遠田潤子のレビュー一覧

  • 銀花の蔵(新潮文庫)

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    ネタバレ

    つらい生い立ちの銀花と父の実家の醤油蔵を巡る物語。
    銀花だけがつらいのかと思っていたが、それぞれにいろいろなことを抱えていることが物語が進む中でわかってくる。
    それぞれのもつ過去が生きていく中で、救われていく感があり、読み始めの救いのない感から生きてきたことの充実に収束していく点がよかった。

    0
    2024年03月23日
  • 二周目の恋

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    「誰も軽視しないから、誰からも軽視されない。」p121


    波のおとをきいているような感覚の文。
    繊細で力強くて身を預けてしまいたくなる

    「カーマンライン」と「無事に、行きなさい」「海鳴り遠くに」がアンソロジーのテーマに合っている感じがしてよかった。

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    2024年03月18日
  • ドライブインまほろば

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    フィクションでよかった
    遠田潤子さんの本を初めて読んだのですが、題名から勝手に
    ナミヤ雑貨店の様な話しなのかなと思って読み始めて全然違う、、、と心して読みました。

    もちろん涙です。
    どんな事があっても、子供は死んだらいけない
    生きるのに誰の許可もいらない

    小説の中なのに、心に錘が置かれたような重さを感じました

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    2024年02月25日
  • 雨の中の涙のように

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    以前読んだ著者の『雪の鉄樹』が重苦しい展開だったこともあり、本書もその傾向かと読み始めた。
    そんな思いを裏切るような話が続く。
    第2章など、ハッピーエンドなハートウオーミングな物語。
    各章に端役的に顔を出す俳優の堀尾洋介は、ずば抜けた容姿と才能の持ち主で、人気のアイドルグループから独立して俳優としても確固とした地位を築いている。少しも気取ったところのないそれでいて完璧なスター。
    彼の訪ねた店は、スターが訪れた店との評判で行列の賑わいとなり、周りの人びとに幸運をもたらす天使のような存在。
    しかし、中盤から彼の家族が描かれ始めると、次第に不穏な雰囲気が漂いだし、最終章の「美しい人生」では彼の知られざる過去が明らかにされる。
    最後、彼の苦悩の先に希望が見出され、救いがあり、ホッとするエピローグ。

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    2024年02月07日
  • 冬雷

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    因習村といえばそうかもしれない。いま巷で話題だし。私はそれに詳しくないけど。
    普通の人間にはそこまで馴染みがなく、だからどこかファンタジーに見てたものが、終盤畳み掛けるにつれ「ここまでとは」という気持ちになるのが、ファンタジーを越えられたような感覚になってよかった。
    ファンタジーが過ぎるとどこか身を引くような気持ちになるのだけど、代助は始終正しくあろうとし聡く、聡くあろうとするだけの人間だった。彼を囲むものと彼自身の生々しさとのギャップが面白さの一つだと思う。
    ミステリー部分も面白かったし、人間関係も非常に満足で終えられた。自分勝手な人間がいるし真っ当なふりして許されざる事を宣う人間もいるけど、そこへわざわざスポット当てて読んでる私たちを執拗に苦しめようとはしないし。まあ。


    ***


    単行本から文庫本で代助への救いが加筆されたんですか?単行本…鬼畜…?

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    2024年01月31日
  • ドライブインまほろば

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    どんだけ不幸自慢すんねん!って感じの不幸な人ばかり…
    まぁ、自慢したい訳やないにしても…

    メインの登場人物だけで…

     親にひどい虐待されて、親を金属バッドで…小学生

     ひどい親に育てられ、援交クラブみたいなので荒んだ生活を送ってる兄弟、で弟は殺され、自分も人殺し…

     最愛の娘を事故で亡くすけど、事故を起こした当事者が自分の母親…ツラい

    何か、不幸の、オンパレードやけど、この先も、これが続くとなると、やりきれん…

    しかし、小学生に

    「…生まれてきて…なんにもいいことなかった」
    「僕はなんで生まれてきたんやろ。なんで…」
    「生まれてけえへんかったらよかった」

    って言われてしまう育ててた親って…

    「やかましいや、この野郎!」
    「許せねえ!」
    「てめえら人間じゃねえや!」
    「叩っ斬ってやる!」
    (「破れ傘刀舟」)

    って気分になる!

