伊藤比呂美のレビュー一覧

  • 日本霊異記・発心集

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    日本霊異記はずっと読んでみたいと思っていたのですがなかなか手が出ず、そんな中、イシグロアヤコさんがカバーを手がけた現代語訳の本が発売されたということで、発売されてすぐ購入したのでした。
    この本を読んで、作品の世界観を知り、当時の人々の心に少し触れることができた気がして、心の養分になりました。
    この本がきっかけで、他の古典作品も読んでみたいと思えるようになりました。
    古典への興味の扉を開いてくれた、大切な一冊です。

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    2025年11月08日
  • 石垣りん詩集

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    「表札」の石垣りんである。表紙の自筆原稿の達筆に驚く。
    強い人だと思っていたが、父と義母、無職のふたりの弟、5人の暮らしをひとりの月給で支える日々で、

    長い間漕ぎつづけましたが
    文化的な暮しは
    そんなやすらかな港は
    どこにもありませんでした

    と書いた。さらに、

    最低限度の生活を維持したいのが
    私の願いでした
    国はそれを保障してくれたことがありません
    国とは何でありましょう

    と告発する。やっぱり強い人だ。


    日本国憲法第25条
    (第1項) すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
    (第2項) 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上

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    2025年09月16日
  • 女の一生

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    サクサク読める。人生の来し方を振り返るのもよし。これからは道に迷ったらパッと開いて参考にしたい。「あたしはあたし」ができていたとしても、「あたしはあなた」と勘違いするのが恋愛、だそう。にしても、伊藤先生がこんなに波瀾万丈の人生を送っていたとは知らなかった。

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    2025年04月06日
  • 森林通信 鷗外とベルリンに行く

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    森の人との散歩 森を歩く 歩きながら話す

    マティアス・クラウディウスの詩
    月は出でぬ
    み空には金の星
     明くさやかにかがやきぬ
    森はたたずむ 黒く黙して 
    野にたちのぼる
     白き狭霧よ 神秘のきはみ

    improvisation 即興 歌を語れ 詩を歌え

    鷗外とシェーンベルク 表現主義 
    無ストーリー性と無調性 
    ドビュッシーの「映像」
    ー「ふつふつと世間は変化して」が特に良かった
    「釦鈕」が頭をよぎった

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    2025年01月15日
  • 野犬の仔犬チトー

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    犬好きの私には身につまされる
    もうマイラバー(犬)がいなくなったら、飼えないかなと思うと、すでに涙が
    人間と動物が好きなように、寄り添えるといいな

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    2025年01月03日
  • いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経

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    エッセイとお経が融合したような本。
    お経も深すぎず学べて、身近なんだと思えましたし、著者の生活スタイルや経との関わり使い方が知れました。

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    2024年11月30日
  • 野犬の仔犬チトー

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    おすすめしたいのは、子育てに悩んでいる人。
    殺処分寸前の野犬(野良犬にあらず)の仔犬を引き取って、大人のシェパードと2匹の猫と一緒に飼うはなしなのだが、この仔犬がなかなか馴れないだけでなく、決してリードをつけさせない。この悩みが大きなテーマとなっている。
    犬を飼うということは、リードをつけて散歩させることを含んでいる。犬の健康や楽しみ、ストレス解消のためにも散歩は絶対に必要と誰もが思う。広大な敷地を持っていて絶対に脱走できない塀があれば自由に駆け回らせれば良いかもしれないが、そんなことが可能な人はほとんどいないのだから、リードをつけないわけにはいかない。が、この仔犬チトーはリードをつけられそう

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    2024年09月23日
  • 閉経記

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    第一子出産後に『良いおっぱい 悪いおっぱい』を読んで以来、伊藤比呂美さんの虜。それから事あるごと(子どもを出産するごと)に『おなか ほっぺ おしり』と併せて何度も読み返しています。
    この『閉経記』も、これから何度も読むことになるんだろうなあという予感。今はまだ子育てのさなかで更年期のあれこれは想像もつかないけど、それでも親の老いだったり夫との言葉を交わさないコミュニケーションだったりは、じわじわ自分の人生に寄ってきている気配あり。そのときが来たらまた本書を開いて勇気をもらおうと思います。

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    2024年06月24日
  • ウマし

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    わたしもアメリカ在住のおばさんであるので、日米の食を比較する項ではだよねだよねとうなずきながら、あるいは自分の中で理解に達していなかった概念を言語化してもらってそういうことかと膝を打ちながら、頭からお尻まで楽しく読みました。海外在住の経験があるかたは特に面白く感じるのではなかろうか。特に気に入ったのは以下の項。《》内が引用。

    ◎おつきさまくらいのパンケーキ
    最近日本でアメリカ風のパンケーキが流行っているから食べに行こうかと思うものの、《日本に行ったときくらいまともなものを食べたい》ので食べる機会がまだないと。わかる。シロップをかけてぐずぐずになったパンケーキを《粥状》と表すのにもうなった。

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    2024年06月18日
  • 石垣りん詩集

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    100分で名著でこれから紹介される若者のための本である。伊藤比呂美が解説している。この解説がなければ石垣りんがどこのひとかよくわからない。東京の銀行で長らく勤めた。国際女性デーにふさわしい詩集であるばかりでなく、とてもわかりやすく同意しやすい詩集である。学生にとっても読んでこれほどわかりやすい詩集はないであろう。

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    2024年03月09日
  • 女の一生

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    伊藤比呂美
    1955年東京都生まれ。詩人。1978年現代詩手帖賞を受賞し、新しい詩の書き手として注目される。第一詩集『草木の空』(アトリエ出版企画)以後、『青梅』、詩集を発表、『河原荒草』(思潮社)で2006年高見順賞、『とげ抜き―新巣鴨地蔵縁起』(講談社)で2007年萩原朔太郎賞、2008年紫式部文学賞を受賞する。1997年に渡米後、カリフォルニア州と熊本を拠点として活躍

    この本めちゃくちゃ面白かった。伊藤比呂美みたいなキャラの女性、ブスでも男に激モテしてるイメージなんだけどわかるかなこの感想...

