【感想・ネタバレ】雨の中の涙のようにのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

以前読んだ著者の『雪の鉄樹』が重苦しい展開だったこともあり、本書もその傾向かと読み始めた。
そんな思いを裏切るような話が続く。
第2章など、ハッピーエンドなハートウオーミングな物語。
各章に端役的に顔を出す俳優の堀尾洋介は、ずば抜けた容姿と才能の持ち主で、人気のアイドルグループから独立して俳優としても確固とした地位を築いている。少しも気取ったところのないそれでいて完璧なスター。
彼の訪ねた店は、スターが訪れた店との評判で行列の賑わいとなり、周りの人びとに幸運をもたらす天使のような存在。
しかし、中盤から彼の家族が描かれ始めると、次第に不穏な雰囲気が漂いだし、最終章の「美しい人生」では彼の知られざる過去が明らかにされる。
最後、彼の苦悩の先に希望が見出され、救いがあり、ホッとするエピローグ。

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2024年02月07日

Posted by ブクログ

食べたことのない物を口にしたらすごく美味しかった!
のような体験。
前情報なしでの読書の楽しみです。

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2024年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

登場する映画を知っていれば、より一層楽しめたと思いますが、わたしが知っていたのは「長七郎江戸日記」と「忠臣蔵」だけでした(笑)。大洲の町並みや、臥龍山荘の景観の美しさも、思い浮かべることができて、第一章は想像とが現実がうまい具合に相まって、景色が流れるように読めたのがよかったです。アイドルの握手会は、見たことなかったので、うすぼんやりとしか想像できませんでしたが。

どの章にも、登場人物が基本的に、一回なんかしら暗い過去があって、それに捕らわれているんですが、それを昇華して気力を取り戻していくために切っ掛けになった人物が描かれています。ちょっとずつ出てくる過去が繋ぎ合わさって、一人の人物になっていくのが面白かったです。

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2023年11月05日

Posted by ブクログ

202308/謎と映画を絡めつつ、人間と人生を見事に描いた連作短編集。これもまた遠田潤子の恐ろしさ凄さが詰まった名作!第二章の「だし巻きとマックィーンのアランセーター」が何故か一番心に残った。

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2023年10月25日

Posted by ブクログ

どこかしらで一人の俳優と繋がっている主人公の短編が電車で読むのにちょうど良い長さ。そして、ちょうど雨の日に最終章を読み終えて、なんだかほわっとした。

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2023年09月09日

Posted by ブクログ

八篇からなる連作短編集。各短編の主人公は過去の傷や重いものを背負って生きていてそれに不器用。子供の頃のことや、男女間のこと、仕事などさまざまな環境や生活が描かれている。各短編に共通するのが一人の俳優が何かしら影響を与えていること。それがそれぞれの心を少し軽くしてくれる。知らず知らずのうちに影響を与えていた俳優のこれまでが語られるラストもとてもいい。これまでの遠田作品にはない温かみがありこういう作品をもっと読みたくなった。

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2023年09月08日

Posted by ブクログ

各章で映画のシーンや台詞が登場すると、自分の頭の中にあるその映画のシーンが再生されて話を更に盛り上げ、より先を読み進めたいと言う原動力となった。
文字が映像を引き出し、引き出された映像が文字を補完してくれる1読で2度おいしい小説だ。

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2023年08月14日

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