遠田潤子のレビュー一覧

  • ミナミの春

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    遠田さんは同学年で大阪生まれなのもあってか、共感出来るエピソードも多い。登場人物以外のタレントなどが実名だったのもよし。家族の少しの違和感を描いて「ファンタジー」じゃない手法で前を向かせる所が良かった。

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    2026年06月14日
  • 冬雷

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    閉塞的な町特有のしきたりや大人たちの勝手な都合に振り回される子供たち。
    最初からかなり重苦しい話が続いて、読むのがとても辛かった。

    それぞれの逃れようのない責務とそれに伴う寂しさがこれでもかという程伝わってくる。
    辛い境遇だからこそ救われて欲しいし、町や大人たちには天罰が下ってほしい、そう思うと読む手を止めることなんてできなかった。

    はじめましての作家さんだったけど、一気にファンになりました。









    ところで2人のその後が見たいんだが?

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    2026年06月14日
  • 冬雷

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    ネタバレ

    とても面白かった。
    鷹匠の話ということで、昔の時代の話かと思ってなんとなずっと積読にされていましたが、やっと手に取りました。
    初の遠山さんの作品で少し暗い感じときいていましたが、
    読み応えがあってとてもよかったです。伏線も綺麗に回収していた感じで。入り込みやすくて一気に読み終わりました。また、新しい作家を見つけた感じです。おすすめです。

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    2026年06月12日
  • 邂逅(わくらば)の滝

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    南北朝時代から現代までのスペクタクル大河的な愛憎劇。面白くはあった。

    第1話 いとこ同士の奔と美鳩はセンター入試の勉強中。紅姫の祠にお灯明をあげる。美鳩は今年の滝祭りの紅姫に選ばれている。
    奔の姉の暮葉が昔紅姫役をやって直後に姿を消した。車に撥ねられて捨てられていた。
    奔は苔玉の手入れを頼まれる。朝と晩に霧吹きで水をやるのだ。
    祭り当日、美鳩が蝋燭を祠に捧げ、花を流す。望月という男が現れた。奔は姉の恋人ではないかと思っている。

    第2話 瀧口屋のみよ。仙造と恋仲である。女郎のみよは足が悪くて歩けない。仙造には許嫁かいる。仙造の許嫁の従兄の望月というのもみよのもとに通い始める。

    第3話 次郎

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    2026年06月03日
  • 天上の火焔

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    ものすごく良かった。今月の第一位!たぶん。

    深田城は備前焼窯元がおうちで、祖父は人間国宝。だが父としっくりいっていない。浜本香月は父と母が離婚して父方の祖父母の喫茶店を手伝っている。

    中学校に上がって、2人は陸上部に入った。窯焚きの最中に祖父が倒れて亡くなった。高校になり、大学進学を考える。香月は写真の専門学校に行きたがっている。香月の父が東京で死んだ。後片付けにいく。香月と別れる。京都の大学に入る。

    陸上同好会に入る。昔の思い出とは距離を置き、嘘だらけの自分の世界を作り上げる。誰にも祖父のことは言わない。祖母がやってきて父がALSだと教えられる。結局岡山に帰ることにする。

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    2026年05月28日
  • ミナミの春

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    ネタバレ

    めっちゃ良かった〜。どれもほろ苦い話なんだけど、どこか爽やかで、読者の幸せも願ってくれていそうな連作短編集。素晴らしい群像劇。読後感も最高!ヒューマンドラマっていうんかな、人間の愛と連帯感が感じられる一冊だった。

    舞台は1995年から現代までの大阪。ミナミは大阪ミナミのこと。過去のシーンもあるから、ほんと万博から万博まで、太陽の塔からミャクミャクまでって感じ。吉本興業とかNSCの名前がそのまま出てきた笑。芸人を目指す若者、漫才ブーム、Mー1とお笑いの歴史をたどりながら物語は進む。

