あらすじ
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ドイツの大学に招聘され研究プログラムに参加することになった詩人。ヨーロッパを駆け巡りながら、鷗外との邂逅を綴る。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
森の人との散歩 森を歩く 歩きながら話す
マティアス・クラウディウスの詩
月は出でぬ
み空には金の星
明くさやかにかがやきぬ
森はたたずむ 黒く黙して
野にたちのぼる
白き狭霧よ 神秘のきはみ
improvisation 即興 歌を語れ 詩を歌え
鷗外とシェーンベルク 表現主義
無ストーリー性と無調性
ドビュッシーの「映像」
ー「ふつふつと世間は変化して」が特に良かった
「釦鈕」が頭をよぎった
Posted by ブクログ
ベルリンへ作家の招聘プログラムに乗っかって滞在した時のエッセイ。
森鴎外への偏愛、渡欧するにあたっての飼い犬猫の世話の問題、ベルリンでの生活や詩の朗読、森の散歩や植物愛。様々なことが研ぎ澄まされた言葉で表現されて読み応えのある滞在記。四股を踏むような歌う朗読劇が目に見えるようでした。
Posted by ブクログ
ベルリンで鷗外を感じる比呂美さんを、日本で感じながら読んだ。鷗外、ドイツの自然、建物、人々をすぐ隣に感じた。東京の友人、熊本の元院生も。
「わたしはあんじゅひめ子である」の朗読聞きたい。
Posted by ブクログ
随筆だと思って読み始め、削ぎ落とされた文章と比呂美節に翻弄され、ああ、これは詩なのね、と途中で読み方を改めた。
鴎外の小説に出てくる「花子」。元芸者が日本の伝統芸を負って世界に打って出る。その腹の座ったまがいものぶりが、最後、自分の詩の朗読でクロスする。
作者はそれを「移民芸」と名づける。彼の地で生き抜く術の力強さ。奇妙な完成形の力強さ。
ドイツでの詩の朗読の舞台を、見ていないにも関わらず、まるで観客としてそこにいたかのように感じた。足を踏み鳴らし、四股を踏む伊藤比呂美と、ゾフィー・ショルの役をやったドイツの俳優の二人が融合し、舞台を震わせる。
この結末が書けるのが、伊藤比呂美なのだよね。伊藤比呂美の書くものは、最後に感動が必ずある。そこがこの人の凄さなんだよね。
本当に大好きです。
Posted by ブクログ
著者の伊藤比呂美さんが、ベルリンに招聘され森鴎外らの研究を行っている期間のエッセイ。ベルリンの生活やドイツ人の考え方、著者の友人の意見など興味深かった。