【感想・ネタバレ】ニッポン2021-2050 データから構想を生み出す教養と思考法のレビュー

あらすじ

人口減少、低成長、高齢化……山積する課題を解決し、新しい時代を構想するためには、今の日本を規定する「近代」を見つめ、機能不全の構造をアップデートする必要がある。実践者二人による社会を変えるヒント。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

落合氏のドラスティックな視点はやはり面白い。
これからの日本に関する大事な論点を提示してくれている良著。
ドラえもんから日本の文化を分析しているのがおもしろい。今ならなんだろうか、YouTubeネットフリックス かと考えが広がる。

メモ
・手を動かせ、モノを作れ。批評家になるな。ポジションを取った後に批評しろ。
・東京と地方はまったく違う国になっていて、それは今後30年さらに加速する。
・プラットフォーム化したテクノロジーは分断を促すというより、都市と地方を結んでいる最大の共通項になっている。
・インフラを適材適所に組み替えていくということ
・日本は3つのブロックに分かれ、それぞれ別の課題を持つ国になっていく。都市部タワマン型、都市郊外型、地方型。
・少子化が悲観的でない3つの理由
テクノロジー導入にネガティブな圧力がかかりにくいこと
輸出戦略
教育投資
・落合陽一の高度経済成長のとらえかた
均一な教育、年功序列の給与と住宅ローン、マスメディア
・唱歌は、共通の心象風景を作り上げ、僕たちは同じ日本人だというふうに認識できた。風景は近代のメロディによって再編成された。
・ドラえもんでは出てこないが、現実世界でいまの日本を象徴するようなな風景
コンビニ、ショッピングモール、スマホソフトウェアプラットフォーム
・東京の中心には皇居があり、手付かずの自然が残る。自然を抑え込まず中心において、周辺にビジネスやテクノロジー。西洋は自然を抑え込むことで、近代化を成し遂げた。

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2020年06月28日

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ネタバレ

「不決断」が招いた失敗。縦割りの官僚制の限界が見えている中で、
組織のしがらみや内輪の空気から解放されて「変化」を決断するべき。
その「リスクテイキング」はAI時代の中で人間しか出来ない価値となる。

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2019年05月02日

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ネタバレ

お二人の共著というかたちですが、落合さんと猪瀬さんが対談ではなく、各々の語りで出たキーワードや話の流れを受けて語る、というスタイルはさながら交換日記のようで読んでいて面白い形式でした。
落合さんの大学職員・経営者・テクノロジーの専門家・一児の父としての目線と未来志向な語り口、猪瀬さんの作家・元都知事という目線とたびたび著作を引用した重厚な語り口が交互にやってきて非常に刺激的でした。

各章では次の内容が語られます。
 第1章で、地方と東京、日本の人口減少とテクノロジーの積極的活用の必要性
 第2章で、日本人の過去と現在の心象風景、そして未来の心象風景を表現する絶好の機会としての東京オリンピック開会式
 第3章で、ポリテック(政治とテクノロジーの融合)
 第4章で、副題の「データから構想を生み出す教養と思考法」

特に印象的だった部分は、第1章と第2章です。
現在実用化に向けて研究開発が進められているテクノロジー(次世代通信5G、AI、ブロックチェーンなど)の高い有用性、テクノロジーが生み出す未来の素晴らしさを知ることができ、日本の未来を垣間見た気がしました。

また、新聞TVで騒がれる社会問題は「社会保障政策も、税制も、経済も、すべては人口増加を前提に設計されてきた」から少子化による人口減少を怖がるが、以下3つの理由で怖がる必要はないと落合さんは言います。
 1. 生産人口が減る=テクノロジーの力を積極的に取り入れる土壌ができやすい
 2. 人口減少・高齢化社会をいち早く経験することでその知見を世界に先んじて蓄え、海外に輸出することができる
 3. 子供が少ない=貴重な存在として教育コストをかけやすい国になる

人口減少にしろ原発の廃炉問題にしろ、世界に先駆けて課題を先取りできる日本は先に解決するチャンスが手元にあるという意味でむしろラッキーだ、いう落合さんの言葉は非常に勇気づけられるものでした。
逆にショッキングだったのが、1995年からこれまで、日本のGDPがずっと横ばいだったこと。同じ期間に1位のアメリカは2倍以上は増やしているにも関わらず、です。「失われた20年」というよく聞かれる言葉を数値でよりリアルに感じてショックでした。

しかし、落ち込んでばかりもいられず、落合さんは第1章で「僕は近未来、2040年ぐらいを見据えて研究をしている」「次世代のプラットフォームとして役立つものをつくるということを意識して研究なり教育なりを行なっている」とおっしゃっています。
本を読み終えて、自分も20年後、30年後を見据えた動きをしていきたい、と明るく前向きな気持ちになれる本です。

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2019年03月29日

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私は本当に何も知らなくて、まず「サービスエリアにスタバが入り始めた」のに仕掛け人がいたことも衝撃だったし、「2021年以降」のことにみんな目が向いてないという指摘にも納得。世界からお客様が来るから社会インフラを世界レベルにするのは当然として、そのあとをどうするか?考えさせられた。あとがきで猪瀬氏が書いた「落合陽一と話していて楽しいのは〜」に続く言葉が秀逸。

