遠田潤子のレビュー一覧

  • 蓮の数式

    Posted by ブクログ

    何度もため息をついて本を閉じた。
    12年前の殺人事件の真相や高山透の正体のミステリーの謎解きはもちろん、二人の逃亡生活の顛末が気になって先を読み進めたいとはやる気持ちもあるのに。
    僅かな自分の大切なものを守るために躊躇も罪悪感も後悔も無く人殺しを重ねる透の心の壊れっぷりが凄まじくて、あまりに不幸な生い立ちに同情しても真っ直ぐに感情移入が出来きず、逃亡劇が順調でもモヤモヤするし悲惨な結末に突き進んでいっても悶々とする。
    一筋の希望の光が差す結末ということなのか。この悲痛な物語を読んだ後には直ぐには素直にそうは受け止められない。

    0
    2022年07月18日
  • 廃墟の白墨(はくぼく)

    Posted by ブクログ

    74
    最終章で全てのことがわかるお話しは好きでは無いが、この作品にはそうせざるを得ない様な重みがある。二度とやり直せない人生だから、これからどう生きるかとが問われている様な気がする。

    0
    2022年06月28日
  • 廃墟の白墨(はくぼく)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    好みではないですが、視点が入れ替わることで、間延びせずに読むことが出来ました。大人が酷くて、子どもに影響が行くのを、「しかたない」としたくないです。

    これでもかというほど、悪い方の道を選んでしまうことに対して、「器用には生きられない自分を肯定する物語として読む」と解説に書いてありました。この本の登場人物の不器用を肯定するのであれば、責任をもった生き方は合わないのだから、それは一生、明石ビルからは出られない生き方なんだろう思いました。

    0
    2022年05月15日
  • 冬雷

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    伝統、ならわしの裏側にある昏い御話。


    ある小説家のスピーチを舞台にした作品でもありました、冒頭の入りはとても重要と。
    本作の入り方はとても好きだが、なんせドロドロ過ぎたのが残念で、少しもったいなさを感じる作品でした。

    0
    2022年01月18日
  • 冬雷

    Posted by ブクログ

    今年知って、この本から読み始めた作家さん。重苦しいストーリーながら、ぐいぐい読ませる文章力が魅力的。最後の方、読んでいて、とても美しい映像が脳裏に浮かび上がってきた。他の作品も読もうと思った。

    0
    2021年11月21日
  • 蓮の数式(分冊版) 【第14話】

    ネタバレ 購入済み

    算数障害って

    まだ読んでる途中ですが大西麗の人格がどのようにして出来上がってきたか千穂と転々と旅をしながら徐々にわかってきます。生まれつき算数障害があるなんて悲しすぎる。まだせめて親が気付いて学校に通わせてたら人生が全然違ったかもしれません。そう思うとやりきれないです。

    0
    2021年09月19日
  • 雪の鉄樹

    Posted by ブクログ

    物語は、事の真相が全くわからないまま、半ば以上まで進む。主人公はひどく屈折した愚直な男性で、終始イライラさせられっぱなし。もう読み進めるのを止めようか?と思ったあたりで、急速に一つ一つが明らかになってゆく。その引っ張り加減が絶妙で、結局最後まで読まされてしまった。
    正直、人に薦めたくなる作品ではないし、誰にも共感できない。だが、棘のように刺さる。妙に忘れ難い。
    煩悶、懊悩する人々に、自身が重なるようになり、まるでロシア文学を読んでいるように感じた。
    人間とは、文学でどこまで深く潜っていけるのか?作者の挑戦心のようなものを感じた。
    心に余裕があるときに一読を。

    0
    2021年08月17日
  • オブリヴィオン

    Posted by ブクログ

    オブリヴィオン=忘却と赦し。赦されざる罪を犯した男に救済は訪れるのか。闇の中でもがき生きる人間の痛みと希望を描く長編小説。
    遠田作品の男たちは本当に生き方が不器用だ。咎を抱えて生き続ける、それは決して笑うことのない人生である。胸を締めつける展開ばかりだが、常に小さな希望は見え隠れする。その加減が、この作者は巧い。

