伊藤比呂美のレビュー一覧

  • 女の絶望

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     待望の文庫化。23の女としての自分のぬるさが怖くなるとともに(これからもっとずっとしんどいんだろうなって)、ひとりじゃないって、みんなしんどいしんどいって思いながら凭れたり凭れられたりして生きてるって勇気づいた。しろみ先生ありがとう。詩じゃないのってどんなんだろうと思ったけど、伊藤比呂美のリズミカルな言葉は気持ちいい呪文。

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    2013年02月28日
  • 日本ノ霊異ナ話

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    腐敗した屍の肉であったり、女または男の性液(精液)であったり、かつて体から流れ出た生臭い血であったり、この本全体から、酷く粘着性の強いぬちゃぬちゃしたものを感じる。
    それらは濃厚な死臭を撒き散らせながらも、今生への糸を引くような未練をも感じさせ、少し泣けてくる。
    伊藤の言葉を「即物的な営み」と表し、即物的女性観を語る津島佑子の解説もとても良い。

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    2011年02月26日
  • 石垣りん詩集

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    女であり、一家の大黒柱であり。どれほどのことを諦めてきたんだろう。作者の私生活の苦労が詩に昇華されることによって報われたことを願う。

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    2025年12月08日
  • ふたつの波紋

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    題材となる人物の知識が全くなくても、難しい話題で理解が追いつかなくともとても面白く読める。そしてそれらを読んでみようと思わされる。町田康のファンではあるが伊藤比呂美さんは知らず、これも読んでみたいと思った。
    あれだけ個性の強い町田康がどんな想いで文を書いているのか見えたこともとても面白い。


    石牟礼道子
    種田山頭火、村上護
    太宰治、中原中也

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    2025年11月18日
  • いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経

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    藤田一照さんとの対談本で読んでから気にかかる存在であったので、どんなものかと読んでみた。

    なんだ、間にエッセイが挟まれるのか、ふーんと思ったがその幕間のエッセイも心地の良いワードセンスでさらさらと。

    多分に評価の分かれそうな現代語訳だが、音とリズムを大事にした訳になっていて非常に詩人らしいし比呂美さんらしい。

    僕は法事で聴くお経は音楽だなと思って毎回楽しんでいるけれども感覚が似ているように思う。

    興味の入り口はそこで、仏教に興味を持ち、ようやく今年に入って重い腰をあげて歩み始めたので、僕の知識は雀の涙だが、また10年後にこの本を読むと感じ方も変わりそうだなと思うよ。

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    2025年10月23日
  • 石垣りん詩集

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    光村図書の中学二年生の教科書に「挨拶ー原爆の写真によせて」が載せられている関係で、石垣りんの教材研究をしようと思って、友人がいっしょに読んでくれることになった一冊。石垣りんの詩以上に、伊藤比呂美の解説が、ものすごく丁寧に一つひとつの詩集の流れを追っているところの方が、ものすごく印象的で、なるほどと思ってもう一度読み返してしまった。
    第一詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』は、伊藤比呂美に、「率直すぎて、現代詩というより、ほとんど社会の正義と反戦と平和のプロパガンダだ。アジテーションだ(p287)」と言わしめる戦争をテーマにした詩に始まり、「身のまわりのp日常的なことがらを見つめ始める(p2

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    2025年10月22日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    能や文楽、歌舞伎に行きたくなった時、読んでおくと筋がわかって理解が深まり、余裕を持って楽しめます。 時代が違うと景色が違い、常識や価値観が違って、なかなかわかりづらいことが多いのですが、どの新訳も面白く、登場人物が生き生きと動き、楽しく読み進めました。 一家に一冊。

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    2025年10月01日
  • 禅の教室 坐禅でつかむ仏教の真髄

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    片方の方が坐禅をほとんど知らない状態での対話形式だったので、初心者の私でも自然に理解できる内容でした。

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    2025年10月01日
  • 伊藤比呂美の歎異抄

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    念じれば救われるのだという考えが、多くの人を救ったということは理解。だけど、私にとってその教えにどのような意味があるのだろう、と考える。いつもだれかがみていてくれる。という安心感なのか?

