あらすじ
人口減少、低成長、高齢化……山積する課題を解決し、新しい時代を構想するためには、今の日本を規定する「近代」を見つめ、機能不全の構造をアップデートする必要がある。実践者二人による社会を変えるヒント。
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Posted by ブクログ
落合氏のドラスティックな視点はやはり面白い。
これからの日本に関する大事な論点を提示してくれている良著。
ドラえもんから日本の文化を分析しているのがおもしろい。今ならなんだろうか、YouTubeネットフリックス かと考えが広がる。
メモ
・手を動かせ、モノを作れ。批評家になるな。ポジションを取った後に批評しろ。
・東京と地方はまったく違う国になっていて、それは今後30年さらに加速する。
・プラットフォーム化したテクノロジーは分断を促すというより、都市と地方を結んでいる最大の共通項になっている。
・インフラを適材適所に組み替えていくということ
・日本は3つのブロックに分かれ、それぞれ別の課題を持つ国になっていく。都市部タワマン型、都市郊外型、地方型。
・少子化が悲観的でない3つの理由
テクノロジー導入にネガティブな圧力がかかりにくいこと
輸出戦略
教育投資
・落合陽一の高度経済成長のとらえかた
均一な教育、年功序列の給与と住宅ローン、マスメディア
・唱歌は、共通の心象風景を作り上げ、僕たちは同じ日本人だというふうに認識できた。風景は近代のメロディによって再編成された。
・ドラえもんでは出てこないが、現実世界でいまの日本を象徴するようなな風景
コンビニ、ショッピングモール、スマホソフトウェアプラットフォーム
・東京の中心には皇居があり、手付かずの自然が残る。自然を抑え込まず中心において、周辺にビジネスやテクノロジー。西洋は自然を抑え込むことで、近代化を成し遂げた。
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落合陽一氏と猪瀬直樹氏との対談、人口・産業、日本の風景(文化)、統治(政治)、人材(教育)について落合氏が発案した内容について猪瀬氏がお得意の近代史や自身の政治経験から歴史やデータで裏付けて補足を行い、とても説得力のある提言になっています。うーん、東京都は惜しい人を失ったような。。。
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「不決断」が招いた失敗。縦割りの官僚制の限界が見えている中で、
組織のしがらみや内輪の空気から解放されて「変化」を決断するべき。
その「リスクテイキング」はAI時代の中で人間しか出来ない価値となる。
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お二人の共著というかたちですが、落合さんと猪瀬さんが対談ではなく、各々の語りで出たキーワードや話の流れを受けて語る、というスタイルはさながら交換日記のようで読んでいて面白い形式でした。
落合さんの大学職員・経営者・テクノロジーの専門家・一児の父としての目線と未来志向な語り口、猪瀬さんの作家・元都知事という目線とたびたび著作を引用した重厚な語り口が交互にやってきて非常に刺激的でした。
各章では次の内容が語られます。
第1章で、地方と東京、日本の人口減少とテクノロジーの積極的活用の必要性
第2章で、日本人の過去と現在の心象風景、そして未来の心象風景を表現する絶好の機会としての東京オリンピック開会式
第3章で、ポリテック(政治とテクノロジーの融合)
第4章で、副題の「データから構想を生み出す教養と思考法」
特に印象的だった部分は、第1章と第2章です。
現在実用化に向けて研究開発が進められているテクノロジー(次世代通信5G、AI、ブロックチェーンなど)の高い有用性、テクノロジーが生み出す未来の素晴らしさを知ることができ、日本の未来を垣間見た気がしました。
また、新聞TVで騒がれる社会問題は「社会保障政策も、税制も、経済も、すべては人口増加を前提に設計されてきた」から少子化による人口減少を怖がるが、以下3つの理由で怖がる必要はないと落合さんは言います。
1. 生産人口が減る=テクノロジーの力を積極的に取り入れる土壌ができやすい
2. 人口減少・高齢化社会をいち早く経験することでその知見を世界に先んじて蓄え、海外に輸出することができる
3. 子供が少ない=貴重な存在として教育コストをかけやすい国になる
人口減少にしろ原発の廃炉問題にしろ、世界に先駆けて課題を先取りできる日本は先に解決するチャンスが手元にあるという意味でむしろラッキーだ、いう落合さんの言葉は非常に勇気づけられるものでした。
逆にショッキングだったのが、1995年からこれまで、日本のGDPがずっと横ばいだったこと。同じ期間に1位のアメリカは2倍以上は増やしているにも関わらず、です。「失われた20年」というよく聞かれる言葉を数値でよりリアルに感じてショックでした。
