戦後社会、震災後は一人一人がリスクと向き合い力を出し合っていく必要がある

    日本の「家長」としての責任感をもって、日本の成長を支えていく東京都。

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    2012年07月14日
  • 言葉の力 「作家の視点」で国をつくる

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    自分の語彙力のなさや、物事を言葉で説明する力の足りなさを実感し、意識し始めた今日この頃。
    言葉には、感情的に伝える方法と、論理的に説明する方法とがあるが、本書は後者の視点でその重要さを語っている。
    これから、言語技術を鍛えるにあたっていい刺激となる本だった。

    第一部の
    ●歴史的な時間軸と言語力の関係
    ●日本固有の時間軸と死生観
    は興味深い考察だった。

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    2012年03月28日
  • 決断する力

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    作家猪瀬直樹が、東京都副知事としての立場で迎えた東日本大震災などの対応経験を踏まえて危機管理の要諦を著したもの。
    実経験に拠っていることから説得性を持ってはいるが、ツイッターの効用を説いていることが目新しいくらいで、リーダー論や事前準備の重要性など、その他の部分には特に斬新な着想はない。
    ところで、東京都の水道の緻密性や戦略性を自慢しているが、電力ネットワークについても同じようなトータルコントロールが重要である、ということに猪瀬は思い至らないのであろうか。電力の発送分離や自由化を唱えるのであれば、東京都の水も自由化するべきだという帰結になるのではないのか。

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    2018年10月14日
  • 猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第2巻 ペルソナ 三島由紀夫伝

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    祖父から続く高級官僚の家系に育ち、自分も大蔵事務官であった三島由紀夫を父系から見つめ直し、三島の生き方、作品、時代、そして、官僚政治について考察している。

    三島の自決は官僚機構への抗議だったのか。

    決して平易な内容ではないが、三島が作品で描いた不条理は、未だ続く官僚政治の不条理でもあるように思えた。

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    2012年02月23日
  • 東京の副知事になってみたら(小学館101新書)

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    作家は行政の現場でどう格闘したか。本書は東京都副知事である著者が3年間の活動を綴った本である。首都東京の仕事や著者の危機感を窺い知る事が出来て、面白い。

    本書は中からみた東京都であるがこの間、外からみた東京都を知る事が出来れば、なお良いのにと思います。

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    2012年01月29日
  • 東京の副知事になってみたら(小学館101新書)

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    歴史認識として良著。特に後半の江戸時代から現代のフラッシュはコンパクトで良かった。
    ところで読む分野、絞っていかないと・・・ただの雑学オヤジになっちゃうYO~。

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    2012年01月18日
  • 東京の副知事になってみたら(小学館101新書)

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    オリンピック誘致の裏側をもう少し書いてほしかったなあ★

    都営地下鉄と東京メトロの一元化をはやく実現して欲しい!!

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    2011年10月30日
  • 猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第8巻 日本人はなぜ戦争をしたか 昭和16年夏の敗戦

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    第二次大戦で日本が敗れることを予見していた人は少なからずいたっていう本、ドラマって結構あったと思う。この本では政府が組織した研究所でもそう結論づけたところがあったとする所が目新しかったのだろう。さらに東条首相もその結論の重大性を認識していたからこそ、口外しないように研究所員に言っていたのだろう。
    しかしながら、戦争は起こってしまった。
    残念ながらこの本を読んでもなぜ戦争をしたのかはもやもやしたままだ。「短期なら持ちこたえられる」という楽観論や「米国の仕打ちにはもう黙っておれぬ」という義侠心がそうさせたのか?
    誰かの決断によって為された訳ではなく空気によってみんなで決めたということなのだろうか?

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    2011年10月18日
  • ミカドの肖像

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     天皇が日本の象徴とされた今でも、天皇の存在は都市に浸透しているという話。
    西武グループの堤康次郎は、ホテルに「プリンス」という冠をつけ、天皇家を利用したと言っていい。

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    2011年10月18日
  • 東京の副知事になってみたら(小学館101新書)

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    いまいち何をしているのかわからなかったけど、これを読んで地道な活動をしていることがわかった。石原都知事の存在感が大きすぎるので、猪瀬さんが地味に見えてしまいがちだが、東京の水のプロジェクトや、参議院議員会館の件、夕張市への職員の派遣などは彼のイニシアティブだったんだと再発見。文章も読みやすいし楽しく読めました。

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    2011年09月11日
  • 東京の副知事になってみたら(小学館101新書)

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    おもしろかった。
    現場にいなければわからない地方自治体と国とのやり取りなど。
    ただもう少し深い掘り下げが欲しかった。
    構成がよく分からない。

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    2011年09月03日
  • 東京の副知事になってみたら(小学館101新書)

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    旧日本道路公団問題で活躍後,東京都副知事に就任した猪瀬直樹氏の著作.やや散漫な印象も受けるが,その場にいた人間にしか書けない内容もあり,興味深い.NICUの説明は間違っているので注意.

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    2011年07月10日