【感想・ネタバレ】女の一生のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年10月14日

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伊藤比呂美
1955年東京都生まれ。詩人。1978年現代詩手帖賞を受賞し、新しい詩の書き手として注目される。第一詩集『草木の空』(アトリエ出版企画)以後、『青梅』、詩集を発表、『河原荒草』(思潮社)で2006年高見順賞、『とげ抜き―新巣鴨地蔵縁起』(講談社)で2007年萩原朔太郎賞、200...続きを読む8年紫式部文学賞を受賞する。1997年に渡米後、カリフォルニア州と熊本を拠点として活躍

この本めちゃくちゃ面白かった。伊藤比呂美みたいなキャラの女性、ブスでも男に激モテしてるイメージなんだけどわかるかなこの感想...

片思い
「片思いばっかり。男子のことばかり考えている自分がいや」〇12歳 いずれ、もう少し大きくなったときに、男子と二人、親密で楽しい、ときには苦悩 だらけの、ときにはこの上なく幸せな、関係を結ぶことになるでしょう。でも、 まだそういう関係になだれ込む準備ができていないから、片思いで、そのときの練習 をしているんです。アイドルとか俳優とか漫画の主人公とか、片思い以前のものにも 思いっきりハマっておくのもタメになります。(つづく)

子が、どんなセクシュアリティをアイデンティティとしても、うむ、わかりにくい ので言い直します。自分が性的にこういうのが好きだということ、それがたとえ、世 問一般ではなじみのないかたちのセックスや性的な興味であっても、「それがあたし だ」と子どもが言い出したら、親は「あなたはあなただ」と、それを受け入れる。 それからもちろん、コンドーム。防ぎたいのは、性感染症と、したくもないときに してしまう妊娠です。 セックスは、しないではいられません。十代の女の子は(実は二十代も三十代でさえ も、性欲というより、自分を確認するために、親から逃げるために、生きのびるため に、やむにやまれず、セックスという手段をとることがある。それはもう、多々あ る。親の日には、他に手段はあるとわかっていても、子どもにはわからないから、む やみにつき進む。

子どもは、この時期、むやみに反抗的です。反抗しているのはたしかにその子です が、何かにあやつられているようでもある。荒ぶる魂に取り憑かれたようである。数 か月、あるいは数年間経つと、すうっとその荒ぶる憑き物が落ちていく。そしてそこ に、前にいた純真な子ではない、一段階おとなに近づいた子が、すっくと立っている のであります。 わたしも最初のときこそ驚いたのですが、二人日、三人日となりますと、この年頃 のひとつの型のように見えてくるようになった⋯⋯というのは、過ぎたから言えるこ とです。実際は途方に暮れてました。こっちを攻撃してきますから、攻撃されれば、 身構え(防御)言い返す(反撃のは、生き物として当然です。

人は群れます。群れてない人も、群れてないと自覚するってことは、群れの動物だ からです。中学生の頃の群れとは、小学生の頃のような、何も疑わない群れではあり ません。なんだかすべてが疑心暗鬼、すべてが不安定、群れるそばから、違う、こん なふうに群れるのはわたしの本意じゃないと思っているような。群れの中には、人を 傷つける残酷さと無神経さがはびこっていきます。一人一人はどんどん繊細になって いく時期なのに不思議なことです。

同級生はだれもが下心なく楽しそうに群れている と思ってましたが、ほんとはみんな、わたしと同じような違和感を持ってたのだと、 おとなの女になってから知りました。

遠距離恋愛
恋が終わるのは関係そのものの問題であり、離れていること は、その遠因にはなっても、直接の原因にはならないものです。 その上で遠距離恋愛のひけつを伝授しますと、まずマメであるこ と。メール、電話、各種の5NSをフルに使ってマメに連絡する こと。マメに出かけて行ってマメに会うこと。そういうことを おっくうがる人や出費をもったいながる人にはできないから、あ きらめたほうがいい。 しかしそもそも、歩く速度が人によって違うように、マメの概 念は人によって違うので、マメな方がつねに待ち、メールや電話 やらNSという手段がマメな方を追いつめて、依存症みたいな苦 しみに追い落とす。 それを避けるためには、信じることです。相手を信じる。相手 の心を信じる。相手の性欲がこっちが思うほどたけだけしくない ことを信じる(離れ離れでも我慢できる、と)。自分たちの将来も信 じる。ただ、信じることです。宗教みたいなものです。