しかし、落ち込んでばかりもいられず、落合さんは第1章で「僕は近未来、2040年ぐらいを見据えて研究をしている」「次世代のプラットフォームとして役立つものをつくるということを意識して研究なり教育なりを行なっている」とおっしゃっています。
本を読み終えて、自分も20年後、30年後を見据えた動きをしていきたい、と明るく前向きな気持ちになれる本です。
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落合氏と猪瀬氏がお互いをリスペクトしながらそれぞれの考える日本の未来と求められる思考法を語るという本です。
落合さんの本を読むと、「日本は決して終わった国じゃない」という希望が持てるから好きです。猪瀬さんの文章は初めてですが、『ミカドの肖像』『昭和16年夏の敗戦』といった過去の作品に興味を持ちました。
印象に残ったのは。第二章の「日本の風景」について。
「ドラえもん」の風景が無意識に日本人を縛り付けている。【均一な教育】【年功序列とローン】【マスメディア】という高度経済成長期の遺産を象徴しているのが「ドラえもん」だといいます。
アニメや漫画は日本が誇るカルチャーだと言われていますが、キャラクターばかりのコンテンツが日本の本当に見せたいものなのか?それが当たり前だと思っていたのでその問いに面食らいました。
この本を読んだのが2023年。いちおうオリンピックも終わり、日本は不祥事というとんでもないモノを世界に発信しちゃったわけですが。。。
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落合陽一さんと元東京都知事の猪瀬直樹さんの対談本。お二人の見識の深さや広さを、熱量を持った議論から理解できる本。
落合陽一さんは学生に、手を動かせ、ものを作れ。批評家になるな。ポジションを取った後に批評しろ。と言っています。手も動かさず者を乱さず、批判と愚痴を垂れ流す。そんな人は山ほどいますが、手を動かしながら語る人は少数派です。
猪瀬さんは戦後の日本をさして、ディズニーランドの中で生きているようなものだと常に語ってきた。それは命神神神の日本は日清日露戦争と言う国名を乗り越えて国を作ってきた。安倍晋三首相が解散の粒に掲げた国難、とは比べ物にならない位の国難を実際に突破してきたのが、明治期の日本であったといえます。ところが戦後の日本は防衛外交などおよそ製造に関わる全ての政策をアメリカに任せてしまった。アメリカ任せにする過程であるはずの国難は消失し、結果として個人の葛藤も消失していきます。日本人は外の世界で起きていることを忘れ、ただディズニーランドの打ち合わせで暮らせば良い。アメリカ初の画一性を受け入れその中で自分たちの楽しい日常を謳歌しようと言う方向に突き進む落としている。
長野オリンピック閉会式に生歌故郷を取り入れた演出がありました。3番の歌詞には、志を果たしていつのひか帰らんと言う言葉があります。この志と言うキーワードは改めて強調すると明治の立身出世はエゴイズムではなかった、と言うことです。
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政治家・猪瀬直樹を毛嫌いしていたが、この本の中身は抽象的でビジョナリーながら、経験に基づいたとても説得力のあるものだった。
政治がビジョンを示しテクノロジーが支援するポリテックが浸透する日が来るだろうか。
形は歪かもしれないがきっとすぐに来る。その時に私も、1枚噛む、出資するくらいの度量を備えたい。
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*ポリテック
政治がテクノロジーで変わる、テクノロジーが政治で変わる、政治とテクノロジーそれぞれが変わる
◎次の時代を考えるに大切なこと
①歴史や統計データを知ること
ある時代でチャレンジして失敗しても、この時代なら成功するかもと仮説を考えながら歴史を学ぶ
②論理的な日本語を身に付けること
③時代に適合した文理を問わない教養を身につけること
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2020.05
・ポリテックスで、縦割りを壊し、置き去りにされている問題を解決し、政治体制を変えていく。(技術的にはできるけど、でも、、、と言ってやらなかったことをなくす)
・2020年以降に重要なパラダイムシフトを起こしていく必要がある。
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私は本当に何も知らなくて、まず「サービスエリアにスタバが入り始めた」のに仕掛け人がいたことも衝撃だったし、「2021年以降」のことにみんな目が向いてないという指摘にも納得。世界からお客様が来るから社会インフラを世界レベルにするのは当然として、そのあとをどうするか?考えさせられた。あとがきで猪瀬氏が書いた「落合陽一と話していて楽しいのは〜」に続く言葉が秀逸。
