伊藤比呂美のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
学生のときに古文をかじっていたから楽しく読めた。勉強していて良かった。
古文を古文のままで理解できない自分としては、現代語訳に頼ったり自分なりに訳したりしながら読むわけだけれど、どうしても型にはまった蓄語訳は分かるのやら分からないやらはっきりとしないと言うことが起こる。そこが楽しむことを目的として古典を読む際の障りとなってしまうので、こういう訳者のカラーが表れている現代語訳は面白い。
古文って行間を読む楽しさが詰まっているのだと分かる。町田康はやりすぎの感もあったが。
自分は森見登美彦、妻は町田康が好きなので、両者の需要が一致した一冊だった。
両作家が現代語訳を手がけた作品の方はまだ買ってない -
Posted by ブクログ
ネタバレ●男の気難しさ:
ずっと男でやってきた人間が、ふと「自分が無力であることに、自分が社会や家族に何の意味も影響力も持っていないことに、気づいてしまった」というような気難しさ。
●不倫:-死ぬときは別々-ロマンス心、満たされぬ日々の喜び-
・(この恋愛は成就しない)
・家庭を壊したくない、事を荒立てたくない40代の不倫男女に、いったいどんな将来があるのか。何もありません。どんなに愛し合っていても、老い衰えたら会えなくなる。セックスできなくなったら関係は消滅する。もちろん死ぬときは別々。生き死にに責任のあるのは配偶者ですから。でも、生活抜きの関係から得られるロマンス心、満たされぬ日々の喜び。これは -
-
Posted by ブクログ
「日本霊異記」(伊藤比呂美訳)
訳者あとがきで、伊藤比呂美さんはこの書に惚れ込んだ理由をこう記す。「なにしろエロい。グロい。生き死にの基本に立ち戻ったような話ばかりである。しかしそこには信仰がある。今のわれわれが持て余しているような我なんてない。とても清々しい。しかも文章が素朴で直裁で、飾りなんか全くない。性や性行いについても否定もためらいも隠し立てもない。素朴で素直で単純で正直で明るく猟奇的である。」(469p)
何しろ雄略天皇のセックスをたまたま見た小姓に向かい、天皇は場を取り繕うために「雷神を連れて来い」という話もある(15p)。これが、奈良県飛鳥の里に今もある「雷の岡」の謂れだ -
Posted by ブクログ
眠くなってきたので手短に。
去年、池澤夏樹さん個人編集の「日本文学全集08」を読みました。
ほかでもない、十数年追いかけている作家、町田康さんの「宇治拾遺物語」が読みたかったから。
いや、爆笑しました。
古典を読んでこんなに笑ったのは初めて。
中学、高校時代に出合っていたら、古典が好きになっていたに違いありません。
本当は古典って面白いものだと思うんです。
それを恐らく研究者や学者たちが、無用に格調高いものにしてきたんでしょうなぁ(恨み節)。
あ、で、本書はその日本文学全集で各作品の新訳を手がけた作家たちによる講義集。
もちろん、町田康さんの「宇治拾遺物語」の講義も含まれています。
私は、町田