猪瀬直樹のレビュー一覧

  • 猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第5巻 ミカドの肖像

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    『ミカドの肖像』は、猪瀬直樹によるノンフィクション。1987年度大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。古い本だが、こと細かく事実が書かれているので、読めば新しい発見がある。

    西武グループは戦後、皇族の領地を安く買い取って、プリンスホテルを建てていったという。西武グループの創始者、堤康次郎は、戦後土地を買い漁った。終戦時は今と違って、土地なんて買っても儲からないと思われていた。何故堤は、資産価値なんてないと思われていた土地を買い漁ったのか。堤の評伝では、理由が曖昧にぼかされているけど、著者は、本当の理由を探った。

    堤は、企業家や政治家などの有志が集まるグループにコネで所属し、グループが発行して

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    2011年03月06日
  • 猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第8巻 日本人はなぜ戦争をしたか 昭和16年夏の敗戦

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    太平洋戦争は軍部の暴走という認識が改まった。
    戦争に向かう過程は現在の日本型意思決定システムに通じるものがある。

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    2010年12月30日
  • 猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第6巻 土地の神話

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    不動産関係者はとりあえず読んどけ。
    田園都市の夢の始まりと終わり。
    渋沢栄一の最後の夢を食って巨大化する五島慶太。
    東急沿線高級住宅街と東京の鉄道開発がいかになされたか。
    日本の不動産業の始まりの物語。

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    2009年10月07日
  • ミカドの肖像

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    著者は今どんな想いで高層ビルの一室からTokyoを眺めているのだろう。日本人はカネ儲けよりも自分自身を探すことのほうが緊急である。と僕(著者)は信じている。確かに。日本人には中心がない。西洋のような絶対的な神もいない。ドーナッツなんだ。ただ中心に成る場所だけはなんとなく感じている。その辺をだいたい知っているぐらいで穴があいていなければドーナッツじゃないとだけは思える。暗黙の了解って好きでしょ。空気を察してどこかで中心を決めようとしている。KYなんて言葉はまさに中心を失っている空虚を物語っている。プリンスホテル。東京海上火災保険ビル。軽井沢と八瀬童子。どれもトリックだらけ。なかなか触れられない対

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    2011年09月15日
  • ミカドの肖像

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    ミカドとはすなわち天皇です。天皇制のこととか、皇居近くに100m以上の建物を立てることのできないというトリビア満載。でも難しいので、天皇制とか天皇という存在に興味がない人には無理。

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    2009年10月04日
  • 昭和23年冬の暗号

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    実際は★3.5としたい。
    本書の内容、★4.5、読み物の完成度★3

    本書で暗号とされるものの正体に気がつくと戦慄するが、それまでの話の持っていき方が正直言って勿体無い。

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    2025年11月02日
  • 「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ! 日本国・不安の研究

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    データや数値に裏付けされた日本の医療業界の現実に絶望を感じる。
    日本は薬剤師が多すぎる。
    この現状を我々一人一人が変える方法はただ一つ。投票行動のみ。未来を変える政策を打ってくれる政治家を見極める目が求められている。

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    2025年10月26日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    昭和16年に模擬内閣によるシミュレーションで日米戦争の結果が日本必敗との結論が導き出されていた、とのふれこみのノンフィクション。この結論に至るまでの喧々諤々の議論が描かれると期待したが、このあたりの描写は肩透かし。内閣総力戦研究所が設立されるまでの経緯や開戦当時の総理大臣東条英機の内面に重きを置いた感じ。後者については特に目新しさは感じず。研究所の存在を知らなかったため、設置経緯等は興味を持てた。

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    2025年10月22日
  • 昭和23年冬の暗号

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    第1章の「子爵夫人」と言うタイトルを見て誰かピンと来た人は相当終戦直後の歴史に詳しいだろう。中々真相が語られずにモヤモヤするが、ケーディスが出てきた瞬間憶測が確信に変わる。

    東京裁判の起訴日や死刑執行日などについては元々知識としてあったので特に驚きはない。あれだけ鳥尾子爵夫人に触れておきながら殆ど本筋と絡むことがなく、とっ散らかった印象がある。「昭和16年夏の敗戦」の続編・解決編と銘打っているものの、どちらかと言うと蛇足の類では…?と言う感想を持ってしまう。
    文章の巧みさは相変わらずなので、構成で損をしているかなと言う印象。

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    2025年10月21日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    慣れない単語が多く読みづらい部分はあったが、それでも良かった。

    総合戦研究所の報告には敗戦必須と出ているのに、どうして戦争に突入したのかよくわかった。
    仮説を立てて物事を進めることと、結論ありきで物事を進めることには大きな隔たりがあるはずなのに、区別できていないように思える。しかも時の首相が。
    そして、今の日本でもこれと同等のことが起きるんじゃないか不安に感じる。声が多ければ根拠がなくてもその主張が通ってしまいかねないのが現状。直近ではJICAの交流強化事業撤回がそうだ。いま一度歴史に真正面から向き合っていきたい。

