遠田潤子のレビュー一覧
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皆様が 遠田さんの新作を読んでいるというのに…
今ならすぐ読めるコーナーに差し込まれていた本作を。
紅蓮とは、燃えさかる炎のように赤い蓮。
激しい怒りや情念、苦しみが噴き上がるさまを表す言葉であり、
仏教用語「紅蓮地獄」に由来する、激痛と怨念の象徴でもあります。
渦巻く地獄に堕ちた親子。
汚れた血脈は、双子の姉弟を幼少期から呪縛として絡め取っていく。
久しぶりの遠田潤子作品。
冒頭の展開は早く、あっという間に演劇の世界へ引き込まれた。ただ、あっという間すぎて
そんなには上手くいくまいとは思います。
歌舞伎でも繰り返し上演されてきた『三人吉三』の因縁が、物語の中に巧みに織り込まれていました。
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Posted by ブクログ
山田風太郎賞
星3.5
本を選ぶ基準の一つに、賞をとったということも置いているので、山田風太郎賞を受賞した本作を読んでみる。
初読みの作家さん。他の方のレビューでは、本作は、今までの作風とがらっと変わったらしい。
本作では、ビジネス街のキタではなく、ミナミの雰囲気が漂っているが、今までの作品はどうだったのだろうか。
連作短編集であり、時代も1970年の大阪万博、1995年の阪神淡路大震災あたりから、2025年の大阪万博あたりまで。(1970年の万博開催中、天六の地下鉄建設現場で79人もが亡くなる大事故が起きていたとは!)
当然、登場する人物も歳を重ねているが、一貫して関係するのは、『カサブランカ』という女性漫才コンビ。
最後の一作は書き下ろしということだが、あらかじめ構想してあったのか、話がうまくまとまっている。ちょっとうまく行き過ぎの感もあるが。(追記: 山田風太郎賞のスピーチを読むと、最後の章は当初書いたものが編集者からダメ出しされたため、書き直ししたそうだ。そのため受賞できたと思うとのこと)
印象に残ったのは、東京アクセントで話す男の人が複数出てきたところ。このことで、その人の性格や生い立ちなどを現しているのだなあと感じた。(奈良の十津川村が標準語アクセントとは初めて知った。)
全編が共感できるわけではなく、ちょっと極端な家族の話もあったが、文章も読みやすく、大阪の空気感を感じさせる本作のような小説をまた読みたい。 -
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漫才姉妹コンビ、カラブランカの「チョーコ」と「ハナコ」に関わる人とか、関係ない人とかの主に親子関係をめぐる連作短編集。
1話目 カサブランカの後輩コンビ「はんだごて」。もう解散してしまったが、解散のきっかけは妊娠だった。ただ「はんだごて」ハルミは阪神大震災で娘を残して死んでしまい…
2話目 母は家族のためにご飯を作った。吐きそうでも満腹でも、とにかく残すことは許されない。ぶくぶくと太る。父が心筋梗塞で死ぬまで食事の強制が続く。
3話目 編曲家と売れない歌手の話
4話目 男運の悪い女たちの話
5話目 義理の父娘の話
6話目 一夜限りの「はんだごて」復活 -
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ネタバレ愛憎劇という言葉がぴったりで、
テレビドラマを見ているかのような感覚で、ページを捲る手が止まらない。
庭師である雅雪は、遼平という親のない子どもを支援している。
しかし、前半は支援している理由は明かされず、さまざまな痛い展開が満載。
後半になってから、この物語は雅雪の成長と葛藤を描くものだとわかっていく。
愛と憎しみ、持てる者と持てないものの埋められない溝。
その中で苦しむ人たち。
悩むだけでは先に進めない。
でも、進んでしまったら後には戻れない。
その先のちょっとしたボタンの掛け違いから起きる悲劇。
他人の不幸は蜜の味。愛憎劇のメンターテインメント。 -
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芸術家・天才の感性を、人間の業と分かりやすく結びつけて書いていた。気持ち悪い、でも見ちゃう、で最後まで読ませる筆力が凄い。でもかなり人を選ぶ。
