伊藤比呂美のレビュー一覧

  • 森林通信 鷗外とベルリンに行く

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    ベルリンへ作家の招聘プログラムに乗っかって滞在した時のエッセイ。
    森鴎外への偏愛、渡欧するにあたっての飼い犬猫の世話の問題、ベルリンでの生活や詩の朗読、森の散歩や植物愛。様々なことが研ぎ澄まされた言葉で表現されて読み応えのある滞在記。四股を踏むような歌う朗読劇が目に見えるようでした。

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    2024年06月03日
  • 閉経記

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    初読の作家さん。
    心当たりのあることや、これから我が身にも起こるであろう出来事を、共感したり、戦々恐々としながら読んだ。ズンバがたくさん出てきて、そういえば以前の職場でご飯一緒に食べてたお姉様がズンバズンバって言ってたっけと思い出す。体に良いのならやってみたい。
    ビールを詩的に表現したのを読んで、ビール嫌いなんだけどどんな味なのか興味津々になった。
    私も漢(おんな)としてまだまだ続く人生を生きていこうと思います。

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    2024年04月25日
  • 森林通信 鷗外とベルリンに行く

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    ベルリンで鷗外を感じる比呂美さんを、日本で感じながら読んだ。鷗外、ドイツの自然、建物、人々をすぐ隣に感じた。東京の友人、熊本の元院生も。
    「わたしはあんじゅひめ子である」の朗読聞きたい。

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    2024年04月21日
  • 石垣りん詩集

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    言葉が強い。戦争と戦後すぐ、ふんばって生きている女性の叫び。時が経つなか、年を重ねるなか、家族の重みに耐えながら毎日仕事に向かう生活者の姿。まっすぐで簡明な言葉が刺さる。

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    2024年04月09日
  • 切腹考 鷗外先生とわたし

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    紙面から濃密なムードが醸し出され、所々息が
    詰まりそうになった。

    scratch 何もないところからカリカリと引っ掻き集めて何かを作る

    阿部茶事談(抄)掲載

    夫の介護 ある日突然ーゆっくり死に向かって前進していくーモルヒネによる悪夢
    ーlet’s go home
    介護を少しずつ繰り返す。繰り返せばいつかはなんとか、なんとかなる。

    終わった。それが死。
    跡形もなく崩れ壊れる。
    真っ青な虚空だけになるのがいい。

    読み終えて深く大きなため息

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    2024年04月08日
  • 森林通信 鷗外とベルリンに行く

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    随筆だと思って読み始め、削ぎ落とされた文章と比呂美節に翻弄され、ああ、これは詩なのね、と途中で読み方を改めた。
    鴎外の小説に出てくる「花子」。元芸者が日本の伝統芸を負って世界に打って出る。その腹の座ったまがいものぶりが、最後、自分の詩の朗読でクロスする。
    作者はそれを「移民芸」と名づける。彼の地で生き抜く術の力強さ。奇妙な完成形の力強さ。

    ドイツでの詩の朗読の舞台を、見ていないにも関わらず、まるで観客としてそこにいたかのように感じた。足を踏み鳴らし、四股を踏む伊藤比呂美と、ゾフィー・ショルの役をやったドイツの俳優の二人が融合し、舞台を震わせる。

    この結末が書けるのが、伊藤比呂美なのだよね。

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    2024年03月31日
  • 禅の教室 坐禅でつかむ仏教の真髄

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    対話という事もあり、噛み砕いた言葉でスッと頭に入りやすい。

    一照さんの言葉はほんと分かりやすくて、比呂美さんのストレートな質問も小気味良くて。

    ずーっと入っていきたいと思ってた仏教の世界への入り口をようやく見つけた感じ。

    ここから世界を広げていきたい、

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    2024年03月23日
  • ふたつの波紋

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    ここまで激しい対談集は初めて(笑)。
    お互いにメンタルが強くないとやってられない。
    古典を現代語訳したお二人の作品を読んでみたいと思いました。
    太宰治についての解釈も面白かった。

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    2024年02月08日
  • 石垣りん詩集

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    銀行員として働きながら詩を書き続けた人。
    昔国語の教科書に載っていて名前は知っていたけど、日経新聞の特集で関心を持ったから買った。
    初期の頃は、戦後間もない日本の社会風景を、一般庶民の目線から表現していて興味深かった。
    短い言葉の連なりで、人生や社会の根源的なものを描写する表現力があると感じた。

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    2023年09月02日
  • 女の絶望

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    江戸っ子口調(?)が苦手で読むのを後回しにしてたのですが、慣れてくると女の普遍的な悩みがいっぱいで面白い。どこも同じなんだなあと。「一度思いっきり恋愛した後は、もう幻想を抱けなくなっちゃう」というのはすごくわかる。そうなってから出会った人との方がいい関係を築けるのかもしれないな。

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    2023年04月16日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    町田康のこぶとり爺さんを何かで目にして購入したもの。町田康のは原文と見比べると適当に盛っているところも多々あるが、意外なところが原文のままであったりする。

