遠田潤子のレビュー一覧

  • 蓮の数式

    Posted by ブクログ

    長い不妊治療と子なしをいたぶる姑、愛のない行為、抑圧された結婚生活。
    ディスカリキュア数字障害と無国籍、いじめと無関心。
    親切という名のお節介を通り越した善意の押し付け。
    親から必要とされていない寂しさをどこで解消するのか。
    肉体の距離感と精神のつながり。
    産めば満足?
    物凄く濃ゆい問題のカオスが最後は澄み渡った感じ。
    人間って難しいね。揺れ動く。人の気持ちは分からない。でも信じたい。守りたい。蓮の花をベースにする事でドロドロの内容が浄化されるイメージが持てているのか。

    0
    2020年08月03日
  • オブリヴィオン

    Posted by ブクログ

    遠田さんの小説は、設定が重く救いようがないものが多い気がします。
    この主人公も、最愛の妻を自分で殺してしまい、兄はヤクザ、育ってきた家庭も荒れすさんだ家庭でした。
    重苦しい展開の中、次はどうなるのかと気になり、読み進んでしまいました。
    自分だけは自分自身でいることをあきらめちゃいけない、と思える本。

    0
    2020年07月14日
  • オブリヴィオン

    Posted by ブクログ

    妻を殺害し、出所したところから物語は始まり、なぜ殺したのかわからないまま、進行していきます。過去を振り返りながら、読み手はそれまでの空白の時間を徐々に知ることになります。罪に苛まれながらも生きなければならない人達の痛みや再生が描かれていて、なぜそうなったのか理由を知りたいと思いつつ、グイグイ引き込まれました。

    要となるのは、妻を殺害した動機です。それにより、翻弄される登場人物達が描かれていて、骨太な作品になっていました。

    全体として、陰湿な雰囲気を醸し出していました。実の兄や妻の兄、娘の昔と今の変貌ぶりに冷酷さが加わって、主人公の目線に立つと、絶望という文字が浮かび上がり、この先どうなるんだろうと気持ち重めで読んでいました。

    隣人の女性も加わり、とにかく女性陣の存在感が凄かったです。これが映画だったら、助演賞を獲るのではと思うくらい、発揮していて、より物語を引き立たせていました。
    もちろん男性陣も引き立っていますが、特に陰の部分が際立っていました。ゲス野郎ばかりで、良い意味で腹が立ちました。

    後半になると、様々な真相が段々とわかってくるのですが、その事実がため息をつくくらい、残酷なことばかりでした。
    それでも生きていく登場人物達には、頑張ってほしいと思いました。それまで、淀んでいた気持ちだった分、最後は冷たさの中に温かみを感じたような気持ちになれました。

    0
    2020年06月20日
  • カラヴィンカ

    Posted by ブクログ

    まんま解説のとおり、読まされてしまった。
    遠田作品は重くてしんどくなるので、ここのところ敬遠してたけど、何故かまた読んでしまった。笑
    やっぱり重くてしんどい話だったけど、あれよあれよと読まされて、なんだかんだで今後も気になる作家さんの一人だなと。
    ごんぎつね、何十年ぶりかに思い出したらせつなくなった。

    0
    2020年06月13日
  • オブリヴィオン

    Posted by ブクログ

    『雪の鉄樹』『アンチェルの蝶』『オブリヴィオン』と立て続けに読んだ。どれもすごくおもしろい。
    徐々に明かされる秘密と衝撃の事実。そしてかすかな希望が見えるラスト。ページをめくる手が止まらない…のだけど、テーマ、人物のキャラが同じすぎて、おなかいっぱいになってしまった。
    壮絶な生い立ちを背負った主人公。ろくでなしの親との確執。過去の傷。ピュアな子ども。救いの音楽…。
    3作品の主人公たちが、3人で1つの人格に思える。キャラが一緒。
    でも、作品ごとには読み応え充分で完成度も高いのだ。もうまもなく文庫化する『冬雷』も買ってしまうだろう。

    0
    2020年03月28日
  • アンチェルの蝶

    Posted by ブクログ

    遠田さんの作品は、本当に登場人物の境遇が激しい。
    実際にこういう世界はあるのだろうか?
    普通の当たり前の暮らしがいかに幸せか思い知った。
    待つだけでは幸せは手に入らない。
    あの結末になる前に、動いてほしかった。
    読み終わりは悲しい。