自分が誰か、何をしたいのか、セクシュアリティも、アイデン ティティも、自分の中でも、理解するのに時間がかかります。計 算やミステリーなら結論が出ないといけませんけど、なにしろ人 生ですから、結論は、いつ出ても、ついに出なくても、0Kで 理想的な世界とは、カミングアウトしようがするまいが、誰も なんとも思わない世界。異性愛者が、あたしセックスしたい相手 は男なのよなんて、ことさら言わないで済んでるように、レズビ アンやトランスジェンダーの女も、ただありのままに暮らせる世 界であります。

立つことをおそれない、埋没しない、自分らしいおしゃれのでき る女になる。そのとき、生活が安定しているともっといい。どん な生き方を選んだとしても、どんな家族のかたち、どんなセクシュアリティ、どんな親子関係、どんな仕事を選んだとしても、 自分らしく生きられるようになっているといい。⋯⋯ということ を若い女たちが、考えてくれているといい。

一切やめる。もちろん、自殺というのが方法の一つです。うつ になったら、誰もが一度は考えることでしょう。でもそれはあま りに周囲を傷つけます。わたしにはとてもできませんでした。出 家について、瀬戸内寂聴先生にうかがったとき、出家というの が、昔は自殺の一手段だったのかもしれないと考えました。それ から、カリフォルニアに移住した、日本語を断ち切ってみたとい うのが、わたしの場合の自殺の方法だったのかもしれないなと考 えました。

あとは、動く。からだを動かす。 わたしもまた、旅して、旅して、旅して、旅してまわりまし た。日本の古典文芸によく出てくる「道行」というもの。それか ら「漂泊」というもの。あれは、行き詰まり、にっちもさっちも 行かなくなった人たちが、なんとか打開しようと、からだだけで も動かしていったその行為なんじゃないかと思いながら、わたし は必死で旅をつづけました。

実は、わたしは根っからの汚いもの好きで、ウンコだゲロだと喜ぶ子どもがそのままおとなの女になったようなものです。しかしながら、女の性や生理を考えた上で、胎児について考えつめら、それはうんこと実感したのもたしかです。その後、第二子第三子を産み、育て、他にもいろいろと経験をむだに積み重ね、の介護も犬の介護も経験し、シモの始末もやった末に、わたしはハッキリと見きわめました。生きるということは、排泄である、 と。

しかしながら、母とはどうもうまくいきませんでした。それがこの本全体の原動力 になってるフシもあります。母からは、いろんな呪いをかけられていたような気がす るんです。母がわたしをすごく大切に思っていたということには、疑いを持ちませ ん。英語で言えば、ラブであります。でも、呪いもいっぱいかけられた。最後は老い 衰えて、呪いをかけたことすら忘れてるふうでしたが、わたしにとっては、呪いを振 り切って生きるというのが人生の命題だった時期もあるわけで、忘れるということは なかったといってもいいのです。

27歳
戒厳令下のワルシャワにはウィーンからしか入国できず、コペンハーゲンで乗り換 えてウィーン、Nと再会してワルシャワへ。はじめての海外旅行、はじめての飛行 機、はじめての乗り換え、はじめての外国、はじめての外国語、はじめての社会主 義。Nと二人三脚で、まあなんとか。ワルシャワに住んだのも、日本人学校で働い たこともいい経験だった。休み時間に音楽室でクラシック音楽を聴きまくったのも いい経験だった。ポーランド語はNに頼るばかりで身につかなかった。

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Posted by ブクログ 2022年10月20日

バッサリと日本刀で青竹を切るような、そんなアドバイスが素晴らしい。

悩める人が、この本に出会えると良いな

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Posted by ブクログ 2022年05月17日

とても面白い本である。人生相談に回答する形式で書かれている。また本人の経歴についても懇切丁寧に書いてある。うつ、拒食症、結婚、出産、離婚、親の介護、娘との葛藤など様々な経験を書いているので、幅広く参考になる。卒論としては使えないが、読んで面白い。

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Posted by ブクログ 2015年04月23日

人生相談でいろいろ指針を示している。
本当に生(性)から死まで、女の一生を書いている。
参考になり、いろいろ頷いた一冊。

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Posted by ブクログ 2022年08月06日

伊藤比呂美さんが、枝元なほみさんと親友だったとはー。お二人の共著も読みたくなりました。子育てだけではなく、老いた親との付き合いかたなどに触れられていたのも良かった。
巻末の年表も楽しい。影響を受けた先生の話など面白く読めました。

