遠田潤子のレビュー一覧
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コンテッサ1300クーペに乗って兄を殺しに行く。
物騒なロードノベルの始まりだ。そんな古い車で、70代の男がなぜいまさら兄を狙いに行くのか。しかも途中で追いかけて来た、金髪のひょろっとしたホームレスの兄ちゃんとともに。
兄の征太郎が、幸せにすると誓った嫁が死んだからなのだが、復讐に出る弟の紘二郎にはそうするわけがあった。そして、追いかけて来たリュウは不良な中古車を売っただけの若者なのか。
遠田潤子、やっぱり毎度のことながらその理由が気になって一気に読んでしまった。全員悪者ではないのに、どんどん人生の歯車が狂って行く様はすごい。
先に逝くのは不幸だが、看取ってくれる人がいるのは幸せと言うの -
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どこまでが洗脳でどこからが愛なのか。どこまでが依存でどこからが執着でどこまでが愛なのか。出逢った形があまりにも特殊なせいで、どうしても、どこまでいっても疑ってしまう。蓮子にとって、ヤスノリを超えるキヨヒデがそこにいたのだろうか。それともそれは同一視にすぎなかったのだろうか。人は、出逢った人の中からしか愛する人を見つけ出せない。出逢わなかったら愛することができない。2人にとって、その形はどうあれ、出逢ってしまったことが運命だったとしか言いようがない。愛とは常にそういうものなのかもしれない。
「誘拐」というファクターがなければもっと素直に受けとめられる純愛物語なのだと思うが、あえてそこに踏み込んで -
Posted by ブクログ
暗くて重くて辛くてたまらないのに、遠田さんが紡ぐ物語の最後にはいつも必ずかすかな光が見えます。
想い合っていた女性と無理やり引き離されたうえに、彼女を奪い去った兄によって彼女とその娘が殺されてしまった。その兄から半世紀近く経って届いた葉書を見て、兄を殺しに行く決意をする主人公。そしてなぜだかその地まで同行することになる若者。
主人公ほどには歳を取っていませんが、同じく昭和から令和を生きている者として、さらには登場する大阪に馴染みがある者として、こんな話が実際にあるわけはないけれどあるかもしれないと思わされます。
これもひとつのハッピーエンド。
余談ですが、『ボックス!』と舞台がかぶって -
Posted by ブクログ
以前読んだ著者の『雪の鉄樹』が重苦しい展開だったこともあり、本書もその傾向かと読み始めた。
そんな思いを裏切るような話が続く。
第2章など、ハッピーエンドなハートウオーミングな物語。
各章に端役的に顔を出す俳優の堀尾洋介は、ずば抜けた容姿と才能の持ち主で、人気のアイドルグループから独立して俳優としても確固とした地位を築いている。少しも気取ったところのないそれでいて完璧なスター。
彼の訪ねた店は、スターが訪れた店との評判で行列の賑わいとなり、周りの人びとに幸運をもたらす天使のような存在。
しかし、中盤から彼の家族が描かれ始めると、次第に不穏な雰囲気が漂いだし、最終章の「美しい人生」では彼の知られ -
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因習村といえばそうかもしれない。いま巷で話題だし。私はそれに詳しくないけど。
普通の人間にはそこまで馴染みがなく、だからどこかファンタジーに見てたものが、終盤畳み掛けるにつれ「ここまでとは」という気持ちになるのが、ファンタジーを越えられたような感覚になってよかった。
ファンタジーが過ぎるとどこか身を引くような気持ちになるのだけど、代助は始終正しくあろうとし聡く、聡くあろうとするだけの人間だった。彼を囲むものと彼自身の生々しさとのギャップが面白さの一つだと思う。
ミステリー部分も面白かったし、人間関係も非常に満足で終えられた。自分勝手な人間がいるし真っ当なふりして許されざる事を宣う人間もいるけど -
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どんだけ不幸自慢すんねん!って感じの不幸な人ばかり…
まぁ、自慢したい訳やないにしても…
メインの登場人物だけで…
親にひどい虐待されて、親を金属バッドで…小学生
ひどい親に育てられ、援交クラブみたいなので荒んだ生活を送ってる兄弟、で弟は殺され、自分も人殺し…
最愛の娘を事故で亡くすけど、事故を起こした当事者が自分の母親…ツラい
何か、不幸の、オンパレードやけど、この先も、これが続くとなると、やりきれん…
しかし、小学生に
「…生まれてきて…なんにもいいことなかった」
「僕はなんで生まれてきたんやろ。なんで…」
「生まれてけえへんかったらよかった」
って言われてしまう育て