遠田潤子のレビュー一覧

  • 蓮の数式

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    この売女め!…今時そんなこと言わへん言わへんなどと突っ込みどころ満載ながら不思議な魅力を醸し出すノスタルジックハードボイルド。
    そのままのノリで言えばどん底の不幸を背景にした愛と憎悪のコングロマリット、定番のDVやネグレクトだけでなく新手のディスカリキュアの合わせ技も忘れていない怒涛のエンタテインメントは新世界辺りのサービス定食なみの盛りの良さ。
    その心遣いは嬉しいのだが最近ちょっと食いきれへんのも事実、あれもこれもじゃなくて主人公にどっぷり入り込み陶酔できるような孤高の一品を期待したい遠田ファンでありました

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    2019年01月25日
  • あの日のあなた

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    遠田作品は相変わらず暗く重い。
    ずーっと惰性で読んでたけど真相が明らかになる辺りからは一気読み。
    スッキリしない愛の物語という感じ。

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    2019年01月24日
  • カラヴィンカ

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    遠田さんは、不幸を書かせたら天下一品だと思うが、この本はちょっとやりすぎな感じがした。
    遠田作品は大筋が決まっていて、いろんなアレンジで読ませてくれるストーリーが多い。
    新鮮さはないのだ中毒性があって、わかっているのについつい手に取って読んでしまう。そしていつも、読み終えてがっくりと疲れてしまう…。

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    2019年01月19日
  • カラヴィンカ

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    ネタバレ

    田舎の村の二大旧家、藤屋と斧屋。後者は廃れ、前者は健在。斧屋に生まれた実菓子が藤屋を狂わす。人気歌手となった彼女にインタビューすることになった藤屋の多聞。父親も兄も実菓子に殺されたようなもの。しかし本当にそうなのか。

    彼女はそんなに酷い女ですか。最低の女ですか。凄まじい美貌の不幸な少女。男たちが勝手に、彼女をわかってやれるのは自分だけだと思い込んでいたように感じます。彼女は思わせぶりなことなんて何もしていない。冷めた目をしているようでいて、周囲のことをよく見ている。彼女は人をかばって嘘をつく。みんな彼女に救われていたのに、気づかない。結局、相手のことをいちばん考えていたのは彼女なのでは。

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    2018年11月20日
  • アンチェルの蝶

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    遠田潤子さんの作品は3作目になりますが、どの作品も不幸のオンパレードで感情移入してしまうと立ち直るのに時間がかかるほどです。
    でも、その中でも「最高」を見つけ出す主人公たちにとても共感しました。
    普通に生きている私はこんな強い絆で結ばれた友達がいるのだろうかと思わされる作品でした。

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    2018年10月14日
  • アンチェルの蝶

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    女性がひどいめにあうお話を
    たて続けに詠んだので
    こんなんばっか!うんざり!と感じた
    たまたま続いてしまったからで
    文章は好き
    読みにくいとかこの書き方変だなーとか
    そういう自分にとっての不自然さがなかったので
    気が向いたら他のも読んでみよう

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    2018年09月13日
  • アンチェルの蝶

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    ネタバレ

    評価は3.

    内容(BOOKデーターベース)
    大阪の港町で居酒屋を経営する藤太の元へ、中学の同級生・秋雄が少女ほづみを連れてきた。奇妙な共同生活の中で次第に心を通わせる二人だったが、藤太には、ほづみの母親・いづみに関する二十五年前の陰惨な記憶があった。少女の来訪をきっかけに、過去と現在の哀しい「真実」が明らかにされていく―。絶望と希望の間で懸命に生きる人間を描く、感動の群像劇。

    親を選べない子供達が懸命に生きる姿が良く描かれている。しかし、結局誰も大人になりきれず再び子供が被害者じゃないかぁ~。懺悔も必要だし反省も必要だが今目の前にある現実を受け入れられない主人公にイライラしどうしだった。

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    2018年08月21日
  • カラヴィンカ

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    8月-2。3.5点。
    ギタリストの主人公。父の愛人の娘と、デュオを組む。
    田舎町の、家長の父・兄・主人公、母。父の愛人は同じ街のもうひとつの名家の娘。
    ドロドロとした人間ドラマ。ラストの怒濤の展開が、おもしろい。
    こういうの書かせると、上手い作家だ。

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    2018年08月03日
  • カラヴィンカ

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    解説にもあったけれど「どういうこと?」と思って読み進めるうちに、読まずにはいられなくなっている。遠田潤子の技倆だなあと思う。
    なんていうか、ドロドロしすぎて非現実的にも感じてしまったけれど。
    最後、上手くまとめたようでいて、個人的には生理的嫌悪が拭えなかったな。

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    2018年07月20日
  • 蓮の数式

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    7月-6。3.0点。
    大学教授に嫁いだ主人公。不妊治療10年。
    義母の嫌みに堪えながら暮らすが、数字に拒否反応を示す若者と出会う。

    ドロドロとした人間模様。こういうの書かせたら上手い作家。
    あっという間に読める。

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    2018年07月17日
  • カラヴィンカ

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    アンチェルの蝶に続き、二作目の遠田潤子さん作品。相変わらず不幸オンパレードな登場人物と終盤でこれでもか!と回収されまくる伏線。正直もうちょっと息抜きが欲しいかも。しかし、田舎の名家というのはこうも閉塞的で雁字搦めなのか…。

