伊藤比呂美のレビュー一覧

  • たそがれてゆく子さん

    Posted by ブクログ

    おそらくシニア世代に対して語りかける言葉であるのに、30歳の自分にも共感できるところが存分にある。語り口はざっくばらん、という感じだが、太極拳に似た力の抜き加減の妙があると思った。

    0
    2022年01月19日
  • 犬心

    Posted by ブクログ

    老親、老犬と暮らす、見送る。親、こども、犬。自分よりずっとタフでエネルギッシュな日々を描いているのだけれど、解像度も立体感も透明度も違うような、なんというか、なんかすごく良かったです。

    0
    2022年01月07日
  • 先生、ちょっと人生相談いいですか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    すっごく面白い本です。

    女性として、思うがままに生きてきたお2人。
    自由奔放という言葉が、お似合いです。
    自由奔放…憧れます。
    瀬戸内寂聴さんは、先日99歳で亡くなられましたが、こんなにみずみずしい90代を生きていらしたのですね。羨ましい!

    でも、これ、男性が読んでも全く面白くないですね。
    熟女のエロスについて語られているから…
    女性としては、面白いかな。
    人によっては、イヤダ~と思うかな。


    すみません。
    瀬戸内寂聴さんも伊藤比呂美さんも著書を読んだこととがありませんが、読みたくなりました。

    伊藤比呂美さんがおすすめする瀬戸内寂聴さんの本
    ・美は乱調にあり(1966年)
    ・祇園女御(

    0
    2021年12月19日
  • たそがれてゆく子さん

    Posted by ブクログ

    27歳年上の夫をアメリカで看取る。

    アメリカの高い医療費 いちいち車椅子に乗せたり車で運んだりして病院にかよう。

    犬を連れて 1日5回も散歩する。

    そりゃ同じような服 片付かない家になるのは仕方がない

    合間に書く仕事をする。

    最後は 家庭内ホスピスみたいに 家で看取る。

    すごいエネルギーがいる。

    その夫が死ぬ

    寂しいのだそうだ。

    どうしようもなく 寂しいのだそうだ。

    仕事があり 娘がいて犬がいる。

    友だちもいる。

    それでも 寂しい。

    経験してみないと この寂しさはわからない。

    27歳上の外人の夫 一緒のベットで寝なくて良くなってほっとする。

    セックスもしなくてよく

    0
    2021年12月01日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

    Posted by ブクログ

    楽しかった♪
    町田康さんのラジオ出演から2年ぐらい経ってしまったけど、大変面白く読ませていただきました。
    次は何にしようかな?

    0
    2020年11月03日
  • 石垣りん詩集

    Posted by ブクログ

    歴史を通り抜けていく私たちが、お土産に渡す21世紀はどのようなものになっているだろうか

    「ことば」という一編を読んで、石垣さんでもことばを逃してしまうことがあるんだと、ちょっとホッとする。

    0
    2020年10月18日
  • 石垣りん詩集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今日は2020年8月15日、75回目の終戦の日です。
    終戦といって真っ先に浮かぶ詩です。

    「崖」
    戦争の終わり、
    サイパン島の崖の上から
    次々に身を投げた女たち。

    美徳やら義理やら体裁やら
    何やら。
    火だの男だのに追いつめられて。

    とばなければならないからとびこんだ。
    ゆき場のないゆき場所。
    (崖はいつも女をまっさかさまにする)

    それがねえ
    まだ一人も海にとどかないのだ。
    十五年たつというのに
    どうしたんだろう。
    あの、
    女。


    そしてもう一篇。
    1951年に書かれた詩だそうです。

    「雪崩のとき」
    人は
    その時が来たのだ、という

    雪崩のおこるのは
    雪崩の季節がきたため と。

    0
    2020年08月15日
  • 父の生きる

    Posted by ブクログ

    自分のときと照らし合わせて、辛かった。私はここまでできなかった。色んなことがあったけど、自分はこの人が可愛がってくれた娘なんだってことを思い出すことができてとても良かった

    0
    2020年05月01日
  • 石垣りん詩集

    Posted by ブクログ

    詩人になるほどの鋭い感性を持った人が生活のために銀行で働いたら、それはそれは思うところいっぱいあるだろうなあ。苦しいだろうなあ。と思う。
    それが見事に言葉になっている詩たち、素晴らしいし胸打たれる。

    もし私が谷川俊太郎や茨木のり子みたいな、生きるために何か必死こいて仕事しなくてもいい、いい身分の詩人だったなら、石垣りんの詩読んだら恥ずかしくなるだろうな。
    自分うすっぺらー、って思うと思う。
    何かに耐え忍びながら生きてる人の言葉って重みが違うし、それだけ鬼気迫る文言が出てくる。
    労働の凄さを思わされた。

    0
    2019年05月09日
  • 先生、ちょっと人生相談いいですか?