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・リスクを恐れず、できることをやっていく
・(他国語習得より)母国語を磨く
・使えるものは使う
・テクノロジーを受け入れる姿勢
・誰もが日本のこれからのプランナー
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●否定的な意味での日本システム
内輪の論理と秘密主義
←→近代の大原則
検証できるシステム
p.125
●モチベーションを価値に落とし込むために重要な能力
・言語化する能力
・論理力
・リスクを取る力
・専門性
p.180
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落合氏と猪瀬氏の組み合わせに、最初は「なぜこの二人が?」という不思議な違和感があったが、まさかこんなに噛み合ってスウィングするとは思わなかった。落合氏の著書「日本再興戦略」で語られている内容と重複している部分がかなり多いが、猪瀬氏ならではの経験に基づく論説が加わることによって重厚にアップデートされている。本書は「日本再興戦略2.0」と呼んで差し支えない内容だと思う。多才で様々な顔を持つ落合氏だが、小泉進次郎氏と交流を持つなど政界への関わり方も興味深い。未来の首相の重要なブレーンとなる日が来るかもしれない。
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猪瀬氏と落合氏が各テーマに対して個別に考えを語る形式で書かれていて読みやすいが、落合氏の圧倒的なインプット量と各テーマに対して考えを持っている所に圧倒される本。
自分が日本に対して何ができるか、何を課題だと認識して、どう行動するか、意識させられると同時に、自分もという想いを持てる。
本の中で共感できたのは、語学はツールであり、テクノロジーの進化により、そこは課題にはなっていかず、結局自分の中で芯を持った論理思考や行動による経験値があるかどうかが、今後の未来には重要になってくる点。
自分のインプット量の足らなさを痛感した。
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思考を止めずに未来を構想し、実践すること。
◯視点を変える、という経験がなければ本質は見えてこない。結果として、日本全体や世界の中から自分自身の存在も見えてこないんだということをわかってほしいのです。
・共通事項としてのテクノロジー
・規制撤廃
・遊休資産活用とブロックチェーン→イノベーションが生まれる土台となるもの、視点はあるか?
・ドラえもんに描かれていないもので近代を超える心象風景をつくる
→コンビニ、ショッピングモール、スマホ(ソフトウェアプラットフォーム)
→「空虚な中心」として残る緑の空間
→沿線開発としての横の開発、タワーマンションの縦の開発、シェアハウス
◯ポリテックという発想と既存の問題設定、分担を超える
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<総論>
平成は「失われた30年」と言われているが、元号が改まったとしても明るい未来が見えているわけではない。人口減少と超高齢化社会の到来によって、日本の社会課題はますます複雑化、深刻化する。この状況は第二次世界大戦以来の「国難」ともいえる。
社会課題の根底には、古くは明治時代から変化しなかった社会構造があるが、これらの多くは現状にそぐわないものになっている。目的に適わない制度やルールをUPDATEすることで、2021年以降の日本が進むべき方向、すなわち失われた30年から再成長する方途が見えてくるはずである。
同様に、日本人が描く日本に対する心象風景も明治以降に作られたものであったり、マスメディアによって作り上げられたいびつなイメージであることが多い。日本人の価値観を形成するこれらの心象風景を問い直すことで、日本のイメージの再定義を行う。
<各論>
■人口・産業
GDPの7割はローカルから生み出されるので、地方の成長は必須。
東京と地方をテクノロジーでつなぎ、地方の産業をテクノロジー再成長させる。
変化を恐れない思考が重要
■風景
日本人の心象風景は未だにドラえもん=高度経済成長とその完成形を夢見ているから
日本らしさ「富士山、松、輝く海」などは明治政府が国家を統一するシンボルとして使った
→それまでは三百余藩の連邦国家だった
これまでにない風景を深堀していく必要がある
日本は伝統とモダンが共存している
→東京の中心に皇居がある
→伝統とテクノロジーの融合は可能
■統治構造