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Posted by ブクログ 2022年05月05日

最後の母親の呪いを解いたことばが胸に刺さりました。
家族だから許せない事があって、
家族だから許せる事があるのだと思います。

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Posted by ブクログ 2022年02月22日

 人生経験豊富な、女として果敢に生きるための師匠を得たような本。どうしても、こういう話題は母親と話しても対立しちゃうのよね。読み易い。母や恋人との関係、女として生きることに悩む、若い女性へ送りたい本。手に取った後気づいたが、NHKの「理想的本箱」にて紹介された本だった。

 結婚相手や両親など近しい...続きを読む関係ほど、「あたし」と「あなた」を分けることが大事だと感じた。

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Posted by ブクログ 2021年02月04日

「良いおっぱい悪いおっぱい」「おなか ほっぺ おしり」などのエッセイで有名な伊藤 比呂美さんの「女」に纏わる色々を描いたエッセイ集です。

女性なら誰しもが悩む女同士、夫、親、子供との関係や日常生活での悩み 結婚、離婚、病気、死、お墓など様々な悩みに歯切れよく答えて行く様は見事です。

本の最後...続きを読むには「或女の一生」と題して著者の人生年表も付いています。

人生経験豊富な著者ならではの切り口で書かれた一冊なので説得力があります。

気持ちよく爽快に読める作品です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年11月14日

女性「性」のことから、人生で直面する出来事に対する考え方まで、著者の経験に基づき語られている。

印象的だったのは、男性との付き合い方や(理不尽なこと(特に女性だというだけで出くわす)に対しての対処方法などなど

経験からの考えだからか、とても読み応えがあってよかった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月13日

●男の気難しさ:
ずっと男でやってきた人間が、ふと「自分が無力であることに、自分が社会や家族に何の意味も影響力も持っていないことに、気づいてしまった」というような気難しさ。

●不倫:-死ぬときは別々-ロマンス心、満たされぬ日々の喜び-
・(この恋愛は成就しない)
・家庭を壊したくない、事を荒立てた...続きを読むくない40代の不倫男女に、いったいどんな将来があるのか。何もありません。どんなに愛し合っていても、老い衰えたら会えなくなる。セックスできなくなったら関係は消滅する。もちろん死ぬときは別々。生き死にに責任のあるのは配偶者ですから。でも、生活抜きの関係から得られるロマンス心、満たされぬ日々の喜び。これは大きい。ほんとはすごく大切なのに、たいていの四十代の人々が生活に追われて、日々から失っていくもの。

●婚外恋愛:
相手にたいしたことを期待しない。・・・いつか二人で何々をしようなんて甘い夢は見ない。老いて体が不自由になったら、その時は潔く家族の元に戻る覚悟を。・・・・一体何のための関係を持ちづづけるのか、という話になる。
・・・ダラけた日常にカツを入れる、いい手段。夫しかいない妻よりもずっと生き生きと、夫とも仲良く生き生きと暮らしていける。

●恋愛:
正論:「あたしはあたし」「あなたはあなた」
実際:それができずに、熱にうかされて「あたしはあなた」になる。
恋愛は、相手を自分の思いのままに動かせるという自分の力を感じたいだけ。「自分が好き」という感情の周りを、「あたしは強いから相手に影響を及ぼしている」喜びがぐるぐるとまわっているだけ。

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Posted by ブクログ 2016年11月25日

結婚ほど面倒なものはないとおっしゃる。
そして結婚しても仕事は続けることを推奨される。離婚できなくなるから。
離婚などしたくなくても、それは大いに起こり得る、と。

そして、何より大事なのは「あたしはあたし」で生きることであると。
しかしその「あたしはあたし」で生きられなくなることが結婚の最大の苦労...続きを読むであると。実感として非常によくわかった。このくだり(↓)。

