遠田潤子のレビュー一覧

  • ミナミの春

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    カサブランカという伝説の姉妹漫才師を軸に1970年の万博から2025年の万博まで物語が展開していく。
    ザ・大阪の人情ものなんだけど、なんというか、滑稽さが足りない気がして物足りなさを感じた。織田作之助や田辺聖子に比べるとなんか余韻がない、というか。
    最後のハナコ姐さんの挨拶は予期せず感動したが漫才やお笑いを小説にするのは難しいものだなぁ、と思った。(漫才の台本を挟まれて、伝説の舞台と言われても面白さが伝わらないから冷めるというか…)

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    2025年08月09日
  • ミナミの春

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    ネタバレ

    遠田潤子作品 2冊目を手に取りました。

    前回読んだ『人でなしの櫻』は ちょっとゾクゾクするような人の狂気が溢れて それでも一気読みの本だった。

    今回は舞台は大阪
    伝説の漫才姉妹の「カサブランカ」の姉 チョーコを中心に
    関りある登場人物たちが それぞれの人生の挫折や・孤独を味わいながら それでも前に進んでいく 
    連作短編小説

    この作品の面白いところは 1作品ごとに
    人生に寄り添うような禅の言葉が出てくるところ
    ・閑古錐(かんこすい)
    ・惺惺着(せいせいじゃく)
    ・一笑すれば千山青し
    ・花開く万国の春  などなど

    でも この話の中で ぐゎんと心に波を起こしたのは
    「親は愛情で子どもを壊せる

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    2025年08月09日
  • ミナミの春

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    ネタバレ

     大阪観光で歩いた橋やお店などが多く登場し、久しぶりに行ってみたくなった。
    『アモーレ相合橋』『ミナミの春、万国の春』の2作が良かった。 「アモーレ相合橋」や「千羽鶴鶴に乗って」は実在しない曲のようだが、もしあるとしたら聴く人の心に響くいい曲なんだろうなとイメージする。
     
     ➖印象に残ったところ➖
     運命。自分にも他人にも、いついかなる時にも使えるこの世で1番陳腐でタチの悪い言葉だ。
     罰が当たったから、これが自分の運命だと言う。罰を当てたのは神様。つまり自分は悪くないとでも言うのか。

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    2025年06月28日
  • ミナミの春

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    大阪人やから地名、店名とかは馴染みがあります。
    年齢バレしますが各時代の熱みたいなんは感じられました。
    カサブランカのチョーコさんのモデルが誰なんかわからん、そんな綺麗な芸人さんおったかなあ…
    ミャクミャクは慣れるみたい(笑)

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    2025年06月24日
  • あの日のあなた

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    主人公とお父さんの感じが、少し現実感に乏しく、読みやすくはあったけど、星3つ。
    課題が多い家族と完璧な家族と…人間味がもっとあったらいいのにと思います。

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    2025年06月11日
  • アンチェルの蝶

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    和製レオン(というには今一歩及ばず)な感じかな〜と思ってたら、ちゃんと遠田潤子さんぽさが炸裂してた。
    動機に「それ」を持ってくるのには安直な印象を受けつつも、遠田さんの筆力で読み切った。
    これまで読んだ著作の中では一番良かった。

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    2025年05月24日
  • ミナミの春

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    遠田潤子さんのイメージがだいぶ変わった。馴染みのある場所がたくさん出てきて楽しく読んだ。アモーレ相合橋の話が一番好き。

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    2025年05月12日
  • カラヴィンカ

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    ネタバレ

    「鳴いて血を吐く」の加筆修正、改題した作品とのこと。蔵や、ギター、閉鎖的なムラなど既視感があったのはそれか…
    藤屋と斧屋の二軒の旧家が濃厚かつ執拗に代々の人間にのしかかる。入り組んだ話が更にもつれ正しい事は何か分からなくなる。それぞれの言い分はあるものの全体に哀れで悲しく苦しい。
    遠田さん、これほどの作品を書いてすり減らないのかな…読んでるだけで疲弊してしまう。

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    2025年05月12日
  • 人でなしの櫻

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    芸術家・天才の感性を、人間の業と分かりやすく結びつけて書いていた。気持ち悪い、でも見ちゃう、で最後まで読ませる筆力が凄い。でもかなり人を選ぶ。

    個人的には、天才本人がこんなに分かりやすく「描く理由や動機」を自覚するかな?と違和感もあった。読者を納得させなきゃいけないので仕方がないのだけど…
    主人公が両親妻への愛憎をしつこいほど語るたび、これって天才というより、事実と作品を結び付ける評論家や研究家の目線だよな?と感じてしまった。天才の衝動を、我々一般人にも噛み砕けるレベルの情報まで落とした感。それって叔父(凡人)の小説と何が違うの?とも…

    蓮子に、物語のための仕掛け以上の魅力を感じきれなかっ

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    2025年03月19日
  • 人でなしの櫻

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    女の子誘拐っていう背表紙のあらすじと表紙の綺麗さで購入。
    久しぶりに文を読んだ私からしたら、中くらいの読みやすさ。
    主人公は、最も憎むべき人間と同じ血を持つことに葛藤しながらも、自らの道を模索する。世間から非難されようとも突き進む姿、羨ましいなと思う。


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    2025年02月21日
  • 廃墟の白墨(はくぼく)

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    私が近い父親の元に届いた
    薔薇の絵の写真と手紙
    息子ミモザは 父に代わって指定された場所へ
    そこは廃墟のようなビル
    待っていたのは三人の老人
    そこで語られる 父親も若かった頃のそのビル
    での出来事

