猪瀬直樹のレビュー一覧
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堤義明氏の逮捕の報道は、ぼくでもちょっとした驚きだった。西武グループという大きな看板を持った大物の逮捕だけにそう思ったのだが、同時に以前読んだ一冊の本のことを思い出した。
猪瀬直樹著「ミカドの肖像」
近代天皇制と日本人との関係を、これまでの天皇論とはまったく異なる角度から猪瀬氏らしい独自の取材と論法で、立体的に探っていくなかなかの秀作で、ぼくは天皇のことをいろいろ調べてた折に読んだのだが、それ以上にそこに出てくる西武グループの堤一族と皇族との関係にスキャンダラスな要素も含みつつ刺激的だった。当時ぼくからしたら西武ライオンズやパルコのセゾングループの西武だから、そんな西武と天皇との関係は素直におもしろかった。
このとき、ぼくは間違った事実を覚えていたらしい。堤康二郎の三男の義明をぼくはずっと西武セゾングループの方、つまりは百貨店の方を仕切っていて、異母兄の清二が西武鉄道を主とする西武グループを継いだものと思っていたのだ。実際はまったく逆だった。
でもそれもそのはず。兄の清二は、皇族と関係のあった康二郎を尻目に日本共産党に入党したり、自ら勘当されるように仕向けたりと、康二郎に反発していたようなのだ。そんなとき義明は康二郎の後ろをひた歩き、帝王学を学び、康二郎の築いたものを継承しえたのだろう。
堤一族がこうしてひとつの時代を築き、時代から去ろうとしているわけだ。西武という大きなものが解体されていく中で、昭和の終焉をいまさらながらに感じるのは、堤一族と天皇との意味深な関係をどうしても想起してしまうからなのか。 -
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元都知事で2020年五輪招致の主役で成果をあげながらも5000万円事件で奈落におとされたアマチュア政治家猪瀬直樹氏の著書。
本作は五輪招致で華々しくプレゼンをしていた一方、40年二人三脚で歩いてきた最愛の妻、ゆりこさんに対する鎮魂歌でもある。
奥様の主治医から余命数ヶ月の一報を知らされながらも職務を全うし多大な成果もあげた。
それから数カ月後に皮肉にも徳洲会5000万円問題で辞任させられることになった史実。
メディアで見る限り愛想の無い不器用な作家上がりの政治家という印象だったが、その裏では最愛の人を失う恐怖と闘いながら重大な任務をこなしていた。
読みながら何度も心が締め付けられる思いになりました。
5000万円事件の事についても書かれているが、お粗末な認識だったことは否めない。だが、書かれていることは嘘では無いだろうし強く同情してしまった。
個人的には、
本来やることを全く解っていない消去法で急遽選ばれた今の都知事よりも、猪瀬さんの方が東京都知事として適任だと思う。作家になんて戻らないで欲しい。 -
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猪瀬直樹という作家が後に政治の世界に入ってゆくきっかけとなった作品。霞が関の論理が如何に一般国民にとって理解不可能なものかを猪瀬氏の持論である“ファクト”に基づいて展開される。
ここで指摘された道路公団のデタラメさが後に小泉改革による道路公団民営化へと繋がった。
作品自体は90年代中盤のもので、時を経て歴史作品へと変質していそうなものだが、実はここに書かれている霞が関の奇妙さはほとんど何も変わってはいない。
ここに書かれている問題で手がつけられたのは道路公団くらいなものだ。
作品にはまだまだ奇妙な光景は広がっていてそれはまだ問題として社会に浮上すらしていないのである。
政治における“改革”熱はこの著作から始まったと言っても過言ではないが、“熱”はさながら原点を見失ってるようだ。
今一度、ここに書いてある景色がおかしいと感じるところから始めるべきである。 -
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東京都の政策に興味があったので読んでみた。
今都知事の猪瀬さんが副知事時代に取り組んだことを中心に書かれています。
実際起こったエピソードの話が中心だし、文体もとても読みやすい。さすが作家さん。
内容
・都が取り組む「水ビジネス」の重要性、参議院議員宿舎の件、高速道路民営化の件など色々。
・東京が今オリンピック招致に取り組んでいる理由が、「成熟した先進国のオリンピックをすることにより、東京から世界に向かって未来のビジョンを発信する」という目的を持ったものであるということ(これ知らない人意外と多いと思う)。
・あとは、石原元都知事に指名されて副知事になったいきさつというか裏話が書かれてて面白かった。
猪瀬さんは都民の目線から都の問題を見つめている。行動力もすごい。
理想論や思いつきではなく、ちゃんとデータに基づいて政策に取り組んでいるので信頼できる。
猪瀬都知事になって、これからの東京がどうなっていくのか期待したくなる1冊。 -
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昨年末に東京都知事に就任された、猪瀬直樹さんの寄稿集となります。
石原さんの下での副都知事時代のエピソードが主体で、読み応えありました。
中でも、3.11の際の Twitter から始まった救出劇は圧巻でした。
詳細は『決断する力』でもとのことですので、是非そちらも読んでみたいところ。
「気仙沼→ロンドン→東京→都庁→消防と奇跡のリレーの絆でつながった」
そして個人的には、東京メトロと都営地下鉄の一元化は、是非お願いしたい。
道路行政を何とかしてしまった猪瀬さんなら、できてしまう気もしています。
政策の系譜で見れば、間違いなく石原さんを踏襲されているかと、、
政治の連続性との面から見ても、都知事としての信頼性は間違いなく。
「日本文学は、日本という国がこの世界でどんな苦労をし、
どう生き延びていくべきなのかを提示するという「家長」の役割を放棄したまま」
既存メディアからはあまり伝わってきませんが、
ご本人が作家であるのは頼もしい、わかりやすく発信してくれそうです。
そういえば、ビブリオバトルの紹介もされていて、
「本はタイムマシンだ」とは、さすがの表現だなぁ、、と。
今年はオリンピック招致がメインになると思いますが、
前回とはちょっと違った雰囲気で推移していると思います。
「これからの世の中を強く生きるには、
自国の歴史を知り、己のよりどころをすることも必要」
歴史教育でマッカーサーの副読本を使い始めたことがその端緒ともなればいいのですが、
ん、この方向性が根付いていけば、東京都の公教育は安心かな、、現場での運用は心配ですが。