遠田潤子のレビュー一覧

  • 雪の鉄樹

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    久しぶりの遠田潤子だけど、変わらぬドロドロだな。北上次郎さんが1/24に亡くなりました。本作も北上次郎氏が解説を書いていて、それが信頼の証です。3.8

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    2023年01月28日
  • 冬雷

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    昔の因習が残る港町が舞台というだけでおどろおどろしい設定だが、作者が描く暗くてどんよりした空気が全編に広がる。そんなに背負い込まなくてもいいのにと思いながらも抜け出せない、振り切れない人々の心情が哀しい。ちょっと強引なストーリー展開もあるが終章でほっとする話に纏まったのは悪くない。

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    2023年01月24日
  • ドライブインまほろば

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    ★4.5
    途中までは満点。ラストがややご都合主義でうまくまとまりすぎたハッピーエンド。人、殺してますけど…。そんな幸せでいいんですか?
    伊坂作品のフーガとユーガみたいな、銀河と流星。どちらも虐待にあって深い絆で結ばれているけど、本作の双子は人に迷惑かけているぶん感じが悪い。それぞれ事情を抱えた登場人物たちの寂しさが共鳴しての十年池の魅せるファンタジーだった。

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    2023年01月23日
  • 廃墟の白墨(はくぼく)

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    ネタバレ

    まったくもって暗い。遠田潤子が紡ぐ物語はいつも凄絶で暗い。なのに吸い寄せられるように読みはじめてしまうのです。

    病床の父親宛てに届いた手紙を無視できず、指定された場所に出向く息子。そこにはかつて父親と同じビルに住んでいた男たちが集まっていて、その全員が最上階に住む艶めかしい大家と寝ていたという。

    大家の惚れ込む男をクズだと言うけれど、ほかの男たちだって負けないぐらいのクズ。大家の幼かった娘の心配をしたところで罪滅ぼしにはならない。

    誰も好きになれないのに読むのをやめられません。自らを赦すために死のうとする男たち。償おうにも償う相手はこの世にもういないとは。苦しい。

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    2023年01月12日
  • 雪の鉄樹

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    通称たらしの家。
    祖父と父が日々、代わる代わる女を連れ込む。
    そんな家庭で育った主人公。

    造園業を営む家系だが、祖父は親方として、父は上司として。仕事以外での会話はない。

    ネグレクトの祖父、ネグレクトの父の元で育つ。

    二十歳の頃から13年間、両親のいない男の子の面倒を見続ける。その男の子の祖母から屈辱的な日々を送る日々。

    その裏にある贖罪。

    登場人物は少ないが、それぞれが際立ち、構成も含め熱量が尋常ではない。

    始まりから中盤までは、主人公の過去はまだ語られず、中盤からの展開が怒涛だ。

    絶望した時に出る人間性、贖罪という詭弁、親切という偽善。善人が必ずしも正しいわけではない。

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    2023年01月10日
  • 銀花の蔵(新潮文庫)

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    よくあるような一人の女性の波瀾万丈ながら最後はハッピーエンド的ストーリーかと思ったら、ほんのりとミステリーの要素もあり、いい意味で期待を裏切られた。
    毒親って、虐待とか分かりやすく酷いことをする親だけではなく、色々なタイプがあるんだなぁ、と思った。

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    2022年12月02日
  • アンチェルの蝶

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     う~ん。ウ~ン。
     小説は本当に起こりそうなことを書くフィクションだというけれど、この小説に出てくる、“酒”“暴力”“ギャンブル”に溺れ、子供を子供とも思わない最低な親は世の中に沢山いるかもしれないが、いずみちゃんほどひどい目に合い続ける子は本当にいるのだろうか。そう思う時点で、私は葉山和美弁護士のように世間知らずなのかもしれない。
     舞台は大阪の南のほう。暖簾も壁も何年も掃除していない油ギトギトの場末の居酒屋<まつ>。店主は足を引きずり、客は堅気かどうか分からないような最低の客ばっかり。店主であり主人公の藤太は「どうせこんな店」「自分はいつ死んでもいい」と思いながら、生きるために、ずっと店

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    2022年08月14日
  • 雪の鉄樹

    ネタバレ 購入済み

    分かるけど…

    雅雪の気持ちは分かるけど、ちょっとそこまでするのは逆になぁ。許せないと言うのは娘夫婦が亡くなったことに対してじゃなくて雅雪のそこまでの態度に対してじゃないのかなぁ。

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    2022年06月29日
  • ドライブインまほろば

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    子供の頃に受けた虐待は続くのか、、もしそうであれば悲しい。どこかで断ち切って欲しい。、、少年は施設に行き敬語が消え打ち解けて話すようになった、、奨学金で大学に行き弁護士を目指すという、、途中、辛くなったが最後まで読んで良かった。

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    2022年05月28日
  • 廃墟の白墨(はくぼく)

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    初めて読む作家さんです。
    救いがあるような、無いような。そんな物語でした。
    ミモザは前向きになれたんだと思いますが。
    面白かったです。

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    2022年05月08日
  • 廃墟の白墨(はくぼく)

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    遠田潤子『廃墟の白墨』光文社文庫。

    ファンタジックな一面を持つ、ハードでミステリアスな不思議な小説。少しずつ明らかになる過去に起きた事件の真相。後半の予想外の飛び道具で物語の世界は一変するのだが、もっと違う方法で展開を変えた方がしっくり来たようにも思う。