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    2025年10月01日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    昭和16年、政府は総力戦研究所を立ち上げ、各省庁や軍から30代前半の精鋭を集めた。課題として模擬内閣を作り、日米開戦をシミュレーションした結果、「緒戦は優勢ながら、徐々に米国との産業力、物流力の差が顕在化し、やがてソ連が参戦して、開戦から3〜4年で日本が敗れる」という結論に至る。インドネシアの油田を手に入れても、輸送船が米国に撃沈され石油が手に入らなくなる、というシミュレーションは軍の側でも予測されており、この研究所のメンバーで出した結論が殊更優れていたとは思えない。当時機密とされていた各種数字を見れば、優秀な官僚なら辿り着ける結論である。それでも開戦を回避できなかったという時代が恐ろしい。開

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    2025年09月02日
  • 昭和23年冬の暗号

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    著者のあとがきにあるように、
    ”本書は『昭和16年夏の敗戦』の完結篇である。”

    その通りではあって併せて読むことをお薦めするけれど
    (この本だけ読む人は居ないだろうけどw)
    『昭和16年夏の敗戦』程の読み応えは正直ないと思う。

    猪瀬さん、今何をやっているのかと思えば維新の会の参議院議員だったのね。
    うん、都知事やるよりはこっちの方が似合ってると思うな。
    (いや、作家専業で十分とは思うけれどw)

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    2025年08月31日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    日米開戦前夜。平均年齢三十三歳、全国各地から集められた若手エリート集団が出した結論は「日本必敗」。それでも日本が開戦へと突き進んだのはなぜか。客観的な分析を無視して無謀な戦争に突入したプロセスを描き、日本的組織の構造的欠陥を暴く。
    石破茂氏との対談、新版あとがきを収録。

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    2025年08月17日
  • 戦争シミュレーション 未来戦記の精神史

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    2〜30年ほど前に流行った架空戦記物が当時好きだった 
    何らかの歴史改変があり(若しくは何の理由もなく)日本軍が無双をする基本的に荒唐無稽なやつ
    そういった類も含めて明治大正期からの未来戦記を時代ごと系統立てて詳しく紹介してある 
    文章の端々に本当に読み込んだ人でないと書けそうにない描写が散見され全体から著者の真面目さ真剣さが伺える
    ただまあエンタメとして読もうとしたら面白くはない
    表紙イラストから感じられる軽い楽しさを期待してはいけない

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    2025年08月09日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    第一章から読み始めるも途中で挫折。なんか読みにくい。積読に。

    改めて読んでみる。今度は第三章から。
    石破と猪瀬の対談が一番わかりやすい。
    石破国会議員大絶賛。国会での質問でも複数回取り上げたとはびっくり。
    敗戦と分かっていても海軍のメンツが猪突猛進に走らせたということか。
    欺かれていた国民、命を捧げた若者にとっては余りにも悲しい。

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    2023年12月03日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    総力戦研究所の存在を知らなかったので、国力を含めた対米戦を研究していたことに安堵した。ただ、日本の命運がかかった研究に手を付けたのが開戦のわずか数ヶ月前だったこと、国の総力を上げて然るべき研究を官民から選りすぐられたエリートとはいえ実務10年前後の若者たちに行わせていたことには驚かされた。そして残念なのは、研究成果が反映されなかったこと・・・。結果論になるけれど、首脳陣の誰かがこの研究成果を吸い上げていたら多くの命が救われただろうと思うと胸が痛む。未来は見えないものだけど読める未来もあっただろうに・・・。

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    2023年04月29日
  • ニッポン2021-2050 データから構想を生み出す教養と思考法

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    印象に残っている話。
    自分が勤めている業界でも前例踏襲主義が蔓延っているということが感じられ、それらを意識的に変革していかなければ、先細りしていくように感じられる。

    最近ではチャットGPTのようなイノベーションが出てきているので、そういう新しいものにいち早く適応していきたい。

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    2023年04月12日
  • 救出 3.11気仙沼公民館に取り残された446人

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    12年目の3.11に震災のドキュメンタリーを観たのをきっかけに手に取った。津波・火の海・孤立という絶望的な状況の中、全員で生き抜いた奇跡の記録。日々の訓練、とっさの判断・行動の積み重ねが生死を分けることがひしひしと伝わる。圧倒的な自然の前に人生が一瞬で奪われてしまう時はあるが、命ある限りは大切に生きたい。

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    2023年03月21日
  • 東京の敵

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    「評論する側と行動する側」その両方を体験した筆者ならではの文章の力強さ。単なる暴露ものではなく、政策的・実務的観点から得られるものはあります。都庁内での政治的な行動原理を見ると「ああ、自分の働いている会社でも似たようなことあるなぁ」と感じ入ってしまった。

    p58
    そのため重要案件は都議団幹事長よりも都連幹事長に話をすれば早いということになり、それが慣習として続くことで、権力はより強まっていくわけです。

    p110
    僕は、JOCの武田恒和会長とともに「民間人の会長がふさわしい。コスト意識の強いトヨタの会長を務めた張富士夫さんが適任ではないか」という案をつくりました(中略)そうした僕の動きが、森

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    2023年03月11日
  • 昭和16年夏の敗戦 新版

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    総力戦研究所という機関が設置されていたことを初めて知った。重要な史実というだけでなく、現代にも通じる示唆が含まれているように感じた。

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    2023年02月13日