遠田潤子のレビュー一覧

  • 天上の火焔

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    備前焼の窯元一家の物語。人間国宝の祖父、轆轤の名人の父は陽と陰。子どもながらに確執を感じながら、その狭間で苦しむ息子の城。
    三世代の対照的な男の人生が、焼き物を通してドラマティックに描かれていて、その世界にぐんぐん引き込まれていった。
    三人の中で一番興味をひかれたのは父の天河。家庭内でほとんど口もきかず、一人を好む。それなのに、外では意外と気遣いも出来ていて…
    次第に明らかになる彼の境遇を知るにつれ、冷酷さの裏にある苦悩が伝わってきて切なかった。
    また、城を形容する言葉が、幼い頃の「ぐにゃぐにゃ」から「ふにゃふにゃ」に変わっていく表現が印象的だった。
    こんな抽象的な言葉が、作中のその場面ではす

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    2026年01月18日
  • 天上の火焔

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    大満足の☆5です〜それ以上♪
    何作か前から作風変わった?と感じていた遠田さん

    変わらないのは登場人物、主人公の置かれた状況や苦悩、悲しみが中盤までこれでもかと謎なんです
    遠田ワールド全開なんですよ〜

    この作品は備前焼の人間国宝の祖父を持ち、父親も陶芸家。主人公は祖父の愛を一身に受け父親からは拒絶されるという少年です。
    何故?何故そんなに父親に拒絶されるの?
    その理由が明かされるまでが焦ったい!
    そんな焦ったさに中毒性があるのよ笑

    だがしか〜し!
    この理由が分かるともう感動(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

    お父さん!あなたが主人公でしたか!!
    深田天河最高です。゚(゚´Д`

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    2025年12月19日
  • 天上の火焔

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    はぁぁぁぁぁ…
    ふぁぁぁぁぁ…
    すごいぃぃぃ…
    心が揺さぶられる作品に出逢ってしまった


    日本六古窯の一つに数えられ、備前焼の町で知られる岡山県備前市伊部
    備前焼の窯元を舞台にした、父子三世代の家族の愛憎と葛藤を描いた物語──


    城は偉大な人間国宝の祖父・路傍に可愛がられて育つ
    だが、孤高の轆轤名人である父・天河からは氷のように冷たく無関心な態度をとられ、その間で悩み苦しみ続ける


    なぜ、そのような歪な親子関係になってしまったのか?

    親と子の関係は天命なのです
    たとえ、それがどのような関係であっても


    天河は城を愛していないわけではなかったのだ
    天河自身も苦しんでいたのだ

    その苦し

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    2025年12月08日
  • ミナミの春

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    ミナミの街の匂いがする小説。宮本輝の道頓堀川を彷彿させる。泥臭く貧しい日常の人々の人情がミナミにとても合ってる。いい作品だなぁ。

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    2025年12月07日
  • 天上の火焔

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    読後、すぐにドヴォルザーク第十番を検索。
    幸せに包まれる夢「焼き芋の夢」
    誰にでも、気づかないけれど
    そんな記憶があるのかもしれない。

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    2025年12月06日
  • 二周目の恋

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    ネタバレ

    かなりおもしろかった。個人的に好きだったのは最初のバーの男との話、お母さんに食べ物は残すなと言われて大食いを強制されてた女性の話、最後の海の同性愛の話でした。

    短編ものなので面白い話と面白くない話と私には共感できないな、と感じる話もありましたが、どれも楽しく読むことが出来ました。
    読みやすくわかりやすい読み物でとても良かったです。読み終わったあと、好きな人に会いたくなりました。

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    2025年11月30日
  • 天上の火焔

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    備前焼の窯元を舞台に、陶芸に身を捧げる三世代の親子を描いた長編。

    生後すぐに母親を亡くし、人間国宝の祖父に愛されながら育った主人公は、冷徹な父親との関係に幼い頃から悩み苦しむ。が、その父親もまた、長年苦悩を抱えていた。
    父親や恋人との関係や、陶芸への思いなど、主人公の青臭く屈折した感情が、陶芸の窯の熱とともにひしひしと胸に迫ってくる。