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    2025年05月30日
  • 女の一生

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    伊藤比呂美さんの今日までの人生を読むとすごいな、としか言いようがない。イロイロあった、と書いているけれど、私にはそんなイロイロはなくてむしろ何も無い。それが良いことなのか悪いことなのかわからないけれど。
    私は結婚もしていないし、パートナーもいないし、子供もいない。
    けれど、伊藤比呂美さんが書かれている文章になにかものすごくパワーをもらえました。
    イロイロあった伊藤比呂美さんの言葉は力強い。
    しかし、老いと向き合うのはこわい、
    「あたしはあたし」「あなたはあなた」をできるようになりたい。

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    2025年03月27日
  • 野犬の仔犬チトー

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    面白かった!まあ繰り返して飽きる部分もあるんだけど。カノコちゃんサラ子ちゃん時代からファンだから。私も動物が飼えたら、老後の不安と向き合わずに済むのかしら。

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    2025年02月24日
  • 道行きや(新潮文庫)

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     2020(令和2)年単行本刊行。
     伊藤比呂美さんは1955(昭和30)年生まれなので私より14歳上。
     80年代に現代詩で「女性ならではの視点と言語感覚」の世界を開拓して非常に注目された詩人だった。私も小説を含め何冊か読み、とても感心した詩人であったが、その後の著作や動向をずっと追ってきたわけではない。
     近年はSNSのXやFacebookでアカウントを見かけ、投稿は多くないがたまに見かけるので、ご健在のようだ。
     本書は60代の「初老」となった伊藤さんの、最近の日常を反映したエッセイ集である。
     エッセイ集と言っても、ついこないだ読んだ山本文緒さんのそれのような、ユルユルとした気安さとは

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    2025年01月13日
  • いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経

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    源信の白骨観
    源氏物語表白
    自我偈ーいつもそばにいるよ
    サフラン 鴎外の『サフラン』を読みたくなった
    「一通の手紙、空海から最澄へ」がとてもいい

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    2025年01月09日
  • 先生、ちょっと人生相談いいですか?

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    ちょ、まてーい、おい!いろいろぶっちゃけすぎんだろ!
    とびっくりしました。

    一人の女としても生きる、そういうことへの批判がすくなくなってきた世の中になってきたんですかね。こんなトーク本がだせるとは。お二人の、度胸に乾杯。

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    2024年10月23日
  • 伊藤ふきげん製作所 思春期をサバイバルする

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    今はもう大人になったカノコさんの思春期がたっぷり描かれていました。多分普通の子なのに伊藤さんはとても面白く書ける。文章さえいじっていれば幸せ、というのもさもありなんって感じ。

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    2024年08月16日
  • 野犬の仔犬チトー

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    元保護犬の犬と猫2匹と一緒に暮らす伊藤さんが、野犬の仔犬を引き取って一緒に生活していく日々が日記のように書かれています。人間や人間社会におびえる仔犬は想像以上に人に慣れないらしい。シャンプーもできないから汚れも臭いも引き受けて、動物たちにまみれての生活は中々壮絶。でも、一緒に暮らす犬猫の愛おしさは生きるベースですね。

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    2024年08月10日
  • おなか ほっぺ おしり 〔完全版〕

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    久しぶりに読み返して、最近読んだトメさんよりはカノコさんサラ子さんの方がおとなしいと思いました。懐かしい面白さ、もっと長くて迫力あるように思っていました。西さんは協力的な父親なのになんで離婚しちゃったのだろう。比呂美さんは詩よりエッセイの方が面白いかも。

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    2024年08月09日
  • 野犬の仔犬チトー

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    すごいな、比呂美さん、としか言いようがない。
    こちらまで毛だらけ気分。
    読んでいる最中、高橋源一郎さんのラジオ番組『飛ぶ教室』でこの本を紹介しているのを聞いた。なんか嬉しかった。

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    2024年07月14日
  • ショローの女

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    自分より少し先いく作者の日常。
    平凡な日々と作者の日常は別物ではあるけど人生の道標となる。
    早稲田の授業、聴いてみたかったな。
    詩人って繊細ではかないイメージだけど、伊藤さんは元気で愉快で豪快だと勝手に思ってる、、

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    2024年07月13日
  • 野犬の仔犬チトー

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    ゆっくり読んでたのに読み終わってしまった。
    伊藤比呂美の新刊。
    私は犬は飼ってないし、動物臭が苦手なのに、伊藤比呂美の生活臭を味わいたくて(笑)読む。

    生き物への(多分植物も)情の深さが、心地よいのです。ここまで情が深くてもいいんだよね、とクールな現代社会に生きる私たちに思わせてくれる。
    私も安心して情を垂れ流す…溢れさせることが増えてきたような?

    時々伊藤比呂美読まなくてはね。

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    2024年07月09日