伊藤比呂美のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ私53母77、現在両者の関係は最悪だ。コロナ禍もあって1年以上会っていないし、会話もない。電話は着信拒否にしている。
なんとなれば、私は今、思春期の娘をふたり抱えているからだ。赤ちゃんの頃は物理的に取り扱い注意だったけれど、この年頃は精神的取り扱い注意。母が我が子にしたように、叩いたり馬鹿などの人格否定暴言をぶつけたり、兄弟やほかの子供と比較して詰ったり子どもの言い分を訊かず頭ごなしに叱りつけたり、ということを、私は娘たちに決してしてはならないのだけれど、そうされて育った私にはその行動が三つ子の魂百まで身に染みてしまっていて、ちゃんとそのときのかなしい気持ちとか悔しさを覚えておきその都度思い出 -
Posted by ブクログ
我々と変わらない煩悩だらけの著者(失礼!)が、自身の体験(身近に死者を送る)を通じて「般若心経」をわかりやすく読み解く。中盤の「ひじりたちのことば」から読み物としても面白くなる。私のように、仏典類書を読むも挫折してきた(面白さが理解できない)ような初心者には特におすすめです。宗教学者、山折哲雄氏の解説も味わい深い。
著者:1955年東京都生まれ。詩人。青山学院大学入学後に詩を書き始め、78年現代詩手帖賞、99年『ラニーニャ』で野間文芸新人賞、2006年『河原荒草』で高見順賞、07年『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』で萩原朔太郎賞、08年同作で紫式部文学賞。他の著書『たそがれてゆく子さん』『切腹考』 -
Posted by ブクログ
我が家から五十メートルばかし行ったところに「口の芝居跡」という碑が立っている。その昔、京・大阪の芝居小屋にかける前、全国から伊勢参りに来る旅人目当てに、ここで演じて評判が良ければ大受けまちがいなしとして、試演される芝居小屋だったと聞く。有名な歌舞伎役者もこの芝居小屋の舞台に立ったこともあって、古市は歌舞伎とは縁が深い。『伊勢音頭恋寝刃』の舞台となった油屋跡では町の若い衆によって小屋掛けの地芝居も演じられた。父は坂東庄雀という名を持つ立女形で、「伊勢音頭」ならお紺、七段目ならお軽というのが役どころだった。
芸事の好きな人も多かったのだろう、歌舞伎衣装や大道具小道具を扱う道具方や浄瑠璃、義太夫を -
Posted by ブクログ
伊藤比呂美さんのエッセイは好きでよく読む。が、動物系、植物系は、自分自身にあまり興味がないので、ちょっと苦手。頑張って読んだ。
おまけに、植物名を何度も検索して画像を見た。
セイバンモロコシ、オオアレチノギク・・・うっとおしい雑草とばかり思っていた馴染みの草たちの名前を覚えた。
ゼラニウム、ナスタチウム・・・確かにかつてプランターで育てた花なのに、どんな花か思い出せず、調べた。
6,7年前はもう少しガーデニングとやらに興味をもっていあたんだけどなあ・・・
もともと何枚か写真も載っている。もっと載せて欲しかった。でも、スマホであまりにも簡単に画像が見られるため、頭の中で思い出したり、想像したりす -
Posted by ブクログ
伊藤 比呂美?聞いたことのある名前、、、と手を取り読み始めた。詩人であり、母である、ユダヤ系イギリス人の一回り以上年上の伴侶を持つ人でもある。日本に高齢になり、身の回りの事も難しい両親のためにカルフォルニアから2,3ヶ月に一度帰り、二日おきに電話をする。徐々に変化し幼児のような訴えをおこす両親。かたや抱える文化の違いで価値観の到底理解しきれない部分を爆弾のように抱え、母国語出ない言葉で言い合いをする夫婦。生きることに不器用な前夫の子。それぞれに向き合おうとする後ゆえに尋常ではないほどの忙しさ。心の根っこには子供の頃から行った巣鴨地蔵尊への思慕。独特の世界を持つ詩人だけに音階を持つような言葉の連
-
Posted by ブクログ
伊藤比呂美の本は必ず読んでいるので、こういう人生相談(風)のものはかなり「もう読んだ」感あり。
(本人もそう書いてはいるが。)
まさに今までの総集編という感じで、今まで読んだことのない人には面白いし、お得なのかもしれないが、読んだことあると、「(つづく)」の意味も十分に理解でき、新しさはない。この手の本なら『女の絶望』の方がもっとじっくり書いてあって読み応えがあったし、『人生相談万事OK』は相談者の姿が感じられた。
ただ巻末の年譜は良かった。人生相談の回答者になった人はたくさんいるが、ここまでおのれを赤裸々に曝した回答者がいただろうか。
現代詩文庫のものが今まで一番詳しかったが、これはもっと。