    作者の作品は、これでもかと悲惨な境遇に置かれ苦しむ主人公が多いが、今回はそれを乗り越えて成長していく喜びもあって、重いながらも胸を打たれる読み応えのある1冊だった。

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    2025年11月27日
  • 雪の鉄樹

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    ネタバレ

    はじめての作家さん。
    なかなかに重い内容。でも読後余韻がすごくてしばらくぼーっとしてしまった。
    登場人物それぞれが辛い。
    愛情と憎しみのどちらに転んだらいいか分からず自暴自棄になっている遼平痛々しかった。
    雅雪の償いは自己満足のようにも思えるけど、それでも悲しい結末にならなかった事で安心した。

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    2025年10月17日
  • 緑陰深きところ

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    ネタバレ

    登場人物が背負う過去や想いは非常に重たいものがあるのに、瑞々しさがあり、読後間が清々しい。過去の絃次郎と睦子の恋愛の様子や青春の様子は、とても爽やか。だからこそ、事件の凄惨や人物の苦しさがツラい。最後のシーンは、緑の背景に金髪の人、コンテッサの赤が鮮やかに思い浮かぶ。タイトルの漢詩の意味も、深い。

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    2025年08月28日
  • 人でなしの櫻

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    是非手に取って読んで欲しい。
    そう思う作品でした。
    依存、愛、家族の形、血の繋がり色々考えさせられました。

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    2025年08月27日
  • イオカステの揺籃

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    遠田潤子『イオカステの揺籃』中公文庫。

    古くから続く『家』や『家督』、『跡継ぎ』といった日本文化を土台にした、息が詰まりそうになるほど非常に重苦しい家族小説だった。遠田潤子らしいと言えば、全くその通りなのであるが、最期には救いが用意されていることが、何時もの遠田潤子らしくない。

    ストーリーの大半は、過去から心の中で引き摺る罪の意識と、それぞれが強い思いを抱える家族が、突然起きた小さな波により脆くも壊れていく姿を描いている。家族の絆というのは、こんなにも脆い物だったのだろうか。


    妻の美沙と幸せに暮らす新進気鋭の建築家の青川英樹は、大手ゼネコンで働く仕事熱心な父親の誠一と上品で美しい母親の

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    2025年08月06日
  • 銀花の蔵(新潮文庫)

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    古本屋さんをぶらぶらしてて見つけた本です

    以前読んだ、この作家さんの本が面白かったので購入。



    醤油蔵を継ぐことになった

    ひとりの女性の一代記なのですが



    主人公、銀花は、

    波乱万丈の人生にもかかわらず、

    けなげで、可愛い心の持ち主で、

    頑張れ!と応援しつつ

    何度も涙をぬぐいながら読みました。



    遠田潤子さんの本は

    やっぱり私好みだわ~(*^^*)

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    2025年07月26日
  • 雪の鉄樹

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    なにこれ,めちゃくちゃカタルシスがやばい.
    家族愛がないことで家族愛を描いている.家族愛がない果に歪な関係性が形成され,過去を語る構成で徐々にそれを描きつつ,現在を語る部分で歪さが変化していく.しかもそれらが決して不快ではない.モヤモヤするし,キツく思うこともあるし,納得いかないところもあるが,総合的に自身を浄化していく感じがする(自身の中で納得し浄化するのではなくて).
    人間ドラマだ.

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    2025年06月18日
  • 人でなしの櫻

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    一気に読ませられるくらいに傑作です!

    本の1頁1頁から醸し出される怪しげで乱れでそして深い愛情。

    遠田潤子先生の表現には毎回驚かされます。

    竹井清秀の描いた絵をみてみたい。
    何かに狂うほど夢中になれるって高揚する。

    ラストはなんともいえずしびれた!