    やっぱり大阪の街は芸人やお笑いとの距離が近い。どの話にも出てくるのが漫才師『カサブランカ』のチョーコとハナコ。

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    2026年05月27日
  • 天上の火焔

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    ブクトモの皆さんの高評価&オススメのお陰でめぐり逢えた小説です。素晴らしかったです。個人的には久方ぶりの衝撃。大好きなヒューマンドラマでした。
    洗練されていながら、どこか無骨。
    その絶妙なコントラストが終始心地良く、場面ごとに移り変わる熱を帯びた文章に強く惹き込まれました。
    『人間国宝』『陶芸家』という、自分とは決して近い世界の物語ではないはずなのに、人生とは一本の線だけで形作られるものではなく、散りばめられた点と点を、自ら選び取りながら繋いでいくものなのだと、作中の人物たちを通して深く感じさせられました。
    以前、仕事柄、備前焼の人間国宝の方とお会いする機会があり、一度だけ手を握らせていただい

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    2026年05月10日
  • 天上の火焔

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    息の詰まるような読書だった
    ぐいぐい引き込まれ 終章に入ると
    瀬戸内の穏やかな海が見えてきた

    備前の窯を受け継ぐ三世代
    祖父は人間国宝の 深田路傍
    父は轆轤の名手である 深田天河
    物心つく前に母を亡くした城は
    可愛がってくれる祖父に甘えて育つが
    冷徹な父を理解できず苦悩する少年時代を送る

    備前焼には親しみがある
    良質な土で練り上げ
    釉薬をかけない
    窯の熱風で睫毛が焦げるほど
    高温でニ週間かけて焼き締める
    窯出しされた器には
    胡麻、桟切り…そして
    緋襷の赤が鮮やかに浮かび上がる

    本物の備前焼は硬くて割れにくい
    人間の"業"は燃え立つ焔!
    己の餓鬼に喰い尽くされぬよう

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    2026年05月08日
  • 天上の火焔

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    備前焼の名家に生まれ、歪んだ家族の中で揺れ動きながら成長していく主人公。
    人間国宝の祖父と父親の関係に翻弄されながらも、やがて辿り着いた真実は、哀しみを含んだ深い愛情の物語でした。

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    2026年04月24日
  • 天上の火焔

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    遠田潤子さん初読み

    序章を読んだだけで、これは好きなやつだと確信し、読むのを中断したくなくないと思った。
    備前焼をよく知らない私はまず画像検索して、作品の特徴などを頭に入れる。
    あとは一気読み
    ──読むのが遅い私は一日では無理だけど(;´д`)

    人間国宝の祖父、深田路傍
    轆轤の名手、父・深田天河
    作風も性格もまるで違う二人の間には何があるのだろうか。
    常にピリピリした空気が漂っている。

    そして主人公の深田城は、おおらかで優しい祖父から沢山の愛情を注がれて育った。
    もちろん大のおじいちゃんっ子だ。

    一方、冷たい氷のような存在の父親からは愛情を感じたことはない。

    そんな父子三代の葛藤が渦

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    2026年04月10日
  • 天上の火焔

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    父子三世代の歪んだ愛情に感情が揺さぶられた。
    天上火窯の炎、物原の燃えるような夕焼け、胸に宿る作陶への熱、様々な赤が目に浮かぶような素晴らしい文章だった。
    どれだけこの人たちは苦しんできてしまったのだろうか。
    それ故に、後半は大事に大事に親子の会話を読んだ。

    兵藤さんが城に伝えてくれる話がとてもよかった。
    「大事なことは大声で言わない」P.94
    たくさんの人に向けて喋れば自分にそのつもりがなくても周りに同情を強要する。
    心から思っていることは心から信じている人にだけ聞こえるように言えばいい。

    「本当に大切にすべきなのは、君が理解できないもの、受け入れられないもの、齟齬を感じたものだ。たとえ

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    2026年03月29日
  • 雨の中の涙のように

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    ネタバレ

    人生の苦しみから救ってくれるきっかけはは幸せを手に入れることだけではない。心の傷がいつか天使となって救ってくれるのではないか。そう信じたくなる作品でした。
    葉介が自分の呪いから解放されて、「どこへでも」と答えた最後に希望を感じます。

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    2026年03月15日
  • 天上の火焔

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    父との葛藤、子との葛藤、普遍的なテーマだけど、備前の窯元という極めつけの伝統職人の成長の世界を描きながら、その葛藤を赤裸々に語る。親父っていうのはずるいなと思いつつ、そう思う自分もずるい親父になるからなぁと、どうしても自分にも重ねてしまう。とても読ませる物語です。

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    2026年03月11日
  • 天上の火焔

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    プロローグ

    芸術は爆発だ!の一冊
    爆発と言っても、ベクトルは内から外ではなく
    外から内にだ

    窯の中の温度と己の脳内の温度が共にある種の
    到達点に達しようとしている

    予測のできない未来に只々静観を決め込んだ己と
    対峙した!