    0
    2020年03月27日
  • カラヴィンカ

    Posted by ブクログ

    『鳴いて血を吐く』の改題とのこと。

    であれば、体力のある時に再読するか…

    感想の言葉を書けないまま、だけれど星は4つ。
    魔的な力がある。

    0
    2020年03月18日
  • アンチェルの蝶

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    個人的に、雪の鉄樹より好きだった。
    はじめ、状況がほとんどわからない状態から始まって、藤太とほづみの危なっかしい関係にハラハラさせられる。
    居酒屋「まつ」の客と、ほづみ、藤太の三者が、どんどんいい関係を築いていくのと裏腹に、過去の事実が明らかになっていくのが切なかった。
    ラストは息を飲むし、涙も止まらなかった。遠田潤子さんの作品を読むのはまだ2作目だけれど、2冊とも、ちょっと自分には考えられないくらい悲惨な人生を歩んでいる人たちばかりが出てきて、感受性が追いつかないことだけが悔しいし、自分の甘さを思い知る。「それでも」生きていく人間の強さを感じる反面、「それでも」生きるしかない人間の辛さから逃げれない作品。

    0
    2019年10月20日
  • アンチェルの蝶

    Posted by ブクログ

    ここのところ、本を手にとってみてもあまり盛り上がらず挫折していたが、
    久々にヒットだった。

    遠田先生は好みの作風だが、これはなかなか良かった(*^-^*)
    雪の鉄樹ほどではないが、何も分からない状況から物語が始まり、
    次第に全貌が明らかになってくる手法は、そうだと分かっていても期待感が増してくる。

    居酒屋「まつ」を経営する藤太の元へ、中学時代の同級生 秋雄 が少女 ほずみ を連れてくるところから物語が始まっていく。

    秋雄とは誰なのか?何者なのか?ほずみとはどういう子供なのか?
    全く分からないところから物語は少しずつ進んでいく。
    過去の回想、現代、次第に解き明かされていく事実。
    絶望の中でも、希望を見出していく少年。

    痛い描写が苦手な私には、かなり厳しいところもあったが、全体通して飽きることなく読み進められたので★★★★(*^-^*)

    暫く読書スランプだったが、また読みだしてみようかという気にさせてくれた。

    0
    2019年04月28日
  • あの日のあなた

    Posted by ブクログ

    相変わらずの遠田節炸裂。思い出したように読みたくなる。本作もそういう意味では軽く及第点。その一方で、同じ系統にちょっと飽きてきたかもしれないのと、多少の粗が気になるのとで、絶賛高評価!って訳にはいかんかった、個人的に。諸事情はさておき、やっぱり主人公たる私と、その母親に対する仕打ちはあんまりぢゃなかろうか。完璧だった父親にも暗い過去やらはあった訳で、その成長過程とかが示される中で、納得していくべきことなんだろうけど…って感じ。とはいえ、他作品においても、偏屈なまでの自己理論で過去を背負う者たちが語られている訳で、本作が特別成り立っていないのではない。結局、個人的にもう、この世界観に慣れてきてしまっているのが一番の原因かも。でもまだ読むけど。

    0
    2019年03月05日
  • カラヴィンカ

    Posted by ブクログ

    遠田潤子の3冊目。
    雪の鉄樹 アンチェルの蝶と評判につられてつい読んでは後悔が続き 今回ほんとに迷ったけど また読んじゃった。
    だって 面白くないわけじゃないし 上手いのは間違いないんだもの。ただ おもーくて くらーくて ヘトヘトになるし 読後感どんよりになるだけで 笑。
    ドロドロした血 家族 狂気 憎しみ 恨み まさに遠田ワールド。なにが この人にこういう話ばっかり書かせるのかなぁ 笑。
    それでも3冊の中では カラヴィンカが1番好きかも。
    読後感が1番軽めだし。
    またきっと次も読むな きっと 笑。

    0
    2019年01月01日
  • カラヴィンカ

    Posted by ブクログ

    アンチェルの蝶も面白かったがこちらも甲乙つけ難い。錯そうする情と思惑があらゆる人々を不幸にしていく。ハッピーエンドとはいかないがあの二人のこれからに救いが見えたのが良かった。
    あらすじ(背表紙より)
    歌詞のない旋律を母音のみで歌う「ヴォカリーズ」の歌手として絶大な人気を誇る実菓子。彼女の自伝のインタビューの相手として選ばれたのは、売れないギタリストの青鹿多聞だった。なぜ実菓子は、多聞を指名したのか―2人は幼い頃同じ家で育ち、さらに実菓子の夫は、多聞の亡兄だったからだ。インタビューが進むにつれ、明らかになっていく、おぞましく哀しい出来事。その真実が解き明かされた時、新たな事件が起きる。

