伊藤比呂美のレビュー一覧

  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    菅原伝授手習鑑 三浦しをん 訳
    実際の出来事を後年、娯楽として楽しみながら市井の人間は、知って行ったのだなということがよく感じられる人形浄瑠璃。これが、今、私たちが普通に使う言葉に置き換えられているのだから臨場感あふれるのは当たり前。ここまで持って来てくださった役者三浦しをんさんに感謝。

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    2017年08月20日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    書評を読んで町田康さんの超訳「宇治拾遺物語」を読みたくて借りました
    なーるほど いいのかってくらいの現代語訳でした
    面白かった
    よく知っている話も
    こういう古文なら高校生にもうけるかなあ
    ≪ 笑いあり エロい話も 昔から ≫

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    2017年06月17日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    能・狂言(岡田利規)
    説教節(伊藤比呂美)
    曽根崎心中(いとうせいこう)
    女殺油地獄(桜庭一樹)
    菅原伝授手習鑑(三浦しをん)
    義経千本桜(いしいしんじ)
    仮名手本忠臣蔵(松井今朝子)
    月報:酒井順子・後藤正文

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    2017年04月05日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    【献本】平家物語とセットで頂いたけどこちらは読みやすくて、しかも相当面白いからボリュームの割りにすらすら読めました。R15か!?と思うほど露骨で卑猥な言葉が頻出して吹き出すこともしばしば。特に町田康さん訳の宇治拾遺物語は抱腹絶倒。これは読まれることをお勧めしたい。馴染みのある昔話の出展はここか、と改めて読んでみれば曖昧な記憶が甦り、そして煩悩の恐ろしさを痛感するばかり。発心集は心持ちの貴い人がやたら乞食になり、素性が知れると行方をくらます物語。ただ今を生きる私達にも通じる深い考えが根底にありました。

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    2017年03月09日
  • 父の生きる

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    女性詩人が、実家熊本の父をカリフォルニアから行き来しながら看護する日記。作者の父を思う気持ち、その実行力、介護におけるどうしようもない気持ちが率直に表れていて共感する。老いの衰えはどうしようもなく、人生の最後はやはり大変で、それを支えてくれる人がいる人は幸せである。後書きの作者の言葉と最後の詩にはしみじみとする。

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    2016年12月27日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    タイトルは知っているものの
    中身は案外知らない
    有名、名作、古典がズラリとそろった
    分厚い一冊。

    読めるのかな?
    と、少し心配しながら手にとったところ
    これがさすがに、現代作家にかかると
    すいすいと読めてしまう。
    ストーリー展開のおもしろさに
    「こんな話だったの?」と驚かされたり。

    物語に、古い新しいはなく、人の心を
    惹きつけるものは、変わりなくおもしろいのだ。
    と、古典をもっと読みたくなった。

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    2016年12月09日
  • 女の一生

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    結婚ほど面倒なものはないとおっしゃる。
    そして結婚しても仕事は続けることを推奨される。離婚できなくなるから。
    離婚などしたくなくても、それは大いに起こり得る、と。

    そして、何より大事なのは「あたしはあたし」で生きることであると。
    しかしその「あたしはあたし」で生きられなくなることが結婚の最大の苦労であると。実感として非常によくわかった。このくだり(↓)。

    本人だけじゃない、家族もひっくるめて引き受ける。それが日本の伝統的な結婚観でありました。今も、ある程度、そんな感じ。女は格下。女は家に。そういう考えも、まだある。女の子を育てる文化と男の子を育てる文化の違いも、まだある。違わなくていいのに

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    2016年11月25日
  • 禅の教室 坐禅でつかむ仏教の真髄

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    ネタバレ

    お経を翻訳している詩人と曹洞宗の国際センターのお坊さん。ふたりともアメリカ在住で活動している。
    そのためか、言葉遣いが新鮮で、逆に坐禅の本質に切り込んでいるようなところもあるのでは、と感じた。

    「そもそも仏教とは」から始まって大局的に坐禅の位置づけをして、坐り方や効用(?)、海外の禅の現状まで一通り目を通すことができる。

    強調されていたのは、坐禅は瞑想とは微妙に違うこと、効能が目的でないこと。
    仏教の中での位置づけは「シッダールタと同じ体験」であり、お釈迦様が寝てる時に悟っていたら坐禅ではなく寝禅だったろう、というのがわかりやすい。一切経(すべてのお経)は坐禅の脚注である、と言っている。

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    2016年08月30日
  • 禅の教室 坐禅でつかむ仏教の真髄

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    仏教用語のうじゃらうじゃらは、やや退屈。座禅の前のリラックスやストレッチの実際的な方法については、よくわかった。

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    2018年10月14日
  • 女の絶望

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    本の表題からすごいけれど、中身もそれ以上にすごいです。やっぱりしろみさん(本の中では江戸っ子のべらんめえ口調で語る彼女がいます)の人柄及び人生経験がたっぷり詰まったけれん味のないお言葉は説得力があるなあと思います。地方新聞での人生相談の内容が中心になっているので、世の中の人々の悩み、此処に極めりという感じです。これを読むと誰にでもあるある!と思い当たるのに、素知らぬふりをして表に現れない悩みの何と多いことか。中年以降の男女、夫婦関係などにおける性に関する問題は比重が大きいのに、対処方法が軽視されがちです。しろみさんのようなあけすけの回答は有り難いのでしょう。女にとっての絶望がユーモラスに思う存

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    2016年03月11日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    町田康、いらない文章が散見。覚める部分。不必要な敬語とか。バランスが大事。彼はしょせん自意識の病の中にある。
    その上で、「陰茎を検査した半裁」「鐘を打たせようとした話」「娘婿の変態行為の話」は格別に面白い。