    う〜ん…
    ポキっ!_| ̄|○

    最後は、
     少し光が見えるけど…
    多くは望まないにしても、少しは陽が当たって欲しい…

    0
    2024年02月01日
  • ドライブインまほろば

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    文章が淡々としていて、気持ちよく読み進められた。不幸を書かせたら右に出る人はいないらしい遠田潤子さん。くどい部分もあったが、とても良かった!著書ぜんぶ漁ります。

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    2024年01月29日
  • 雨の中の涙のように

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    食べたことのない物を口にしたらすごく美味しかった!
    のような体験。
    前情報なしでの読書の楽しみです。

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    2024年01月18日
  • オブリヴィオン

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    全体的に暗く重い内容で、中盤までは間違えた…と思った反面、物語に引き込まれて行った。
    最後は涙が出そうになった。

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    2024年01月07日
  • 雪の鉄樹

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    たらしの家系って…
    どんな家系やねん!
    多少、羨ましくもないではないけど^^;
    努力せんと、家系だけでモテるのなら!笑

    主人公の周り、ココロが壊れてる人ばっかり…自身も含めて。
    おじいちゃんなんか、情が分からんって、サイコパスか?
    ある殺人事件(無理心中)が原因で、自身を含め、周りの皆んな崩れていく…

    しかし、凄い空回りというか、12年もの償いは、何やったんやろ…
    自身が起こしたというより、自身も傷を負った1人とも言えるのに。
    自己解釈やけど、償いやないんやろうな。自分の居場所というか、そういうのを求めてやってた気がする。

    事件とか起こす前に防ぐとしたら、あのおじいちゃんを覚醒させんとあかんのやろな。この人が、トリガーになって色んな人の人生が台無しやもん。
    寺で修行するとかして治らんのかな。本人はする気ないけど、周りが何とかしてやらせるしかないんやろうけど…

    光が見えたような終わり方で少し安心やけど、これを起こしたのは、凄い空回りのお陰かも?
    そういう意味やと理由はともあれ、やった事は正解やったんかな。

    自分がこんな環境で育ったら、どうなってるか…


    …キツい…_| ̄|○

    0
    2024年01月05日
  • オブリヴィオン

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    妻殺しの罪で服役して、シャバに出てきても、もう何もないって感じ。
    人とかかわりたくない、ひとりで生きていく!そう決心したはずやけど…
    しかし、かかわる人、かかわる人、訳あり過ぎる!
    実兄は、893。
    妹を殺された義兄は、真面目な大学の先生のはずが…
    更にお父ちゃんを待つ隣りの娘。
    自身は、特殊な能力がわざわいして、ギャンブル依存症の父親を…

    やっぱり、変にお金に変えられるような能力とかあると、
     それを利用しようとする人
     嫉妬する人
    色々、絡んでくる。
    自身の希望と関係なく…
    関係ないけど、それが原因で不幸の連鎖…
    こんなんなら、自分の存在自体を否定したくなるな…
    自身は一度、底辺から抜け出して、再起してるんやから、今回も何とか抜け出して欲しいな。
    最後に、良い方向に向かっていきそうな感じで終わってる。
    何とか、そのまま進んで欲しい。




    ポキっ!とはなりませんでした!

    遠田ワールド突き進んで参ります〜
    間に休息を入れながら(^_^)v

    0
    2023年12月20日
  • 蓮の数式

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    算数障害物(ディスカリキュリア)と無国籍
    二つの原因が絡み合って、27年間果てのない苦しみに縛られてきた透

    結婚して13年 、子を産めなかったと理由だけで、夫と義母から一度も人間として認めてもらえなかった千穂

    あることがきっかけでふたりは出会い、愛を知らない男と愛を忘れてしまった女の逃避行がはじまる

    なぜ命に価値があるのか
    なぜ生は善いことで、死は悪いことなのか
    命の大切さなんて当たり前のことのように言うけど、それを知らないものにとっては当たり前じゃない

    人を殺しながら生き続けた、逃げ続けた暮らしに幸せはおとずれるのか
    蓮のつぼみが朝日の光の下、笑うように、嬉しそうに花弁を開くのだろうか


    初読みの遠田さん
    苦しい、辛い、重い話が多い作家さんみたいだけど好きかも…

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    2023年12月16日
  • 二周目の恋

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    「最悪よりは平凡」島本理生
    「深夜のスパチュラ」綿矢りさ
    「カーマンライン」一穂ミチ
    「道具屋筋の旅立ち」遠田潤子

    このあたりが特に好きだった!
    色々なmatured kinds of loveで、飽きずにサクサク読めました!