    ぜひ〜

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    2025年05月21日
  • 二周目の恋

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    めちゃ豪華な女性作家を集めたアンソロ。恋のお話なんだけれど、読後感が違うのが良きりお気に入りは、着ぐるみ同好会のお話、波木銅 「フェイクファー」と、久しぶりに再開する双子のお話、一穂ミチ 「カーマンライン」。

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    2025年04月29日
  • 二周目の恋

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    ネタバレ

    好きが詰まった盛り合わせ!めっちゃ良かった!
    最悪よりは平凡 (岛本理生)
    魔美のしんどさがしんどくて、それでも好きな人ができてこれから始まっていく感じに、人生捨てたもんじゃないよねと思えた。
    深夜のスパチュラ (綿谷りさ)
    ひとりで買物行く時のグルグルハイテンション感にめちゃくちゃ共感。スパチュラに泣けちゃう気持ちもわかりみしかなかった。
    カーマンライン (一穂ミチ)
    回想から始まるストーリー展開に安心感。「ホテル・ニューハンプシャー」読んでみようと思った。
    無事に、行きなさい (桜木紫乃)
    「アプンノ パイエ」の言葉の意味と2本の線のデザインがそのまま主人公へのメッセージになっていて良か

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    2025年04月06日
  • ドライブインまほろば

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    この著者の紡ぐ物語がたまらなく好きです。たいていは暗い話で、めげそうになるぐらい重いときもあるけれど、最後に必ずひと筋の光が見えます。だから、著者が「救いはあろうがなかろうが気にならない」と言っていると知ってちょっと驚きました。

    「救いがないならないできっちり書くべき」というのは確かにそう。安易なハッピーエンドに走らず、でも主人公たちのことを放り出したりはしないから、この人生に惹きつけられます。

    こんな子どもに「生きていてひとつもいいことなんかなかった」なんて言わせちゃいけない。生きるのに理由は要らないとしても、生きたいと思ってほしい。

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    2025年02月25日
  • 緑陰深きところ

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    すごいすごい感動した感動したこんなにも心震えた物語はないです。ロードノベルミステリー読み終わってもう一度読み返したくなってしまいました。回想を先に読んで次に第一章から読むと別の物語に
    感じてしまうでしょう。ラスト近くの殺人の真相は思いもよらない展開に、こんなにも思い入れの深い物語は今までになかった。出てくる登場人物皆好きだよ。皆長く生きてほしかった。あなたも読んで興奮して下さい。涙して下さい。感動して下さい。

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    2024年12月23日
  • 雪の鉄樹

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    本の雑誌「おすすめ文庫2017」第1位

    庭師の雅雪は、20歳の時から
    両親を失った小年、遼平の面倒を見続けていた
    初めて、預かった時にはまだオムツをしていた
    男の子は中学生になっていた

    庭師の男は、なぜここまで献身的なのか
    何を償おうとしているのか
    遼平には、未だ真実を言えないでいた

    読みながら、少年と共に苦しむ
    庭師はなぜそれほど自己犠牲を続けるのか
    許されない罪、終わりのない贖罪
    憎しみに隠れた愛情
    贖罪に伴った悦び
    報われる事はないのかと思われた庭師の献身が
    真実の告白と共に受け入れられていく
    とても素敵な作品でした
    庭師が最後まで過酷すぎるけれど
    人間の渇望、羨望が苦しいほどに描

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    2024年12月14日
  • 二周目の恋

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    (2023年12月21日の感想。帰りのバスで書く。)
    アンソロジーっていいよね。宝箱みたい。いろんな作家さんたちが一度に会していて豪華。

    この本を買った頃は丁度自分のなかで島本理生、窪美澄、一穂ミチのブームが来ていた。だからウッキウキで買って、そのあと暫く読めずにいたのを今になってようやっと読めた。

    面白かったのは綿矢りさ「スパチェラ」
    綿矢りさは、中学生の頃に『蹴りたい背中』、大学二年の秋に『勝手にふるえてろ』を読んだ。両方とも、それから今回の「スパチェラ」にも当てはまることだけど、今を生きる若い女の子を描くのが本当に上手。綿矢りささん自身は歳を重ねているのに、寧ろ作品のなかではより若く

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    2024年11月26日