明治以降、官僚による省益優先の統治機構が支配しているが、今の課題はどの省の領域でもないところにある。官僚の思考は昨日と同じ今日が続くことなので、課題解決が難しい。
これからは前例のない取り組みに価値を置く。そして政治とテクノロジーの融合(ポリテック)による解決を考えることが必要。
■人材
与えられた課題をこなす人材はAIによって置き換えられる。正規分布の中に収まらない「外れ値」を出すのが人間の魅力になる。
これからの能力差は経験の差。経験の差はモチベーションの差から生まれる。モチベーションを価値に落とし込むには「言語化する力」「論理力」「リスクを取る力」「専門性」が必要。
言葉の力を磨き、自らのアイディアを問う「プランナー」になることが大事
Posted by ブクログ
やってること(what)は居酒屋のおじさんと大差ないのに、やる人(who)がこの二人だとこうなるのか。
落合陽一と猪瀬直樹が、日本の未来を妄想する。言ってみればそれだけの本。
内容そのものよりも、こういう視座の高さで物事を見るのか、という点が勉強になる。
裏を返せば、この二人を知らない人が最初に読むのには向いていない。
Posted by ブクログ
モチベーションを価値に落とし込むために重要な能力は、言語化する能力、論理力、リスクを取る力、専門性であると学んだ。テクノロジーの進歩により、翻訳技術が進むため語学よりも論理的な文章で話せることを重視したい。私は保守的な性格だが、リスクを取ることができるようになる必要がある。AIが選択できないことをできなければ、AIに代替されてしまう。専門性については研究を行う予定である。
また、歴史を知ることの必要性を強く感じた。
Posted by ブクログ
やはりここ数年の中で1番大きな変化は5Gがインパクト大きいのだろうなという気がしている。具体的にどう変わるのかはまだ実感出来ないが、いよいよ自動運転が当たり前に導入された時にオレの仕事(配送)はなくなってしまうのだろう。でもあまり悲観的にならず、必ず他にチャンスはあるはずだから今から取り組むべきだ。その1つが落合氏の言うメカニカルアーツかも知れない。今からでも遅くないやれるだけやってみよう。今自分は大阪住みだが、いつか東京に出て地方と行き来する2拠点生活か、頻繁に地方を訪れる生活を実践してみたい。「観光客」としてその土地その土地を訪れてインプットすることを通して新たなアウトプットを生む可能性に賭けてみたい。その時にはやはりモチベーションが大切になってくる。高いモチベーションが生産性も判断力もあげるだろう。とはいえオリンピック以後の日本は景気が悪くなるとか、もう暗黒時代が到来するかのように語られることが多いが、いたずらに落ち込んでても仕方がない。両著者のように希望を持ちたい。これだけのインフラが整った国は他にそうないのだから、そして何処よりも早くこの危機を経験する事は乗り越えられた時、日本にとって大きなチャンスとなり得るかも知れない。だって何が成功で何が失敗なのかなんてその成否はないのだから。
20代後半地方OLの感想
タイトルに惹かれて購入
統計データを元に将来の日本を予測すると言うより、
これからのテクノロジーと融合する日本を希望的に描写している内容と感じた。
日本には絶望しかないと思っていた私の考え方を、むしろテクノロジーによって社会が変わっていく面白い時代に生きていると、180度覆してくれた落合陽一さんのビジョンが詰まっている。
猪瀬直樹さんは、著作を読んだことがなかったけれども、歴史的な日本の背景や、官僚文化について都知事経験者の説得力があり、読みやすく、勉強になりました。
本作に関連して平成最後の夏期講習、Yahoo!安宅さんのプレゼンをYouTubeで見たりと楽しめるので、2021年以降の自分と社会を考えるきっかけの一冊としておすすめ。
Posted by ブクログ
落合 陽一さんと、元都知事の猪瀬直樹さん共著で書かれたもので、東京2020と日本では東京オリンピックに向けた議論が盛んに行われているが、それより未来にむけた議論がなかなか行われていない現状について言及しいた。
たしかに、政治となると有権者の多くが高齢者であり、政治家も若い人はあまりいません。そうなると、ここまで近視眼的ではないものの、数十年先を見据えた政治などできるはずない。
現時点で困っていることに対応するだけでなく、数十年先を見据えた未来を見据えながら行動する必要がある。もっともっと、若い世代が政治や世の中のことに関心を持って、世の中を動かしている当事者なのだと意識して活動していくことが大切なのだ。
Posted by ブクログ
印象に残っている話。
自分が勤めている業界でも前例踏襲主義が蔓延っているということが感じられ、それらを意識的に変革していかなければ、先細りしていくように感じられる。
最近ではチャットGPTのようなイノベーションが出てきているので、そういう新しいものにいち早く適応していきたい。
Posted by ブクログ
