遠田潤子のレビュー一覧

  • 冬雷

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    ネタバレ

    第一回未来屋小説大賞受賞作
    圧倒的な筆力で人間の激情を描ききった

    先が気になり、寝不足になりながら読み進めた。そういう意味では、帯の通り「圧倒的な筆力」なのだろう。
    そして、読後感も悪くはない。ずっと続く重く暗い雰囲気と、旧い因習にとらわれた小さな田舎町の人々の陰湿さと、読んでいて重たくなる一方の気持ちだが、最後は少し救われる。

    評価をそこまで高くしなかったのは、個人的には、
    これを現代の話の設定としては入り込めなったことと、なぜ倫次が愛美をそこまで好きになり(年の差も含めて)、甥っ子を殺めてしまったことを隠すことまでしたのか、徐々に事実が明らかになればなるほど、納得や共感よりも、なぜ?と言う感覚になったから。

    そんな田舎町の歪んだ狭い関係性の大人たちからでも、
    結季と言う、希望のような存在が生まれたことが救い。
    結季が大きくなって、望まなくても自分や周りに関する情報を知ってしまったとしても、残すべき文化・伝統と、残すべきでない因習を分けて考えて、嘆き諦めるのではなく、賢さと可愛さを失くさずに、新しい世代を作っていってくれるといいな。

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    2021年01月20日
  • 冬雷

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    辛い物語だった。
    因習とは、そんなにも強く人々を縛るものだろうか? 「自分たちの代で習慣を変えるのが怖いのよ」と言っていたが、そんな理由では弱い気がする。

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    2021年01月18日
  • オブリヴィオン

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    202008/設定や人物、展開など今作も遠田先生ならではの世界観・空気感で、胸が痛くなりつつも堪能。やはり全作追いかけたい作家さんだな。

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    2021年01月03日
  • 蓮の数式

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    自分を大切にしてくれない夫と義母の生活にぷつんと切れた妻の逃避行。逃避行の相手は闇を抱えた男。登場人物みんなに悲しい過去が…。

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    2020年12月14日
  • 冬雷

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    ありえない、マニアックな設定の小説だな。と最初は思いましたが、どんどん引き込まれました。前に読んだ、雪の鉄樹もわりと暗い感じ。たまに浸りたい世界間。暗いよ!

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    2020年10月21日
  • オブリヴィオン

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    ネタバレ

    銀花の蔵の遠田さんの一冊。
    あらすじが気になってチェック。
    とある事情から妻を殺した森二の出所から物語が始まる。
    大切な人を殺した男が主人公という設定で、開始から既に救われない感じ。
    最後には救いのようなものが感じられて良かった。
    傷を抱えながらそれでも進んでいく。その姿がとても痛々しかった。

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    2020年08月30日
  • カラヴィンカ

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    歌詞のない旋律を母音のみで歌う歌手・実菓子の自伝インタビューに指名された青鹿多聞。二人の繋がりは哀しくも壮絶な過去にあった。徐々に明らかになる真実が解き明かされた時、新たな事件が起こる。
    ちょうど映画の横溝正史・金田一耕助シリーズを再見していたので、本作の没落した旧家の雰囲気や因習、呪われた血の因縁やタブー等の雰囲気にはまった。ただし、登場人物全員に感情移入出来ないのは、読み進めるのが辛い。

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    2020年08月09日
  • 冬雷

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    設定や筋立てはおもしろいけれど、
    生理的にダメ、不快。
    最後の一行では救われず。
    そもそも、ミステリーは得意ではないけれど。

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    2020年07月19日
  • 冬雷

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    因習に縛られた古い港町の名家に、跡継ぎとして引き取られた孤児の代助。家族や恋人ができ、幸せに暮らしていたが、幼い義弟の失踪が原因で町を出ていくことになった。12年後、義弟が遺体で発見されたという訃報が届き…。

    2018年日本推理作家協会賞候補作(落選)。「因習に縛られた」という表現以外に見当たらないほど特殊な田舎社会の特殊な事件が描かれる。昭和臭がプンプンの作品だった。
    (Ⅽ)

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    2020年06月21日
  • オブリヴィオン

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    初・遠田潤子さん。
    ざっくり、生まれ育った悪環境から抜け出すのは容易ではないという重いお話。