本人だけじゃない、家族もひっくるめて引き受ける。それが日本の伝統的な結婚観でありました。今も、ある程度、そんな感じ。女は格下。女は家に。そういう考えも、まだある。女の子を育てる文化と男の子を育てる文化の違いも、まだある。違わなくていいのに、違ったまま、まだ直されていない。悲しいことですが。
 結婚の最大の苦労はココです。今まで「あたしはあたし」が人生の命題だった。はじめは他人だった夫も、いつのまにか日々の暮らしの中で慣れて、彼の前で「あたしはあたしよ」と生きる方法をつかめてきた。ところが、姑をはじめとする夫の家族の前に出てみたら、自分ははじっこのすみっこに追いやられ、「あたしはあたしよ」で生きられないというところなんです。
 対処の方法は、古典的な方法ですが、やはりこれしかありません。すなわち、相手は変わらないと思い切ること。まず、自分が変わること。
 盆に正月、法事に慶事と顔を合わせ、文句を垂れ流しながらやり過ごしているうちに、自分も姻戚も老いていく。死んでいなくなる人もいる。新しく加わる人もいる。老いて、穏やかになってつきあいやすくなっているか、頑なになってつきあいづらくなっているか。いずれにしても、人も、人の関係も、変わっていくはず。時間はかかりますが、その変化が救いです。(P142)

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Posted by ブクログ 2015年02月05日

どんな質問もバッサリ回答。でも説教臭くないのがいい。

「あたしはあたし」なんでもこんな風に考えられたらどんなにいいか。

でも伊藤さんだって昔からこんな達観していたわけではないものね。摂食障害、自傷、不倫、結婚、離婚、中絶、出産×3、再婚、離婚、うつ病、介護……これら全てを経験しながら自立して仕事...続きを読む(詩作・作家活動)を続け、海外で生活。壮絶な60年。これだけのことを経験していたら、大抵のことは大丈夫にもなろう。真のサバサバ女は、年齢年齢のその時に、ちゃんとドロドロした経験を経てなれるものなのだろう。

と、少し希望を残しておく。

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Posted by ブクログ 2014年10月21日

ここのところ精力的に本が出る。ご両親を見送り、更年期を乗り切った伊藤比呂美さんは、ひときわ静かな凄味を増したようだ。

本書はタイトルからして気合いが入っている。気軽に手に取れる新書版だけど(実際読みやすいんだけど)、私は、うーん、うーんと唸りつつ、立ち止まり立ち止まり読んだ。まだ感想がうまく言葉に...続きを読むならないので、特に長く立ち止まった所を抜き書きしておくことにする。

-母と娘-
・母は娘には教えたいことがいっぱいある。自分の踏んだ轍のいいところは踏んでほしい。良くない轍は踏まないでもらいたい。当然の親心です。しかし同時に、母は母であるというだけで、娘に対して、ふつうの人と人との関係より、ずっと絶対的な、強大な、むこうが否定したくても否定できない立場にいる。

・わたしたちが一人一人違う母であるように、娘たちも一人一人違う娘です。どの娘も、どんなかたちであろうとも、一人一人の人生を生き抜こうとしているのであります。
 母としては、一人一人の娘たちが、「あたしはあたしだ」という人生の極意をしっかりつかめるように、見守り、受け入れたい。そのためには、いずれ、かわいがったり期待したり心配したりするだけじゃなくて、突き放す、かかわらない、忘れてみるということも、必要になってきます。

-父と娘-
・あらゆる可能性を与えていただきたい。可能性を前にしたときに、自分が進むかどうかは別にして、女であるからという理由で怖じ気づいたり、ためらったり、あきらめたりすることのないようにしていただきたい。それはもう、ちらりとでも、そんなことのないように。

・父親が、女という性を持つ娘を全面的に受け止めているか、家庭の中で女がいかに自由か、身を持って、いな身を挺して、アピールしていただきたい。まず、妻への態度、家事のやり方、テレビの見方、社会で起こる事件についての意見、等々、生活のすべてにそれは出てきます。

-LGBT-
・自分が誰か、何をしたいのか、セクシュアリティも、アイデンティティも、自分の中でも、理解するのに時間がかかります。計算やミステリーなら結論が出ないといけませんけど、なにしろ人生ですから、結論は、いつ出ても、ついに出なくても、OKです。

-嫁と姑-
・結婚の最大の苦労はココです。今まで「あたしはあたし」が人生の命題だった。はじめは他人だった夫も、いつのまにか日々の暮らしの中で慣れて、彼の前で、「あたしはあたしよ」と生きる方法をつかめてきた。ところが、姑をはじめとする夫の家族の前に出てみたら、自分ははじっこのすみっこに追いやられ、「あたしはあたしよ」で生きられないというところなんです。