    0
    2018年10月08日
  • 蓮の数式

    Posted by ブクログ

    先の展開が気になって一気読み。
    結末は物悲しくて気持ちもすっきりしないけれど、行き着く先で幸せになれることはない展開だったから致し方ないか。

    0
    2018年09月22日
  • カラヴィンカ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    重い。閉鎖的な村で、封建的な旧家が2軒。

    大人たちの最低な振る舞いにむかむかする。でも、読むのをやめられない。

     多聞はちょっとお人好しすぎやしないか。
     

    0
    2018年08月18日
  • 蓮の数式

    Posted by ブクログ

    このストーリーはなかなかキツい。世の中には普通では分からない病気がある。そういう知識がないと、その人を救おうと一生懸命になればなるほど話は複雑化する。却って追い詰めてしまい皆んなが不幸になるかもしれない。

    0
    2018年07月31日
  • 蓮の数式

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    10年間不妊治療をしている主人公・安西千穂。高圧的な夫、口うるさい義母、精神的に追いつめられた千穂と高山透との運命の出逢い。透が送ってきた人生があまりに痛ましい。お互いを補い合える二人が出逢ったのはまさに運命。哀しい結末、ラスト、事件から二年後、恵梨の近況と心情が描かれているが、それより千穂の心情を知りたかった。

    0
    2018年07月01日
  • アンチェルの蝶

    Posted by ブクログ

    救いが殆どない哀しい話だが、圧倒的な描写力にどんどん引き込まれる。とても女性の作家さんが書いたとは思えない骨太さ。罪人の末路と言えばそれまでだが、運命に抗う藤太の最期が眩しい。藤太は竹原ピストルさんをイメージしながら読んだ。

    0
    2018年06月18日
  • 蓮の数式

    Posted by ブクログ

    大人買いするほどは著作が出ていないため、マイブームになっているとまでは言えないけれど、まちがいなく今いちばん惹かれる作家です。

    見初められて身分違いの結婚をした千穂。玉の輿に乗ったはずが、不妊のせいで姑と夫から嫌みを通り越して虐待を受けている。そろばん塾を経営する千穂は、透という若い男と知り合う。算数障害の透に親身になる千穂を見て、浮気を疑う夫。一方、かつて殺人事件で妻を亡くした老人は、殺人犯の息子で死んだはずの少年・麗の面影を持つ透を見かけ、麗と透が同一人物ではないかと考える。

    引き込まれ度という点では満点です。主要な登場人物に心から共感できる人柄は出てこないのに、千穂と透の逃避行の行く末がどうなるのか気になり、途中で本を閉じることができません。算数障害というものも初めて知りました。

    人は、自分の測りでしかものを見ていない。幸せか不幸せかも本人しかわからないこと。障害に対する無理解に気づかず、いかに自分の尺度でおせっかいを焼いていることか。心に闇を抱える人の役に立てるはずだとの思い込みが、時にその人を苦しめているのだと痛感します。また、報道は必ずしも真実ではないということ。本当にわかってくれている人がわずかでもいればいいんだろうか。辛すぎて、厳しすぎて、読後は呆然。それゆえ、引き込まれ度は満点だけど、好き度の点では悲しすぎてマイナス。

    蓮の花がポンポンと音と立てて咲くシーンだけが美しく目に浮かぶ。

    0
    2018年05月14日
  • 蓮の数式

    Posted by ブクログ

    主人公の名前や悩み、職業まで自分に似てるところが多くて、書店でちょっと立ち尽くしてしまった…。

    長編ですが、はらはらするストーリー展開、明らかになっていく謎、そしてちょくちょく挟まれる濡れ場のおかげで、中だるみなく読めます。
    ほんとよくセックスする…この男…。

    最近読書から遠ざかってたんですが、やっぱ本読むの楽しいな!って思えたきっかけの本です。

    0
    2018年05月05日
  • 蓮の数式

    Posted by ブクログ

    こんなヒドイ夫や姑との生活によくも耐えたものだ。
    大体、夫婦のことにそれ以外の人が口出しすること自体おかしいと思う。姑が一緒でなければ、もっと早くにこのおかしな生活に気づけたのかも。
    逃げ出すことは正解だと思うけれど、その手段はちょっとね〜。それほど追い詰められていたということか。
    自分のことを受け入れてくれる人がいるということが心の支えになるのかもしれない。

    0
    2018年04月29日