日本の課題は過密化する都市部と過疎化する地方で真逆であるが、歴史への理解のうえでビジョンを持ち、発想の転換とテクノロジーの活用(遠隔医療、ブロックチェーンによる土地管理など)で解決できる。
明治以降の近代化の中で意図的に創られた日本人としての画一的な原風景(富士山、松、戦後はドラえもんに出てくる家庭と町)を超克し、歴史認識のうえでリアルな立ち位置を自覚すべきである。
戦前戦後を通じて日本は官僚主権であり、全体目的よりも省益を重視し変化に対応できない彼らが、決められないが故の開戦をはじめとする各問題の原因となってきた。これからは政治家もテクノロジーを理解し、政治家と技術者が真に連携して社会課題を解決していくポリテックが必要になってくる。テクノロジーとの親和は、身体機能拡張によって障害を吸収して多様性に作り替えてしまう力となり、電力や介護や医療といった課題を少子化の中で乗り越える原動力となる。
そのような時代にあたって、人に求められるのは、論理的に思考し伝える力と、正規分布から外れたリスクのある判断や決断を行い、経験を積み重ねて他者にない専門性をもつことである。
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僕が考える地方再興を実現するための最大の条件はテクノロジーフォビアにならないこと。ロボットフレンドリー、テクノロジーフレンドリーであること。これに尽きます。
次の時代を考える上で、重要なのは大別すると三つです。
第一にこの本で繰り返し語ってきたように歴史や統計データを知ること。第二に論理的な日本語力を身につけること。第三に時代に適合した文理問わない教養を身につけることです。
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2020.5.5 復読
《引用とコメント》
・仕事は「発見」するもの。イノベーションが生まれそうな土壌を発見することから始める(道路公団の民営化の事例より)
→発見をどう形にするか、行動するかが悩ましい。工夫次第か?
・東京の中心には皇居という無がある。周辺は大都市。歴史とモダンが融合しているのは東京の魅力
・言語化は最高の思考ツール(結局、ロジカル思考が大事)
・国難の中で物事は形作られてきた(アフターコロナも同じか)
《私見》
落合氏の話は、他の著書やインタビューで触れているものであり、あまり目新しいものはなかった。ブロックチェーン推しで様々なものを管理し、地産地消するというのは概念的にはわかる。
猪瀬氏の話は、自分の弱いところである歴史的事実や視点からの意見があり、勉強になる部分があった。
未来を語るには歴史から学べ、という話はこれまでも聞いていたが、学ぶ視点はここなのか、という気づきはあった。元東京都副知事ということで、東京の話やその実績を語っていたのは気になったが。
物事を決めれない、というのが日本の弱みと感じる。縦割り行政もそれが起因だと思う。標準的な人ではなく、物事の違和感に気づき、自分で判断できる人が求められてくるのだろう。
Posted by ブクログ
「それぞれの世代ごとに経済成長についてさまざまな見方があること」とありますが、若い世代の方々にとっての経済成長とは、いったい何を目指しているのか。10年、20年先の日本を構想していかねばならないと感じさせる一冊でした。
Posted by ブクログ
猪瀬直樹氏の言葉が具体的に生きたな歴史の言葉を伝えてくるのに対して、落合陽一氏の言葉は明るい未来を描き、それに賛同する者を鼓舞する抽象度の高い言葉を放つ。
日本の将来の構想者のような活躍ぶりの落合陽一氏は、
メディアの取り扱いもかたもあり話題の人物だ。
そして、政界の若きリーダーと目される小泉進次郎とも懇意で、この本でも『ポリテック』という言葉を基に、将来の政治とテクノロジーの融合を図ろうということを訴えている。
だが、その露出度とその言葉が展開する世界の厚みがまだ蓄積されていないのか、こちらが読み取れていないのか判らないが、ちょっと上滑り感を感じた。
一方、猪瀬直樹氏に対してはあらためて感服した。『昭和16年夏の敗戦』は手元にあるが是非もう一度読み直してみたいと思わされたし、氏の眼差しで日本という国の近代の存立の過程を見直してみたいと思わされた。
都知事を辞職し、奥さんを看取る迄の期間は、この歳になっても試練を齎されたなぁと思ってみていたが、氏の言葉はそれを乗り越えた力強い佇まいを想像させてくれる。
参謀でも、ジャーナリストで活躍の場を広げていけば違った到達点に来ていたのに通ったりするけど、この試練もまた猪瀬氏の新たな生き様を築き、見せるのに良いチャンスになったのかもしれない。
世の中が、世代交代に恣意性を強めているなかで、この世代の人たちがこれから日本をリードしていく人たちにどう関わっていくのかが最近気になってきている。
己が生き延びることを選択せずに、己を生ききることに徹して欲しいと思わせる人の一人だ。