・盆に正月、法事に慶事と顔を合わせ、文句を垂れ流しながらやり過ごしているうちに、自分も姻戚も老いていく。死んでいなくなる人もいる。新しく加わる人もいる。老いて、穏やかになってつきあいやすくなるか、頑なになってつきあいづらくなっているか。いずれにしても、人も、人の関係も、変わっていくはず。時間はかかりますが、その変化が救いです。

-性教育-
・それ(十代のセックス)を頭ごなしに否定してはいけない。否定からは、何も生まれない。しかしまた、私はこうも思います。……親は、親の意見を、子を思う心から生まれてくるさまざまな意見を、言い散らすことをやめてはいけない。言い散らすことで、子どもが反発しても、やめてはいけない。それが親の親らしさなんですから。

-近所の目-
・「人の目を気にしなさい」。これもまた、親の呪いの一部です。いい子になれという呪いの一部で、親の呪いの中ではいちばんたいしたことのないものです。

・変人として生きること。これがひけつです。だれもみな、少しずつ、変人になりうる素質を持っています。

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Posted by ブクログ 2023年07月17日

そうだよね、ねるほどね、とうなづきながら読み進めた一冊。女性ということを意識して避けてしまうような話題も、言葉を選ばず率直に語ってくれている点が良い。誰にも相談できず人生に悶々としてしまった時に読むと、スカッとすること間違いなし。

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Posted by ブクログ 2023年02月05日

一貫して「わたしはわたし」というスタンスで悩み相談に答えている。恋愛や母娘の関係がうまくいかないのは、その線引きが揺らぐからなのだろう。さまざまな柵の中で女性の一生はかくも生きづらいものなのか。

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Posted by ブクログ 2023年01月03日

Eテレの「理想的本箱」で、「将来が見えない時に読む本」で紹介されていた。「あたしはあたし」「あなたはあなた」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年09月11日

女に生まれて、女に生きるとは。

とてつもないエネルギーを感じたエッセイ。悩み相談が下敷きになっているようだが、あまりに赤裸々にオープンに女として生きることをセックスとジェンダーの両方の視点から書いてあるので戸惑うほど。もちろん生物学的性からも社会的性からも悩みは尽きず、どちらの視点での考えも書かれ...続きを読むるべきなのだが、普段どれだけ生物学的性を隠されて・隠して読み書きしているのかを指摘された。

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Posted by ブクログ 2015年04月28日

「あたしはあたし」「あなたはあなた」
この意識はあらゆる局面で役に立つ、自分を支える。
色んな年代の、色んな環境に生きる女性の「一言お悩み相談」にこたえる形式で進んで行く本書の、根底にあるものは、その「あたしはあたし」
確かに、この先自分が悩む、辛い場面に立たされた時に、この言葉を思い出すだけで、ほ...続きを読むんの少しでも救われるかもしれない、と思った。

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Posted by ブクログ 2014年11月01日

伊藤比呂美の本は必ず読んでいるので、こういう人生相談(風)のものはかなり「もう読んだ」感あり。
(本人もそう書いてはいるが。)
まさに今までの総集編という感じで、今まで読んだことのない人には面白いし、お得なのかもしれないが、読んだことあると、「(つづく)」の意味も十分に理解でき、新しさはない。この手...続きを読むの本なら『女の絶望』の方がもっとじっくり書いてあって読み応えがあったし、『人生相談万事OK』は相談者の姿が感じられた。
ただ巻末の年譜は良かった。人生相談の回答者になった人はたくさんいるが、ここまでおのれを赤裸々に曝した回答者がいただろうか。
現代詩文庫のものが今まで一番詳しかったが、これはもっと。これだけの経験していれば、そりゃ人生相談に答える十分な資格があるってもんだな。
本当にタフな漢(おんな)である。
それにしても岩波新書とはたまげた。いいの?岩波。
『れっつすぴーくEngrish』のときも思ったが、今回はもっと驚いた。岩波内に伊藤比呂美の熱烈シンパがいるのだろう。

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Posted by ブクログ 2014年10月20日

詩人かぁ・・・。
軽快な文章で・・・時々笑わせてもくれる。
達観されているので安心して読める。
どんな質問に対する解答もすばらしい。
著者の名前を覚えておこう。

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Posted by ブクログ 2014年10月30日

なんだか読んだことあるような文章だなと思っていたら、
今までに出した本から抜粋し、コピペして書き直したそうです。どおりで。
悩み相談に答えるという形式だが、あまり答えにもなっておらず、
比呂美さんの経験や人生観を徒然なるままに書き留めたような。
他の本に比べて、広く薄くという印象。

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