猪瀬直樹のレビュー一覧
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太平洋戦争開戦の数ヶ月前に集められた少壮のエリート達によって創られた「総力戦研究所」。彼らが集められるデータを全て検討して机上演習も遣り尽くして出した結論は、「日本必敗」。真珠湾攻撃と原爆投下を除いて時期や各国の動き等をピタリと当てたと言います。
だが、彼等の提言は「日本は(勝算のもっと低い)日露戦争でも勝てたのだから、今回も勝てる」と握り潰されてしまった。
今の日本社会でもこの悪弊は続いている、と言うのが本著の論旨でした。
この本は比較的出版が古く名著とされているが、「経済学者たちの日米開戦」、「失敗の本質」の方が説得力と知的好奇心があったかな。 -
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ネタバレリーダーの教養書
■教養がなければ「奴隷」
・人は自分の価値基準に照らして初めて、意見や考えが出てくる。
・自分が関わっている事象について、自分が自由に考えるための基盤は共用
・自分以外の誰かが決めた価値基準への充足を強制される状態は「不自由」
自分の頭で考え、自分の言葉でものを言うことが「自由」
・教養があればあるほど、人間は快適かつ思い悩むことの少ない生活を送れる
・教養とは、自分の好きなものを学ぶことに尽きる。ワクワクする事
■リーダーとは
・労働条件とは「上司」
・教養がなければ人生を楽しめず、職場も部下も楽しく過ごせない
■経営判断とは「論理的な革新」
・物事を単純化して、要 -
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日本の課題は過密化する都市部と過疎化する地方で真逆であるが、歴史への理解のうえでビジョンを持ち、発想の転換とテクノロジーの活用(遠隔医療、ブロックチェーンによる土地管理など)で解決できる。
明治以降の近代化の中で意図的に創られた日本人としての画一的な原風景(富士山、松、戦後はドラえもんに出てくる家庭と町)を超克し、歴史認識のうえでリアルな立ち位置を自覚すべきである。
戦前戦後を通じて日本は官僚主権であり、全体目的よりも省益を重視し変化に対応できない彼らが、決められないが故の開戦をはじめとする各問題の原因となってきた。これからは政治家もテクノロジーを理解し、政治家と技術者が真に連携して社会課題を -
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ネタバレ2020.5.5 復読
《引用とコメント》
・仕事は「発見」するもの。イノベーションが生まれそうな土壌を発見することから始める(道路公団の民営化の事例より)
→発見をどう形にするか、行動するかが悩ましい。工夫次第か?
・東京の中心には皇居という無がある。周辺は大都市。歴史とモダンが融合しているのは東京の魅力
・言語化は最高の思考ツール(結局、ロジカル思考が大事)
・国難の中で物事は形作られてきた(アフターコロナも同じか)
《私見》
落合氏の話は、他の著書やインタビューで触れているものであり、あまり目新しいものはなかった。ブロックチェーン推しで様々なものを管理し、地産地消するというのは概念 -
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途中まで。
■教養の定義
・人が他者に強制されず、自分自身で作り上げていく独自の「価値基準」を持っているということです
・自由でない状態は奴隷の状態
・自らの選択肢を増やしてくれるもの
・ワクワクして楽しいもの
知りたい、興味を持ったことを
その時に調べてみる、詳しい人に聞く
→岩盤に突き当たるまで徹底的に
→その積み重ねで教養が身につく
■品があるの定義
→欲望への速度が遅いこと
→→即時即物的にではなく抽象度をあげて物事を理解しようとする姿勢
→→マンションを買うまで、一年おきにどこがいいか家を転々としてから買った人の話
抽象度が高ければ高いほど実は実用的
→普遍的だから
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猪瀬直樹氏の言葉が具体的に生きたな歴史の言葉を伝えてくるのに対して、落合陽一氏の言葉は明るい未来を描き、それに賛同する者を鼓舞する抽象度の高い言葉を放つ。
日本の将来の構想者のような活躍ぶりの落合陽一氏は、
メディアの取り扱いもかたもあり話題の人物だ。
そして、政界の若きリーダーと目される小泉進次郎とも懇意で、この本でも『ポリテック』という言葉を基に、将来の政治とテクノロジーの融合を図ろうということを訴えている。
だが、その露出度とその言葉が展開する世界の厚みがまだ蓄積されていないのか、こちらが読み取れていないのか判らないが、ちょっと上滑り感を感じた。
一方、猪瀬直樹氏に対してはあら -
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猪瀬氏の若い頃の大作。
この視点でここまでしぶとく調べ尽くすというのは、なかなかないと思う。
前半が西武グループ、プリンスホテルは元皇族の土地に建っていると言う話。
後半はミカドというオペレッタを通して海外から日本がどう見えているのかという話が中心。
日本という国の中で象徴である天皇が、海外の目からは中心でありながら空虚に見えるというのを様々な事実から描こうとする。
前半は西武グループ堤代表の伝記としても読めておもしろかったが、後半は読んでてだれてきた。
細かい話にしつこく迫る様子が、ある意味猪瀬氏の持ち味であり強味なのだが、あまりに細かいところまで突っ込むのでついていくのがしんどくなって -
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テレビでいつだったか八瀬童子のことをやっていたことがあり、非常に興味が湧き、本書のことも知りました。
まるまる一冊八瀬童子のことと思いきや、八瀬童子エピソードの割合はそんなに多くありません。
メインはむしろ昭和になる際にあった元号誤報事件や、元号制定の裏側、終戦時に松江で起きた県庁焼き討ち事件です。
小説と思い込んでいたのですが、ドキュメンタリーでした。
元号に関する報道をする記者の人たちも、元号の制定に携わった人たちも、そして太平洋戦争の敗戦を受け入れられずテロにおよんだ人たちも、八瀬童子の方たちも、天皇本人に会ったわけではありません。
どの人たちも実際の天皇ではなく、影法師のような幻影に