    しかし福永武彦の訳は端正で美しい。
    天狗に狂った染殿の后の話は、鬼が白昼堂々と侵入し、夫の目の前で淫行に至る描写が生々しく恐怖。

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    2016年03月16日
  • 女の絶望

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    伊藤比呂美の女の絶望を読みました。

    中年から更年期の女性に向けたエッセイ集でした。
    4月から3月に見立てた12の章から構成されていて、それぞれ「ふうふのせっくす」「おんなのぜつぼう」「へいけいのこころえ」「ちうねんきき」といったどろどろしたサブタイトルがついています。

    サブタイトルをテーマに身の上相談の回答者を続けた経験から中年女性あるあるが解説されていきます。
    konnokは「よいおっぱい、わるいおっぱい」の頃からこの人のエッセイは大好きで、今回もおもしろく読みました。
    30年前から伊藤比呂美が提唱している「がさつ、ぐうたら、ずぼら」という処世術は中年女性でも万能の力を発揮するのでした。

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    2016年02月13日
  • とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起

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     読まず嫌いといえば、その範疇に入る作家でした。
    人の薄皮を剥ぐような、えげつなさ。女性詩人だから、その表現が生々しくて苦手でした。この作品はそんな一面を見せつつも、家族の問題=拒食症の娘、寝たきりの母と、うつ病気味の父、理解しえないイギリス系ユダヤ人の夫との事を、時空を超え、さまざまな口調を借り、唸りだしている様な印象の作品です。
     動けなかったことに慣れていく母を見ながら、「死を凝視める事」の文章。石牟礼道子さんとの対話から成る部分は、深く、その根源はやおろずの神々を信心する心にも繋がってきていた。

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    2016年01月24日
  • とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起

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    すげー面白くて、こんな文学初めて、ってときめいたんだけど、なぜか最後までは読み通せない。どちらかというと散文よりは詩的な表現で、かっこいいし、こんな文章を書きたいと思うようなものであるにもかかわらず、読めないということは、かっこいいことと、退屈であることは、両立するということなのではないだろうか。

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    2015年12月21日
  • 女の絶望

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    せっくす、ふりん、へいけい、しっと、りこん、かいご…
    みんなの悩みを飲み込んで迫力ある言葉を返す海千山千の「しろみ」さん。なのに、ケビン・コスナーの「ワイルドレンジ」観て、いいなぁと思っている自分を、「救いがたく情緒的だな」と感じたりするところがとても魅力的。

    p214 “「ちょいとおまいさんおしょうゆ取って」といいながら、セックスできたらいいのになあって考えたことがあります。”

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    2015年03月28日
  • 女の一生

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    どんな質問もバッサリ回答。でも説教臭くないのがいい。

    「あたしはあたし」なんでもこんな風に考えられたらどんなにいいか。

    でも伊藤さんだって昔からこんな達観していたわけではないものね。摂食障害、自傷、不倫、結婚、離婚、中絶、出産×3、再婚、離婚、うつ病、介護……これら全てを経験しながら自立して仕事(詩作・作家活動)を続け、海外で生活。壮絶な60年。これだけのことを経験していたら、大抵のことは大丈夫にもなろう。真のサバサバ女は、年齢年齢のその時に、ちゃんとドロドロした経験を経てなれるものなのだろう。

    と、少し希望を残しておく。

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    2015年02月05日
  • 女の絶望

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    【本の内容】
    「夫と話すことがありません」

    「赤ん坊と二人ッきりでいると息がつまりそう」

    「パート先で好きになった15歳下の男性が遠くに転勤して寂しい」

    次々と寄せられる読者からの身の上相談に答えるのは五十代前半の詩人兼回答者・伊藤しろみ。

    不倫、セックス、子離れから、更年期、離婚、親の介護まで、迫力と説得力たっぷりに語りたおす。

    女の人生の絶望と希望が詰まった一冊。

    [ 目次 ]
    卯月―ふうふのせつくす
    皐月―おんなのぜつぼう
    水無月―子ゆえのやみ
    文月―みをこがす
    葉月―へいけいのこころえ
    長月―ちうねんきき
    神無月―みんなのしつと
    霜月―りこんのくるしみ
    師走―これから
    睦月

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    2014年10月25日
  • 女の一生

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    ここのところ精力的に本が出る。ご両親を見送り、更年期を乗り切った伊藤比呂美さんは、ひときわ静かな凄味を増したようだ。

    本書はタイトルからして気合いが入っている。気軽に手に取れる新書版だけど(実際読みやすいんだけど)、私は、うーん、うーんと唸りつつ、立ち止まり立ち止まり読んだ。まだ感想がうまく言葉にならないので、特に長く立ち止まった所を抜き書きしておくことにする。

    -母と娘-
    ・母は娘には教えたいことがいっぱいある。自分の踏んだ轍のいいところは踏んでほしい。良くない轍は踏まないでもらいたい。当然の親心です。しかし同時に、母は母であるというだけで、娘に対して、ふつうの人と人との関係より、ずっと

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    2014年10月21日
  • 木霊草霊

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    カリフォルニアと熊本を行ったり来たりしつつ、またその他の場所への旅の中、伊藤さんのほとんどの情熱は植物に向かっていて、植物と向き合う形で、いろんな発見や考察があり、その独特の感性が、とてもスッキリしていて、面白かった。ただ、こちらは植物に詳しくないので、図か写真をもっと挿入してほしかった。

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    2014年07月22日
  • 日本ノ霊異ナ話

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    表紙からも多少分かるが、性的描写やグロテスクな表現が多い。けれどもねっとりした描写の仕方ではなく、どこかからっとした感じのある文章の書き方だったので内容の割には読後感も良く、好感を持った。個人的にはR18指定の漫画よりも官能的だと思う。

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    2013年03月20日