遠田潤子のレビュー一覧

  • 緑陰深きところ

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    コンテッサ1300クーペに乗って兄を殺しに行く。
    物騒なロードノベルの始まりだ。そんな古い車で、70代の男がなぜいまさら兄を狙いに行くのか。しかも途中で追いかけて来た、金髪のひょろっとしたホームレスの兄ちゃんとともに。

    兄の征太郎が、幸せにすると誓った嫁が死んだからなのだが、復讐に出る弟の紘二郎にはそうするわけがあった。そして、追いかけて来たリュウは不良な中古車を売っただけの若者なのか。

    遠田潤子、やっぱり毎度のことながらその理由が気になって一気に読んでしまった。全員悪者ではないのに、どんどん人生の歯車が狂って行く様はすごい。

    先に逝くのは不幸だが、看取ってくれる人がいるのは幸せと言うの

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    2024年08月18日
  • オブリヴィオン

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    大阪の下町で極貧の中で育った男が兄妹と出会ってから人生をやり直す。大学を卒業し妹と結婚して幸せな生活を送る。ある日、娘が怪我をしたことから娘が自分の子でない事を知り、妻を詰る中で揉めて殺してしまう。
    その男が出所してから物語は始まる。
    競艇、予想、宗教、兄弟、血の繋がり、色々な要素が混じり合って物語は進む。
    面白い

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    2024年08月16日
  • 人でなしの櫻

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    どこまでが洗脳でどこからが愛なのか。どこまでが依存でどこからが執着でどこまでが愛なのか。出逢った形があまりにも特殊なせいで、どうしても、どこまでいっても疑ってしまう。蓮子にとって、ヤスノリを超えるキヨヒデがそこにいたのだろうか。それともそれは同一視にすぎなかったのだろうか。人は、出逢った人の中からしか愛する人を見つけ出せない。出逢わなかったら愛することができない。2人にとって、その形はどうあれ、出逢ってしまったことが運命だったとしか言いようがない。愛とは常にそういうものなのかもしれない。
    「誘拐」というファクターがなければもっと素直に受けとめられる純愛物語なのだと思うが、あえてそこに踏み込んで

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    2024年08月11日
  • ドライブインまほろば

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    しんどいのに読み進めてしまう。
    文量しっかりしているのにあっという間に終わってしまった。

    親子、兄弟、
    壊れた家族の描き方が天才ではないですか…?
    とても苦しくなったし考えさせられました。

    家族だから酷な言葉ってあるよね…

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    2024年07月30日
  • 緑陰深きところ

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    暗くて重くて辛くてたまらないのに、遠田さんが紡ぐ物語の最後にはいつも必ずかすかな光が見えます。

    想い合っていた女性と無理やり引き離されたうえに、彼女を奪い去った兄によって彼女とその娘が殺されてしまった。その兄から半世紀近く経って届いた葉書を見て、兄を殺しに行く決意をする主人公。そしてなぜだかその地まで同行することになる若者。

    主人公ほどには歳を取っていませんが、同じく昭和から令和を生きている者として、さらには登場する大阪に馴染みがある者として、こんな話が実際にあるわけはないけれどあるかもしれないと思わされます。

    これもひとつのハッピーエンド。

    余談ですが、『ボックス!』と舞台がかぶって

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    2024年07月29日
  • アンチェルの蝶

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    ネタバレ

    私には「雪の鉄樹」に続く遠田潤子二作目。
    どうして主人公はこうなってしまってるのかが気になってぐいぐい引き込まれるところは雪の鉄樹と同じだ。
    本当に作者はこういう引き込み方がうまい。

    藤太も秋雄もいずみもどこにでもいる中学生なのに、クズな親のせいで歯車が狂って行く。
    特にいずみは何も悪くない。なのに理不尽な末路を遂げる。私も坪内のように、最後まで実は生きてるんじゃないかと信じていた。こんなことってある?

    だが、全ての人の生きがいであったほずみが飛べる蝶で、ほんの少し救われた気がした。

    読んでて膝が痛くなる小説だった。

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    2024年07月17日
  • オブリヴィオン

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    ネタバレ

    一度犯した罪は消えることはない。
    ましてやそれが最愛の妻を殺した罪であれば。

    償おうとしても周りは許さない。
    そして異能の才を持った主人公が命をかけて真実に辿り着く。

    久々の一気読み。
    作者の筆力に一気に引き込まれ、ページを捲る手が止まらなかった。久々の没頭感。

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    2024年07月17日
  • 二周目の恋

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    深夜のスパチュラ
    なんか煮え切らない恋ってところが沁みた。男らしさを求めてしまうところは同じだな、毎度思うが綿矢りささんの小説に出てくる女は客観視してしまうほど過激。
    フェイクファー
    自分の中で思い出を消化し、少し客観的な立場で自分を見る主人公が少し羨ましい。
    海鳴り遠くに
    恋愛にタイミングは必要。ただ、わたしは肉体関係を生々しく描く作品はあまり得意としないと感じた。それだけで文章がドロドロに感じてしまう。

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    2024年07月15日
  • 紅蓮の雪

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    ネタバレ

    大衆演劇に今まで触れたことがなかったが、伊吹の入団からの軌跡を一緒に見ることで非常に親近感が湧き、観てみたいと思った。序盤は謎なことが多く、伊吹の振る舞いにモヤモヤすることもあったが、きれいに伏線回収された最後には可哀想で居ても立っても居られなかった。救われてよかった、、
    若座長が完璧な人間過ぎて、彼の舞台を観てみたくなった。ただ、きっと一度見たらお花をつけるために奔走してしまうんだろうなとも思った(笑)
    情景が浮かびやすく、最後まで楽しめる作品でした。

