伊藤比呂美のレビュー一覧
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結婚ほど面倒なものはないとおっしゃる。
そして結婚しても仕事は続けることを推奨される。離婚できなくなるから。
離婚などしたくなくても、それは大いに起こり得る、と。
そして、何より大事なのは「あたしはあたし」で生きることであると。
しかしその「あたしはあたし」で生きられなくなることが結婚の最大の苦労であると。実感として非常によくわかった。このくだり(↓)。
本人だけじゃない、家族もひっくるめて引き受ける。それが日本の伝統的な結婚観でありました。今も、ある程度、そんな感じ。女は格下。女は家に。そういう考えも、まだある。女の子を育てる文化と男の子を育てる文化の違いも、まだある。違わなくていいのに -
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ネタバレお経を翻訳している詩人と曹洞宗の国際センターのお坊さん。ふたりともアメリカ在住で活動している。
そのためか、言葉遣いが新鮮で、逆に坐禅の本質に切り込んでいるようなところもあるのでは、と感じた。
「そもそも仏教とは」から始まって大局的に坐禅の位置づけをして、坐り方や効用(?)、海外の禅の現状まで一通り目を通すことができる。
強調されていたのは、坐禅は瞑想とは微妙に違うこと、効能が目的でないこと。
仏教の中での位置づけは「シッダールタと同じ体験」であり、お釈迦様が寝てる時に悟っていたら坐禅ではなく寝禅だったろう、というのがわかりやすい。一切経(すべてのお経)は坐禅の脚注である、と言っている。
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本の表題からすごいけれど、中身もそれ以上にすごいです。やっぱりしろみさん(本の中では江戸っ子のべらんめえ口調で語る彼女がいます)の人柄及び人生経験がたっぷり詰まったけれん味のないお言葉は説得力があるなあと思います。地方新聞での人生相談の内容が中心になっているので、世の中の人々の悩み、此処に極めりという感じです。これを読むと誰にでもあるある!と思い当たるのに、素知らぬふりをして表に現れない悩みの何と多いことか。中年以降の男女、夫婦関係などにおける性に関する問題は比重が大きいのに、対処方法が軽視されがちです。しろみさんのようなあけすけの回答は有り難いのでしょう。女にとっての絶望がユーモラスに思う存
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伊藤比呂美の女の絶望を読みました。
中年から更年期の女性に向けたエッセイ集でした。
4月から3月に見立てた12の章から構成されていて、それぞれ「ふうふのせっくす」「おんなのぜつぼう」「へいけいのこころえ」「ちうねんきき」といったどろどろしたサブタイトルがついています。
サブタイトルをテーマに身の上相談の回答者を続けた経験から中年女性あるあるが解説されていきます。
konnokは「よいおっぱい、わるいおっぱい」の頃からこの人のエッセイは大好きで、今回もおもしろく読みました。
30年前から伊藤比呂美が提唱している「がさつ、ぐうたら、ずぼら」という処世術は中年女性でも万能の力を発揮するのでした。 -
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【本の内容】
「夫と話すことがありません」
「赤ん坊と二人ッきりでいると息がつまりそう」
「パート先で好きになった15歳下の男性が遠くに転勤して寂しい」
次々と寄せられる読者からの身の上相談に答えるのは五十代前半の詩人兼回答者・伊藤しろみ。
不倫、セックス、子離れから、更年期、離婚、親の介護まで、迫力と説得力たっぷりに語りたおす。
女の人生の絶望と希望が詰まった一冊。
[ 目次 ]
卯月―ふうふのせつくす
皐月―おんなのぜつぼう
水無月―子ゆえのやみ
文月―みをこがす
葉月―へいけいのこころえ
長月―ちうねんきき
神無月―みんなのしつと
霜月―りこんのくるしみ
師走―これから
睦月 -
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ここのところ精力的に本が出る。ご両親を見送り、更年期を乗り切った伊藤比呂美さんは、ひときわ静かな凄味を増したようだ。
本書はタイトルからして気合いが入っている。気軽に手に取れる新書版だけど(実際読みやすいんだけど)、私は、うーん、うーんと唸りつつ、立ち止まり立ち止まり読んだ。まだ感想がうまく言葉にならないので、特に長く立ち止まった所を抜き書きしておくことにする。
-母と娘-
・母は娘には教えたいことがいっぱいある。自分の踏んだ轍のいいところは踏んでほしい。良くない轍は踏まないでもらいたい。当然の親心です。しかし同時に、母は母であるというだけで、娘に対して、ふつうの人と人との関係より、ずっと