遠田潤子のレビュー一覧

  • 冬雷

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    読むにつれ、どんどん物語に引き込まれていく。
    自分では逆らうことのできない運命に翻弄されながらも、誠実に生きる大助。
    今後の人生をどうか幸せに生きてほしいと願わずにはいられない。

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    2022年02月04日
  • 蓮の数式

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    人の想いもその想いの受け取り方も思うようにはいかなくて、すれ違ったり誤解を生んだり、重なって重なってある日悲劇がおこる。遠田潤子さんの作品は崖っぷちを歩く人がたくさん出てくるのでいつも胸が痛い。

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    2022年01月30日
  • カラヴィンカ

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    歌詞のない旋律を母音のみで歌う「ヴォカリーズ」の歌手である実菓子。
    彼女の自伝のインタビュー相手として選ばれたのは青鹿多聞。

    何か妖しさを漂わす実菓子に対して拒絶する多聞。

    2人は、幼い頃同じ家で育ったのだが…
    インタビューが、進むにつれて明らかになっていく多聞さえも知らなかった自分の出生の秘密。
    実菓子の行方不明となっていた母の最期。

    終盤に進むにつれて明らかになっていく事実に唖然となる。
    悍ましさだけではなく、凄絶な愛憎劇である。

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    2022年01月17日
  • 雪の鉄樹

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    しんどい本だった。描かれる登場人物ほとんどの人の人生が不遇すぎる…。それなのに誠実であろうとして、必死で、なのに幸せになれないっていう状況。終始息苦しいのに、気になって読むのを止められない、すごいしんどい本だった。幸せに一歩踏み出せそうなラストで本当によかった。

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    2021年11月24日
  • カラヴィンカ

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    藤屋の次男・多聞が主人公で過去を語る
    どんな展開になるのかわからず読み進むしかない
    斧屋の実菓子との関係も徐々にわかりだし
    そして先が気になりとまらなくなる
    そんな感じでした
    終盤の展開もあり楽しめました

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    2021年10月17日
  • オブリヴィオン

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    『雪の鉄樹』の後に読んだ作品。主人公は相変わらず自縛し、自虐に苛まれる男性だが、前作の主人公よりは、その考えや在り方が理解できる。
    遠田さんの物語は、箱庭のようだ。狭い世界で、少ない登場人物が行ったり来たりしている。物語を展開するには、箱庭に暮らす人々が様々な背景を負わなければ行けない。だから、一人ひとりの人生/描写が自然と重く、深くなる。
    かと言って、スケールが小さいということではない。これほどまでに人々を深く書き込むことができるのは、作者が登場人物の生をともにする、つまり命を削るようにして作品へ向かう姿が見える。
    物語はなかなか動かないが、焦らずじっくり読ませる作家さんだと思う。
    浅く軽い

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    2021年08月17日
  • 雪の鉄樹

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    ずっと読みたかった本。
    少しずつ語られ明らかになる過去はあまりにも重苦しく、それでも続きが気になり手が止まらない。
    何故?何故そこまでして?と、全てを知りたくなる中毒性も含む、愛を知らない男が人生をかけた壮絶な物語だった。

    絶対的な安心感や安らぎを幼少期から与えられないまま成長し、一般的な常識を知らず、他人との関わり方も知らず、独りで生きてきた男が彼女と出会って惹かれ、「人間にしてもらった」。
    初めて自分を見てくれた。
    初めて関心を持ってもらえた。
    そんな温かい目を向けてもらった事がなかった。

    疎まれ、蔑まれ、好奇の目にさらされながらの13年という年月はあまりにも長い時間であったが、身代わ

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    2021年08月16日
  • カラヴィンカ

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    重層的に入り組み、要約するのも簡単ではない悲劇に、慈しみ合っている多聞・不動・実菓子の三人翻弄されて、傷つけ合うことになるのは、いつもの通り。けれども敵役からの非難されるのだが、この三人、ホントに自分たちだけで完結していて、いい意味でも悪い意味でも、他人に興味がない。抜き差しならない悲劇は、実は彼らの外側で展開していたりする。

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    2021年06月30日
  • 蓮の数式(分冊版) 【第4話】

    ネタバレ 購入済み

    算数障害って初めて知りました。

    まだ4巻までしか読んでないけど次はどうなるのか続きが楽しみです。算数障害って初めて聞いた言葉に惹かれて読み始めましたがこれから二人がどうなって行くのかとても楽しみです。絵も暗めでこの物語に合っていると思います。小説が原作になっているとのことですが機会があったら読んでみたいです。

    #ダーク #切ない #深い

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    2021年06月17日
  • 雪の鉄樹

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    本のタイトルから想像する情景をわざと裏切るかのように、最初のページを読み始めると、そこには夏がある。

    祖父が経営する曽我造園の庭師として働く曽我雅雪は、どうやら7月7日に何かがあるらしい。
    ーあと何年。あと何日。
    その日を指折り数えるかのように繰り返される雅雪の心の声のつぶやき。彼が心待ちにしているのか、話が随分進んでも分からない。それが彼にとって一体どのような存在であるのか、知らないのは読者であるわたしと、赤ん坊のときに両親を亡くして祖母と二人暮らしの遼平だけだ。
    遼平はずっと雅雪に面倒をみてもらっている。それなのに、なぜか雅雪を激しく憎んでいる。遼平の両親の死に雅雪が関係しているようなの