    古代のパワーを感じる日本霊異記、ちと抹香臭い発心集もそれぞれの魅力がある。

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    2022年12月17日
  • 読み解き「般若心経」

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    写経する際に、少しは内容を理解したいと思い読みました。エッセイとお経と詩が巧く絡み合って楽しめました。
    観音様より「かんのん」と声にしてみると親しみやすくて、確かにかわいいです。

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    2022年11月14日
  • 新版 死を想う

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    ネタバレ

     死についての対話、先日、曽野綾子と石原慎太郎の対話の本を読み、ほぼ対話になっていなかったことを覚えています。本書は石牟礼道子さんと伊藤比呂美さんの対話の形ですが、伊藤さんが聞き役といった感じです。「死を想う」、2018.7発行。石牟礼さんの言葉は、しみじみとした心に響く優しさ、そして重さがあります。「浜辺の歌」と「椰子の実」がお好きとか。3年前からパーキンソン病、起きるためにベッドの脇の柵を握る、ペンを握る、箸を握る、それぞれの握力の違いを吐露されてます。また、この病は、食品か環境からくるのではと。

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    2022年08月27日
  • 女の一生

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    伊藤比呂美さんが、枝元なほみさんと親友だったとはー。お二人の共著も読みたくなりました。子育てだけではなく、老いた親との付き合いかたなどに触れられていたのも良かった。
    巻末の年表も楽しい。影響を受けた先生の話など面白く読めました。

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    2022年08月06日
  • ふたつの波紋

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    ネタバレ

    飛翔能力があるから詩人なのであって・・・(伊藤
    歌詞って、歌ってなんぼ、聴いてなんぼ(町田
     歌いたいと思うもの、ああいいなと思うもの 音と発せられたところがすべて
     カッコよくした文章が声に出したとき、意味の分からない音になってしまう可能性

    語りもの  目の前で音が発せられているかのような錯覚 (伊藤
     「私」にこだわり続ける  実は「私たち」
    自分らしい語彙 本当の意味で使えるか 世界観 (町田

    自分の力で何かをコントロールしたい (伊藤
    比喩で話を転がす、小ネタを入れ込む話芸 (伊藤から見た町田

    言葉も植物も私たちの周りに繁茂する(伊藤
    言葉にはそれが生まれてきた理由や成り立ちがあ

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    2022年07月10日
  • 女の一生

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    最後の母親の呪いを解いたことばが胸に刺さりました。
    家族だから許せない事があって、
    家族だから許せる事があるのだと思います。

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    2022年05月05日
  • 新版 死を想う

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    此処にひとりのほとけさまがいる。
    もはや、詩人伊藤比呂美を聞き手にした石牟礼版「歎異抄」。
    人は何故生き、何故死ぬのか。

    ‥‥次の世というのは、あるんだと思いますよ。「次の世は良か所に、行かれませ」って言いますよ。亡くなったあとに、体を清めてあげるときに。
    ‥‥人間というのはね、「願う」存在だと思いますね。(略)逆に言えば、人間はそれほど救済しがたいというか、救済しがたい所まで行きやすい。願わずにはいられない。
    ‥‥(この世に生まれた意味は?と聞かれて)役割とも違いますね。役割を自分は見つけたとしても、その役割を果たすのは至難の業で、ただ、なんか「縁」がある。
    ‥‥(死とは何かを聞かれ)(賢

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    2022年05月04日
  • 作家と楽しむ古典 平家物語 能・狂言 説経節 義経千本桜

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    『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』は一冊も読んでいないし読む気もないが、現代語訳をした方々が何を思ったのか、そして単純に「平家物語」と付くものは何でも摂取したいという気持ちから手に取りました。

    「平家物語」古川日出夫
    …『平家物語』のなかで人は本当によく泣きますよね。…月を見て泣きます。風が鳴ると泣きます。…現代のわれわれは近代ヨーロッパ以降に教育された泣き方しか知らないんです…現代の教育が入ってくる前の人は別の感性をもっていて、別のことで泣いていたはずなんです…(p.48)
    私は月を見て泣き、空の色が変わっていくのを見て泣く人間なので、そうか私は別の感性で生きている人間なのかと指摘された

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    2022年04月21日
  • 女の一生

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     人生経験豊富な、女として果敢に生きるための師匠を得たような本。どうしても、こういう話題は母親と話しても対立しちゃうのよね。読み易い。母や恋人との関係、女として生きることに悩む、若い女性へ送りたい本。手に取った後気づいたが、NHKの「理想的本箱」にて紹介された本だった。

     結婚相手や両親など近しい関係ほど、「あたし」と「あなた」を分けることが大事だと感じた。

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    2022年02月22日
  • たそがれてゆく子さん

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    共感しかない。良いおっぱい…の頃から、いつも表現できない 私のもやもや心を スラスラと小気味良いリズムで 片っ端から語ってくれる。

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    2022年02月06日