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    2018年06月20日
  • 蓮の数式

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    蓮の数式
    遠田潤子さん。

    なんなんだー。
    と思いながら、
    どんどん読み進んでしまった。
    いろいろな事柄が、
    最後には、収まって終わった。
    登場人物の気持ちには、
    なれなかったけど。
    面白かった。

    #遠田潤子

    #ミニチュアダックスフンド#犬#犬バカ部#犬好き#犬部

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    2018年04月18日
  • 蓮の数式

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    三ヶ月足らずでこの人の作品を5冊読みました。
    こんなに続けて同じ作家の本を読むのはかなり久し振り。
    今回もまるで読者を突き放すかのような憂いを持った登場人物たち。
    算数障害を持つ透とそろばん講師の千穂。
    この二人、お互いの寂しさの埋め方が吉田修一の『悪人』の二人の関係を彷彿とさせる。

    今回の遠田作品は他と比べると少し異色な感じがして、
    何だか他の作家さんの本を読んでいる様。
    遠田節は健在なのですが。

    ここまで来たら遠田作品、制覇するしかないな。

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    2018年03月18日
  • 蓮の数式

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    ネタバレ

    親による虐待や、ろくでなしの男に追われるという要素から「アンチェルの蝶」を連想させられました。ただ、登場人物のほとんどに共感できなかった点で、これまでに読んだ遠田作品に比べると心象が悪く感じます。

    確かに、高山徹(=大西麗)や安西千穂の過去には哀れみを感じますが、殺人に対する罪悪感のない徹と彼に尽くす千穂、そして実の娘をないがしろにする賢治の身勝手さに対する苛立ちが、それを上回ってしまうのです。

    さらに私が本作を受け入れづらいと感じた決定打があったとすれば、千穂の懐妊を徹が知った時の「あんたの自己満足のために子供を産むな」というセリフ。本作の登場人物のほとんどに嫌悪感を覚える要因はこれかな

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    2018年03月03日
  • 蓮の数式

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    法で裁かれない悪がこの世にはどれほど存在するのだろう。
    殺したいほど憎い相手をそのまま殺しちゃうのは許されないけど、誰の目にも触れられないまま殺されていった心はどうしたらいいんだろう。
    被害者面して死んでいった人間は、天国と地獄のどちらへいくのだろう。

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    2018年02月01日
  • カラヴィンカ

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    恋愛?ミステリー?ある意味ファンタジーな作品。

    すべての登場人物が嘘をつきまくっている中、主人公てある多聞だけがすべての嘘を知らずにいて、村の人々は事実を知りつつ隠して暮らすし、都会で知り合ったはずのマネージャーたちも実は関係あるという、クローズドな関係性を描いたらうまい作家だな、という印象。

    因習に囚われた田舎の村に生まれたことの悲劇が、ひとつの家族を通じてドロリと暗くひたすら書かれている。

    最後の最後、主人公の多聞と実菓子がお互いの思いを吐き出すシーンは、過去の因習から解き放たれるクライマックスなのだが、そこでひたすら「バケツ」「バケツ」と繰り返しているのがなんだか滑稽であった。

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    2018年01月04日
  • カラヴィンカ

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    ネタバレ

    何から何までひどい。どのエピソードも不快ってのが凄いです。最後のほうで、生い立ちから、仕方なかったって語るけど、それさえも不快。

    あまりにひどくて、早く幸せな現実を見せてやってくれと思いながら、読み進めた本です。

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    2017年12月17日
  • 蓮の数式

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    デビュー作から注目していたものの、あまりの昏い破壊力に、自分の気力が負けそうで、気になりながらしばらく手に取っていなかった遠田潤子さん。
    が、近作で爽やかさをまとうようになったと知り、読んでいなかった過去作品を遡って読むことにした。

    撃沈…
    なんという絶望、悪意、閉塞感。
    善意の人の好意すら受け止めることのできない、大きな欠落を抱えた、傷つきすぎた心。
    それでも、泥の中から美しすぎる蓮の花が咲くように、そんな心にも、咲く花があるのだろうか。

    くらくらしながらも、ぐいぐい読まされてしまう力は、やっぱりすごい。
    読後しばらく、リハビリが必要になった。

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    2017年12月06日
  • カラヴィンカ

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    ネタバレ

    201711/すっかりお気に入りの一人となった遠田潤子。改題前の「鳴いて血を吐く」ってのもストレートでいいし、新題の「カラヴィンカ」もいい。後半、吉井や及川のくだりは「だとしてもそこまで?」と強引に思えたけど、やはり一気読みさせる吸引力は見事。この独特の遠田ワールド、佐々木丸美とか好きな人はハマれると思う。

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    2017年11月05日
  • あの日のあなた

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    ネタバレ

    完璧だった父親の、ミステリアスな過去は読んでいてかなり気になるところでした。

    母親ではない、森下翠という存在や、自分より先に生まれているはずだったもう一人の「在」の存在など。

    興味を引かれる点は多く、退屈すること無く読み終えはしたのですが、過去の父親の行動が極端すぎること(殴られても無反応とか)や、翠の日記が赤裸々すぎる点が不自然に感じてしまいました。

    そうした点が気になって、以前読んだ「アンチェルの蝶」「雪の鉄樹」ほど純粋に心を揺さぶられなかったような気がしました。

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    2017年07月05日