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    2021年06月01日
  • 冬雷

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    因習が支配する横溝的地方都市で、入り組んだ人間関係に翻弄される少年の悲劇。読み始めると巻を措けなくなる、力のある作だけれど、主人公の代助の境遇はきつすぎて、読むのが辛いとも感じる。とは言え、これだけはっきり救いのあるラストは遠田作品としては珍しい気もする。

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    2021年05月16日
  • 蓮の数式

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    今まで読んだ遠田作品の中では一番好きかも。
    遠田作品は基本暗くて重いから、読み終わった後にもう読むのやめようと毎回思うけど、なぜかまた手に取ってしまう。
    本作が一番好きと思ったのは新藤賢治という救いがあったからかな。
    相変わらず結末は悲しいけど、読後感は悪くない。

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    2021年05月01日
  • アンチェルの蝶

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    中学校の同級生、藤太、秋雄、いずみ。それぞれの家庭にある絶望が3人を結びつけて、将来の希望を探していこうとする。作者はこの小説を、一度人生を捨てた男の再生の物語だとしたのこと。暗い重苦しい話は衝撃の結末までどんよりとして晴れないまま、最後の展開は派手だが人生の再生はできたと言えるのか。

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    2021年04月29日
  • 雪の鉄樹

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    前半は、ただひたすらに耐える男雅雪の過去が分からず、重苦しい不安を抱えながら読み進める。
    すぐに自分を悪者にして、謝ることで物事を対処する雅雪にもやもやするが、そんな雅雪に優しくも厳しい言葉をくれる人が周りにいてくれるのが救いだ。
    過去の出来事が語られ始めてからは、物語が動き始め、どんどん引き込まれていく。
    個人的には、簡単に感想がまとめられない、色々な思いが胸の中に溢れる作品だった。

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    2021年04月17日
  • 冬雷

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    ネタバレ

    よく練られたお話だし、巫女とか鷹匠とかビジュアルが脳内でわきやすくて漫画になったら綺麗だろうなとか、久しぶりに『それから』を読んでみようかな、とか色々盛り沢山の思いがあるのだけれど、いかんせん、じっとりねっとりした暗さがしんどかった。

    緑丸をみろりまるって言ってた翔一郎ちゃんが可愛いのにあんなことになって、可哀想で……。
    愛美ちゃんがホントにムリ。
    妄想日記が怖くて斜め読みしか出来ず。
    もう誰も信じられない~って気持ちに。
    最後にちょっとだけホッと出来て良かった。

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    2021年02月26日
  • 冬雷

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    遠田潤子は期待を裏切らない。
    この作品もよく練られたストーリー、プロットにいろいろな愛を絡ませた秀作だった。
    古い習慣に縛られた町の閉塞感の中、もがく若者達の姿がいたいたしいほどに描かれていて、早く先を読みたい衝動に駆られる作品だった。

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    2020年12月25日
  • 蓮の数式

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    不妊は病気ではないと思うが治療で苦しむ千穂が、算数障害という病に苦しむ透と結びつく。辛い人生の中でどうやって生きる意欲を見つけていくかという旅をしているかのような物語だった。スリリングというよりは、ドロドロとした粘っこいストーリー展開が胸に刺さる。文庫化で書き直したという終章はちょっと違和感ありかしら。

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    2020年12月08日
  • 蓮の数式(分冊版) 【第1話】

    購入済み

    厳しい内容ですが読ませます。

    子供が産めないこともあり夫と義母に蔑ろにされ続けている主人公が、計算能力のみに障害のある青年と知り合います。全編ギスギスドロドロした人間関係の中で、緊張感のあるストーリーが展開しますので、読んで楽しい内容ではありませんが、中々に惹き付けられます。

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    2020年11月04日
  • アンチェルの蝶

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    父親が営む居酒屋「まつ」を継ぎ、客とはほとんど口をきかない藤太と、幼なじみで弁護士の秋雄の二人がずっと想いを寄せていた、いづみ。
    中学を卒業以来、音信不通だった秋雄が、小学生の少女を連れて現れた。
    その少女は、ほづみ。いづみの娘だった。

    時代や環境もそうだが、やっぱり子は親を選べない。
    いづみは、藤太との淡い思い出だけを大切に辛い環境を生きてきたのかと思うとやりきれなくなる。
    ほづみが来てから、まつの常連客も、店の中も何より全てに壁を作ってきた藤太が、少しずつ変わっていくのが良かった。
    数年後は、小綺麗になったまつで、忙しく手を動かす藤太と、ハンチングや常連客に、バレエの話を聞かせているほづ

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    2020年10月30日
  • あの日のあなた

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    初読みの作家さんです。暗く、苦しい作品なのですが先が気になって止められなくて一気に読んでしまいました。別の作品も読んでみようと思います。

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    2020年10月19日