伊藤比呂美のレビュー一覧
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「表札」の石垣りんである。表紙の自筆原稿の達筆に驚く。
強い人だと思っていたが、父と義母、無職のふたりの弟、5人の暮らしをひとりの月給で支える日々で、
長い間漕ぎつづけましたが
文化的な暮しは
そんなやすらかな港は
どこにもありませんでした
と書いた。さらに、
最低限度の生活を維持したいのが
私の願いでした
国はそれを保障してくれたことがありません
国とは何でありましょう
と告発する。やっぱり強い人だ。
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日本国憲法第25条
(第1項) すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
(第2項) 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上 -
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おすすめしたいのは、子育てに悩んでいる人。
殺処分寸前の野犬(野良犬にあらず)の仔犬を引き取って、大人のシェパードと2匹の猫と一緒に飼うはなしなのだが、この仔犬がなかなか馴れないだけでなく、決してリードをつけさせない。この悩みが大きなテーマとなっている。
犬を飼うということは、リードをつけて散歩させることを含んでいる。犬の健康や楽しみ、ストレス解消のためにも散歩は絶対に必要と誰もが思う。広大な敷地を持っていて絶対に脱走できない塀があれば自由に駆け回らせれば良いかもしれないが、そんなことが可能な人はほとんどいないのだから、リードをつけないわけにはいかない。が、この仔犬チトーはリードをつけられそう -
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わたしもアメリカ在住のおばさんであるので、日米の食を比較する項ではだよねだよねとうなずきながら、あるいは自分の中で理解に達していなかった概念を言語化してもらってそういうことかと膝を打ちながら、頭からお尻まで楽しく読みました。海外在住の経験があるかたは特に面白く感じるのではなかろうか。特に気に入ったのは以下の項。《》内が引用。
◎おつきさまくらいのパンケーキ
最近日本でアメリカ風のパンケーキが流行っているから食べに行こうかと思うものの、《日本に行ったときくらいまともなものを食べたい》ので食べる機会がまだないと。わかる。シロップをかけてぐずぐずになったパンケーキを《粥状》と表すのにもうなった。
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伊藤比呂美
1955年東京都生まれ。詩人。1978年現代詩手帖賞を受賞し、新しい詩の書き手として注目される。第一詩集『草木の空』(アトリエ出版企画)以後、『青梅』、詩集を発表、『河原荒草』(思潮社)で2006年高見順賞、『とげ抜き―新巣鴨地蔵縁起』(講談社)で2007年萩原朔太郎賞、2008年紫式部文学賞を受賞する。1997年に渡米後、カリフォルニア州と熊本を拠点として活躍
この本めちゃくちゃ面白かった。伊藤比呂美みたいなキャラの女性、ブスでも男に激モテしてるイメージなんだけどわかるかなこの感想...
片思い
「片思いばっかり。男子のことばかり考えている自分がいや」〇12歳 いず -
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ネタバレ今回読んだのは、赤い平凡社新書(2007)。以下、目次。
■まえがき 石牟礼道子
■第一章 飢えと空襲の中で見たもの
パーキンソン症候群──読めなくなる、書けなくなる/声が出なくなるかもしれない/食べ物をつくれないのが不自由/石牟礼さんの印象に残っている死についてうかがいたい/飢えの経験/水俣の空襲人間ってこんなものか/物資不足と竹槍訓練/そのころ、お年寄りはどうしてましたか/お年寄りも「この世に用があって生きている」
■第二章 印象に残っている死とは
祖母の死/あの世は「良か所」/祖父・松太郎/父の死──猫のミーを懐に入れて、ぽとんと/いい死に方をした父/父は殺されたぽんたの解剖に立ち会った -
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ネタバレ伊藤比呂美さん、愛してます!と告白したくなるくらい、 大好きです。
優しさ、というものはこのくらいでなくては、と思います。出し惜しみして、中途半端なやさしさで、愛する人に接するなかれ、と思いました。
ゴシックの太字のとこらが、またセンス抜群。ニンマリしながら読めるところも、とてもいい。
付箋をしながら地下鉄でよんでいたら、隣の人に、じーっと見られました。そこまでする?なんだか人生相談みたいな本だけど…。ってきっと思ってたと思う(笑)
付箋したところ
親なんてものはね、しょせん子どももかわいがり、甘やかし、スネをかじらせてナンボのものです。かじらせるスネがあるのなら、大いにかじらせてあげ