    0
    2021年06月16日
  • 冬雷

    Posted by ブクログ

    読んでいて、いつの昔のストーリーかと思った。携帯電話が出てくるので現代の話とわかるが、主人公の古臭い名前や因習に縛られた昭和前半の話のようで楽しめなかった。

    0
    2021年04月28日
  • あの日のあなた

    Posted by ブクログ

    遠田さんの作品は、「月桃夜」、「アンチェルの蝶」と読んできての、この作品ですが、何となく共通点というか、伝えたい事が見えてきた気がしました。

    人生には、楽しいことだけではなく、辛いこと、苦しいこと、やるせないこと等も存在すること。そして、それに向き合わなければならない。遠田さんの作品は、とても辛いことの方が多いのだけど、その中でも数少ないが、強く在り続けるひかりのようなものが、生き続けていれば見えてくること。そこに、辛い現実を生きてきた甲斐があったなと、思えるような素晴らしさ。この作品では、あたらしい世界ということになるのでしょうが、家族の在り方について、色々考えさせられました。

    家族という特別な関係は、思いが深い故に、時に悲しみや怒りとともに、誤った方向へ、人をいざなってしまうこともあるのだろうか。この作品では、家族という関係の素晴らしさと悲しさを、共に示された気がします。ただ、素晴らしさの方には、やるせない部分もあるので、それがまた、作品だから美しいと思えるのかもしれませんが、当事者たちにとっては、本当に大変だっただろうと思いました。

    また、登場人物の「片瀬和彦」の、本当に細かくて繊細な心理描写には、脱帽させられました。遠田さんの人物に対する真剣なまでの創造力を感じました。

    ただ、物語がほとんど片瀬和彦の息子「在(ある)」の、父親の真実探しに終始するため、そこは、ややもどかしく単調な展開と思われるかもしれません。

    以下、ネタバレ含みますので、ご注意を。









    私が最も印象に残ったのは、上記した家族の素晴らしさである、片瀬和彦と森下翠のお互いの愛情です。

    唯一、翠の吃音を気にしないでいてくれた和彦と、家族から愛情を注がれなかった故に、寂しさを覚えて、ぶっきらぼうに見られた和彦に対して、自然に接した翠のふたりは、正に、お互いがお互いを必要としており、ふたりには、それがしっくりいっていることが無意識に実感出来ていた。それが、これまで体験したことのなかったことで、あたらしい世界と呼んだわけです。

    ただ、そう思っていたのは当事者たちだけで、周りとの悲しいくらいの温度差と誤った解釈による悲劇は、本当にやるせないものがありました。

    そして、終盤の和彦の手紙を読むと、和彦が本当にどれだけ辛い人生を送っていたのかを痛感させられました。それでも、亡くなった時に、笑うことが出来たって。人はここまで強くなれるのだろうか? 

    一瞬、疑ってしまう自分自身が恥ずかしいが、物語の力というのは、こういうところにあると、私は思っています。

    また、エンディングの、在と、翠の姪の「水樹」の、ささやかだけど、前向きな終わり方も良かったです。物語が終わった後も前途は暗いかもしれない。特に、水樹はまだまだ辛いことがあるだろうけど、そこは成長した在が、正に、和彦のように格好良く支えてくれるだろうといった希望を感じました。
    水樹には、本当に幸せになってほしい。

    0
    2021年03月08日
  • 蓮の数式(分冊版) 【第1話】

    ちょっとしんどい

    主人公は、子供が産めないことで夫と義母にないがしろにされ続けるのですが、それも読んでいてきついのですが、夫のあまりにも自分勝手な感じ(潔癖症?不潔症っぽいところ)と、えらそうな義母、わたし的はちょっと読むのがしんどいです。絵もきれいで気になっていた作品だったのではありますが・・・。

    0
    2021年02月16日
  • 冬雷

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第一回未来屋小説大賞受賞作
    圧倒的な筆力で人間の激情を描ききった

