猪瀬直樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
東京都の副知事、猪瀬直樹さんの本。
いわゆる「団塊の世代」らへんの人なりに東日本大震災や情報化といったキーワードと向き合い社会問題と対峙していく、という姿勢を否応なく感じた。
活字好き90年代生まれとして、猪瀬さんの言葉の活用や可能性を真摯に追い続ける姿勢を応援したい、と強く感じた。
だがその一方、「マンガやアニメよりやっぱ活字でしょ、活字こそ正当な文化の継承者」的なノリが随所にあり、90年代生まれとしては「社会意識の高いマンガやアニメをいっぱいあるよ!!」と思わず反発したくなるのは否定できない。
ただ、社会の多数を占めるのは猪瀬さんぐらいの世代であり、マンガやアニメみたいなオタクカル -
Posted by ブクログ
成熟した日本では決断する力がない政治家が怠慢に見える
著者の猪瀬氏からすれば問題解決能力がないってことでしょうがそれでは「決断する力」とはどんな能力なのか
・刻々と変化する状況に対応
・走りながら考える
・スピートこそ命
・迅速な意思決定
・一度決定したらブレない
こんなキーワードが文中に散りばめられています
猪瀬氏は自分や石原氏を変人と言うが時代が変人を求めているのだろう
いまの時代は民間的な感覚を持つ人がリーダーとして求められている
震災時には被災地に足りない一般職員を派遣
首都公務員として夕張市を助ける…のちに東京都の若い一公務員が市長戦に出馬…石原都知事みずから応援演説のくだりは -
Posted by ブクログ
ネタバレ軍事問題に精通している自民党 石破氏が国会答弁中に歴史認識について言及する中で紹介した本。
日本が敗戦するのは、S20年であることは、周知の事実だが、この本では、S16年となっている。
というのも、実は、S16年には、国家公認の疑似内閣が結成され、戦争に踏み切った場合のシュミレーションが行われ、ひとつの解答を得ていたのだ。
このシュミレーションは、単純な軍事的衝突だけでなく、国民への物資配給についての見解など国民生活の細部に至る総合的な検証がなされていること。また、疑似内閣の構成員が若手エリートコースを歩む陸軍、海軍、マスコミ、省庁関係者等であり、次世代の日本において大きな影響を持つ確率 -
Posted by ブクログ
■本の概要
内容は主に、東京都副都知事 猪瀬直樹氏が、震災を通して考え行動してきたことで、以下の3部構成。
1.災害などの非常時のリーダーのあり方
2.「想定外」をなくすために日常的にやるべきこと
3.東京都が今採るべき攻めの政策(地下鉄,水道,電力)
■感じたこと
・エネルギー政策や増税などで迷走している「決断する力」の無い日本政府と比べて、東京都は即断即決でこんなにうまく機能しているんだぞ、という自画自賛が多いが、実際に言うだけのことはしているようなので頼もしい。だんだん猪瀬氏のことを応援したくなってきた。
・東京都は、東京都だけのためにあるのではなくて、地方自治体のトップランナ -
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
ネタバレ■概要
本書は、黒船を起点に日米戦争に至る日本人の精神を、日米未来戦記を解き明かすことで描いたノンフィクションである。Ⅲ部構成で、日米未来戦記がどのようにⅠ勃興し、Ⅱ流行したか、最後にⅢ物語と現実が交錯していくさまを描いている。
■サマリー
[Ⅰ太平洋へ向かうベクトル]
黒船の衝撃が旧体制を崩壊させ、日本人は外圧対策として日清、日露戦争へと進んだ。日露戦争後、脅威の対象は、太平洋を越えて対峙する黒船の国アメリカに向かった。最初の未来戦記、水野広徳の『次の一戦』は、そうした米国に備えよと軍備拡張を主張した。米国では、極東で力を増す日本の脅威を綴ったホーマー・リーの『無知の勇気』が人気となっ -
Posted by ブクログ
『言葉の力』
サブタイトルには《「作家の視点」で国をつくる》とある。
著者は、日本の言語技術を底上げして国力を上げる必要性があると説いているように思える。
第二部に「霞ヶ関文学、永田町文学を解体せよ」とあるように、日本中枢の現状を特に憂いているように思える。
小泉純一郎元首相には「言葉」があったが、その後の首相たちを見ていると「言葉の力」が次第に失われている、とある。
まあ、これには激しく同意できる。
一般的には第一部・第三部を読めば良いと思うが、結局、言語技術を上げるには、沢山の本を読み、歴史を学ぶことにあると感じた。
しかし、言語技術を上げなきゃいけない人ほど本を読まないという現実が -
Posted by ブクログ
日本人は「言語技術」を勉強しないといけないと。
政治家はもちろん、日本の企業の人には、何を説明しているんだか、わからないこと、メモを取りにくい説明が多い。外資系企業の外国人の場合、そういうことが少ないのは、彼らが言語技術を習得しているからなのだろうか。猪瀬さんは、日本の教育がそうなっていないことを指摘して、その通りだと思う。
絵画の見方についても触れているが、ロンドンのナショナルミュージアムなどでは、頻繁に小学生がホンモノの名作を見ながら、授業をする姿がよくみられる。なんとなく聞いているとこの本で述べられている通りのことが行われている。
ツイッターのつぶやきなど、日本人の言語技術全体に話が及ん -
Posted by ブクログ
作家でもある東京都の猪俣副知事が書いた本。
副知事が取り組んだこと・見てきたものを詰め込んでます。
とても興味深かったです。
日本のいいところ、東京の強みを再発見できます。
私たちが当たり前に水道から飲んでいる水だけど、水道の水がそのまま飲めるのは全国でたった11ヶ国しかない。
水道管理システム、すなわち水ビジネスは世界に十分通用する武器になるということ。
それから、環境のこと。
お台場のゴミの埋め立て地を植林で埋め尽くす「海の森」の構想が進められているということ。
海からの風は森を通り抜けて、オフィス街にそそぎ込むなんて、素敵。
環境問題はこれからの時代避けて通れない重要なテーマだと思い -
Posted by ブクログ
ネタバレ”本を読ま習慣が廃れると思考力が衰える。”この部分同意見。このことは、もっと多くの人が認識すべきと日頃から強く感じています。周りにも結構いらっしゃいます。正直、なまじお歳をお召しだと本当に困ります・・・。ただ、若いときの読書はスポーツ同様筋肉がつくが、30歳を過ぎてからの読書はただの情報にすぎないとも記載あり。もうすぐ40歳に到達しようとする私には少々がっかりです(10代30代に比較すると20代は読書が少なめだったのを後悔しているのは事実ですが)。その他、都で休日にボランティア活動を予定していたら休日手当が支給されそうになっていたというエピソードが興味深いです。サクッと1時間もあれば読めます。