猪瀬直樹のレビュー一覧

  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    ネタバレ

    いろいろと話題になってしまったドラマの元となった本。

    この夏に『日本のいちばん長い日』を読んだが、この本も私の「ちゃんと知ってなきゃいけない話リスト」に加わった。

    "事実"を畏怖することと正反対の立場が、政治である。(p.256)

    戦争後終わって80年経って、進歩があったのだろうか。

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    2025年11月29日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    おそらく10年ぶりくらいに再読、以前より戦前の官制や統帥部関係についての知識がついているのでより楽しく読めた。
    この本の妙は総力戦研究所での論戦と実際の戦争への動きを見事にリンクさせている部分だと思う。陸軍省燃料課の石油確保をめぐる騒動と鈴木貞一による出来合わせの答弁、また実際に蘭印の石油を手に入れた後の顛末を研究所で論議の末両手を上げて降参のポーズをとる仕草に見事につなげている。ノンフィクションにも(むしろノンフィクションだからこそ?)文才が必要と分かる。
    戦後80年、戦争前にこのような議論が行われていたこと、そして行われていながらなぜ戦争に突入してしまったのかは忘れてはならないと思う。

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    2025年10月12日
  • 公〈おおやけ〉 日本国・意思決定のマネジメントを問う

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    第二次世界大戦時の意思決定、作家と公との関わり方、著者自身の公の意思決定への関わり方、をファクト・ロジックで紹介している。

    私自身の業務経験上、いい意味での"政治"が重要、と考えていたところ、共感することが多かった。

    タイトルの通り、公の意思決定に関する考察で、非常に楽しく読み応えがあった。

    本棚の断捨離を行なっている際に、これは読むべき、と直感的に感じて残しておいてよかった。

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    2025年10月05日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    最近読んだ2冊の本で取り上げられており、読んでみました。

    対米戦前、若きエリートを緊急に招集し創設された「総力戦研究所」。そこでは開戦前に日本必敗を正確に分析していた。それでも、なぜ日本は開戦へと踏み切ったのか…

    設立当初は分析結果を政府がどう活かすかという目的があったとは思うが、アメリカに石油を止められ「ジリ貧」に陥った政府はアメリカと戦うことが正当であるとする分析結果を求めるようになる。結論ありきと、それを正当化するための分析結果。結局、出所不明、計算方法不明、つじつま合わせの数字が開戦への正当な裏付けとして用いられた。あと、必敗という分析報告に対して東條英機の返答、ロシアにも勝てない

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    2025年09月26日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    若きエリートらがデータを元に日本必敗を予想した総力戦研究所に関する史実と取材をまとめた一冊。
    以下の2点が特に面白かった。
    ①どういう経緯でデータは無視され開戦に突き進んで行ったのかがわかりやすく整理されている(文章そのものはとても読みづらいが)
    ②東條英機は学校や教科書で書かれているような独裁的な人物ではなく…という意外性

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    2025年08月31日
  • 昭和23年冬の暗号

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    戦争が終わる時期の緊迫したやりとりがとてもスリリングでもあり、終戦を迎えた日本の様子を知ることができる一冊でした。
    戦争犯罪人をA級、B級、C級と戦犯と区分されていますが、私は勝手にイメージからA級ほど重い罪とされたと勘違いしていました。この間違った解釈を本書で正すことができました。本書189ページにある一節を抜粋します。

    A級戦犯に元首相や大将が多かったので、B級やC級よりランクが高いと誤解されているが、罪別に分類したにすぎない。「平和に対する罪」がA級である。B級は捕虜や非戦闘員に対する残虐行為で、これまでと同じである。フィリピンの「バターン死の行進」が捕虜の虐待にあたり、のちに山下大将

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    2025年08月30日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    こんな組織があったとは今のいままで知らなかった。「緒戦は優勢ながら徐々に米国との産業力、物量の差が顕在化し、やがてソ連が参戦して、開戦から三〜四年して日本が敗れる」原爆の投下以外見事に的中した総力戦研究所のこの予測が日本のその後の選択に活かされていたら一体どれだけの命が救われたことだろう。

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    2025年08月23日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    恥ずかしながら総力戦研究所の存在をこの本で初めて知った。
    御前会議は決定事項を承認するだけのセレモニー、結果ありきでデータ収集…等、いまの日本社会に通ずる部分が多々あり身につまされる思いになった。