    先が気になり、寝不足になりながら読み進めた。そういう意味では、帯の通り「圧倒的な筆力」なのだろう。
    そして、読後感も悪くはない。ずっと続く重く暗い雰囲気と、旧い因習にとらわれた小さな田舎町の人々の陰湿さと、読んでいて重たくなる一方の気持ちだが、最後は少し救われる。

    評価をそこまで高くしなかったのは、個人的には、
    これを現代の話の設定としては入り込めなったことと、なぜ倫次が愛美をそこまで好きになり(年の差も含めて)、甥っ子を殺めてしまったことを隠すことまでしたのか、徐々に事実が明らかになればなるほど、納得や共感よりも、なぜ?と言う感覚になったから。

    そんな田舎町の歪んだ狭い関係性の大人たちからでも、
    結季と言う、希望のような存在が生まれたことが救い。
    結季が大きくなって、望まなくても自分や周りに関する情報を知ってしまったとしても、残すべき文化・伝統と、残すべきでない因習を分けて考えて、嘆き諦めるのではなく、賢さと可愛さを失くさずに、新しい世代を作っていってくれるといいな。

    0
    2021年01月20日
  • 冬雷

    Posted by ブクログ

    辛い物語だった。
    因習とは、そんなにも強く人々を縛るものだろうか? 「自分たちの代で習慣を変えるのが怖いのよ」と言っていたが、そんな理由では弱い気がする。

    0
    2021年01月18日
  • オブリヴィオン

    Posted by ブクログ

    202008/設定や人物、展開など今作も遠田先生ならではの世界観・空気感で、胸が痛くなりつつも堪能。やはり全作追いかけたい作家さんだな。

    0
    2021年01月03日
  • 蓮の数式

    Posted by ブクログ

    自分を大切にしてくれない夫と義母の生活にぷつんと切れた妻の逃避行。逃避行の相手は闇を抱えた男。登場人物みんなに悲しい過去が…。

    0
    2020年12月14日
  • 冬雷

    Posted by ブクログ

    ありえない、マニアックな設定の小説だな。と最初は思いましたが、どんどん引き込まれました。前に読んだ、雪の鉄樹もわりと暗い感じ。たまに浸りたい世界間。暗いよ!

    0
    2020年10月21日
  • オブリヴィオン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    銀花の蔵の遠田さんの一冊。
    あらすじが気になってチェック。
    とある事情から妻を殺した森二の出所から物語が始まる。
    大切な人を殺した男が主人公という設定で、開始から既に救われない感じ。
    最後には救いのようなものが感じられて良かった。
    傷を抱えながらそれでも進んでいく。その姿がとても痛々しかった。

    0
    2020年08月30日
  • カラヴィンカ

    Posted by ブクログ

    歌詞のない旋律を母音のみで歌う歌手・実菓子の自伝インタビューに指名された青鹿多聞。二人の繋がりは哀しくも壮絶な過去にあった。徐々に明らかになる真実が解き明かされた時、新たな事件が起こる。
    ちょうど映画の横溝正史・金田一耕助シリーズを再見していたので、本作の没落した旧家の雰囲気や因習、呪われた血の因縁やタブー等の雰囲気にはまった。ただし、登場人物全員に感情移入出来ないのは、読み進めるのが辛い。

    0
    2020年08月09日
  • 冬雷

    Posted by ブクログ

    設定や筋立てはおもしろいけれど、
    生理的にダメ、不快。
    最後の一行では救われず。
    そもそも、ミステリーは得意ではないけれど。

    0
    2020年07月19日
  • 冬雷

    Posted by ブクログ

    因習に縛られた古い港町の名家に、跡継ぎとして引き取られた孤児の代助。家族や恋人ができ、幸せに暮らしていたが、幼い義弟の失踪が原因で町を出ていくことになった。12年後、義弟が遺体で発見されたという訃報が届き…。

    2018年日本推理作家協会賞候補作(落選)。「因習に縛られた」という表現以外に見当たらないほど特殊な田舎社会の特殊な事件が描かれる。昭和臭がプンプンの作品だった。
    (Ⅽ)

    0
    2020年06月21日