    本章
    『天上の火焔』★5
    これまたブク友さん高評価の一冊
    そして、これまたお初の遠田さん♪

    いゃ〰素晴らしいの一言

    親、子、孫、(ひ孫)に渡る歪な家族の物語
    飛び抜けた芸術家は、ある意味人間としては
    欠落している
    欠落している箇所が多ければ多いいほど、それは
    突出するのかもしれない、、、

    ただ、それらが瓦解した時、本当の“家族”
    本当の“愛”を知りそして、“人

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    2026年03月03日
  • ミナミの春

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    最初は暗い話だなあと思いながら読んだけど、徐々に話が繋がってきて最後はピタリと着地。
    傑作と思います

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    2026年03月02日
  • 二周目の恋

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    全部の話が読みやすく、おもしろかった

    特に、綿矢リサさんの「深夜のスパチュラ」は、バレンタイン前夜の片想いする女の子の焦る心情の文章が共感すると共に引き込まれてた。

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    2026年02月23日
  • 天上の火焔

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    備前焼窯元一家の再生と継承を描いた物語。

    伊部の町の天上火窯の窯元で祖父は、人間国宝・深田路傍として名を馳せている。
    祖父の器は遊びとゆとりがあり、気持ち良くて心が浮き立つ。
    父・深田天河の器は、綺麗だけど哀しいと感じてしまう。

    城は祖父に可愛がられいたが、父は冷たく話すらしてくれなかったことに悩み苦しんでいた。

    陽と陰のような祖父と父の間で悩み苦しんでいた城は、祖父が亡くなり、祖母も亡くなって父も病に侵されていることを知り、高校卒業後京都の大学へ行ったままだったが、卒業後に伊部へ帰る。

    やがて、身体の動きがままならなくなった父からこれまでのことを聞き…。

    なんとも不器用な男たちだ…

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    2026年02月20日
  • 天上の火焔

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     感動しました❢

    「優しい言葉、温かい言葉、泣かせる言葉、無責任に褒めたり励ましたりする言葉には気を付けろ。大きな声で大きなことを言ったり、人を安心させたり気持ち良くさせたりすることを言うやつは胡散臭いんだ。君という人間に向けてではなく、たくさんの人間に向けて喋るやつは信用するな」

     「人を成長させてくれるのは気持ちのいい言葉じゃない。いつまでもそこにとどまっていたい、浸っていたいと感じる優しい世界じゃない。君を成長させてくれるのは優しく染み込んでくる言葉じゃなくて、疑問を持った言葉、違和感を言って憶えた言葉、もっと言うと君を不快にし、苛立たせる言葉だよ」

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    2026年02月10日
  • ミナミの春

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    女性漫才カサブランカのチョーコとハナコを軸に2回の大阪万博の間の人間模様を描く短編6作。
    カサブランカに憧れて漫才を始めたはんだごてのハルミは震災で亡くなった。その娘の彩の結婚式にはんだごてが復活する。これが全体の大きな流れ。
    そこに、さまざまなエピソードが挟まる。
    母の復讐。
    一曲だけヒットした作家と歌手。
    戎橋で出会った3名の女子。
    重い父親の愛情。

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    2026年02月02日
  • 天上の火焔

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    期待を裏切らない重厚な遠田劇場。

    舞台は岡山県備前市・伊部。

    包容力があり温厚な人間国宝の祖父・路傍。
    冷徹で体温を感じさせない轆轤の名手、父・天河。

    正反対の二人の狭間で育った城の視点から愛憎と葛藤が描き出されていく。

    1300度の炎がうねる窯とは裏腹に親子の関係は凍りついたまま。
    天河が一人息子に向ける非情な言動には、思わず怒りすら込み上げた。

    だが終盤で明かされる真実に心を揺さぶられ胸が締めつけられる。
    求めていたものは皆同じで何一つ違わないのに。

    静謐な筆致の奥に情念が静かに燃え続ける。

    熱と余韻が長く心に残る一冊。

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    2026年01月22日