    森二一家は父親のギャンブル狂いで家庭崩壊。
    兄の光一とノミ屋を生業としていた森二は、ある事件で将来の義兄となる圭一と出会う。
    圭一は良家の育ちの大学院生で温厚な人物。
    森二に人生をやり直す機会を与えてくれた。
    共に応援してくれた妹の唯と結婚し娘にも恵まれた。
    なのに、なぜ唯を殺したのか。
    それはそれは複雑に絡まり合った不運のドミノ倒し。絡まってるから綺麗には倒れないのがポイント。

    予想つくところと私には不発なところがあったので
    強引に複雑にしているようにも感じましたが。

    足を引っ張る。と言うのは上を目指してる者同士のイメージだったのですが、ここでは一人だけ悪環境から出ようなんて許しまへんで(大阪舞台なので関西弁で)という下へ引き込む話で使われていて、頑張っても無駄という無力感が絶望しか生まず、悪環境から抜け出すのは相当難しいものだとズンと胸が重くなりました。
    最後の方に明らかになる森二の過去。親から受ける体罰とその理由があまりにも身勝手で酷く、それを知ってから見る表紙の絵は悲しいです。

    隣に住む少女は指名手配の父親の帰りを待って、アルゼンチンに住む母親に会いにいく希望を持って真面目に一生懸命生きています。その真っ直ぐさ、胸が痛いです( ᵕ ᵕ̩̩ ) ズル賢いヤツらがいい目を見るのはやりきれない。
    重い話ではありましたが光は見えたと思います。

    ⚫︎オブリヴィオン
    忘却・人事不省
    恩赦・大赦


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    2020年05月25日
  • アンチェルの蝶

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    誤って前に読んだ本を買ってしまった。二度目だが終盤のところは覚えていなかった。家庭に恵まれない男の子二人と女の子一人の話であるが、話の終わり方はもう少し工夫がほしかった。

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    2019年12月22日
  • 蓮の数式

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    不妊治療を10年続けていても妊娠しない主人公。同居の義母からもひたすら嫌味を言われ、夫は味方になるどろこか一緒に彼女をなじり全てを束縛しようとする。
    4回目の流産が判明した日、夫が交通事故を起こすが、同乗中の彼女に責任を負わせる。事故の被害者の若い男性はは他人と関わりを持ちたくなさそうで治療費を受け取ることさえも拒んだが、彼が算数障害であることに主人公が気づき、それがきっかけで算数を教えることになったのだが、夫に浮気の疑いをかけられ、彼と共に逃亡する。
    一方で妻をある女に殺された男性は、その事件に関わりのある若い男性を偶然映り込んだテレビ中継で発見したが、その男は子供の頃に死んでいるはずだった。違和感を感じた男性はテレビで見た男を探し、それがやがて逃亡中の男女とも絡み、事の真相が明らかになっていく。

    それぞれが闇の部分を抱え、それをどうにか処理しようとして、逃げる者、口を閉ざす者、真相を明らかにしようとする者などが交錯する。善意の悪が引き起こした事件だったり、悪意の悪が引き起こした事件だったり、どうにも救われない感じ。

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    2019年10月23日
  • あの日のあなた

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    交通事故で突然亡くなった父親の遺品整理で発見された母子手帳。自分と同じ名前が記載された、もう一人の自分はいったい誰なのか。生前の父親の真実を追う息子の姿を描く長編小説。
    人間ドラマとミステリーが融合と言えば聞こえはいいが、どちらも中途半端に終わってしまった感あり。弁護士がいつも思わせぶりなのもズルく感じた。昨今、終活流行だが、遺された家族に迷惑かけないように、身辺整理はきちんとしたい。

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    2019年09月22日
  • 蓮の数式

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    夫と義母に苦しめられながらも十年間不妊治療を続けてきた妻。その苦しみがやがて「事件」を引き起こし、彼女はとあるきっかけで出会っていた青年と逃避行に出ることになる、という物語。

