伊藤比呂美のレビュー一覧
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ネタバレ仏教に関心を持ち ザッピングしていくと伊藤比呂美さんの本にたどりつき初めて読みました。
ご自身の事を詩人と言っているが 「かたり」なのでしょうか?何度も復唱して書かれている文章には呪文のようなリ感じでリズム良く読めたりもする。詩集ではないし不思議な気持ちで読みました。
粒粉のことは 私も同じ思いだと読んで初めて知った。変な人と思われるから私は人に言わなかった。だから動画も見たけど、著者のようにお気に入りには入れてない。 本ってこういう”ざっくばらんな”と思えるが繊細な人に出会えるから面白い。
著者の介護のお話に興味を持ったので、また新しい愛読書ができました。 -
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伊藤比呂美は苦手だ
手に取ってみた本は多くないし、
最後まで読んだ本は ほぼ皆無
この本もすんなりとは読めず 途中であきらめ
気になって また手に取り
それを繰り返して よろよろと やっと最後まできた
上野千鶴子さんの解説が 素晴らしかった
(文体が私に読みやすかったせいもあるだろう)
これは 詩 なのだろうか
散文ではない と思う
祈りだ と上野さんは言った
50代のおんなが抱える苦を あけすけに
絶望ぎりぎりのところで 踏ん張っている姿を
バイリンギャルの娘の言葉(音と文化と)が作る薄い壁を
言葉の意味でなく 音で伝えて
老親の介護、認知症、
思春期の子どもの生き難さ
夫の更年期
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伊藤比呂美さんは私と同世代で同性。デビューの時の印象も覚えています。そしてあれから30年余り過ぎて改めて興味が湧きました。
同世代の女性ですから考えていることや体験が非常に”分かる”のです。
読んでいて、先に亡くなった佐野洋子さんが書いた「シズコさん」を彷彿しました。
いくら感覚的に分かるといっても、さすがに向こうは書くことでお金を稼いでいるプロですから中身をここまでさらけ出すのかという根性の違いを見せつけられ、3人の子育てと離婚、再婚と繰り返して相当年上の英国人のご主人と一緒の生活やご両親の介護経験など芸能記事風にいえば、壮絶な生き方のトーンはやっぱりあちらの方が数段上です。
もともと詩人の -
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[ 内容 ]
寝たきりの母を持つ詩人は、死とはどういうものか知りたかった。
他の人にあけすけに聞けない、「でも石牟礼さんなら」。
これまで多くの苦しみと死を見つめてきた作家は、切実なことをぐさりと言われたような気がした。
こうして十二月の穏やかな日、二人は語りはじめた。
老いと病、介護・看護、家族の死、さらには『梁塵秘抄』。
そして「いつかは浄土へ」という祈りに至る安らぎの対話。
[ 目次 ]
第1章 飢えと空襲の中で見たもの(パーキンソン症候群―読めなくなる、書けなくなる 声が出なくなるかもしれない ほか)
第2章 印象に残っている死とは(祖母の死 あの世は「良か所」 ほか)
第3章 それ -
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もったいないので、少しずつ読んだ。上野先生の散文だと、「恋愛病」と「亡命者」が好き。読んでると、どうしても上野さんの笑顔が浮かんできてしまって困った。愛とか恋とか、もう疲れたって思っていて結婚したいと思うけど、結婚も同じように疲れるみたいだから、多分わたしも最後には上野先生みたいに、おひとりさまになるんだ。子どもも産まず、だけど女の仲間たちに囲まれて生きていくのは、ときに孤独を感じるかもしれないけど、でもいいのかもしんない。今はただ強くなりたい。死んじゃうときに、淋しいとか思わないで死んでいけるようになりたい。
わたしは決めた。いつかこの本の第二弾を編集者として出版します。上野先生に頼みにい -
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2013年に単行本として刊行。
連載中は「漢(おんな)である」というタイトルだったらしい。
執筆時、伊藤比呂美さんは現在の私の年齢と同じ55歳だったようで、娘3人を連れてカリフォルニアで多国籍の男性といっしょになり、父の介護のため熊本にも頻繁に帰っている。
私はどうも更年期障害というものがピンとこなく、男性のもあるらしいがたぶん女性の方が強いものなのだろう。本書には彼女自身の身体の変調を含め、アメリカンな脂っこくて甘いファストフードで太ったり、ダイエットのため「ズンバ」なるエクササイズに励んだり、さまざまな日常の光景が描かれている。
このような気軽な感じのエッセイは、小説家や詩人にと -
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岩波文庫から出ている、詩人・石垣りんさんの詩集。
詩って本当に、詩人の「人」が見えてくるんだなと実感する。
全体的に静かで、それでいて激しく、何か鋭利な刃物のような感触が漂っている。
厳しい?物悲しい?静謐な?
そんなイメージが漂う詩たちが詰まっていた。
巻末の解説や年譜を見ても、激動の時代に揉まれ、家族に揉まれ、それでも背筋をピンと生き抜いてきた石垣りんという人の人生が、詩にぎゅっと凝縮されていることが分かる。
世界へ、戦争へ、国へ、家族へ、個人へ。
様々な事にフォーカスを当てながら一つの生き方を見せてくれる一冊でした。
イメージとして、茨木のり子さんとも通ずる所のある雰囲気。 -
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育児をしている母親の心をうたった『今日』という詩を、育児で疲れ果てていた頃に読んで涙した。そして、助けられた。その詩を訳したのが伊藤比呂美さんだった。さっき、調べるまで、この詩の作者が伊藤さんだと思っていた。訳者だったのか…
誤解をしたままこの本を手に取った。犬や猫、植物が大好きな作者。熊本に住んでらっしゃるそう。でも、仕事で家を空けることも多く、その度に、留守の間、動物と植物のお世話を頼む人を探し求める生活をしている。
野犬だった仔犬を保健所から連れて帰った。チトーと名づける。野犬は野良犬より更に懐かない。懐かないだけではなく、部屋中荒らされ、物を破壊され、糞尿で汚される。よく耐えられ