伊藤比呂美のレビュー一覧

  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』の中には、こんなにもおもしろい話が載せられていたのかと、あらためて目を開かさる思いであった。確かに、ここに掲載されているような、特に性愛に関する説話の類は、中高生の古典学習の教材として取り上げるわけにはいかないであろうが、もしもこのような話が載せられているということを知ったなら、いつか読んでみようと興味を持つ?中高生もいるのではないか。
    『今昔物語集』の福永武彦訳もよいが、出色は『宇治拾遺物語』の町田康訳。適度に関西弁が混じって、それがまた絶妙の味わいを出している。

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    2020年05月02日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    皆さん書いているけど、町田康の訳が本当に面白い。
    声出して笑えるくらい。
    中学高校の時こんな訳に出会えていたら、もっともっと古典が好きになっていた気もする。

    日本霊異記は真面目な感じ。教科書のよう。
    今昔物語は、受験生の時に死ぬほど読んだものがちらほら。
    宇治拾遺物語は大人のエロさもあって、R20な感じが好き。
    発心集は、興味がなかったのでとりあえずスルー。

    この本好きだなぁ。何度も読みたい。

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    2020年03月09日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    取り付きにくい古典を身近にしてくれる訳者の方に感謝。
    曽根崎心中、女殺油地獄、菅原伝授手習鑑、義経千本桜はストーリーも非常に面白い。

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    2019年05月19日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    説話、物語が抜粋でまとめられている。仏教の話も楽しめた。『宇治拾遺物語』が訳がキュートなこともあり、特におもしろかった。性に関してもおおらなであっけらかんとしていて、みだらな感じがしなかった。

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    2019年03月20日
  • 先生、ちょっと人生相談いいですか?

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    ネタバレ

    かなり突っ込んだ話が多く、読み応えあり。
    へえー、と思うこと多々あった。
    私なら、親しい人にも、このような話はできないので。

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    2019年01月24日
  • 閉経記

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    ああ、やっぱり比呂美さんだ。
    漢と書いて「おんな」と、「おばさん」と読ませるなんて。これからやってくるであろう色々なことに、いつか立ち向かわなきゃならなくなったら、私も「わたしは漢さ!」と胸を張っていたい。

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    2018年12月31日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    「日本霊異記」(伊藤比呂美訳)

    訳者あとがきで、伊藤比呂美さんはこの書に惚れ込んだ理由をこう記す。「なにしろエロい。グロい。生き死にの基本に立ち戻ったような話ばかりである。しかしそこには信仰がある。今のわれわれが持て余しているような我なんてない。とても清々しい。しかも文章が素朴で直裁で、飾りなんか全くない。性や性行いについても否定もためらいも隠し立てもない。素朴で素直で単純で正直で明るく猟奇的である。」(469p)

    何しろ雄略天皇のセックスをたまたま見た小姓に向かい、天皇は場を取り繕うために「雷神を連れて来い」という話もある(15p)。これが、​奈良県飛鳥の里に今もある「雷の岡」​の謂れだ

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    2018年08月25日
  • 作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首

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    眠くなってきたので手短に。
    去年、池澤夏樹さん個人編集の「日本文学全集08」を読みました。
    ほかでもない、十数年追いかけている作家、町田康さんの「宇治拾遺物語」が読みたかったから。
    いや、爆笑しました。
    古典を読んでこんなに笑ったのは初めて。
    中学、高校時代に出合っていたら、古典が好きになっていたに違いありません。
    本当は古典って面白いものだと思うんです。
    それを恐らく研究者や学者たちが、無用に格調高いものにしてきたんでしょうなぁ(恨み節)。
    あ、で、本書はその日本文学全集で各作品の新訳を手がけた作家たちによる講義集。
    もちろん、町田康さんの「宇治拾遺物語」の講義も含まれています。
    私は、町田

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    2017年11月19日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    菅原伝授手習鑑 三浦しをん 訳
    実際の出来事を後年、娯楽として楽しみながら市井の人間は、知って行ったのだなということがよく感じられる人形浄瑠璃。これが、今、私たちが普通に使う言葉に置き換えられているのだから臨場感あふれるのは当たり前。ここまで持って来てくださった役者三浦しをんさんに感謝。

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    2017年08月20日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    書評を読んで町田康さんの超訳「宇治拾遺物語」を読みたくて借りました
    なーるほど いいのかってくらいの現代語訳でした
    面白かった
    よく知っている話も
    こういう古文なら高校生にもうけるかなあ
    ≪ 笑いあり エロい話も 昔から ≫

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    2017年06月17日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    能・狂言(岡田利規)
    説教節(伊藤比呂美)
    曽根崎心中(いとうせいこう)
    女殺油地獄(桜庭一樹)
    菅原伝授手習鑑(三浦しをん)
    義経千本桜(いしいしんじ)
    仮名手本忠臣蔵(松井今朝子)
    月報:酒井順子・後藤正文

