遠田潤子のレビュー一覧
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初・遠田潤子さん。
ざっくり、生まれ育った悪環境から抜け出すのは容易ではないという重いお話。
森二一家は父親のギャンブル狂いで家庭崩壊。
兄の光一とノミ屋を生業としていた森二は、ある事件で将来の義兄となる圭一と出会う。
圭一は良家の育ちの大学院生で温厚な人物。
森二に人生をやり直す機会を与えてくれた。
共に応援してくれた妹の唯と結婚し娘にも恵まれた。
なのに、なぜ唯を殺したのか。
それはそれは複雑に絡まり合った不運のドミノ倒し。絡まってるから綺麗には倒れないのがポイント。
予想つくところと私には不発なところがあったので
強引に複雑にしているようにも感じましたが。
足を引っ張る。と言うの -
Posted by ブクログ
不妊治療を10年続けていても妊娠しない主人公。同居の義母からもひたすら嫌味を言われ、夫は味方になるどろこか一緒に彼女をなじり全てを束縛しようとする。
4回目の流産が判明した日、夫が交通事故を起こすが、同乗中の彼女に責任を負わせる。事故の被害者の若い男性はは他人と関わりを持ちたくなさそうで治療費を受け取ることさえも拒んだが、彼が算数障害であることに主人公が気づき、それがきっかけで算数を教えることになったのだが、夫に浮気の疑いをかけられ、彼と共に逃亡する。
一方で妻をある女に殺された男性は、その事件に関わりのある若い男性を偶然映り込んだテレビ中継で発見したが、その男は子供の頃に死んでいるはずだった -
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夫と義母に苦しめられながらも十年間不妊治療を続けてきた妻。その苦しみがやがて「事件」を引き起こし、彼女はとあるきっかけで出会っていた青年と逃避行に出ることになる、という物語。
最初から最後までどろりどろりとした展開で、主人公も青年も夫も誰もかれもが一癖あり過ぎて、簡単に感情移入を許さない「翳」をまとっている。だから例えば酷い目に遭って逃げている主人公にだって「可哀想」とだけ思うことができない部分があって、どう考えたって未来のない行動をしていくのをただ眺めていくしかできない。その無力感を抱かせる人々の物語を、けれど作者のよどみない筆致で読まされてしまう。苦しいと、楽しいことなどないとわかってい -
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ネタバレ田舎の村の二大旧家、藤屋と斧屋。後者は廃れ、前者は健在。斧屋に生まれた実菓子が藤屋を狂わす。人気歌手となった彼女にインタビューすることになった藤屋の多聞。父親も兄も実菓子に殺されたようなもの。しかし本当にそうなのか。
彼女はそんなに酷い女ですか。最低の女ですか。凄まじい美貌の不幸な少女。男たちが勝手に、彼女をわかってやれるのは自分だけだと思い込んでいたように感じます。彼女は思わせぶりなことなんて何もしていない。冷めた目をしているようでいて、周囲のことをよく見ている。彼女は人をかばって嘘をつく。みんな彼女に救われていたのに、気づかない。結局、相手のことをいちばん考えていたのは彼女なのでは。
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ネタバレ評価は3.
内容(BOOKデーターベース)
大阪の港町で居酒屋を経営する藤太の元へ、中学の同級生・秋雄が少女ほづみを連れてきた。奇妙な共同生活の中で次第に心を通わせる二人だったが、藤太には、ほづみの母親・いづみに関する二十五年前の陰惨な記憶があった。少女の来訪をきっかけに、過去と現在の哀しい「真実」が明らかにされていく―。絶望と希望の間で懸命に生きる人間を描く、感動の群像劇。
親を選べない子供達が懸命に生きる姿が良く描かれている。しかし、結局誰も大人になりきれず再び子供が被害者じゃないかぁ~。懺悔も必要だし反省も必要だが今目の前にある現実を受け入れられない主人公にイライラしどうしだった。 -
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ネタバレ親による虐待や、ろくでなしの男に追われるという要素から「アンチェルの蝶」を連想させられました。ただ、登場人物のほとんどに共感できなかった点で、これまでに読んだ遠田作品に比べると心象が悪く感じます。
確かに、高山徹(=大西麗)や安西千穂の過去には哀れみを感じますが、殺人に対する罪悪感のない徹と彼に尽くす千穂、そして実の娘をないがしろにする賢治の身勝手さに対する苛立ちが、それを上回ってしまうのです。
さらに私が本作を受け入れづらいと感じた決定打があったとすれば、千穂の懐妊を徹が知った時の「あんたの自己満足のために子供を産むな」というセリフ。本作の登場人物のほとんどに嫌悪感を覚える要因はこれかな