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    2025年03月12日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    1983年初刊のノンフィクション。

    昭和16年、軍を含む官庁や民間から選りすぐりの若手人材が「総力戦研究所」に集められた。
    彼らは、各方面から持ち寄ったデータをもとに、模擬内閣を組織して開戦後の経過をシミュレーション。
    その結果は「日本必敗」というもの。
    しかしながら、敗戦に至るまでの過程を、原爆投下以外ほぼ正確に予測したこのシミュレーションは、結局採り入れられることなく日米戦へ突入。

    優れた分析がありながらも、開戦に至ってしまったプロセスは必読です。
    データよりも結論ありきの空気が優先されてしまうのは、現代でも変わらぬとても重い教訓だと思います。

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    2025年03月10日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    立場が人を作ると言うが、その立場は現実をみる眼を曇らせるというのもまた正しいと思う。先に描きたい絵があると、どうしてもその絵を飾るような事実を集めたくなってくるものだ。

    本書で取り扱われている総力戦研究所では、各方面のエリートが集められ模擬内閣でそれぞれの「立場」を与えられる。しかしその「立場」は期限が定められており、かつゲームの役職といった雰囲気の自由さがあったように推察される。立場ゆえのしがらみがなければ、事実に執着して結論を出せる。日米戦争に対して「必敗」という正しい結論を下せたのもその自由さゆえであろう。

    総力戦研究所のことは本書を読むまで、その存在さえ知らなかった。日米戦争は軍部

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    2025年01月05日
  • リーダーの教養書

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    冒頭の出口治明氏と楠木建氏の対談が面白かった。
    すぐ役立つ知識ほどすぐに役立たなくなる、ってのはその通りだと思う。教養が深まるからこそ判断力も鍛えられていくんですね。
    教養書120のうち興味深かった分野は、
    ・経済学
    ・進化生物学
    ・医学
    ・哲学
    ・宗教
    あたりかな。
    また読みたい本が増えてしまいました。

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    2024年10月09日
  • ミカドの肖像

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    ボリュームがあって後半は特に読むのが大変だったけど、面白かったです。前半だけでも読んでみて。

    日本国の天皇(ミカド・プリンス)とは何か?を日本はもちろん海外からの視点でも少しづつ丁寧に、しつこくしつこく謎を解きほぐしていきます。世界一周して取材、スゴイ。
    西武グループが皇族の土地を買い上げて建てた『プリンスホテル』の謎から堤康次郎の執念が明かされ、『ミカド』というゲームの謎はアメリカの「ミカド」という町からオペラ「ミカド」につながっていく。めちゃくちゃ面白い。

    猪瀬氏は天皇を『空虚な中心』と表現しています。天皇を神聖化するための数々のタブーや暗黙の了解により、国民は天皇の実態をよく知らない

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    2023年09月27日
  • 昭和23年冬の暗号

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    P.33 8行目 「日付は昭和二十三年三月十日。」
    東京空襲の日なので、昭和二十年の間違い? (2021年7月10日 再版)

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    2023年05月04日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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     第二次世界大戦および太平洋戦争は、日本の歴史上大きな転換期であった。この戦争の敗北で、これまでの価値観を根本的に覆す羽目になったのだ。その敗因として、日本はアメリカに関する情報や国内の補給線を十分に維持できなかったなど多々あげられる。そもそも、アメリカに宣戦布告をした時点で敗北が決定したのであろうか。そのようなことをあれこれ思い巡らす。このように、日本はこの戦争を依然として検討する余地があるのだが、実は、戦争直前の時点で日本が負けるとわかった組織が存在した。それが本書で取り上げる「総力戦研究所」である。この組織こそまさに、太平洋戦争で起こった出来事を見事に的中させたのだ。自分が観測したかぎり

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    2023年02月27日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    昭和16年に実在した「総力戦研究所」という、若手精鋭で構成された「模擬内閣」が何を行っていたかを中心に太平洋戦争に向かう経緯と同研究所の構成員の行く末を追ったノンフィクションです。「総力戦研究所」という組織が有ったこと自体を初めて知り、実際にどのような貢献をしたのかを知ることができ僥倖でした。今迄、東條英機に対して抱いていた独裁的イメージが大分変りました。

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    2022年08月16日
  • 黒船の世紀 <外圧>と<世論>の日米開戦秘史