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    2023年12月04日
  • 雪の鉄樹

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    過去をなかなか明かさない物語の展開に歯がゆさは感じるものの、ちょっと思い付かないプロットが素晴らしい植木屋の恋!

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    2023年11月21日
  • 二周目の恋

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    「最悪よりは平凡」島本理生
    顔は平凡だけど体がグラビアアイドルなみの魔美は、こんな名前をつける親に育てられたという心の傷と、しょっちゅう男性から誘いをかけられる体質。彼女にとっての幸せな恋愛は?
    「深夜のスパチュラ」綿矢りさ
    大学生の可那は気になっている男の子に手作りチョコ前日に思いつきあげようとするけど、料理スキルなく、買い物から四苦八苦。オチ秀逸だった。
    「フェイクファー」波木銅
    主に着ぐるみ作る手芸サークルに入っていた男子の回想。仲間が一人死んだという連絡入る。
    「カーマンライン」一穂ミチ
    私が五歳の時、母は父と死に別れたアメリカから日本に戻ってきた。双子のケントをアメリカの、父の実家に残して。もちろん、その後は疎遠。大学生になり、ケントが母を訪ねてくる。
    「道具屋筋の旅立ち」遠田潤子
    優美は短大を出たばかりの、綺麗な細い女性。でも、母親は優美と父に異常にご飯を食べさせる人で、高校始めまで太っていた。そんな優美が付き合っている誠が大学で大食い大会やるという。
    「無事に、行きなさい」桜木紫乃
    シェフの男と、インテリアデザイナーのミワと新しくオープンしたビストロに来てくれた出来るアルバイト、大人の関係。
    「海鳴り遠くに」窪美澄
    夫を亡くして千葉の片田舎に持っていた別荘に引きこもった女性が、隣家に絵を描きに来た女性画家と親交深めながら結婚していたときの心の傷と向き合い、新しい恋を始めていく。
    最悪より平凡!丁度、久しぶりに(流石に年をとった)飲み屋で知り合っただけのおじさんから奢られ、誘われるという体験をした直後だっただけに、あー、こういう目に合う女性って一定数いるんだろうなー、と共感深く読んだ。断れないとか、怒られないとか、オーラで分かるんだろうな、きっと。

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    2023年11月20日
  • 蓮の数式

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    面白かった。
    けど重い、暗い。
    遠田潤子さん、4冊目だけど全部そう。

    重いし、性描写が強いのが苦手。
    ダークすぎて人にお勧めできない。
    そこが無ければなぁ。

    作品は面白いんだけど、
    もう当分、お腹いっぱいです。
    爽やかなの読みたい。

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    2023年11月19日
  • 雨の中の涙のように

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    ネタバレ

    登場する映画を知っていれば、より一層楽しめたと思いますが、わたしが知っていたのは「長七郎江戸日記」と「忠臣蔵」だけでした(笑)。大洲の町並みや、臥龍山荘の景観の美しさも、思い浮かべることができて、第一章は想像とが現実がうまい具合に相まって、景色が流れるように読めたのがよかったです。アイドルの握手会は、見たことなかったので、うすぼんやりとしか想像できませんでしたが。

    どの章にも、登場人物が基本的に、一回なんかしら暗い過去があって、それに捕らわれているんですが、それを昇華して気力を取り戻していくために切っ掛けになった人物が描かれています。ちょっとずつ出てくる過去が繋ぎ合わさって、一人の人物になっていくのが面白かったです。

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    2023年11月05日
  • 雨の中の涙のように

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    202308/謎と映画を絡めつつ、人間と人生を見事に描いた連作短編集。これもまた遠田潤子の恐ろしさ凄さが詰まった名作!第二章の「だし巻きとマックィーンのアランセーター」が何故か一番心に残った。

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    2023年10月25日
  • 冬雷

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    重かったなぁ。閉鎖的でしがらみや伝統が人々をがんじがらめにする。子供もその風習などに飲み込まれていってしまう。とても切ないお話でした。最後は少し希望があるのかな、代助と真琴には自分たちの人生を歩んで欲しい。

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    2023年10月24日
  • あの日のあなた

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    表現力があるので情景が浮かびやすく綺麗な映画のように読めた。
    色々真相が明らかになってさらに手記でも二重三重に同じようなことを書いてるのでくどいと思ってしまった。
    序盤が面白いので残念。
    この人の本はいつも詰め込みすぎな気がする。
    でもイヤミスほど読後感は悪くないし、面白いからもうちょっと他のも読んでみようと思う。

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    2023年10月23日