個人的には、天才本人がこんなに分かりやすく「描く理由や動機」を自覚するかな?と違和感もあった。読者を納得させなきゃいけないので仕方がないのだけど…
主人公が両親妻への愛憎をしつこいほど語るたび、これって天才というより、事実と作品を結び付ける評論家や研究家の目線だよな?と感じてしまった。天才の衝動を、我々一般人にも噛み砕けるレベルの情報まで落とした感。それって叔父(凡人)の小説と何が違うの?とも…
蓮子に、物語のための仕掛け以上の魅力を感じきれなかったのも大きかったかも。去り際の都合が良すぎるので尚のこと…
捏造されたファムファタルが、主人公を失ってどんな風に変質していくのか、崩れていくのか、腐れていくのか、彼女の九相図にして、一個の人間としての生まれ直しこそ、もっと読ませてほしかった。 -
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私が近い父親の元に届いた
薔薇の絵の写真と手紙
息子ミモザは 父に代わって指定された場所へ
そこは廃墟のようなビル
待っていたのは三人の老人
そこで語られる 父親も若かった頃のそのビル
での出来事
物語の導入部分で 四人の男達と明石という女性
そして彼女の娘、白墨との生活が語られる
「ティファニーで朝食を」を陰鬱にした雰囲気で
どうも苦手と思ってしまう
そして、それはさほど間違っていなかったようで
小説半ばで「ティファニーで朝食を」の映画に行くといったシーンでタイトルが使われる
奔放な女性として作者も意識したのかと思う
当然遠田さんが奔放な女性で終わる事はなく
明石が抱えていた父親の問題
娘白墨が記憶させられた殺人、等
男達の贖罪と共に語り尽くす
親として欠落した部分がある母娘
男達によって作られたか
振り回されたのは男達か
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ドライブイン、懐かしい響きだ。
東北の田舎出身なので、子供の時にドライブインに家族で立ち寄ったことはあるし、ドライブインという言葉も馴染み深い。
ただ、それがどういう位置づけのものなのかよくわかっていなかった。
そうか、ドライブインという言葉が死語になったのは道の駅が普及したことも原因なのか。田舎なら、駐車場の広い飲食店もあるし、わざわざドライブインを選ばない人も増えたのだろう。
ノスタルジックで温かみのあるタイトルではあるものの、登場人物たちは余すことなく負の連鎖、不幸の連鎖だ。
想像を超える、陰湿な不幸だ。
色々つらいんだけど、私が一番きつかったのは、憂が唯一好きだったおじいさん、それも十年池のことをカレンダーに書いて約束を守ろうとしていたおじいさんが、あまりにあっけなく、理不尽に殺されてしまったこと、かな。
憂が心の拠り所にしていた人が死んでしまったことがね・・・つらい。おじいさんの死を、憂が知らずに済みますようにと願ったけれど、そんなわけもなく。
生きるのに意味なんていらん。
子どもは死んだらあかん。
比奈子のこの言葉は、とても共感したし、響いた。
当たり前な言葉なんだけど、そんなストレートな言葉が強くてうれしかった。
清廉潔白な人が出てこないけれど、やはり子どもは守らなければならないと、私も心から思う。
子どもは、選択権がないのだから。
比奈子の最後の夢は、いつか叶う気がする。
憂と来海と比奈子が一緒に幸せになれれば良いなと思うけど、一緒に暮らせるようになってからが、また試練なのかもしれないね。
人生が変わるほどの美しい自然風景、私も見てみたい。 -
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遠田さんが惹かれるという「理不尽ななにか」
妻を殺害した男の服役後
迎えたのは 実兄と義理の兄
男のそれまでの人生を丁重に遡って
男とそれぞれの兄との関係性が
物語が進むにつれて変化していきます
そして 登場人物達とそれぞれの父親との関わりが物語の重要な課題になります
妻を殺してしまったその理由は
可愛い一人娘が誰の子供かわからず
父親としての混乱からか
亡くなってしまった妻と 出所後知り合った
出自の不幸な女の子を重ね合わせながら
これからの幸せを探すラストは素敵だなと思いましたが、奇跡の出来事をストーリーの重要なポイントにしない方が良かったのでは、とちょっと思う
理不尽な何かは奇跡ではないし
奇跡の為に受けた仕打ちは理不尽な何かかもしれないけども