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    第二次世界大戦とは何だったのか?いや独ソ戦、独英戦は、日米の戦いとあまりに距離も遠く性質が違うものなので太平洋戦争=大東亜戦争とは何だったのかという疑問は子供の頃から頭を離れなかった。また日本中のインテリが集まってあの戦争を総括できていないので、俺ごときが考えても仕方ないと諦めていた。
    この本は、あの戦争は近代ヨーロッパ文明に対する日本のアンチテーゼが根底にあったことを示していると思う。日本でも朝鮮や中国とタッグを組んで西欧に対抗しようという勢力はあったが、アジアはアジアでバラバラで纏まりがなく、ついに日本は中国を侵略してしまうのであった。日米の工業生産力が4:1といわれていて負けることは必至

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    2022年08月07日
  • 昭和23年冬の暗号

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    ネタバレ

     「昭和16年夏の敗戦」に続く完結編と著者は書いていますが、これは日本人必読の書かと思いました。

     ある女性が手にした祖母の日記に、「ジミーの誕生日の件、心配です」とあったことから物語は始まります。少しネタバレですが、ジミーとはいまの上皇様(天皇明仁)のこと。2・26事件から「日本のいちばん長い日」 (半藤一利)を経て、東京裁判・処刑までを追っています。東京裁判の開廷は憲法施行日(5月3日)、28人を起訴したのは昭和天皇誕生日(4月29日)、そして処刑されたのは次の天皇誕生日(12月23日)。そこに時限装置としての意図を見出しながら歴史を追う展開となっています。

     天皇明仁は、皇太子時代の

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    2021年08月04日
  • 救出 3.11気仙沼公民館に取り残された446人

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    猪瀬直樹『救出 3.11気仙沼公民館に取り残された446人』小学館文庫。

    東日本大震災から早くも10年。気仙沼公民館に孤立した446人の避難者の救出劇を描いたノンフィクション。

    命をつないだ情報のリレー。携帯電話の充電を気にしながらマザーズホーム園長の内海直子が家族に宛てた「火の海 ダメかも がんばる」という1通のメールがロンドンに暮らす息子に伝わり、信じれない奇跡を産み出す。

    本作の舞台となった気仙沼公民館は東日本大震災で津波が遡上した大川と海の近い海抜ゼロメートルの非常に危険な場所にある公共施設で、付近には水産加工場や魚市場などがあったことを覚えている。気仙沼は津波だけでなく、津波火

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    2021年02月08日
  • 猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第8巻 日本人はなぜ戦争をしたか 昭和16年夏の敗戦

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    対米戦争は「日本陸軍=東條英機の暴挙」海軍と国民は犠牲者、が刷込まれた固定観念
    教育の効果は大きく恐ろしい
    本書は猪瀬直樹氏が「事実」を整理・突きつけ、日本国の責任を告発した歴史に残るもの
    歴史は意思決定の積み重ねが生んだ「必然」の記録
    責任を問われるべきは、一つ一つの意思決定なのだ
    歴史を学ぶことの必要性と意義がそこにある

    「総力戦研究所」 現代に知られていないが日本国が機能していた証左
    言葉では総力戦といっても、戦争の根本概念が変わったので、戦略・組織体制・人事全てが変わらなければならないはず
    「パラダイムシフト」
    過去の成功体験・現在の担当者の自己保身などから組織は現状肯定
    強力なトッ

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    2020年08月21日
  • 公〈おおやけ〉 日本国・意思決定のマネジメントを問う

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    2020/08/21 猪瀬直樹 「公」
    日本国の課題は「国家中枢の欠落」という根本的欠陥
    日本国という組織は様々な「優秀な官僚組織」によって支えられ、運営されている。
    それは個々の組織の利益追求=部分最適に終始し、日本国全体の利益はおざなりにされる=全体最適の放棄 
    特に「負の配分」を伴う「新戦略」には「補填」が不可欠(田中角栄)
    しかし補填の予算手当が出来ない人口減少時代は、「構造改革」「戦略転換」は進まず、「国の着実な劣化」が進むだけ
    それが平成の失われた30年間の本質
    根本原因は日本の優秀な官僚組織体制にあるというのが猪瀬直樹氏の一貫した見立て
    戦前は日本の軍部が「軍事予算」により日本国

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    2020年08月21日