    片思い
    「片思いばっかり。男子のことばかり考えている自分がいや」〇12歳 いず

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    2023年10月17日
  • 石垣りん詩集

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    伊藤比呂美の好みでない石垣りん後期の「穏やかな人生詩」が少ないなど、選詩に偏りはあるが、それでも石垣りんの言葉の凄まじさを味わえる内容に満足。
    私は彼女の穏やかな優しい詩もとても好きなので、それは別詩集を買おうと思う。

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    2023年06月10日
  • たそがれてゆく子さん

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    愉快な本でした。
    自分の事、家族の事をここまで明かしていいの?って心配してしまう程、明け透けに、そしてユーモアたっぷりに書かれていて、読まずにはいられず、あれよあれよと読んでしまった。
    だからと言って、内容は軽く無く、加齢での体の変化やパートナーとの変化、死別等、私もその内体験するであろう事を教えてもらいました。
    その時その時は必死で辛くても、豊かな時だったと感じられるのが年をとっていくことなのかなと、心強い気持ちになれました。

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    2023年03月29日
  • 石垣りん詩集

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    なかなか…石垣りんさんが過ごしてきた時代背景がまざまざと浮かぶかのような…そんな詩のベストセレクションでしたねぇ…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    貧乏と孤独と…家族に悩まされ? ながらも…この時代の女の人で独身ってなかなか珍しいんじゃないでしょうか? などと要らぬことを考えながら読み進めていきましたねぇ…。

    うーん、これは…再読したくなるような詩集でしたね! 茨木のり子さんと言う人もどうやら有名らしいので、そちらもチェックしてみましょうかね…。

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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    2022年11月24日
  • 木霊草霊

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    感じたところを、ここまで言葉にできるのかと思った。命が迫ってくる。生易しいものではない、生きるということ。猛々しく美しく、畏れも感じるほどの命の力が伝わってきて、植物と著者の力に衝撃を受けた。世界の植物、日本の植物、帰化植物まで、長年ひたすら心を寄せてきたからこその、植物との距離感。リズミカルな気取らない文章に人柄がにじむ。その迫力と繊細さは幸田文を思い出す。たしか双方、60歳を過ぎたころに書かれたものを読んだ。心が熟しているから書けるのかもしれない。壮年になってこのような文章を書けたらどれほど素晴らしいだろう。

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    2022年10月28日
  • 女の一生

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    バッサリと日本刀で青竹を切るような、そんなアドバイスが素晴らしい。

    悩める人が、この本に出会えると良いな

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    2022年10月20日
  • 石垣りん詩集

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    銀行員として働きつつ、詩を紡ぎ続けた石垣りんの精選詩集。茨木のり子さんの詩にも大きな衝撃を受けましたが、石垣りんさんの詩は、また、全く違った意味での衝撃でした。
    現代詩にはまってしまいそうです。

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    2022年09月21日
  • 死を想う

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    ネタバレ

    今回読んだのは、赤い平凡社新書(2007)。以下、目次。
    ■まえがき 石牟礼道子
    ■第一章 飢えと空襲の中で見たもの
    パーキンソン症候群──読めなくなる、書けなくなる/声が出なくなるかもしれない/食べ物をつくれないのが不自由/石牟礼さんの印象に残っている死についてうかがいたい/飢えの経験/水俣の空襲人間ってこんなものか/物資不足と竹槍訓練/そのころ、お年寄りはどうしてましたか/お年寄りも「この世に用があって生きている」
    ■第二章 印象に残っている死とは
    祖母の死/あの世は「良か所」/祖父・松太郎/父の死──猫のミーを懐に入れて、ぽとんと/いい死に方をした父/父は殺されたぽんたの解剖に立ち会った

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    2022年07月25日
  • 女の一生

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    とても面白い本である。人生相談に回答する形式で書かれている。また本人の経歴についても懇切丁寧に書いてある。うつ、拒食症、結婚、出産、離婚、親の介護、娘との葛藤など様々な経験を書いているので、幅広く参考になる。卒論としては使えないが、読んで面白い。

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    2022年05月17日
  • 人生おろおろ~比呂美の万事OK~

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    ネタバレ

    伊藤比呂美さん、愛してます!と告白したくなるくらい、 大好きです。
    優しさ、というものはこのくらいでなくては、と思います。出し惜しみして、中途半端なやさしさで、愛する人に接するなかれ、と思いました。
    ゴシックの太字のとこらが、またセンス抜群。ニンマリしながら読めるところも、とてもいい。

    付箋をしながら地下鉄でよんでいたら、隣の人に、じーっと見られました。そこまでする?なんだか人生相談みたいな本だけど…。ってきっと思ってたと思う(笑)


    付箋したところ

    親なんてものはね、しょせん子どももかわいがり、甘やかし、スネをかじらせてナンボのものです。かじらせるスネがあるのなら、大いにかじらせてあげ

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    2022年04月23日