    物語の導入部分で 四人の男達と明石という女性
    そして彼女の娘、白墨との生活が語られる
    「ティファニーで朝食を」を陰鬱にした雰囲気で
    どうも苦手と思ってしまう
    そして、それはさほど間違っていなかったようで
    小説半ばで「ティファニーで朝食を」の映画に行くといったシーンでタイトルが使われる
    奔放な女性として作者も意識したのかと思う

    当然遠田さんが奔放な女性で終わる事はなく
    明石が抱えていた父親の問題

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    2025年02月03日
  • ドライブインまほろば

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    ドライブイン、懐かしい響きだ。
    東北の田舎出身なので、子供の時にドライブインに家族で立ち寄ったことはあるし、ドライブインという言葉も馴染み深い。
    ただ、それがどういう位置づけのものなのかよくわかっていなかった。
    そうか、ドライブインという言葉が死語になったのは道の駅が普及したことも原因なのか。田舎なら、駐車場の広い飲食店もあるし、わざわざドライブインを選ばない人も増えたのだろう。

    ノスタルジックで温かみのあるタイトルではあるものの、登場人物たちは余すことなく負の連鎖、不幸の連鎖だ。
    想像を超える、陰湿な不幸だ。
    色々つらいんだけど、私が一番きつかったのは、憂が唯一好きだったおじいさん、それも

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    2025年01月14日
  • 緑陰深きところ

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    なんだかピンと来なかった。登場人物の振る舞いが納得できないことだらけ。リュウという人物と出会ったことで主人公の心が変化して行くのはわかるが、たった数日で70年余り壮絶な人生を過ごしてきた人が、こんなに変わるかな?リュウの恋人という女性の設定も取ってつけたよう。漢詩とかオールドカーとか雛飾りとか、小道具は凝ってるけど、それだけ。リーダビリティは高いからすぐ読める。

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    2025年01月03日
  • オブリヴィオン

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    遠田さんが惹かれるという「理不尽ななにか」

    妻を殺害した男の服役後
    迎えたのは 実兄と義理の兄

    男のそれまでの人生を丁重に遡って
    男とそれぞれの兄との関係性が
    物語が進むにつれて変化していきます
    そして 登場人物達とそれぞれの父親との関わりが物語の重要な課題になります

    妻を殺してしまったその理由は
    可愛い一人娘が誰の子供かわからず
    父親としての混乱からか

    亡くなってしまった妻と 出所後知り合った
    出自の不幸な女の子を重ね合わせながら
    これからの幸せを探すラストは素敵だなと思いましたが、奇跡の出来事をストーリーの重要なポイントにしない方が良かったのでは、とちょっと思う
    理不尽な何かは奇跡

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    2024年12月24日
  • 月桃夜(新潮文庫)

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    2009年第21回日本ファンタジーノベル大賞
    そして、遠田さんのデビュー作

    薩摩の支配下にあった江戸時代の奄美
    その階級社会最下層の少年と少女
    現代の奄美の海上を カヤックで漂流する少女
    その兄との生死を彷徨う事故と病気

    奄美の伝説が元にはあるようです
    ファンタジーであり
    歴史物であって
    兄弟の物語になっています
    そして 兄達は過ちを犯す

    デビュー作とは思えない物語の幅の広さです
    私には この両方の兄達の頑なさが
    憐れから 穢れへと移りゆく事が苦しかった

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    2024年12月18日
  • 二周目の恋

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    7人の短編。初めて読んだ波木銅の「フェイクファー」が意外に面白かった。学生時代のサークル「ミッシング」で着ぐるみを作ったり着たりして楽しんだ頃と仲間たちの話し。
    「裁縫は暴力の逆だから好き」と言う発想も面白かった。

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    2024年09月28日
  • 蓮の数式

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    夫と義母からのモラハラに耐え続ける千穂。その生活から透をきっかけにして生きるために逃げる。

    ディスカリキュリア(算数障害)の透との刹那的な生活に希望を抱く千穂。でもその生活が続かない事は千穂がよく分かっている。そんな生活に希望を見ないといけない千穂の心情が破滅的だ。

    出てくる人がみんな幸せではない重い内容だった

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    2024年09月17日
  • 緑陰深きところ

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    大阪ミナミの旧家の医者の息子と言っても70歳を超えてるんだけど、大分の日田の兄からハガキが届く。
    二人の父は戦争帰りで命の恩人の娘と兄が許嫁となる。結婚式の日、弟と娘が駆け落ちしていた。連れ戻された娘と兄は結婚するが5年後に嫁と娘と義父を巻き添えにした無理心中をはかり、死にきれずに刑期を務めた後、日田で暮らしていたようだ。
    70歳を超えた弟が最愛の女を殺された恨みを晴らすために思い出の日野のコンテッサに乗って兄を殺しに旅立つ。このコンテッサがニコイチの悪徳車で売った店の元店長がついてきたり、病気だったり、その恋人が現れたり、クネクネしながら最期に向かう。
    そして兄は既に死んでおり、無理心中とい

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    2024年08月24日
  • ドライブインまほろば

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    家族間の負の連鎖って続いてしまうものなのかな…どうか彼らの代でこの連鎖が終わりますように。みんな根は潔白で、優しい人々だから…(T ^ T)

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    2024年08月09日
  • 紅蓮の雪

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    ネタバレ

    202402/好みではないが物語に引き込む力がすごい。ちょっとVCアンドリュースぽいかも。母親はそれほど嫌悪感ない突き抜けつらぬいてるからか。生い立ちゆえとはわかってても伊吹と朱里の練習のほうが受け入れがたい…。父親弱さと無責任。伊吹は好きになれない。

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    2024年07月27日