遠田潤子のレビュー一覧
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購入済み
厳しい内容ですが読ませます。
子供が産めないこともあり夫と義母に蔑ろにされ続けている主人公が、計算能力のみに障害のある青年と知り合います。全編ギスギスドロドロした人間関係の中で、緊張感のあるストーリーが展開しますので、読んで楽しい内容ではありませんが、中々に惹き付けられます。
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父親が営む居酒屋「まつ」を継ぎ、客とはほとんど口をきかない藤太と、幼なじみで弁護士の秋雄の二人がずっと想いを寄せていた、いづみ。
中学を卒業以来、音信不通だった秋雄が、小学生の少女を連れて現れた。
その少女は、ほづみ。いづみの娘だった。
時代や環境もそうだが、やっぱり子は親を選べない。
いづみは、藤太との淡い思い出だけを大切に辛い環境を生きてきたのかと思うとやりきれなくなる。
ほづみが来てから、まつの常連客も、店の中も何より全てに壁を作ってきた藤太が、少しずつ変わっていくのが良かった。
数年後は、小綺麗になったまつで、忙しく手を動かす藤太と、ハンチングや常連客に、バレエの話を聞かせているほづみが居て欲しい。
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森二が刑務所を出た日、塀の外で二人の「兄」が待っていた――。
自分を責め、他者を拒み、頑なに孤独でいようとする森二。
うらぶれたアパートの隣室には、バンドネオンの息苦しく哀しげな旋律を奏でる美少女・沙羅がすんでいた。
森二の部屋を突然訪れた少女・冬香の言葉が突き刺さる──「私、あの夜のこと、憶えているんです。
あなたは私の目の前でお母さんを殺しました」。
森二の「奇跡」と「罪」が事件を、憎しみを、欲望を呼び寄せ、人々と森二を結び、縛りつける。
更に暴走する憎悪と欲望が、冬香と沙羅を巻き込む! 森二は苦しみを越えて「奇跡」を起こせるのか!?
はい!始まった瞬間から遠田先生ワールド炸裂です(*^-^*)
刑務所を出た日、いなり二人の兄が外で待っている。
本当の兄と、義理の兄。
何なんだーーーーこのシチュエーションはっ!!!
遠田先生ならではの書き方。もう最初は本当に何が何だかさっぱりわからない。
どういう状況なんだー。コイツは何者なんだーーー!?
それがページを追っていく毎に、次第に全貌が明らかになってくる。
しかし、遠田先生の描く主人公は、色々な人が居るが、
やっぱり「いい人」(*^-^*)
遠田先生の描く「いい人」感。とても好きだなぁ~。
この本も序盤からガッツリ掴まれ、平日あまり読書をしない私も続きが気になってついつい夜中に目が開いたタイミングで読み進めてしまったりした。 -
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大阪で鷹匠として働く夏目代助。ある日彼の元に訃報が届く。
12年前に行方不明になった幼い義弟・翔一郎が、遺体で発見されたと。
孤児だった代助は、日本海沿いの魚ノ宮町(おのみやまち)の名家・千田家の跡継ぎとして引き取られた。
初めての家族や、千田家と共に町を守る鷹櫛神社の巫女・真琴という恋人ができ、幸せに暮らしていた。
しかし義弟の失踪が原因で、家族に拒絶され、真琴と引き裂かれ、町を出て行くことになったのだ。
葬儀に出ようと故郷に戻った代助は、町の人々の冷たい仕打ちに耐えながら、事件の真相を探るが……。
遠田先生独特の走り出し。
周りが何も分からないまま、今起きている事件の様子だけが分かる。
代助の過去の回想から、次第に全貌が浮き上がってくる。
この人が、こう繋がるのではないか!?真相はこうなのではないか!?