    遠田潤子の小説では珍しく、グルーヴの効いたジャズの演奏がいきなり飛び込んで来たド演歌のメロディーで転調するかのような違和感を感じた。

    病床で死を目の前にする父親の元に届いた黒板に白いチョークで画かれた薔薇の絵の写真と不可解な手紙に導かれ、和久井ミモザは大阪の廃墟のようなビルに辿り着く。ビルの中に住む正体不明の3人の男がミモザに語る父親と

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    2022年03月18日
  • アンチェルの蝶

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    ネタバレ

    飲み屋を営む藤太の元に中学まで仲の良かった友人、秋雄が少女を連れて訪ねてくる。短い会話の後説明もなく少女を置いて去っていった秋雄。過去に何かあったはずだが最初はまだ明かされない。
    ただ生きてるだけ、投げやりな生活を送る藤太。少女と過ごす共同生活を経て少しづつ心に変化がおき少女の為に生き方を改善しようと明確に決意したときは安堵の声が漏れるほど藤太に感情移入していた。
    そして少しづつ明かされる過去の凄惨な出来事。
    藤太と秋雄といずみ、毒親の元でも3人 心寄せあって生きようとしていたのに、、その父親たちのあまりの人でなしさに言葉を失った。読み終わった後もずっと考え続けてる。なにかもっと救われる方法が

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    2022年03月14日
  • 冬雷

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    読むにつれ、どんどん物語に引き込まれていく。
    自分では逆らうことのできない運命に翻弄されながらも、誠実に生きる大助。
    今後の人生をどうか幸せに生きてほしいと願わずにはいられない。

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    2022年02月04日
  • 蓮の数式

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    人の想いもその想いの受け取り方も思うようにはいかなくて、すれ違ったり誤解を生んだり、重なって重なってある日悲劇がおこる。遠田潤子さんの作品は崖っぷちを歩く人がたくさん出てくるのでいつも胸が痛い。

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    2022年01月30日
  • カラヴィンカ

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    歌詞のない旋律を母音のみで歌う「ヴォカリーズ」の歌手である実菓子。
    彼女の自伝のインタビュー相手として選ばれたのは青鹿多聞。

    何か妖しさを漂わす実菓子に対して拒絶する多聞。

    2人は、幼い頃同じ家で育ったのだが…
    インタビューが、進むにつれて明らかになっていく多聞さえも知らなかった自分の出生の秘密。
    実菓子の行方不明となっていた母の最期。

    終盤に進むにつれて明らかになっていく事実に唖然となる。
    悍ましさだけではなく、凄絶な愛憎劇である。

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    2022年01月17日
  • 雪の鉄樹

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    しんどい本だった。描かれる登場人物ほとんどの人の人生が不遇すぎる…。それなのに誠実であろうとして、必死で、なのに幸せになれないっていう状況。終始息苦しいのに、気になって読むのを止められない、すごいしんどい本だった。幸せに一歩踏み出せそうなラストで本当によかった。

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    2021年11月24日
  • カラヴィンカ

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    藤屋の次男・多聞が主人公で過去を語る
    どんな展開になるのかわからず読み進むしかない
    斧屋の実菓子との関係も徐々にわかりだし
    そして先が気になりとまらなくなる
    そんな感じでした
    終盤の展開もあり楽しめました

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    2021年10月17日
  • オブリヴィオン

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    『雪の鉄樹』の後に読んだ作品。主人公は相変わらず自縛し、自虐に苛まれる男性だが、前作の主人公よりは、その考えや在り方が理解できる。
    遠田さんの物語は、箱庭のようだ。狭い世界で、少ない登場人物が行ったり来たりしている。物語を展開するには、箱庭に暮らす人々が様々な背景を負わなければ行けない。だから、一人ひとりの人生/描写が自然と重く、深くなる。
    かと言って、スケールが小さいということではない。これほどまでに人々を深く書き込むことができるのは、作者が登場人物の生をともにする、つまり命を削るようにして作品へ向かう姿が見える。
    物語はなかなか動かないが、焦らずじっくり読ませる作家さんだと思う。
    浅く軽い

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    2021年08月17日
  • 雪の鉄樹

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    ずっと読みたかった本。
    少しずつ語られ明らかになる過去はあまりにも重苦しく、それでも続きが気になり手が止まらない。
    何故?何故そこまでして?と、全てを知りたくなる中毒性も含む、愛を知らない男が人生をかけた壮絶な物語だった。

    絶対的な安心感や安らぎを幼少期から与えられないまま成長し、一般的な常識を知らず、他人との関わり方も知らず、独りで生きてきた男が彼女と出会って惹かれ、「人間にしてもらった」。
    初めて自分を見てくれた。
    初めて関心を持ってもらえた。
    そんな温かい目を向けてもらった事がなかった。

    疎まれ、蔑まれ、好奇の目にさらされながらの13年という年月はあまりにも長い時間であったが、身代わ

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    2021年08月16日
  • カラヴィンカ

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    重層的に入り組み、要約するのも簡単ではない悲劇に、慈しみ合っている多聞・不動・実菓子の三人翻弄されて、傷つけ合うことになるのは、いつもの通り。けれども敵役からの非難されるのだが、この三人、ホントに自分たちだけで完結していて、いい意味でも悪い意味でも、他人に興味がない。抜き差しならない悲劇は、実は彼らの外側で展開していたりする。

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    2021年06月30日