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    2017年04月05日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    【献本】平家物語とセットで頂いたけどこちらは読みやすくて、しかも相当面白いからボリュームの割りにすらすら読めました。R15か!?と思うほど露骨で卑猥な言葉が頻出して吹き出すこともしばしば。特に町田康さん訳の宇治拾遺物語は抱腹絶倒。これは読まれることをお勧めしたい。馴染みのある昔話の出展はここか、と改めて読んでみれば曖昧な記憶が甦り、そして煩悩の恐ろしさを痛感するばかり。発心集は心持ちの貴い人がやたら乞食になり、素性が知れると行方をくらます物語。ただ今を生きる私達にも通じる深い考えが根底にありました。

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    2017年03月09日
  • 父の生きる

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    女性詩人が、実家熊本の父をカリフォルニアから行き来しながら看護する日記。作者の父を思う気持ち、その実行力、介護におけるどうしようもない気持ちが率直に表れていて共感する。老いの衰えはどうしようもなく、人生の最後はやはり大変で、それを支えてくれる人がいる人は幸せである。後書きの作者の言葉と最後の詩にはしみじみとする。

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    2016年12月27日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    タイトルは知っているものの
    中身は案外知らない
    有名、名作、古典がズラリとそろった
    分厚い一冊。

    読めるのかな?
    と、少し心配しながら手にとったところ
    これがさすがに、現代作家にかかると
    すいすいと読めてしまう。
    ストーリー展開のおもしろさに
    「こんな話だったの?」と驚かされたり。

    物語に、古い新しいはなく、人の心を
    惹きつけるものは、変わりなくおもしろいのだ。
    と、古典をもっと読みたくなった。

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    2016年12月09日
  • 禅の教室 坐禅でつかむ仏教の真髄

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    ネタバレ

    お経を翻訳している詩人と曹洞宗の国際センターのお坊さん。ふたりともアメリカ在住で活動している。
    そのためか、言葉遣いが新鮮で、逆に坐禅の本質に切り込んでいるようなところもあるのでは、と感じた。

    「そもそも仏教とは」から始まって大局的に坐禅の位置づけをして、坐り方や効用(?)、海外の禅の現状まで一通り目を通すことができる。

    強調されていたのは、坐禅は瞑想とは微妙に違うこと、効能が目的でないこと。
    仏教の中での位置づけは「シッダールタと同じ体験」であり、お釈迦様が寝てる時に悟っていたら坐禅ではなく寝禅だったろう、というのがわかりやすい。一切経(すべてのお経)は坐禅の脚注である、と言っている。

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    2016年08月30日
  • 禅の教室 坐禅でつかむ仏教の真髄

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    仏教用語のうじゃらうじゃらは、やや退屈。座禅の前のリラックスやストレッチの実際的な方法については、よくわかった。

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    2018年10月14日
  • 女の絶望

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    本の表題からすごいけれど、中身もそれ以上にすごいです。やっぱりしろみさん(本の中では江戸っ子のべらんめえ口調で語る彼女がいます)の人柄及び人生経験がたっぷり詰まったけれん味のないお言葉は説得力があるなあと思います。地方新聞での人生相談の内容が中心になっているので、世の中の人々の悩み、此処に極めりという感じです。これを読むと誰にでもあるある!と思い当たるのに、素知らぬふりをして表に現れない悩みの何と多いことか。中年以降の男女、夫婦関係などにおける性に関する問題は比重が大きいのに、対処方法が軽視されがちです。しろみさんのようなあけすけの回答は有り難いのでしょう。女にとっての絶望がユーモラスに思う存

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    2016年03月11日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    町田康、いらない文章が散見。覚める部分。不必要な敬語とか。バランスが大事。彼はしょせん自意識の病の中にある。
    その上で、「陰茎を検査した半裁」「鐘を打たせようとした話」「娘婿の変態行為の話」は格別に面白い。

    しかし福永武彦の訳は端正で美しい。
    天狗に狂った染殿の后の話は、鬼が白昼堂々と侵入し、夫の目の前で淫行に至る描写が生々しく恐怖。

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    2016年03月16日
  • 女の絶望

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    伊藤比呂美の女の絶望を読みました。

    中年から更年期の女性に向けたエッセイ集でした。
    4月から3月に見立てた12の章から構成されていて、それぞれ「ふうふのせっくす」「おんなのぜつぼう」「へいけいのこころえ」「ちうねんきき」といったどろどろしたサブタイトルがついています。

    サブタイトルをテーマに身の上相談の回答者を続けた経験から中年女性あるあるが解説されていきます。
    konnokは「よいおっぱい、わるいおっぱい」の頃からこの人のエッセイは大好きで、今回もおもしろく読みました。
    30年前から伊藤比呂美が提唱している「がさつ、ぐうたら、ずぼら」という処世術は中年女性でも万能の力を発揮するのでした。

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    2016年02月13日
  • とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起

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     読まず嫌いといえば、その範疇に入る作家でした。
    人の薄皮を剥ぐような、えげつなさ。女性詩人だから、その表現が生々しくて苦手でした。この作品はそんな一面を見せつつも、家族の問題=拒食症の娘、寝たきりの母と、うつ病気味の父、理解しえないイギリス系ユダヤ人の夫との事を、時空を超え、さまざまな口調を借り、唸りだしている様な印象の作品です。
     動けなかったことに慣れていく母を見ながら、「死を凝視める事」の文章。石牟礼道子さんとの対話から成る部分は、深く、その根源はやおろずの神々を信心する心にも繋がってきていた。

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    2016年01月24日