    最初から最後までどろりどろりとした展開で、主人公も青年も夫も誰もかれもが一癖あり過ぎて、簡単に感情移入を許さない「翳」をまとっている。だから例えば酷い目に遭って逃げている主人公にだって「可哀想」とだけ思うことができない部分があって、どう考えたって未来のない行動をしていくのをただ眺めていくしかできない。その無力感を抱かせる人々の物語を、けれど作者のよどみない筆致で読まされてしまう。苦しいと、楽しいことなどないとわかっている物語を最後まで負わせる力がある。素直に凄い、と感じるばかりでした。

    惹かれ合ってその先に地獄しかないとわかっていても、それでもともに歩もうとする二人。妻を自身の所有物として完全に疑わずに行動できる男。善意を振りまいて正義を疑わない女。その正義に怯えてついには自らを罪人にした女。

    業が業を呼び、人と人のわかりあえなさが痛烈に描かれていて、つらくてたまらないお話。けれど、おそらく、見たくないと顔を背けている人の一面であることも間違いはないのだろう。だから、興味を持って読んでしまえるのだろう。
    そう、真正面から人のいやらしさに挑んだお話だと思いました。

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    2019年05月15日
  • 蓮の数式

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    この売女め!…今時そんなこと言わへん言わへんなどと突っ込みどころ満載ながら不思議な魅力を醸し出すノスタルジックハードボイルド。
    そのままのノリで言えばどん底の不幸を背景にした愛と憎悪のコングロマリット、定番のDVやネグレクトだけでなく新手のディスカリキュアの合わせ技も忘れていない怒涛のエンタテインメントは新世界辺りのサービス定食なみの盛りの良さ。
    その心遣いは嬉しいのだが最近ちょっと食いきれへんのも事実、あれもこれもじゃなくて主人公にどっぷり入り込み陶酔できるような孤高の一品を期待したい遠田ファンでありました

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    2019年01月25日
  • あの日のあなた

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    遠田作品は相変わらず暗く重い。
    ずーっと惰性で読んでたけど真相が明らかになる辺りからは一気読み。
    スッキリしない愛の物語という感じ。

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    2019年01月24日
  • カラヴィンカ

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    遠田さんは、不幸を書かせたら天下一品だと思うが、この本はちょっとやりすぎな感じがした。
    遠田作品は大筋が決まっていて、いろんなアレンジで読ませてくれるストーリーが多い。
    新鮮さはないのだ中毒性があって、わかっているのについつい手に取って読んでしまう。そしていつも、読み終えてがっくりと疲れてしまう…。

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    2019年01月19日
  • カラヴィンカ

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    ネタバレ

    田舎の村の二大旧家、藤屋と斧屋。後者は廃れ、前者は健在。斧屋に生まれた実菓子が藤屋を狂わす。人気歌手となった彼女にインタビューすることになった藤屋の多聞。父親も兄も実菓子に殺されたようなもの。しかし本当にそうなのか。

    彼女はそんなに酷い女ですか。最低の女ですか。凄まじい美貌の不幸な少女。男たちが勝手に、彼女をわかってやれるのは自分だけだと思い込んでいたように感じます。彼女は思わせぶりなことなんて何もしていない。冷めた目をしているようでいて、周囲のことをよく見ている。彼女は人をかばって嘘をつく。みんな彼女に救われていたのに、気づかない。結局、相手のことをいちばん考えていたのは彼女なのでは。

    『雪の鉄樹』と『アンチェルの蝶』と同じくらい重くて暗いけど、その2作ほどの圧倒的な余韻はありません。信頼していた人が急に変わる様子など、ついていけない部分があります。それでも、たったひと言、彼女が聞きたかった言葉が明らかになったときはたまらない。

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    2018年11月20日
  • アンチェルの蝶

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    遠田潤子さんの作品は3作目になりますが、どの作品も不幸のオンパレードで感情移入してしまうと立ち直るのに時間がかかるほどです。
    でも、その中でも「最高」を見つけ出す主人公たちにとても共感しました。
    普通に生きている私はこんな強い絆で結ばれた友達がいるのだろうかと思わされる作品でした。

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    2018年10月14日
  • アンチェルの蝶

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    女性がひどいめにあうお話を
    たて続けに詠んだので
    こんなんばっか!うんざり!と感じた
    たまたま続いてしまったからで
    文章は好き
    読みにくいとかこの書き方変だなーとか
    そういう自分にとっての不自然さがなかったので
    気が向いたら他のも読んでみよう

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    2018年09月13日