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    2024年06月27日
  • 雪の鉄樹

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    10年前に読んだ気がする。
    また買ってしまった。庭師、雅雪。3代目。
    釣忍。たらしの家系、祖父はさぞかしイケメンなんだろう。情というものが理解できない。

    皆さんがコメントしている通り、主人公にイライラさせられる。そこまで謝らなくても、
    自分が悪いが口癖。

    細木老の孫、なにか痛い目にあってほしかったな。

    原田とか、細木老とか数少ない味方もいる。
    真っ白の髪31才。映像化してほしいな

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    2024年06月24日
  • 雨の中の涙のように

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    重苦しーーい話しか読んだことがなかったので、この作家さんがこんな風に優しい感じの話も書くんだなと、それが第一印象。相変わらずどの風景もきれい。登場人物みんなの人生に関わってくる彼が、豪雨をきっかけに生まれ変われたのは良かったけど、お父さんの人生はちょっと気にくわないかも。

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    2024年06月21日
  • ドライブインまほろば

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    小学生にして想像を絶する辛い体験をし、人生に絶望すらしかけている憂が、妹を守りたいと必死に負の連鎖を断ち切ろうとしている姿は泣けるけど、すごく痛々しかった。
    憂だけでなく、登場人物の多くが荒んだ部分を持ち、それらが複雑に絡んで展開するストーリーは訴えかけるようなメッセージ性があり色々考えさせられた。
    内容は切なく惨い面だらけで苦しいけど、響くフレーズが多々散りばめられていて、そのたびに心を打たれた。良書だと思う。

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    2024年06月18日
  • 銀花の蔵(新潮文庫)

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    ネタバレ

    つらい生い立ちの銀花と父の実家の醤油蔵を巡る物語。
    銀花だけがつらいのかと思っていたが、それぞれにいろいろなことを抱えていることが物語が進む中でわかってくる。
    それぞれのもつ過去が生きていく中で、救われていく感があり、読み始めの救いのない感から生きてきたことの充実に収束していく点がよかった。

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    2024年03月23日
  • 二周目の恋

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    「誰も軽視しないから、誰からも軽視されない。」p121


    波のおとをきいているような感覚の文。
    繊細で力強くて身を預けてしまいたくなる

    「カーマンライン」と「無事に、行きなさい」「海鳴り遠くに」がアンソロジーのテーマに合っている感じがしてよかった。

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    2024年03月18日
  • ドライブインまほろば

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    フィクションでよかった
    遠田潤子さんの本を初めて読んだのですが、題名から勝手に
    ナミヤ雑貨店の様な話しなのかなと思って読み始めて全然違う、、、と心して読みました。

    もちろん涙です。
    どんな事があっても、子供は死んだらいけない
    生きるのに誰の許可もいらない

    小説の中なのに、心に錘が置かれたような重さを感じました

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    2024年02月25日
  • 雨の中の涙のように

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    以前読んだ著者の『雪の鉄樹』が重苦しい展開だったこともあり、本書もその傾向かと読み始めた。
    そんな思いを裏切るような話が続く。
    第2章など、ハッピーエンドなハートウオーミングな物語。
    各章に端役的に顔を出す俳優の堀尾洋介は、ずば抜けた容姿と才能の持ち主で、人気のアイドルグループから独立して俳優としても確固とした地位を築いている。少しも気取ったところのないそれでいて完璧なスター。
    彼の訪ねた店は、スターが訪れた店との評判で行列の賑わいとなり、周りの人びとに幸運をもたらす天使のような存在。
    しかし、中盤から彼の家族が描かれ始めると、次第に不穏な雰囲気が漂いだし、最終章の「美しい人生」では彼の知られ

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    2024年02月07日
  • 冬雷

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    因習村といえばそうかもしれない。いま巷で話題だし。私はそれに詳しくないけど。
    普通の人間にはそこまで馴染みがなく、だからどこかファンタジーに見てたものが、終盤畳み掛けるにつれ「ここまでとは」という気持ちになるのが、ファンタジーを越えられたような感覚になってよかった。
    ファンタジーが過ぎるとどこか身を引くような気持ちになるのだけど、代助は始終正しくあろうとし聡く、聡くあろうとするだけの人間だった。彼を囲むものと彼自身の生々しさとのギャップが面白さの一つだと思う。
    ミステリー部分も面白かったし、人間関係も非常に満足で終えられた。自分勝手な人間がいるし真っ当なふりして許されざる事を宣う人間もいるけど

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    2024年01月31日
  • ドライブインまほろば

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    どんだけ不幸自慢すんねん!って感じの不幸な人ばかり…
    まぁ、自慢したい訳やないにしても…

    メインの登場人物だけで…

     親にひどい虐待されて、親を金属バッドで…小学生

     ひどい親に育てられ、援交クラブみたいなので荒んだ生活を送ってる兄弟、で弟は殺され、自分も人殺し…

     最愛の娘を事故で亡くすけど、事故を起こした当事者が自分の母親…ツラい

    何か、不幸の、オンパレードやけど、この先も、これが続くとなると、やりきれん…

    しかし、小学生に

    「…生まれてきて…なんにもいいことなかった」
    「僕はなんで生まれてきたんやろ。なんで…」
    「生まれてけえへんかったらよかった」

    って言われてしまう育て

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    2024年02月01日
  • ドライブインまほろば

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    文章が淡々としていて、気持ちよく読み進められた。不幸を書かせたら右に出る人はいないらしい遠田潤子さん。くどい部分もあったが、とても良かった!著書ぜんぶ漁ります。

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    2024年01月29日
  • 雨の中の涙のように

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    食べたことのない物を口にしたらすごく美味しかった!
    のような体験。
    前情報なしでの読書の楽しみです。

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    2024年01月18日