新事実が判明する度、頭の中は妄想の渦(笑)
雪の鉄樹ほどではなかったが、十分楽しめる物語だった。
読みだすと止まらくなってしまうのは、さすがの筆力。 -
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ネタバレ第1回未来屋小説大賞受賞作。
物語は2016年に孤児の夏目代助30歳が、18歳の時に養子として暮らしていた家に、弟だった千田翔一郎の遺体がみつかり、葬儀に出席するところから始まります。
18の時まで代助が養子だった千田家は冬雷閣という市内でも最も大きな家であり、養父であった千田雄一郎はやり手の実業家と鷹匠としての顔を持っていて、11歳の時まだ子供のいなかった千田夫妻に引き取られた代助は鷹匠となるべく、会社も継ぐべく、数年間育てられました。
雄一郎の弟の倫次の婿入りした加賀美家は神社で、家の女性は代々、巫女として一生を終えるしきたりでした。
その家の娘で代助の従姉妹にあたる真琴は代助と懇意になりますが、二人はいくら仲がよくなっても、家柄上、結婚はできません。そして一生離れることもできないという間柄でした。
そして、代助が15歳の時に、雄一郎と妻の京香との間に実子の翔一郎が生まれます。
代助は自分の立場を悟り、厳しい雄一郎からは高校卒業後は家を出るように言われます。
そして倫次から、事情を察して「家の婿に来ないか」と言ってもらい、さんざん迷ったあげく、代助は真琴と生きていく道を選びます。
そして翔一郎が三歳になりますが、代助と最後に過ごしたあと、行方不明になります。
皆に疑われる代助。
しかし、翔一郎は見つからず、証拠がありません。
雄一郎は代助に「出ていけ」と言い。倫次からも見放され代助は真琴を連れて町を出て行こうとしますが、真琴は代助との約束を破りついてはきませんでした。
なんだかすごい、昼メロのようなすごい展開のお話だと思いました。
他に、代助のストーカーの愛美やその兄で不良の龍なども登場します。
ページをめくる度に、新たな近親者の新局面の展開があり横溝正史っぽくもあり、すごいストーリー展開で、おどろおどろしい話だと思いました。
でも、最後は希望のみえるラストでほっとしました。 -
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ネタバレ冬雷館の男が鷹を飛ばし
鷹櫛神社の女が舞う
小さな村のたったそれだけの古い慣習に縛られる大人たちと
そんな大人たちに縛られる子どもたち
犯人に察しはついた状態でも
そこに行き着くまでの
代助たちの幼少期、事件が起きるまで、
12年後に全ての解に辿り着くまでのストーリーが楽しめて
寝る間も惜しんで一気読み
だけど、作者の意図とは異なるだろうけど
自分は
結局ぜんぶ愛美が悪いだろって思ってしまう
愛美が代助に横恋慕しなかったら
例え代助が冬雷館を追い出されたとしても
真琴と結婚できたし
翔一郎は死ななかったし
多少の遺恨はあっても利もあって
ここまで拗れる事はなかっただろうに
愚鈍な女、
空気を読まずに周囲に迷惑をかけるタイプが嫌いだから
そう思ってしまうんだろうけど
話は面白いのに、愛美の出るシーンだけ
始終イライラしっぱなし
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妻を殺害し、出所したところから物語は始まり、なぜ殺したのかわからないまま、進行していきます。過去を振り返りながら、読み手はそれまでの空白の時間を徐々に知ることになります。罪に苛まれながらも生きなければならない人達の痛みや再生が描かれていて、なぜそうなったのか理由を知りたいと思いつつ、グイグイ引き込まれました。
要となるのは、妻を殺害した動機です。それにより、翻弄される登場人物達が描かれていて、骨太な作品になっていました。
全体として、陰湿な雰囲気を醸し出していました。実の兄や妻の兄、娘の昔と今の変貌ぶりに冷酷さが加わって、主人公の目線に立つと、絶望という文字が浮かび上がり、この先どうなるんだろうと気持ち重めで読んでいました。
隣人の女性も加わり、とにかく女性陣の存在感が凄かったです。これが映画だったら、助演賞を獲るのではと思うくらい、発揮していて、より物語を引き立たせていました。
もちろん男性陣も引き立っていますが、特に陰の部分が際立っていました。ゲス野郎ばかりで、良い意味で腹が立ちました。
後半になると、様々な真相が段々とわかってくるのですが、その事実がため息をつくくらい、残酷なことばかりでした。
それでも生きていく登場人物達には、頑張ってほしいと思いました。それまで、淀んでいた気持ちだった分、最後は冷たさの中に温かみを感じたような気持ちになれました。 -
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ネタバレ個人的に、雪の鉄樹より好きだった。
はじめ、状況がほとんどわからない状態から始まって、藤太とほづみの危なっかしい関係にハラハラさせられる。
居酒屋「まつ」の客と、ほづみ、藤太の三者が、どんどんいい関係を築いていくのと裏腹に、過去の事実が明らかになっていくのが切なかった。
ラストは息を飲むし、涙も止まらなかった。遠田潤子さんの作品を読むのはまだ2作目だけれど、2冊とも、ちょっと自分には考えられないくらい悲惨な人生を歩んでいる人たちばかりが出てきて、感受性が追いつかないことだけが悔しいし、自分の甘さを思い知る。「それでも」生きていく人間の強さを感じる反面、「それでも」生きるしかない人間の辛さから逃げれない作品。 -
Posted by ブクログ
ここのところ、本を手にとってみてもあまり盛り上がらず挫折していたが、
久々にヒットだった。
遠田先生は好みの作風だが、これはなかなか良かった(*^-^*)
雪の鉄樹ほどではないが、何も分からない状況から物語が始まり、
次第に全貌が明らかになってくる手法は、そうだと分かっていても期待感が増してくる。
居酒屋「まつ」を経営する藤太の元へ、中学時代の同級生 秋雄 が少女 ほずみ を連れてくるところから物語が始まっていく。
秋雄とは誰なのか?何者なのか?ほずみとはどういう子供なのか?
全く分からないところから物語は少しずつ進んでいく。
過去の回想、現代、次第に解き明かされていく事実。
絶望の中でも、希望を見出していく少年。
痛い描写が苦手な私には、かなり厳しいところもあったが、全体通して飽きることなく読み進められたので★★★★(*^-^*)
暫く読書スランプだったが、また読みだしてみようかという気にさせてくれた。