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この国を守るのは「官」ではない。テロに戦慄する現代日本と地続きの“知られざる”警備業の歴史とは?セコムとアルソック――1964年東京五輪を契機に現れた、二大民間警備会社の勃興と確執。2020年東京五輪を掴んだ作家が緻密な取材と卓越した視点で、隠された戦後史を照射し未来を予見する。(あらすじ)テロへの不安、日本の安心・安全は誰が守るのか?1962年、日本初の民間警備会社・日本警備保障(現・セコム)を起業した二人の若者は、1964年の東京五輪で選手村の警備を一括受注し、脚光を浴びることとなる。そして、その東京五輪で選手村の警備をセコムに発注したのが、のちに綜合警備保障(アルソック)を設立する警察官僚だった。「民」と「官」――。出自と起業の思惑も対照的だったが二社は、永山則夫事件など時々で交錯。歴史の奇妙な因縁に縛られていく――。日本を防衛する軍隊として23万人の自衛隊が存在する。国内の治安は24万人の警察官があたる。彼らのために国民は税金を支払っている。いっぽう民間の警備員数は警察官の2倍、50万人余である。日本の治安は、いまや「3兆円産業」に拡大した民間警備業市場の力を無視することができない。(本文より抜粋)
...続きを読むPosted by ブクログ 2016年06月21日
SECOMや綜合警備保障のガードマンさんって、いつしかすっかり頼もしくなった。制服や装備が洗練され、警備時の振舞いからは警官に劣らぬ鍛錬が知れる。今では機械警備もすっかりと定着したけど、小さな事業所でさえ自前でやっていた守衛や宿直業務をアウトソーシングする感覚は古いようで新しい。ATMの管理はALS...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年04月13日
のちにセコム い改称する日本警備保障は、東京オリンピックの選手村警備から始まった。この警備を依頼したのが五輪組織委員会事務次長の村井順で、この人は元内務官僚で初代内閣官房調査室室長。そして五輪の翌年に綜合警備保障を作る。
綜合警備保障は銀行や政治の全面的支援を得ている。
セブン銀行のatmへの現金輸...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年04月09日
戦後のセキュリティの歴史を、1964年の東京オリンピック前後に興った2つの民警(民間警備会社)、セコムとアルソックを通じて読み解く本です。
重要で興味深い点が3点あります。1つは日本で全く無かった産業が生まれた時のマーケティング(オペレーションや営業)がどのようなものであるか。1つは非競合的かつ排...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年03月11日
参考文献を見て、とてもよく調べて書かれた本だと実感しました。
前半は興味深く読みましたが、後半は若干興ざめでした。
現在の状況や実務面・実際の仕事ぶりなどを紹介してほしかったです(仕事柄難しかったのかもしれないですね)。
アルソックは官製っぽい流れということで、琉銀のような雰囲気を感じます。成り立...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年01月09日
猪瀬元東京都知事の最新作。2020年の東京オリンピック誘致に際して訴えかけたのは「東京は安全・安心」だということ。それを支えるのは官(警察・自衛隊)だけでなく民(警備会社)の側面もある。こんないきさつから著者は民間警備会社をテーマに選んだそうだ。本書の内容は日本の二大民間警備会社の創業期の描写が大部...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年08月28日
「東京五輪招致にあたってIOC(国際オリンピック委員会)に提出した立候補ファイルで、大会開催中にセキュリティ活動に投入される要因の見積もりは、全体で5万859人である。内訳は警察官2万1000人、緊急サービス(消防隊・救急隊)6000人、海上保安官850人、民間警備員1万4000人、セキュリティボラ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年01月03日
【178冊目】23万人の自衛官、24万人の警察官に対し、民間警備員数は50万人。今や日本の治安は、民間警備産業無しには成り立たないというキャッチフレーズに引かれて購入。なぜなら、この事実を知らなくて驚いたから。
どういう内容の本なのかよく分からず、現在の警備業の実態を詳述したルポルタージュだと予想し...続きを読む
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