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2019年12月13日

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・リスクを恐れず、できることをやっていく
・(他国語習得より)母国語を磨く
・使えるものは使う
・テクノロジーを受け入れる姿勢
・誰もが日本のこれからのプランナー

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2019年06月07日

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●否定的な意味での日本システム
 内輪の論理と秘密主義
 ←→近代の大原則
   検証できるシステム
p.125

●モチベーションを価値に落とし込むために重要な能力
・言語化する能力
・論理力
・リスクを取る力
・専門性
p.180

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2019年04月13日

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猪瀬氏と落合氏が各テーマに対して個別に考えを語る形式で書かれていて読みやすいが、落合氏の圧倒的なインプット量と各テーマに対して考えを持っている所に圧倒される本。
自分が日本に対して何ができるか、何を課題だと認識して、どう行動するか、意識させられると同時に、自分もという想いを持てる。
本の中で共感できたのは、語学はツールであり、テクノロジーの進化により、そこは課題にはなっていかず、結局自分の中で芯を持った論理思考や行動による経験値があるかどうかが、今後の未来には重要になってくる点。
自分のインプット量の足らなさを痛感した。

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2019年01月31日

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<総論>
平成は「失われた30年」と言われているが、元号が改まったとしても明るい未来が見えているわけではない。人口減少と超高齢化社会の到来によって、日本の社会課題はますます複雑化、深刻化する。この状況は第二次世界大戦以来の「国難」ともいえる。
社会課題の根底には、古くは明治時代から変化しなかった社会構造があるが、これらの多くは現状にそぐわないものになっている。目的に適わない制度やルールをUPDATEすることで、2021年以降の日本が進むべき方向、すなわち失われた30年から再成長する方途が見えてくるはずである。
同様に、日本人が描く日本に対する心象風景も明治以降に作られたものであったり、マスメディアによって作り上げられたいびつなイメージであることが多い。日本人の価値観を形成するこれらの心象風景を問い直すことで、日本のイメージの再定義を行う。
<各論>
■人口・産業
GDPの7割はローカルから生み出されるので、地方の成長は必須。
東京と地方をテクノロジーでつなぎ、地方の産業をテクノロジー再成長させる。
変化を恐れない思考が重要
■風景
日本人の心象風景は未だにドラえもん=高度経済成長とその完成形を夢見ているから
日本らしさ「富士山、松、輝く海」などは明治政府が国家を統一するシンボルとして使った
→それまでは三百余藩の連邦国家だった
これまでにない風景を深堀していく必要がある
日本は伝統とモダンが共存している
→東京の中心に皇居がある
→伝統とテクノロジーの融合は可能
■統治構造
明治以降、官僚による省益優先の統治機構が支配しているが、今の課題はどの省の領域でもないところにある。官僚の思考は昨日と同じ今日が続くことなので、課題解決が難しい。
これからは前例のない取り組みに価値を置く。そして政治とテクノロジーの融合(ポリテック)による解決を考えることが必要。
■人材
与えられた課題をこなす人材はAIによって置き換えられる。正規分布の中に収まらない「外れ値」を出すのが人間の魅力になる。
これからの能力差は経験の差。経験の差はモチベーションの差から生まれる。モチベーションを価値に落とし込むには「言語化する力」「論理力」「リスクを取る力」「専門性」が必要。
言葉の力を磨き、自らのアイディアを問う「プランナー」になることが大事

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2019年01月20日

Posted by ブクログ

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モチベーションを価値に落とし込むために重要な能力は、言語化する能力、論理力、リスクを取る力、専門性であると学んだ。テクノロジーの進歩により、翻訳技術が進むため語学よりも論理的な文章で話せることを重視したい。私は保守的な性格だが、リスクを取ることができるようになる必要がある。AIが選択できないことをできなければ、AIに代替されてしまう。専門性については研究を行う予定である。
また、歴史を知ることの必要性を強く感じた。

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2018年12月27日

Posted by ブクログ

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2020.5.5 復読


《引用とコメント》
・仕事は「発見」するもの。イノベーションが生まれそうな土壌を発見することから始める(道路公団の民営化の事例より)
→発見をどう形にするか、行動するかが悩ましい。工夫次第か?
・東京の中心には皇居という無がある。周辺は大都市。歴史とモダンが融合しているのは東京の魅力
・言語化は最高の思考ツール(結局、ロジカル思考が大事)
・国難の中で物事は形作られてきた(アフターコロナも同じか)

《私見》
落合氏の話は、他の著書やインタビューで触れているものであり、あまり目新しいものはなかった。ブロックチェーン推しで様々なものを管理し、地産地消するというのは概念的にはわかる。
猪瀬氏の話は、自分の弱いところである歴史的事実や視点からの意見があり、勉強になる部分があった。
未来を語るには歴史から学べ、という話はこれまでも聞いていたが、学ぶ視点はここなのか、という気づきはあった。元東京都副知事ということで、東京の話やその実績を語っていたのは気になったが。
物事を決めれない、というのが日本の弱みと感じる。縦割り行政もそれが起因だと思う。標準的な人ではなく、物事の違和感に気づき、自分で判断できる人が求められてくるのだろう。

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2020年05月05日

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