    Posted by ブクログ

    去年『たそがれてゆく子さん』のイベントで伊藤比呂美さんから話をお聞きした時から読むのが楽しみだった。
    見た目の綺麗さや質感から軽い仕上がりと思いきや内容は想像以上にディープ!すごく面白かった。
    『美は乱調にあり』『女人源氏物語』『比叡』
    「比呂美が読む、おすすめ瀬戸内晴美・寂聴文学」の中からとりあえず読みたい三冊。

    0
    2019年01月26日
  • 父の生きる

    Posted by ブクログ

    なんとも辛くて切ない内容です。私は59歳、母は83歳、熊本で二人暮らしです。読んでいると現状の自分にリンクする部分が多々あります。思わず頷く部分、反省してしまう部分、涙する部分がありました。作者はカリフォルニアと熊本での生活、本当に頭が下がる思いです。でも、結局は、その二重生活を解消するのは、この結末しかないのだなあと感じます。その事実が人をひとつ成長させるのだと思います。辛いですね。

    0
    2018年11月11日
  • 犬心

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれて購入。

    「これはいのちのものがたり」とあるとおり、最後は「死」に涙してしまうことを覚悟して、ページをめくった。

    ときに笑いも交えて語られるさっぱりとした文章が、余計に泣けた。

    0
    2018年09月24日
  • 木霊草霊

    Posted by ブクログ

    はじめにカラー写真がいくつか載っているのだが、出てくる植物があまりに多く、全く足りないので、検索しまくりながら読んだ。
    画像と見比べながら読むと、伊藤さんの表現がいかに的確であるか、知っている植物についてはなおのこと、感心する。
    多肉植物の名前は漢字表記がスタンダードで、妖怪みたいな名前が不思議だし、意外に可憐な花を咲かせるものもあれば、ぎょっとするような奇妙な花を咲かせるものもある。タイサンボクの花は「高潔きわまりない」のに、実は「えげつない」。「赤が濃すぎて黒に見える。いや、赤は赤なのだ。邪悪ささえ感じる赤である。それが実から剥き身ではじけたままくっついているので、肉々しい欲望が凝縮した感

    0
    2018年09月22日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

    Posted by ブクログ

    なにがすごいって、町田康による宇治拾遺物語。身も蓋もないというか、人間ってこんなもんなんだなとげらげら笑える。

    0
    2018年08月06日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

    Posted by ブクログ

    純粋に面白く読めました。
    説教節、曽根崎心中、女殺油地獄、菅原伝授手習鑑、
    義経千本桜、仮名手本忠臣蔵
    それぞれ有名な作品ですが、しっかり読んだことが
    今までなかったのですが
    現代語訳で非常に読みやすく一気に面白く読めました。

    0
    2018年07月30日
  • 禅の教室 坐禅でつかむ仏教の真髄

    Posted by ブクログ

    曹洞宗の藤田一照師と詩人の伊藤比呂美さんによる仏教そして禅への入門書となる対論。
    一照師は米国で長く布教にあたってこられただけあって、詩人のナチュラルでストレートな問いかけにしっかりと応えていくので、これから門を叩こうとしている私には、絶好の後押しとなりました。

    0
    2018年04月05日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

    Posted by ブクログ

    能も狂言も人形浄瑠璃も見たことないので、
    実際にどのような”動き”をするのかは全く想像するしかないのですが。

    後書きでは「舞台での人形は本当に死ぬ。首が飛ぶ、崖から落ちればそのまま動かなくなる」とありそれを想像しながら読むと心に迫ります。

    【「能・狂言」新訳:岡田利規】
     能「松風」
    磯に立つ一本の松の木。
    行平中納言の一時の寵愛を受けた二人の女の情念。

     能「卒塔婆小町」
    若き日は美しかった。
    その昔戯れに扱った男の怨念が憑り付いて、
    いまでは卑しく年を取った。

      能「邯鄲」
    ”邯鄲の夢”の能舞台化。

     狂言「金津(かなづ)」
    「はい、こうして登場したのが誰かと言いますと、金津と

    0
    2018年03月31日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

    Posted by ブクログ

    仏法説話集4作品を集めたもの。
    仏教の教えに基づき、どう生きるかなどのテーマをわかりやすく説話形式に。
    4編とも何となく似ていたり、同じテーマがあったりして、読んでいるうちに自分がどれを読んでいるのか分からなくなってきた(笑)
    読みながら日本が仏教でなく神道が主流になったらどのような説話集になったのだろう?と思った。仏教説話集だと「被害者になったのも因果応報」「お経を唱えて死ねば極楽に行ける」という結論なのでちょっと消極的と感じてしまうことも。
    いくつか「ラテンアメリカ文学で読んだぞこのテーマ」と思ったら巻末の解説でも描かれていました。距離と時代が隔たっていても人が語る物語は似るのだろうか。

    0
    2018年02月11日
  • 禅の教室 坐禅でつかむ仏教の真髄

    Posted by ブクログ

    伊藤比呂美の問いかけが、そこを聞いてほしかったんだよ、というツボにいちいちハマっており、その問いに藤田一照が、そういう説明の仕方があったか、といちいち感動させられるような言葉で答える。仏教の基本的なものの考え方から坐禅の実践まで、とてもわかりやすく、腑に落ちる言葉にあふれている。只管打坐の思想がやっと少しわかったような気がする。

    0
    2018年01月30日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

    Posted by ブクログ

    どれも訳が素晴らしく、非常に楽しめた。特に能・狂言では現代的な表現がちりばめられていて、思わず笑わずにはいられなかった。
    作品の中では説教節の「かるかや」。説教節といえば「小栗判官」や「山椒大夫」を想起するけれど、かるかやもこれらにおとらず壮絶かつ深い内容であった。

    0
    2017年08月16日